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    青木

    kouyamaki

    DONEpixivに上げた「青木の選択」シリーズの続き。
    #9「悪計」

    悪戯の後、薪さんと青木がくっつくまでの話。他のシリーズとは別軸の2人です。

    福岡の土地勘無しで色々フィクションで書いています。おかしな点が多々あると思います。お目こぼし頂ければ幸いです。

    この話では季節はまだ冬です。

    このシリーズはあと1~2回で完結の予定です。お付き合い頂ければ幸いです。
    #9「悪計」 青木はクリスマス時期に取った休みを、予定通り消化しきれなかった。
     例年12月下旬に固まる予算案の決定がずれ込み、年越しとなった。来年度中は諦めていた分の研究計画予算をどさくさに紛れて計上すべく、青木は休みを切り上げて霞が関へ向かった。
     ここにきて、新しい省庁の設置が見込まれている。そこに新たな権益を確保すべく、警察庁もこどもに関する行政に急に積極的な姿勢を見せている。
     利用できるものは利用する。
     警察官僚出身の政治家へのレクチャーは、秋にミドリのもとを訪れた件の児童精神科医が協力してくれた。彼の計画への参画もほぼ確実となった。
     立場上、青木はミドリやつばき園の子供達には直接何もできない。せめてできるのは、子供達のその後を長期に渡って追う、この新たな研究計画を軌道に乗せることだ。
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    nyanpiyo_fumetu

    REHABILIカハフシ現世if、短編です。もし現世でカハが復活して青木家にいたら。この前後が続くかは未定。設定も曖昧ですが、復活したてのカハが書きたかったのです。ずっとこの3人で再会を分かち合ってほしいと思っていて、この作品になりました。いつもより更に捏ねくり回ったカハの脳内。本当はもっとストレートな子だと思います。
    邂逅 この場所は知っていたけれど、実際に畳の上に座るのは初めてで、フシが帰ってくるのを待ちながら、目の前にある畳の縁をじっと眺めていた。所在がないとは、まさにこのことを言うのだろう。
     この空間に漂う少し青い香りはとても懐かしくて、あぁヤノメに帰ってきたのだなと、胸がじわりと熱くなり既に僕は泣きそうだった。
     でも、本当に僕は、ここに存在しているのだろうか。まだ実感はない。
     これも単なる夢で、振り返るとこの風景もフシの姿も、煙のように消えてしまうのではないかと、そう思うとはっきりと目の前を見ることもためらわれて、やはり僕はただ何もない空間と畳の縁を交互に見つめるしかなかった。
     フシは台所まで何かを取りに行って、僕は一人居間の真ん中で背筋を伸ばして正座したまま、フシの帰りを待っている。
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