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TRAININGお題「紅葉狩り」いろどりさい終わりくらいの捏造話。アル空前提ですがあんまカプ要素ないです。くれーちゃんが元気な回。
いちばん綺麗なかたちをあなたに 容彩祭での仕事も終わり、あとはモンドに帰るだけとなったアルベドは、クレーとともに稲妻を巡っていた。
祭りの間あまり構ってやることができなかったクレーに、やっとまとまった時間が取れたから遊びに行こうかと手を述べると、幼い彼女は頬を紅潮させ、元気にその手を握り返してくれた。
そして本来はアルベドが先導する予定でいたちいさな手のひらは、思いのほか強くアルベドの手を握り、そのまま全力で走り出してしまう。はしゃぎっぱなしのクレーに半ば引きずられるようにしてやってきたのは、楓の木が連なった、緋木村にほど近い場所だった。
水の落ちる音を耳にしながら、一度アルベドの手を離したクレーは、燃えるような赤色に染まった葉を揺らす木の下へ進んでいく。アルベドも数秒遅れて、小さな背中に続いた。
1928祭りの間あまり構ってやることができなかったクレーに、やっとまとまった時間が取れたから遊びに行こうかと手を述べると、幼い彼女は頬を紅潮させ、元気にその手を握り返してくれた。
そして本来はアルベドが先導する予定でいたちいさな手のひらは、思いのほか強くアルベドの手を握り、そのまま全力で走り出してしまう。はしゃぎっぱなしのクレーに半ば引きずられるようにしてやってきたのは、楓の木が連なった、緋木村にほど近い場所だった。
水の落ちる音を耳にしながら、一度アルベドの手を離したクレーは、燃えるような赤色に染まった葉を揺らす木の下へ進んでいく。アルベドも数秒遅れて、小さな背中に続いた。
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TRAININGお題「誕生日」もしかしたらこんなお祝い?もあるかもしれないな〜という話
星の先にシュガー アルベドに送るプレゼントが決まらない――
悩みの種を持って早一週間。空は彼の欲しいものをプレゼントしたいと考え、あらかじめアルベドに「誕生日プレゼントに欲しい物はある?」と質問を投げていた。「あるなら教えてね」とも付け足している。するとアルベドから、
一日目は「ありがとう、考えておくよ」
二日目は「ああ、実験のあとに考える時間をとろう」
三日目は「野外の採集に時間がかかってしまって。これから考えるね」
……という調子で、明確なリクエストを得られないまま、四日目以降も似たような返事を貰い続けている。
空のことを疎かにしているのではない、というのはわかっている。実験で忙しいことも承知しているし、野外の採集はきっと珍しい植物か何かを発見したのだろう。知識に貪欲な彼のことだ、あれこれ調べていたら時間が経過していた、ということは想像に難くない。
2642悩みの種を持って早一週間。空は彼の欲しいものをプレゼントしたいと考え、あらかじめアルベドに「誕生日プレゼントに欲しい物はある?」と質問を投げていた。「あるなら教えてね」とも付け足している。するとアルベドから、
一日目は「ありがとう、考えておくよ」
二日目は「ああ、実験のあとに考える時間をとろう」
三日目は「野外の採集に時間がかかってしまって。これから考えるね」
……という調子で、明確なリクエストを得られないまま、四日目以降も似たような返事を貰い続けている。
空のことを疎かにしているのではない、というのはわかっている。実験で忙しいことも承知しているし、野外の採集はきっと珍しい植物か何かを発見したのだろう。知識に貪欲な彼のことだ、あれこれ調べていたら時間が経過していた、ということは想像に難くない。
アヲヰチ
DOODLEアル空 漫画愚行から生まれました↓
