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    一方的

    もやし👁‍🗨

    Reuse Halloween2021年1月発行のモブ宗アンソロジーに掲載したものです。
    ゾンビものだったので今年のハロウィンに乗じて掲載します(公開期間は現時点で無期限です)。

    ゾンビで溢れかえった世界で宗くんと出会ったモブの話です。

    モブ宗ですがモブが一方的に宗くんのことを好きなだけの全年齢、ちょっとみか宗要素があるかもしれませんが原作程度の信頼関係です。

    死ネタ&原作キャラのゾンビ化の示唆があります。
    夢ノ咲・オブ・ザ・デッド! ガコン、ガコン。疲労で重くなった脚を引きずりながら鉄筋造りの外階段を一歩一歩上がっていく。十一月の風が全身を通り抜ける。途中、手に抱えていた紙袋の底が破け、中に入っていた缶詰が一つ落ちた。勢いよく階段を駆け下りていく缶詰を呆然と見つめた。残念だが、もう俺にあれを取りに戻るだけの気力はない。もともと引きこもりだった俺にはここ数日の肉体労働は完全にキャパオーバーだ。それでも懸命に、今日もここに帰ってきたのはこのビルの最上階で彼が待っているからだった。
    最後の一段を上り終え、扉を開く。もともとどこかの会社の事務所であっただろうその部屋の、一番南側に置かれているソファに彼ーー斎宮宗は横になっていた。かつてアイドルだったという彼の姿は、暗く汚れた室内にあっても気品が溢れており、肢体をだらりと投げ出して虚ろに天井を見つめている姿すらもまるで西洋の絵画のようだった。しかし、その顔は酷くやつれていて、目の下には深いクマが出来ていた。
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    nayutanl

    DONE物理的にめちゃ近距離感のオズとホワイトの話
    精神的にはオズが一方的に少し遠さを感じているような。
    これ(https://poipiku.com/3138344/6044179.html)の続きというか分岐という感じです。先に読んでおかないとちょっとわからないところがあるかも。
    キスをするけど親愛のそれです。でも、見るひとの感覚によってはわからないです。
    雪解けのキス 秘密はいつでも夜にあって、守られていた。朝になればそっとしまいこんで、スノウとフィガロの前では知らん顔をしてみせる。それでも同じ場所で暮らしていて気づかないわけがないから、見え透いた茶番のようだっただろう。
     しかし、それも昔のことだ。あのころよりもずっと大きく広い『家』のようなこの魔法舎で、多くの魔法使いと暮らし始めてからはあのころのようなことはなかった。互いに厄災の傷を負っている身であったし、それ以前に必要がなかったのだ。一人寝のできない子どもではないし、眠れなければその場でやり過ごせるだけの娯楽的要素が自室にはある。それゆえに、必要だけでなく機会も失われていた。
     けれども、何事も不意に起こり突然動き出す。オズは、膝のうえに乗ってきたホワイトを見やり、思った。遠すぎる過去を振り返ってみたが、やはりあのころのホワイトはこんなことはしなかった。彼もスノウも年長者の顔をして保護者気分で接してきていながらも、確かに君臨していた。たまに何ともいえない若作りしたようなことを口走ることはあっても、こんな幼子のような真似などしなかった。少なくとも、自分の記憶のなかには同じ光景はない。そんな気がした。忘れているだけであるという可能性も残っているので、断定するにはもう一手欠けるといったところなのである。
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    kaoru

    DONE【28】Phase XX
    保健室の先生・仁王×仁王のいる学校の校医・柳生というパロディ。
    まだ付き合ってないふたりの攻防(というか仁王が一方的にアプローチしてるだけ)
    テニラビの白衣D1を見てほぼ一日で突貫で書いた話。いろいろツッコミどころはあると思いますが、さらっと読んでいただければ。
    ※べったー2021.4.16から移行
    【28】Phase XX「ちょ、ちょっと仁王先生、何を……わっ……!」
     仁王は保健室に並んだベッドに向かって柳生の手を引き、ドンとその胸を押した。その反動で柳生はベッドに倒れ込む。
     仁王が無駄のない動作でベッドとベッドを仕切るカーテンをシュッと引くと、四方を壁と水色のカーテンで仕切られた狭いベッドはふたりだけの世界になった。
     呆気に取られて一瞬動作が遅れた柳生が逃げるより先に、仁王はひらりとベッドに飛び乗って柳生に覆いかぶさる。白いシーツのベッドに、柳生の着ている白衣がふわりと広がって、同じく仁王が着ている白衣も、柳生を包み込むように広がった。
     首元までボタンのしめられた柳生のシャツに、ブランド物のシンプルな柄のネクタイが紅く映えていた。きっちりと結ばれたそのネクタイに指をかけて引くと、上質の布でできたそれはしゅる、と微かな音を立てて解けた。
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