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    新書

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    DOODLE司ブラ
    ※女性司令と区別するために司ブラ表記を使ってますが左右にこだわりが無いです。
    し、CPじゃないかもしれない…。+かも…。まだふわふわです。

    10期でミラトリじゃないチームのメンターをしていた元ヒーローの男性司令です。
    その司令って思ってきくと、ブの「司令の協力なくしては…」てボイスめっちゃいいと思うんですけど、どう!?

    新書メーカーのはこっち→https://twitter.com/mr64t/status/1466045958861455360
    「冷える前に部屋へ戻ろう」

     スキーグローブを外した左手を差し出され、私は思わず固まってしまった。

    「手を繋いでくれるのか?」

     彼の行動が私の思っている通りなのか尋ねれば、自分と変わらない位置にあるマゼンタが伏せられ、彼は差し出した手を引っ込めようとする。

    「……気を悪くしたのなら」
    「いいや」

     何か続けようとしたブラッドの言葉を遮り、手をとる。きんと冷えていた私の指に、じんわりと彼の体温が広がった。
     気を悪くするなんてとんでもない。そんな風に思わせてしまうとは、まだまだ私もブラッドとの信頼関係が築けていないな、と、ルーキー研修でメンターを務めた最初の世代として、少しばかり反省をする。
     グローブで温められていた手は、己のそれより少しだけ細く、滑らかで、日頃から指の先までケアの行き届いている彼らしかった。
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    AmatsuBmb

    DONE守ってあげたいDomなモと、構って欲しいsubなチェのどむさぶパロです。
    前半モ視点、後半チェ視点。

    画像(新書ページメーカー版)はツイッターで↓
    https://twitter.com/AmatsuBmb/status/1424922544155414530?s=20
    https://twitter.com/AmatsuBmb/status/1432684512656310281?s=20
    Dom/subユニバースなモクチェズ***

    「私たちもそろそろ、パートナーになることを考えませんか」

     二人が生活するセーフハウスの一室でなされたチェズレイの提案に、モクマは思考も動作も停止した。
     夕食を終え、二人は並んでソファに座っている。時折晩酌に付き合ってくれる相棒に、今日は酒は無し、と言われていたので、何か大事が話があるのだろうと思ってはいたのだが。
     パートナー? 俺たちは、すでに唯一無二の相棒だと思っていたのだが、違ったのだろうか。落胆しかけてすぐに、いや、違う意味なのだとわかった。

    「……おじさん、これでもDomなんだけど」
    「それが何か問題でも?」
    「へっ? ってことは――お前さん、subだったの!?」
    「ええ」

     男や女という身体的あるいは精神的な性別の他に、人間は第二の性別をもつ。それが、DomとSubだ。一般的に、Domは支配したい性、subは支配されたい性、と理解されている。欲求が満たされない状態が長く続くと、Domもsubも抑うつ症状などの体調不良を起こすため、特定のパートナーがいない場合は、一時的なパートナーとの行為に及ぶか、抑制剤を服用する場合が多い。
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    すぺ2

    DOODLE若利くんお誕生日に思いついたネタなんですが、なんか、薄暗い…?いや。めっちゃハートフルハッピーエンドのつもりで書きました。
    新書メーカー背景付きで投稿しましたが、なんか読みにくかったので
    Dear… 牛島家にはいつからかサンタが夏にやって来る。
     ある日の夕方、牛島若利がバレークラブから帰ってくると、玄関に両手で抱える程度のダンボール箱が置かれていた。差出人の名はなく、『若利へ』という右上がりのメモが貼られている。
     玄関まで出迎えに来てくれた母を見上げると、母は若利に小さく頷く。
    「季節外れですが、サンタさんが来ました。若利にだそうです。手を洗ったら開けてみなさい」
     何の疑問を感じないのか、若利はただ素直にこくりと頷く。そぉっとそのダンボール箱を持ち上げると、大きさの割には軽く感じられた。
     中身がなにかさえも分からないので、若利はそれを慎重に持ち運び、洗面台の足元にそっと置く。それからいつものように固形石鹸を丁寧に泡立て、爪の中まで丁寧に洗った。いつでも乾いた清潔な物がかけられているタオル掛けのタオルで丁寧に指先までしっかりと水分を拭き取ってから、もう一度若利はダンボールを抱えて居間に向かう。
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    palco_WT

    MAIKINGフィルター みんぐと王子と。
    新書メーカーでTwitterにあげたやつ。https://twitter.com/palco87/status/1337402360893587456
    災害や内乱などで壊れ、復興しかけた場所を、ずっと撮って回っているのだと彼は言った。それこそ世界各地を。
     もし行けるなら、近界だっけ、向こうの世界もフィルムに収めてみたいな、と子どもみたいな笑顔で男は笑った。
     壊れかけ、修復のまだただなかにある風景で、そこで生きていく人たちの姿を、一枚の銀塩に写し取る。三門市までやってきた男が、そのモデルに選んだうちのひとりは、意外なことに水上だった。


     風が吹き、春の予感をはらんだほのかな温もりをともなった風が、ばさばさと屋上に佇み、警戒区域を見下ろす水上のバッグワームをはためかせる。本来、トリオンではない物理法則の影響を受けないバッグワームが風に揺れるのは、それが換装体ではなく、生身に隊服をまとい、更にバッグワームを模したマントを羽織っているからだった。
    「なんで、彼なんですか」
    「色気かな」
    「色気?」
    「そう。一秒後には自分を害してしまいそうな危うさって言ったらいいのかな。不意に気まぐれで、線路やビルの屋上から飛び降りてしまいそうな」
    「確かに、ぼくたちの防衛任務《しごと》はとてもじゃないが安全というものではありませんが、彼はそこまで捨て 931

    palco_WT

    DONEいっそ恋なら

    弓場×嵐山。原作時間軸より一年~二年くらい前。
    Twitterに新書メーカーで流したやつ。https://twitter.com/palco87/status/1321870729906774016
    知り合った高校の頃から、アポなしで遊びに来る時は、必ずメールなりメッセージアプリなり電話なりで連絡してくる男だった。
     嵐山准という人間は。
     だが今にして思えば、広報部隊という任を背負ったあたりのことだったろう。突然、独り暮らしの弓場の部屋を「少し、いいかな」と訪れて、途中のコンビニやファストフードで買ってきたらしいジャンクフードを手土産にして、その癖自分は全然それに手をつけず、弓場が淹れてくれた紅茶を黙って啜って、空になったら「また」と出ていく。そんなことが何度かあった。
     そして何度目かに気づいた。「突然悪いな」といつものボーダーの顔で見せているものよりもどこか影の薄い笑顔を浮かべて、玄関口に立つ嵐山の、僅かに濡れた襟足や彼が絶対まとわないコロンか、トワレか、とにかく高校生の男子には相応しくない香りに。
    「悪かねェーから、いい加減きっちり事情《ハナシ》聞かせろ。……迅や柿崎《ザキ》も呼ぶか、おい」
     それはよしてくれるかな、とそれでも笑顔を崩さないのは、いっそ立派と言えただろう。
     弓場が嵐山から引き出した「事情」はだいたい想像の通りだった。それだけ、陳腐な話ではあった。あくまで 2907