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TRAININGお題「夢」スメールの魔神任務ネタが含まれます。
多分アル空だと思う…あんまり明るくない…かも…。
生存センサーの誤作動「繰り返し同じ夢を?」
「うん。しかもそのことに気づかないから、抜け出すまで大変だったよ」
スメールでの出来事を、雪山にあるアルベドの拠点で話していた。お供にしているのはアルベドが煮込んでくれたコンソメスープ。以前にも食したものだが、今日の味付けにはスメールのお土産として持ってきたスパイスをふりかけたため、優しい中にも少し尖ったような香りが鼻腔をくすぐっている。好みが分かれると思い試してもらうまで不安だったが、アルベドも気に入ってくれたようで、彼のスプーンが進むのも早かった。
アーカーシャ端末を身につけた後、スメールシティで繰り返した夢の話をすると、アルベドは興味深そうな面持ちで詳細を求めた。彼はよく、空の旅の話を聞きたがる。今日も多分に漏れず、続きを期待する視線を向けられていた。
2173「うん。しかもそのことに気づかないから、抜け出すまで大変だったよ」
スメールでの出来事を、雪山にあるアルベドの拠点で話していた。お供にしているのはアルベドが煮込んでくれたコンソメスープ。以前にも食したものだが、今日の味付けにはスメールのお土産として持ってきたスパイスをふりかけたため、優しい中にも少し尖ったような香りが鼻腔をくすぐっている。好みが分かれると思い試してもらうまで不安だったが、アルベドも気に入ってくれたようで、彼のスプーンが進むのも早かった。
アーカーシャ端末を身につけた後、スメールシティで繰り返した夢の話をすると、アルベドは興味深そうな面持ちで詳細を求めた。彼はよく、空の旅の話を聞きたがる。今日も多分に漏れず、続きを期待する視線を向けられていた。
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TRAININGお題「仙霊」アル空でなんかほのぼのしてる話です 色々ふんわり
愛のあいさつ ウルマンから二体目となる仙霊を引き取ったのは、数日前に遡る。
ふよふよとしたゼリーのような透き通った球体は、パイモンと同じく空中を自由に動きまわっていた。エネルギーが不足していると存在が消えそうなほど霞んでしまっていたが、空が補給を手伝うと、ウルマンが集めている古鉄銭が埋もれた場所をいくつも探し当てては、不思議な鳴き声をあげて、空の周囲を得意げに飛び回っていた。
そうして過ごすうちウルマンが示す地図全てを探索し終えると、古鉄銭を集めてくれたお礼だと言って、特殊な瓶ごと仙霊を渡されたのである。
「今度の仙霊は緑色なんだね」
スメールの探索で共に行動していたアルベドが、空の周辺を漂う球体を目にすると「綺麗な色だね」と穏やかに微笑んだ。褒められた言葉がわかったのか、それともただの気分なのか、緑色はアルベドの頬に数回頬擦りをしてから、アルベドの肩口に落ち着いた。
1489ふよふよとしたゼリーのような透き通った球体は、パイモンと同じく空中を自由に動きまわっていた。エネルギーが不足していると存在が消えそうなほど霞んでしまっていたが、空が補給を手伝うと、ウルマンが集めている古鉄銭が埋もれた場所をいくつも探し当てては、不思議な鳴き声をあげて、空の周囲を得意げに飛び回っていた。
そうして過ごすうちウルマンが示す地図全てを探索し終えると、古鉄銭を集めてくれたお礼だと言って、特殊な瓶ごと仙霊を渡されたのである。
「今度の仙霊は緑色なんだね」
スメールの探索で共に行動していたアルベドが、空の周辺を漂う球体を目にすると「綺麗な色だね」と穏やかに微笑んだ。褒められた言葉がわかったのか、それともただの気分なのか、緑色はアルベドの頬に数回頬擦りをしてから、アルベドの肩口に落ち着いた。
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TRAININGお題「向日葵」アル空前提、くれーちゃんいたりしてほのぼの仕上がりです。
