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    社会人

    すすき

    DONEブラカイWebオンリー連動企画参加作品。
    連動お題「先輩」「後輩」
    通常お題「手紙」

    大学生ブラッドリーと社会人(ぽくないけどそのつもりで書いた)カインの話です
    あれはどこだと聞かれて、そういえば今日ブラッドリーが来た目的はそれだったなと思い出した。来年の必修で使う教科書代わりの本。必ず購入するようにと言われるものの大学生にとってはかなり痛い出費だ。担当教授の著書なので買わないで済ますという選択肢も取れず、それ故、先輩から後輩へと資料が引き継がれるのが慣例だった。
    カインが在籍していたころから変わらぬ習慣にうれしくなって、ブラッドリーに譲る約束をした。家に取りに来ると言うから、それなら連休を取るから二人で過ごそうとも言った。まさかベッドから起き上がれなくなるとは思わなかったけど。
    ぐずぐずに蕩けたままの頭と体では本を取り出すことさえ難しくてクローゼットを指さすことしかできなかった。いつも通りの足取りでベッドから降りる背中に何か言いたいのに、当たり前みたいに差し出されたペットボトルに言葉が詰まって黙り込むしかできなかった。冷蔵庫から取り出されたばかりの水が汗だくの体に染み込んでいく。シャワーを浴びたいなと思ったが、さすがにまだ無理そうだとため息を吐いた。
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    ちゃぼ

    DOODLEトレケイオフィスラブの話
    ※現パロ社会人
    現パロ社会人トレケイ ケイト・ダイヤモンドは営業職員だ。成績もよく、いろんな顧客を持っていた。そのため中には面倒くさい客もいて、その日はそのことで支社の総務担当のトレイから営業所に電話がかかってきていた。
    「俺もその会社の件で関わってるから何か協力できないかと思ってな」
    「あはは!大丈夫、オレが何とかするって」
     支社といえど同じビルのフロア違いだ。こんな近い距離で電話なんかしているのが何だかおかしくて憂鬱だったケイトの心は晴れた。
     似たような年に入社しているトレイとケイトだが、顔くらいしか合わせたことがない。初対面の挨拶で互いに敬語ではなくなったが、研修のグループワークは別の班だったりとあまり接点はなかったのだ。しかし最近になってこうやってたまに営業所に電話をかけてくるようになった。ケイトとしては気晴らしになるので嬉しいが、どうせならメッセージアプリでやりとりをしてくれれば楽なのに、と思うことがある。とはいえ二人は連絡先を交換しておらず、なんとなくタイミングを逃したままになっていた。ケイトはそれをむず痒く思うが、交換しようとは言い出せなかった。
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    歩/零

    TRAINING洋三ワンドロワンライ 4/21「今は好きさ」

    ※大人よみつ(イメージは社会人×プロバスケ選手)
    ※水戸の過去ふんわり捏造
    ※あまり明るくないです
    アラームを必要としない休日の朝、身体の欲求に任せるまま休息を摂り自然と目を覚ました。ゆるく何度か瞬きをした視界の中で、遮光カーテンと壁の隙間から侵入した薄ぼんやりとした陽の光が朝だと告げている。
    肌触りの良い毛布が心地良い温度を提供してくれているのとは別に、横向きで寝ている己の身体に巻き付いている体温に気が付く。寝床を共にするのなんて一人しかいないが、僅かばかり顎を引いて視線を胸元に落とすと水戸が胸元へ顔を埋めるように潜り込んで静かに寝息を立てていた。
    昨夜は真逆に自分が抱き込まれて眠りに就いたはずだったがどうやら夜の間に逆転していたらしい。穏やかな寝顔に頬が緩む。

    付き合いたての頃の水戸は今からでは考えられないほど眠りが浅く、また短かった。それを聞かされた時、本人はすでにその体質を受け入れて久しかったらしく、「そういうもんだから気にしないで」と笑っていたし、一度本当に大丈夫なのかと確認した時は「三井さんの寝顔見てると寝つきが良い気がするんだよね」などと恥ずかしげもなく言うので、セックスをしてもしなくても遠慮なくその腕の中で先に寝付いていた。まぁ遠慮云々を抜きにしても水戸の家で水戸の匂いに包まれていると安心してすぐに瞼が重くなってしまっていたのだが。
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