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    シリアス

    hibaru_q

    DONE【電子特異点4_Re/展示作品】
    既刊の宣伝を兼ねた書き下ろし小話です。
    原城は「はるのじょう」「はるのしろ」とも読み、春には今も桜が咲き誇ります。

    本もこんな感じの甘めほのぼの+少しシリアスな短編集です。ご興味ありましたら宜しくお願いいたします。
    パスワードはピクリエにて公開しております。
    天ぐだ♀/その心はまだ、春待つ庭に――そうか、皆いないんだった
    無機質な天井に向かって呟いた言葉が暗闇に吸い込まれる。
    年末年始、カルデアのサーヴァントたちはそれぞれの故郷へ里帰りをしていた。
    出立前に挨拶をとマイルームに入り浸るサーヴァントも数多く、ここ数日は毎晩お泊り会のような賑やかさだった。彼らが全盛期だった頃の思い出話は明け方まで尽きることなく。
    「マスター、良いお年を!」
    「うん、またね!」
    そして、祭りの後のように、空っぽになった部屋に静けさが訪れた。
    まるで、人類最後のマスター・藤丸立香はもう必要なくなったかのように。

    皆、自分に明確な悪意を持っているわけではない。
    言葉の端々から、彼らなりの気遣いを感じるのも確かだった。
    あの時は、何もできない自分に任せるしかなかった。それ以外に選択肢がなかったのだ。
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    みたまの倉庫

    MEMOなんか路線が変わってきた気がしますが、ギャグとシリアスは使い分けて頑張ろうと思います。
    冥婚四章

    私は馬鹿だ。この子達を困らせておいて、一緒にいたいだなんて。自嘲しながらこの場を去ろうとしたその時、腕が引かれる感覚があった。振り返ると、私の腕をぎゅっと掴むシャンデラと、進もうとする私の足を必死に抑えるモシちゃんがいた。
    「待って!」
    そう聞こえた気がした。無論、ポケモンが人の言葉を話す筈はないのだが。しかし、彼らのその瞳は待ってくれ、とでも言いたげに私を捉える。
    いいのだろうか。一緒に居たいだなんて私の我が儘を、この子たちに課してもいいのだろうか。涙ながらにシャンデラの元へ歩み寄ると、先程私がしたように、抱き締められ腕にキスを落とされる。一緒に居てもいい、ということだろうか。本当にいいの?と尋ねると、二匹は頷き私に飛び付いた。横にいるモシちゃんも私の腕にキスしたいのか、小さい手をぱたぱたと動かし口をもにょもにょさせているので、口元に指を持っていくと、何故かはむ、と食まれてしまった。スマホが圏外じゃなかったら動画撮ってたレベルの可愛さに思わず顔が綻んでしまう。目の前のシャンデラも、嬉しそうに微笑んでいるのがかわいらしく、今さっきまで私はこんな景色からも目を逸らそうとしていたのかと考えると、数刻前の自分をぶん殴ってやりたいくらいだ。
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    いしえ

    DONE甘いけど終盤シリアス。頭の回転の良い蔵馬や真面目な桑ちゃん相手に、樹はさぞかしたのしく話し甲斐があったろうなぁ、と感謝が止まらないですね…彼らのさいごのヒトとの関わりに華々しさがあるのマジで泣ける…
    忍が霊界に行く気なくて樹もそのつもりだったから霊界は死期が近くともイコール霊界に来る予定者リストには把握できてなくて、その意味でも忍が消息不明だったんだろうな。静かな風がさらうべく在るたましい尊い……
    さざなみが、寄せては引く/仙樹仙&ナル樹で樹のノロケシーンif/樹+蔵+桑(一瞬名前だけミノルも) 亜空間は樹を語り部に、静かな線香花火を、ぱちり、ぱち、とはぜさせる。ぱち、ぱちと、それは何の喝采もなく、静かに、しずかに、ちいさくはぜるのだ。それはちょうど、“仙水”の別人格について樹が語っていた時のこと。ナルという女性人格について、樹はこのように語った。
    「オレはよく彼女に悩みを打ち明けられ、そして慰めた。忍とカラオケに行くと、ナルはいつもひょこりと顔を出し、決まってオレに『守ってあげたい』をリクエストしたものさ。彼女はいつもうれしそうに、――そしてさびしそうに、オレの歌声に耳を寄せていたよ。彼女はたいてい『悪女』や『あの娘』を選び、歌いながらぼろぼろ涙をこぼしていた。オレはそんな彼女の肩を抱き寄せ、そして胸を貸していた。これからも、きっとそうするだろう」
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    slekiss

    DONE1主と2主の会話。カプ要素なし。やや重めのシリアス。
    ふたりの過去(特に2主)に関する多大な捏造を含んでいるため、何でも許せる方向け。
    現在では互いの口調は砕けてますが、過去は2主が丁寧語仕様。
    1主:シアン・ローズ。ツン要素多めの口悪い系ツンデレが基本だが、今回はツンもデレもなし。大人しい。
    2主:シオン・N・エルフィールド。何気に料理が得意。但し……

    以上を踏まえていれば読めるかと。
    Is it fun 新年あけましておめでとうということで、今日はさくら亭を貸し切ってささやかな新年会が行われていた。だが、ささやかなのはあくまで費用という意味であって、場の雰囲気という点では非常に盛り上がっており、目的としては概ね大成功というところだろう。
     シアン・ローズという人物は、こういった馬鹿騒ぎに積極的に乗る方ではない。かといってルーやイヴのように参加を渋るほどでもなく、その時の気分に非常に左右されるタイプであった。
     そして本日はそれなりに楽しもう、という気分であったらしい。最初のうちは話しかけてくる知己に相槌を打ちながら近場のものを適当に飲み食いしていたが、トリーシャやマリアといった盛り上がり好きが幅を利かせてくるようになると、そのテンションの高さにいささか辟易してきたようで、自分を気に掛ける視線がないことを確認してから、そっと席を立った。
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    香月あまね

    MEMO支部に放り込んだワンドロの雰囲気の大元となる『最近書いていたシリアス』の冒頭です
    ロイエさんとシャオくんの出会いから結末までを書きぬこうとしている最中
    長期戦勝負確定の為、ロイエさんがシャオくんに出会う前のシーンまでの公開に留めます
    この先の話の切れ目を探したら相当遠かった……
    続きが気になる方はX(Twitter)をチェックしていただければ、2024年中には出したい気持ちです
    この手に抱えた愛を【冒頭部分】- 1 『邂逅』 -

     真白い色へと覆われた大地を塗り替えるように、鮮やかな紅が散ってゆく。
     ──地上にも雪が降る、と言ったのは誰だっただろうか。
     その言葉に偽りは無い。但し、アークで見慣れた綿菓子や粉砂糖のような細やかな『雪』と、地上のそれは同じ名で呼ぶには些かはばかられるような気すらする違いを持つ代物だ。
     地上に降る雪は容赦なく生命の持つ熱という温度の全てを奪ってゆき、僅かな合間にも辺りを凍り付かせる、ある種生命の天敵のような存在であった。
     そんな極寒と共に吹き荒ぶ真白を、視界から打ち消すものと言えば、戦闘の合間に倒れ伏す者の体内から溢れ出る血液で。皮肉にも、雪の代わりに生命を奪った証とも言える液体の色が、真白で塗り潰された世界に唯一新たな色彩を加えるのだった。
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