花の名前モンドでの依頼をこなした後、城下の正門近くでフローラに呼び止められた。パイモンが先にふわりと近づくと、彼女の両手でも余るような小さな袋が一つ、空に差し出される。
「これはなんだ?」
鼻先を近づけてくんくんと匂いを嗅ぐパイモンが怪訝そうな顔をしていると、「食べ物じゃないよ」とフローラはおかしそうに笑う。
「この間仕入れた種なの。向日葵っていう花が咲くんだ」
「ひまわり?」
「どんな花なんだ?」
空とパイモンがそれぞれに首を傾げていると、フローラの客らしいモンドの住民がプランターに近づいた。イグサを観察するように眺めた後で、フローラに視線を送ってくる。購入の意思を示すものだろう。気づいたフローラはすぐ客に駆け寄ろうとして、空とパイモンを振り返る。
3881「これはなんだ?」
鼻先を近づけてくんくんと匂いを嗅ぐパイモンが怪訝そうな顔をしていると、「食べ物じゃないよ」とフローラはおかしそうに笑う。
「この間仕入れた種なの。向日葵っていう花が咲くんだ」
「ひまわり?」
「どんな花なんだ?」
空とパイモンがそれぞれに首を傾げていると、フローラの客らしいモンドの住民がプランターに近づいた。イグサを観察するように眺めた後で、フローラに視線を送ってくる。購入の意思を示すものだろう。気づいたフローラはすぐ客に駆け寄ろうとして、空とパイモンを振り返る。
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MAIKING女装アル空話 パーティ当日のお話次回えちパート(予定)
Cutie magic5パーティ会場に通された空とアルベドは、案内をした男と別れて、本日の主役である人物を待っていた。
会場内にはクロスのかかった円形のテーブルが規則性を持って配置され、その上にはキャンドルや花の装飾、立食形式にはぴったりなあらゆる食事が広げられていた。鮮度の高そうな野菜、香ばしく焼かれた肉料理、宝石の展示でもされているかのようなデザート。ここにパイモンがいたなら端から端まで残さず全て平らげそうだなと、今は不在の小さな妖精を思った。
あまり目立たない場所にいようと決めた二人は、会場の中心から遠い壁際で待機していた。そろそろかな、とアルベドが豪奢な時計を見上げると、長針が12を指した瞬間に照明の一切が落とされて、代わりにスポットライトが扉の前を明るく照らした。ざわついていた声は途端消え失せて、どの人も見守るように、光の場所へ眼差しを注ぐ。
6313会場内にはクロスのかかった円形のテーブルが規則性を持って配置され、その上にはキャンドルや花の装飾、立食形式にはぴったりなあらゆる食事が広げられていた。鮮度の高そうな野菜、香ばしく焼かれた肉料理、宝石の展示でもされているかのようなデザート。ここにパイモンがいたなら端から端まで残さず全て平らげそうだなと、今は不在の小さな妖精を思った。
あまり目立たない場所にいようと決めた二人は、会場の中心から遠い壁際で待機していた。そろそろかな、とアルベドが豪奢な時計を見上げると、長針が12を指した瞬間に照明の一切が落とされて、代わりにスポットライトが扉の前を明るく照らした。ざわついていた声は途端消え失せて、どの人も見守るように、光の場所へ眼差しを注ぐ。
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TRAININGお題「クールビズ」掠っただけかもしれない……けどいちおう薄着にはなっているはず
アル空前提、ベドくんと騎兵隊長の話。
熱源はどこに?西風騎士団の主席錬金術師が使っている工房付近が、まるで暖炉の中で燃える炎のような熱さになっている。
とは、同じく錬金術師を名乗るスクロースからもたらされた情報だった。騎士団本部の執務室で書類整理を淡々と行っていたガイアは、なんとかできませんかと相談してくる丸いメガネの少女に、そうだなあと呑気に返答する。
