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    作家

    kyosuiii

    PAST【尾鯉・現パロ・特殊設定】
    同人作家尾形×女装コスプレイヤー鯉登のコメディなお話の続きです。

    女装してコスプレ売り子をしていた鯉登のもとにやってきたのは、なんと兄さあだった。人気アニメの女子のコスプレ姿、手には尾形の描いた同人誌…この状況を切り抜けることはできるのかーー!?

    キャラ崩壊甚だしいので何でも許せる方向けです。
    女装コスプレ狂詩曲<中編>「あ、兄さあ…?」
    「…音?」
     自分とよく似た特徴的な眉毛に白い肌、母によく似た目は見たことがないほど見開いている。おそらく自分も似たような顔をしているに違いない。どうして、兄がこんなところに。それよりも鯉登は今自分がどんな格好をしているかを思い出し、サッと血の気が引いた。リオンちゃんのコスプレをして、机の上には18禁の同人誌が並べられている。こんな状況でどう言い訳をできるというのだろうか。かくいう平之丞もパンパンになったトートバックを肩から下げている。しばし見つめあったのちに、先に口を開いたのは平之丞だった。
    「まさか、百野先生って音んことやったんか!?」
    「いや、そんた違うて。これは尾形が」
     うっかり尾形の名前を出してしまい、慌てて口を閉じる。しかし、平之丞の耳にははっきりとその名が届いていた。
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    kyosuiii

    PAST【尾鯉・現パロ・特殊設定】
    同人作家尾形×女装コスプレイヤー鯉登のコメディなお話です。

    女装男子としてコス活動している鯉登は、ある日尾形に垢バレする。黙ってほしければ言うことを聞けと脅されたその条件とは…
    即売会でコスプレ売り子をしろーー!?

    キャラ崩壊甚だしいので何でも許せる方向けです。
    女装コスプレ狂詩曲<前編> 投稿してから1時間、ツイッターを開いてみるといいねとリプライの通知がひっきりなしに更新されていた。
     『新作衣装:−−』 短い説明文に添えられた1枚の画像。セーラー風のプリーツスカートから覗く健康的な褐色の肌、きゅっとくびれたウエストを見せつけるようなヘソだし丈のブラウス。顔の上半分は加工されて見えないが、形のいい唇が妖艶に微笑んでいる。どう見てもコスプレをしている女性にしか見えないが、そのツイートには『#女装男子 #女装コス』のタグが付けられていた。
    <可愛い!><マジで男?><美しすぎる…>
     次々に送られてくるリプライを読みながら投稿主である鯉登はふふと笑った。
     鯉登音之進は女装にハマっていた。生まれついた性も自認している性も男ではあるが、可愛らしい服に憧れがあった。手先が器用なおかげかメイクはすぐに上達し、パッと見れば女性と見間違うほどの顔を作ることができた。あとは好みに合わせて衣装を着る。女性らしいポーズや体つきを意識しながら撮影した写真には自分でも驚くほどの美しい女装男子ができあがっていた。
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    fkm_105

    PROGRESS探偵をしている先生と画家のタルの話
    ※1920年代仏が舞台(一部捏造、矛盾あり)
    ※実際の国名が登場します(タ→露出身など)
    ※画家タと作家鍾の推理モノ
    ※シャーロック原典、BBCドラマ版のオマージュ、参考あり
    ※1フラン=200円
    レザネフォル   プロローグ


     受胎告知という題材がある。
     まさにオーソドックスで、かのレオナルド・ダ・ヴィンチですら描いた主題だ。例えば、この主題で描いた絵があったとしよう。その絵をタルタリヤの通う美術大学の全ての教授に見せたとして、彼らが見た途端に嫌な顔をする確率は、雑踏の中で雷に撃たれるよりも低いに違いない。つまり無難というのは便利である。だから、ああやって受胎告知が卒業展の最優秀賞を飾るのだ。
     


     ギャラリーの壁面に掛けられた絵画を眺めながら、タルタリヤは欠伸を噛み殺した。かれこれ三時間タルタリヤはスツールに腰掛けて、ああやって大天使ガブリエルと処女マリアの絵を眺めては、いい絵ですね、などと褒める身なりの良い男女を眺めている。タルタリヤはため息をついて、徐ろに窓外に視線をやった。窓外では昨晩から降り続いた雨が上がり、濡れた路面が雲間からこぼれた光を反射していた。今しがた通り過ぎた婦人のブローチは先月イリヤが発表した新作で、その向こうを歩く紳士の懐中時計は退役軍人に贈られる褒賞品だろう。受付デスクの中に隠したスケッチブックを取り出したタルタリヤは、左手に持った鉛筆を走らせる。路肩のタクシーや雨上がりの路面を写し、道行く人々を写せば、それは大仕事だった。ロマンスグレーの男性が歩く。それはつまり、そのツヤツヤとした飴色の革靴がその一歩ごとに輝きを変え、その男性の服の皺もまた変化した。退屈している暇がない。しかし、不意に窓外を横切った几帳面そうな男が、この時間を終わらせたのだ。木製扉が軋んだ音を立てて開き、かの男の長髪が揺れる。タルタリヤは咄嗟にスケッチブックをデスクの下に隠した。
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