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    7nanatsu8

    MEMO⚠️グロテスクな描写/過激な内容を含みます。苦手な方は閲覧を控えてください。⚠️
    鴨居百と鮭冬葉塩梅さんが一緒にお仕事をする小話です。(麋角解さん、夏代秋市朗さんの名前が出ます)
    鴨居百の百物語 冬のお仕事 母は肉屋のパートで働いていた。まだ仮面ライダーが好きだった頃、その母の少ない稼ぎを使わせてしまったおもちゃのライダーベルトをつけて、母が働く肉屋に遊びに行った記憶がある。
    お昼前の肉屋は誰も並んでいなくて、汚れたエプロンを付けたおじさんが「かぁちゃん中にいるぞ」と特別に中に入れてくれた事が、あった気がする。
    本当に朧気な記憶だが、確かそこで見たのだ。
    どうしておにくやさんにこれがあるの?と、確か俺はおじさんにそう聞いたような。
    気がする。



    「ーーイノシシの肉です」
    「......はえ」
    「復唱しなさいガキ。『イノシシの肉です』」
    「いの、イノシシのにくです」

    1畳はある広い調理台の上に置かれた塊肉。ぎらぎらとした無機質な無影灯の光に照らされたそれは、まだ骨がしっかり付いていた。大きな冷凍庫から出されたばかりの塊肉は表面に産毛の様な霜を下ろし、ある程度解体されているが、肉塊の真ん中を真っ直ぐ通る骨の柱、恐らく脊椎と思われる骨が、その肉塊が何であったかを物語っていた。
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