「普段は雪山に引きこもってばかりいるし、たまには反対の環境に身を置いてみたいんじゃないか?」
「そんな適当な理由ではないはずです!」
アルベドのことを先生と呼ぶ至極真っ当な師弟関係――と思っているのは目の前の緑髪を揺らす少女だけだろうが――を築いている彼女がわっと喚くと、インクに浸したペン先を渋々置いて、わかったよとガイアは書類を投げた。
2986とは、同じく錬金術師を名乗るスクロースからもたらされた情報だった。騎士団本部の執務室で書類整理を淡々と行っていたガイアは、なんとかできませんかと相談してくる丸いメガネの少女に、そうだなあと呑気に返答する。
「普段は雪山に引きこもってばかりいるし、たまには反対の環境に身を置いてみたいんじゃないか?」
「そんな適当な理由ではないはずです!」
アルベドのことを先生と呼ぶ至極真っ当な師弟関係――と思っているのは目の前の緑髪を揺らす少女だけだろうが――を築いている彼女がわっと喚くと、インクに浸したペン先を渋々置いて、わかったよとガイアは書類を投げた。
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TRAININGお題「花火」アル空です。線香花火であそぶ二人。いろいろふんわりしてるんでふんわり読んでください…
#アルベドワンドロワンライ
えいえんはなび稲妻での任務を終えた空とパイモンが城下で宵宮に呼び止められたのは、夜に向かって走る太陽が橙に沈む頃だった。
パイモンと目配せをした後に明るい笑顔を振りまく宵宮の元へ駆け寄ると、「これ、良かったら使い」と細長い木箱を渡される。
何の文字も模様もない木箱を「爆発物じゃないよね?」と訝しむ空に、「そんなわけあるか!」と間を置かず宵宮からぴしゃりと跳ね返される。日頃花火を造っては打ち上げる彼女の生業を思うとつい……と苦笑で濁し、空はぱくりと箱を開いた。
中には、細長く一本の棒状になった和紙のようなものが六本入っている。上部は金魚の尾のようなひらりとした色鮮やかな広がりがあり、下部は先端へいくにつれ、黒く尖った鉛筆の芯のようになっていた。
3947パイモンと目配せをした後に明るい笑顔を振りまく宵宮の元へ駆け寄ると、「これ、良かったら使い」と細長い木箱を渡される。
何の文字も模様もない木箱を「爆発物じゃないよね?」と訝しむ空に、「そんなわけあるか!」と間を置かず宵宮からぴしゃりと跳ね返される。日頃花火を造っては打ち上げる彼女の生業を思うとつい……と苦笑で濁し、空はぱくりと箱を開いた。
中には、細長く一本の棒状になった和紙のようなものが六本入っている。上部は金魚の尾のようなひらりとした色鮮やかな広がりがあり、下部は先端へいくにつれ、黒く尖った鉛筆の芯のようになっていた。
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TRAININGお題「バカンス」長期休暇をとる、というところでしかお題に沿ってないかも。あとものっすごいうっっっ…すらアル空意識しています📝
#アルベドワンドロワンライ
新任務、(やや長期)休暇の取得ジンが呼んでいると、研究室のノックをしてきたスクロースの言葉に従って実験の手を止め、騎士団本部のエントランスに程近い部屋を訪ねると、デスクに肘をつき両手を組んだジンが、疲労を滲ませた面持ちでアルベドを迎えた。
「やあ、スクロースからキミが呼んでいると聞いたのだけど……何か問題でも発生したかな?」
たとえばどこかの湖で「どっかーん!」という無邪気な声と共に爆発音を聞いたとか、とやや遠い目をするアルベドに、そうではないがその心配は多少ある、とジンはため息をついた。
「問題というのは、アルベド。君の勤務時間についてだ」
「ボクの?」
「スクロース、それからティマイオスから話を聞いたんだ。ここ数ヶ月、まともに休みを取っていないと」
3474「やあ、スクロースからキミが呼んでいると聞いたのだけど……何か問題でも発生したかな?」
