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    一方的

    pa_rasite

    DONEモブ狩人がルドウイークにクソデカ感情を一方的に寄せる話
    暴力表現有
    傾倒する狩人の話曇った窓ガラスに雨粒が伝う。重力に従い流れていくそれは自分の人生だ。いずれ父親の石膏細工の家業を継ぐだけのつまらない人生になるのだろうと、黒い革を重ねて繋ぎ合わせたグローブで窓ガラスを撫でる。だが、今日から雨粒が天に昇るように自分の人生も変わるのだとまだ若い狩人は確信していた。先日、祖父の代から続いていた石膏細工屋は廃業した。正しく言えば、家屋が潰されたのだ。家屋だけではない。ともに逃げ隠れていた老いた父と母までもを失った。黒い毛が逆立った金の目を輝かせた獣によって。だが、自分だけは生きている。
    吐いた呼気で窓ガラスが曇った。しかし憂鬱な呼吸には幾分の興奮も含んでいた。その視線の先には一人の狩人がいる。この市街に住む人間で知らないものはいないだろう。教会直属の狩人だ。そして自分は彼のおかげで生き延びたのだった。父の腹を裂き、母の首の骨を砕いた後、狙いを定めて歩み寄ってきた獣の腹を銃で撃ち抜き、一瞬の隙も与えぬ間も無く大剣で首を切り落とした。その剣技は鮮やかで少しの迷いもなく、月明かりのように鋭い一太刀が闇に閃いた。それを思い出すと脳に火照りを感じる。その熱は心臓にまで届き、異様な興奮に囚われる。熱に浮かされていると指摘されれば静かに頷くだろう。その興奮は自覚的でありながら静まることがない。この感情を言い当てるなら敬慕の他になかった。視線を窓ガラスから下ろし、装束越しに左腕を撫でる。革で作られた装束は分厚い。だが指で押すように撫でれば針で空いた穴がチクリと痛み、初めて教会の門を叩いた日のことを思い出した。
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    cheng_lyd

    DONE現パロside鯉登②
    杉元と鯉登が互いを一方的に認識しながら人生を生きている。途中モブが出てきます。中学生・高校生編。
    眉毛が変な男と傷が凄い男の話【side鯉登】
     
     ずっと気になっている男がいる。
    その者はいつも帽子を被っていて、身長は私よりも少し大きい。身体つきも何か運動をやっていたのか厚みもあり、ガタイもいい。
     パッと見は強面に見えるが、よく見れば男前な顔立ちをしている。誰にでも優しく、無類の可愛いもの好きでもあるようで周りからの評判も悪くない。しかし私の頭にずっと残っている理由は、そんなものなどではなく単にあの男の顔に走る大きな傷が目につくからなのだ。それしかありえない。
     
     私が初めてあの男を目にしたのは、確か私が中学生の頃だっただろうか。そう、あれは剣道の強化合宿に行っていた時だった。
     あの日は他の友人達と朝から集合し、合宿場所へ向かっていた。駅からマイクロバスで移動している途中、外を眺めている時だった。信号で停まった際に高齢のご婦人に手を貸している男が見えた。典型的な人助けをするやつもいるもんだと思いながら、なんとなくその男をじっと見つめていると、ふと被っていた帽子をあげた拍子に男の顔が見えた。
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