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    独白

    歩/零

    TRAINING洋三ワンドロワンライ 5/5「かさぶた/火をつける」

    ※洋→←三
    ※三に自分は相応しくないと思っている洋の独白
    ※三はほぼ出てきません
    ※流血表現あり
    建物と建物の間の路地、喧嘩するにはうってつけのような場所に壁に寄りかかって座り込んでいる。周囲はここで誰かが暴れましたよと言わんばかりの散らかりようで、逃げて行ったやつらの痕跡といえば勝ったもののちょっと立てそうにない自分と、血の付いた刃物だけになっている。
    無意識に手で押さえている脇腹が熱い。ガキの喧嘩で刃物なんか出してくるんじゃねえっつんだよ。

    別に調子が悪いわけではなかった。いやうそだ、少しぼーっとはしていた。気温とか空気感とか色々とあまりにもあの日と似通っていて、望んでもいないのに壊れたビデオテープのように何度も彼の顔を繰り返し思い出していた。
    注意力が散漫になっていたのだろう、ぶつかったぶつかってないのありがちな諍いは、ヒートアップする前に相手の数人のうちの一人から上がった「お前水戸だろ」の声を発端にあっさり殴り合いに切り替わった。どこで買ったか覚えていない恨み――というよりただの逆恨みから始まった小競り合いは結果としてどいつも大した事はなかったが、粘着そうな雰囲気をした一人が刃物を持ち出したことにより空気が一変した。
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    torua_e

    DOODLE最初から最後までモブ男の独白です。
    よくある「お前の好きなやつ寝とったから!ざまあみろ!え?!どうしてもっていい人捕まえてんだよ!くっそー!」系の展開をアルカヴェで出来ないかと思って書いた文です

    ・設定
    教令院時代設定。アルハイゼンがモブ女に気があると思ったモブ男が、アルハイゼンからモブ女を奪おうとして、アルカヴェを見せつけられる。
    馬鹿にして笑えよ僕は教令院に通う男子学生のモブ太郎。顔と身長は中の上、成績は中の中、家柄は由緒正しき学術家庭だ。普通と思ったか?天才の集う教令院で成績の中間を収めることは、それだけで非常に大変なことなんだぞ!
    そんなことよりも大変なことが起こった。
    僕と同じクラスにいる学年のマドンナ的存在のモブ美に、最近お気に入りの男が出来たんだ。
    そいつの名前はアルハイゼン。僕と比べて、少し身長が高く、少し成績がよく、顔は……まぁ人それぞれ好みがあるだろう。しかし性格は僕の何倍も悪いやつだから、総合的には僕の方が優れている。
    アルハイゼンは基本的に昼休憩になると、ふらっと姿をくらませる奴なのだが、最近は何故か休憩時間になってもどこにも行かずに、ただ黙々と本を読んでいるんだ。そしてそんなアルハイゼンに優しく慈愛の心で声をかけたのがマドンナのモブ美だ。
    1997

    tontorotoror0

    DOODLEお題 巡航 ぶどう スイーツ(笑)
    S視点です、現パロの前世の独白のようなものです。「スイーツ(笑)」は私が決めたんじゃないです単語ガチャでほんとに出たんです。最近続き書きたくて毎日明日が待ち遠しいです。
    えんどれすくルーザー お見舞いのぶどうを食べた、小さくてすっぱいぶどうだ栄養足りてねえから食ってんだって気がするぶどう。口の中がひっぱられる。実家にいたときに食べたぶどうはひとつぶひとつぶが手のひらいっぱいの大きさの甘ったるい粒だった。それを思い出したのはエースのせいだ、おれのぶどうはふたつ。思い出させるだけ思い出させてとっとと死んじまいやがって。
     小さなテレビの画面を消し、冷蔵庫を開ける。とうめいのプラスチックのカップの中に炭酸といっしょにうかべてみる。弾けるぶどう。毎日があわ。あわ。消えるおれの記憶は歯切れよく消えきる。
     おれは誰の記憶の中にどんな顔して居座ってたんだろう、ひとのよさそうな笑顔はたくさんしたけど苦手だった。死ぬかもしれない。死にたくない。開きっぱなしの冷蔵庫の中のひかりが点滅した。消えたら死ぬ。かもね。死んだらいいかもね。死んだら次もサボだ。おれだけが繰り返す。ルフィもエースもいないのに苦しいのも辛いのも痛いのも寒いのも。ぶどうの皮が弾ける。おれの左の皮はいつも裂ける。どこにだっていけるのにどこにもいけない。備え付けの冷蔵庫を閉めて点滴を外し、ベッドに腰かける。
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