たとえばどこかの湖で「どっかーん!」という無邪気な声と共に爆発音を聞いたとか、とやや遠い目をするアルベドに、そうではないがその心配は多少ある、とジンはため息をついた。
「問題というのは、アルベド。君の勤務時間についてだ」
「ボクの?」
「スクロース、それからティマイオスから話を聞いたんだ。ここ数ヶ月、まともに休みを取っていないと」
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MAIKING女装アル空話 パーティ当日のお話 導入Cutie magic4そして迎えたパーティ当日。
玄関ポーチで招待状を見せると、一般のゲストが通る玄関ではなく裏口の方へと案内される。そこは日陰もあって薄暗く、正面玄関の賑やかさとはほど遠い静まり返った場所だった。裏口、と言われて、粗末な扉があるのだろうかと想像したがそんなことはなく、近隣の家々の玄関でよく見るタイプのものが嵌め込まれていた。こういう場所にも気を抜かないのが金持ちなのだろうかと、庶民感覚しか持たない空はぼんやりと思った。
案内役の男はひょろりと背が高く、燕尾服を纏っていた。精悍な顔をしているものの物腰は穏やで「本日はご足労いただき、ありがとうございます」と恭しく礼をしてくる丁寧さだ。かえって恐縮しそうになる空だったが、隣のアルベドが凛とした姿勢を崩さずにいてくれたため、冷静さを失うことはなかった。
3868玄関ポーチで招待状を見せると、一般のゲストが通る玄関ではなく裏口の方へと案内される。そこは日陰もあって薄暗く、正面玄関の賑やかさとはほど遠い静まり返った場所だった。裏口、と言われて、粗末な扉があるのだろうかと想像したがそんなことはなく、近隣の家々の玄関でよく見るタイプのものが嵌め込まれていた。こういう場所にも気を抜かないのが金持ちなのだろうかと、庶民感覚しか持たない空はぼんやりと思った。
案内役の男はひょろりと背が高く、燕尾服を纏っていた。精悍な顔をしているものの物腰は穏やで「本日はご足労いただき、ありがとうございます」と恭しく礼をしてくる丁寧さだ。かえって恐縮しそうになる空だったが、隣のアルベドが凛とした姿勢を崩さずにいてくれたため、冷静さを失うことはなかった。
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MAIKING女装アル空話 お着替えパートその2 次からパーティ当日のお話(予定)Cutie magic 3アルベドの準備もできたからと、空はリサに連れられて最初に通された部屋に戻った。下着もワンピースも着慣れていない上に、あまり高さはないとはいえこれまた履き慣れないパンプスが足元を飾っているため、いつもより歩行に時間がかかる。隣を歩いているリサといえば悠々としていて、空のつぶやく「女の子ってすごいですね」という感想に「そうねえ」と穏やかに返していた。
「義務で着飾る子もいれば好きで着飾る子もいるから、大変という加減は人それぞれでしょうけど」
「それでも慣れるまでは時間もかかりますよね? 靴だって、これ、きっと足が疲れます……」
「ふふっ、そうね。確かに、ヒールの高い靴は脚を綺麗に見せるけれど、対価には体力を差し出すかしら」
1991「義務で着飾る子もいれば好きで着飾る子もいるから、大変という加減は人それぞれでしょうけど」
「それでも慣れるまでは時間もかかりますよね? 靴だって、これ、きっと足が疲れます……」
「ふふっ、そうね。確かに、ヒールの高い靴は脚を綺麗に見せるけれど、対価には体力を差し出すかしら」
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MEMOアル空 現パロ メモ 会話文恋文の行方について好きです、空くんのこと。だから、これ、読んでください。
