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    真剣

    tang_brmy

    PAST立衣都/吏衣都の、吏来さん目線のおはなし。CP未満の二人が飲みに行って恋について話す回。
    吏来さんは衣都ちゃんに「好きになりそう」と言ったりしても、実際には一線を引きそうだな〜というところからの妄想です。二人の恋愛観を大いに捏造していますのでご注意を。
    吏来さんは過去に大きな喪失を抱えていそうだけれど、その人と今の恋をする相手を比較することなくいつだって真剣に恋してる人であるといいな。
    earnestness「付き合って貰っちゃって悪いね」
    「いえ、こちらこそ。夕飯をどうしようか迷っていたので、誘って頂けて嬉しいです」
    「そう? 俺としては、衣都にそう言って貰えて嬉しいよ」
     笑い顔を浮かべた吏来が衣都の向かいの席に座った途端、スマートフォンから呼び出し音が鳴った。
    「……」
     鳴り続けるコールに、マナーモードにしておかなかったのは失敗だったと吏来が眉を寄せたのを、彼女は見逃さなかった。
    「どうぞ、出て下さい」
    「すぐ戻る。ごめん」
     吏来は一旦席を立つと店外に出て、ため息をひとつ。それから通話ボタンをタップして、相手に煩わしさを気取らせないよう手短かに会話を切り上げた。

     席に戻る前に、店内を興味深そうに見回す衣都の姿を遠目から観察する。
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