震える両手で差し出された、淡いブルーの封筒に込められた気持ちごと、空は受け取る。送り主を見送ったあとで教室に戻ると、魈が待っていた。
「また呼び出しか?」
「うん。……これ」
「……またか。……お前は、毎回受け取るんだな」
「魈は?どうしてるの?」
「我には心に決めている人がいる。応えられぬとわかっていて、受け取ることはしない」
「ふふ、君らしいね」
「……どうするんだ?」
「ちゃんと読むよ。それで、ごめんねって言う」
「律儀なやつだな」
あきれ半分にため息をつく魈に笑って、空は手紙を鞄にしまった。
「この手紙をくれた子が、自分だったらって考えちゃうから」
「……?」
1221震える両手で差し出された、淡いブルーの封筒に込められた気持ちごと、空は受け取る。送り主を見送ったあとで教室に戻ると、魈が待っていた。
「また呼び出しか?」
「うん。……これ」
「……またか。……お前は、毎回受け取るんだな」
「魈は?どうしてるの?」
「我には心に決めている人がいる。応えられぬとわかっていて、受け取ることはしない」
「ふふ、君らしいね」
「……どうするんだ?」
「ちゃんと読むよ。それで、ごめんねって言う」
「律儀なやつだな」
あきれ半分にため息をつく魈に笑って、空は手紙を鞄にしまった。
「この手紙をくれた子が、自分だったらって考えちゃうから」
「……?」
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MAIKING女装アル空話 お着替えパート ぜんぜんアル空の絡みないですCutie magic 2「今日からパーティの日までは服も着替えてメイクもして過ごしてもらうわ」
騎士団本部の二階。リサやジンが使う休憩室で、空とアルベドはにこやかに宣言してくる図書司書に無言のまま頷いた。
彼女は両手にそれぞれ色違いの紙袋を提げて、「こっちは可愛い子ちゃんの」「こっちはアルベドの」と二人に向かって差し出すと、「ひとまず中身を広げてみてちょうだい」と長机の方を指した。
目配せしあった空とアルベドはリサに言われるまま、紙袋から取りだしたアイテムを一つずつテーブルの上にのせていく。
どちらにも共通して入っていたのは、透明度の高い水まんじゅうのような、手のひらサイズのぐにぐにとした球体が二つ。よく見ると、空の物はアルベドの物よりも一回り大きいサイズだった。
2940騎士団本部の二階。リサやジンが使う休憩室で、空とアルベドはにこやかに宣言してくる図書司書に無言のまま頷いた。
彼女は両手にそれぞれ色違いの紙袋を提げて、「こっちは可愛い子ちゃんの」「こっちはアルベドの」と二人に向かって差し出すと、「ひとまず中身を広げてみてちょうだい」と長机の方を指した。
目配せしあった空とアルベドはリサに言われるまま、紙袋から取りだしたアイテムを一つずつテーブルの上にのせていく。
どちらにも共通して入っていたのは、透明度の高い水まんじゅうのような、手のひらサイズのぐにぐにとした球体が二つ。よく見ると、空の物はアルベドの物よりも一回り大きいサイズだった。
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MAIKINGアル空女装ネタ 導入 少しずつ進めていきますCutie magic 1「ここが会場かあ」
ジンに渡された地図を片手に、空は目の前の一軒家を見上げる。
外壁は構造材である木板を見せた白塗りの壁、煉瓦色の屋根には煙突が一本、天に向かって伸びている。二階にあるバルコニーにはアヒルの足の形をした蔦が、多すぎず少なすぎずの量でポールに巻き付いていた。
モンドでは一般的な、近隣にいくつもある民家とほぼ同じ造りの家だ。違う要素を挙げるならば近隣の家よりも敷地が広いことと、玄関ポーチにできている着飾った人間の列だろうか。パートナーにエスコートされる婦人もいれば、友人同士なのか、どこか浮き足だった女性だけのペアも何組か見かけた。そんな人々が並ぶポーチには門番のように構える背が高いスーツ姿の男が二人立っていて、列を成す人々が示すカードを確認すると、開かれた扉に向かって恭しく腕を伸ばしている。
3674ジンに渡された地図を片手に、空は目の前の一軒家を見上げる。
外壁は構造材である木板を見せた白塗りの壁、煉瓦色の屋根には煙突が一本、天に向かって伸びている。二階にあるバルコニーにはアヒルの足の形をした蔦が、多すぎず少なすぎずの量でポールに巻き付いていた。
モンドでは一般的な、近隣にいくつもある民家とほぼ同じ造りの家だ。違う要素を挙げるならば近隣の家よりも敷地が広いことと、玄関ポーチにできている着飾った人間の列だろうか。パートナーにエスコートされる婦人もいれば、友人同士なのか、どこか浮き足だった女性だけのペアも何組か見かけた。そんな人々が並ぶポーチには門番のように構える背が高いスーツ姿の男が二人立っていて、列を成す人々が示すカードを確認すると、開かれた扉に向かって恭しく腕を伸ばしている。
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TRAINING800文字(前後)チャレンジ64
アル空 会話文。キスについて。
64 アル空「アルベドってさ、」
「?」
「…なんでそんなに、キス、上手なの?」
「上手と分かるほど、キミは経験があるんだ?」
「ちょっとー、俺の方が質問してるんですけどー?」
「ふふ、ごめんね。……上手かどうかは、ボクにはわからない。こうしたことをするのはキミが初めてだから」
「それにしては慣れてるように見えるけど」
「そうかな?」
ちゅ、
「わ、もう、ちょっと! 俺は真剣に聞いてるのに!」
「わかってる、でもしたくなったから、つい」
「……まあ、いいや。それで、どうなの?」
「そうだな…キミに対しては慣れてきたと思うけれど」
「俺に対して?」
ちゅ、
「ぅ、……んっ」
「うん、それから…」
「…?」
「口づけのたびにそうやって、肩を跳ねさせて、目を瞑ってしまうところとか、」
732「?」
「…なんでそんなに、キス、上手なの?」
「上手と分かるほど、キミは経験があるんだ?」
「ちょっとー、俺の方が質問してるんですけどー?」
「ふふ、ごめんね。……上手かどうかは、ボクにはわからない。こうしたことをするのはキミが初めてだから」
「それにしては慣れてるように見えるけど」
「そうかな?」
ちゅ、
「わ、もう、ちょっと! 俺は真剣に聞いてるのに!」
「わかってる、でもしたくなったから、つい」
「……まあ、いいや。それで、どうなの?」
「そうだな…キミに対しては慣れてきたと思うけれど」
「俺に対して?」
ちゅ、
「ぅ、……んっ」
「うん、それから…」
「…?」
「口づけのたびにそうやって、肩を跳ねさせて、目を瞑ってしまうところとか、」
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TRAINING800文字(前後)チャレンジ63
アル空 風邪っぴき空くんとお見舞いにくるアルベドくんのお話。現パロ軸です。ゲストに蛍ちゃん。
63 アル空妹の蛍が使う部屋の隣に、空の自室はあった。
室内には勉強で使うデスク、主にゲームの時に活躍するテレビ、お菓子を置くのに重宝するローテーブルがある。そして現在、空が体を潜らせているベッドが、部屋の主人を抱き止めている。
「ああ〜も〜さいあくだ〜」
呻く空の声に反応する誰かはいない。虚しく消えていくじとりと重い言葉に、さらに眉間に皺が寄る。
本当なら今頃、アルベドと映画を観ているはずだったのに。
それがどうして、当日になって風邪なんか引いてるのか。空は自分の身体にずっと悪態をついていた。
ベッドの上で、仰向けになったりうつ伏せになったり忙しなく動きながら、枕元に置いた携帯に手を伸ばす。メッセージの着信は……特にない。知っていて、アルベドとの最後のやりとりを読み直す。
4093室内には勉強で使うデスク、主にゲームの時に活躍するテレビ、お菓子を置くのに重宝するローテーブルがある。そして現在、空が体を潜らせているベッドが、部屋の主人を抱き止めている。
「ああ〜も〜さいあくだ〜」
呻く空の声に反応する誰かはいない。虚しく消えていくじとりと重い言葉に、さらに眉間に皺が寄る。
本当なら今頃、アルベドと映画を観ているはずだったのに。
それがどうして、当日になって風邪なんか引いてるのか。空は自分の身体にずっと悪態をついていた。
ベッドの上で、仰向けになったりうつ伏せになったり忙しなく動きながら、枕元に置いた携帯に手を伸ばす。メッセージの着信は……特にない。知っていて、アルベドとの最後のやりとりを読み直す。
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TRAINING800文字(前後)チャレンジ62
アル空 CP要素うすめ、クレーちゃんに絵本読み聞かせする空くんの話。
62 アル空騎士団本部の上層階、アルベドの工房がある隣の一室。
壁を大きくくり抜いたように嵌め込まれた窓からは、午後のぽかぽかした陽光が何にも遮られることなく差し込み、白くつやつやした床面を照らしている。
部屋の中は来客用に設られたガラステーブルとそれを囲むようにふたつのソファが行儀よく並び、お茶を淹れるための簡素なキッチンもある。壁側には空き時間を凌ぐための本やチェス盤棚が、あまり圧迫感のないように整頓されていた。
ガラステーブルの上には、空になったティーカップが三つと、ドドコの冒険が綴られた絵本。ソファにはすやすや眠るクレーとパイモンが寄り添っていて、そんな二人を見守るように腰掛ける空がいた。
空とパイモンが騎士団を訪れたのは、ジンからの依頼を受けるためだった。
5006壁を大きくくり抜いたように嵌め込まれた窓からは、午後のぽかぽかした陽光が何にも遮られることなく差し込み、白くつやつやした床面を照らしている。
部屋の中は来客用に設られたガラステーブルとそれを囲むようにふたつのソファが行儀よく並び、お茶を淹れるための簡素なキッチンもある。壁側には空き時間を凌ぐための本やチェス盤棚が、あまり圧迫感のないように整頓されていた。
ガラステーブルの上には、空になったティーカップが三つと、ドドコの冒険が綴られた絵本。ソファにはすやすや眠るクレーとパイモンが寄り添っていて、そんな二人を見守るように腰掛ける空がいた。
空とパイモンが騎士団を訪れたのは、ジンからの依頼を受けるためだった。
你柠🍋
DONE中国語注意补档
含2.3活动皑尘与雪影剧透,新入坑的朋友错过活动的朋友请注意
垩空 雪夜空骑在阿贝多身上喘着,急促的气音从他的喉咙里挤出来,又化作热气喷在阿贝多的脖颈间。帐篷外的煤油灯把两个人的影子拉得又高又宽,映在帐篷上显得旖旎又怪异。
龙脊雪山终年被冰雪覆盖,入夜以后气温更是骤降。然而外面下着鹅毛大雪,帐篷内的空气却是火热而活色生香的。骑乘的姿势让阿贝多顶得极深,空只感觉身体深处一阵一阵舒张着,穴道被撑得又涨又烫,身体其他地方也是湿黏一片。
他快要到顶峰了,只等阿贝多再给予一些决定性的刺激。阿贝多也一样,追逐快感的本能让他抓紧空的腰,自下而上地往更深处冲撞。
空被顶得上下乱晃,只好紧紧攀着阿贝多的肩膀,他很想吻住阿贝多的唇,然而当阿贝多颈上的星星映入视线时,他又鬼使神差地想起白天阿贝多的话,嘴唇也不自觉地往那边凑过去。
4651龙脊雪山终年被冰雪覆盖,入夜以后气温更是骤降。然而外面下着鹅毛大雪,帐篷内的空气却是火热而活色生香的。骑乘的姿势让阿贝多顶得极深,空只感觉身体深处一阵一阵舒张着,穴道被撑得又涨又烫,身体其他地方也是湿黏一片。
他快要到顶峰了,只等阿贝多再给予一些决定性的刺激。阿贝多也一样,追逐快感的本能让他抓紧空的腰,自下而上地往更深处冲撞。
空被顶得上下乱晃,只好紧紧攀着阿贝多的肩膀,他很想吻住阿贝多的唇,然而当阿贝多颈上的星星映入视线时,他又鬼使神差地想起白天阿贝多的话,嘴唇也不自觉地往那边凑过去。