3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第百十六回 お題:「初恋」「悪戯」
司が寧々に、類に仕掛けている悪戯に関してある相談をするお話。
司視点
※※※未来設定となるため、ワンクッション設けました※※※ 3861
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第百十五回 お題:「巣立ち」「名前」
司が海外に旅立つ前に、類に思いを伝えるお話。
司視点
※※※未来設定となるため、ワンクッション設けました※※※ 2653
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第百十四回 お題:「視線」「ポスター」
買い出し兼デートを堪能する二人が、ある事件に巻き込まれるお話。
司視点
何よりも、大切だから。「……よし、買うものはこれくらいか?」
「うん、備品はこれで最後だね。後は僕個人の買い物だけかな」
「む。ならそれも済ましてしまおうではないか!」
「!……ふふ、ありがとう。司くん」
ある日の休日。
公演がひと段落ついたこともあり、練習も休みとなった今日。
オレは、類と買い出しに出ていた。
前回の公演は、寧々が主役。
比較的アクション多めとなった公演だったこともあり、終わった頃にはへとへとになっていた。
そのライバル役を担ったえむも、同じように非常によく動いてくれた。
そんな二人を労わるために、必要な備品の買い出しはオレと類が立候補し、二人にはしっかり休養を取ってもらうことになったのだ。
……まあ、正確には、立候補したのはオレだけだったのだが。
3948「うん、備品はこれで最後だね。後は僕個人の買い物だけかな」
「む。ならそれも済ましてしまおうではないか!」
「!……ふふ、ありがとう。司くん」
ある日の休日。
公演がひと段落ついたこともあり、練習も休みとなった今日。
オレは、類と買い出しに出ていた。
前回の公演は、寧々が主役。
比較的アクション多めとなった公演だったこともあり、終わった頃にはへとへとになっていた。
そのライバル役を担ったえむも、同じように非常によく動いてくれた。
そんな二人を労わるために、必要な備品の買い出しはオレと類が立候補し、二人にはしっかり休養を取ってもらうことになったのだ。
……まあ、正確には、立候補したのはオレだけだったのだが。
16natuki_mirm
DONEイルアズワンドロ「うさぎ」で書き始めたけど間に合わなくて周回遅れしちゃった上になんだかんだ2ドロしちゃったやつ…………【イルアズワンドロ周回遅れ】うさぎ ぼふん、と、何かが爆発して、あたり一面に大量の粉が舞い上がった。
魔具研の師団室を片付けている最中だった。私の手にした何か、たしかウサギのぬいぐるみのようなものだったと思うのだが、それが、持ち上げた途端に爆発したのだ。といっても、爆発の威力そのものは風船が破裂した程度の些細なもので、それよりも、飛び散った粉の方が厄介だった。
「アズくん、大丈夫?!」
入間様の声が、粉塵の向こうから聞こえてくる。両手で粉を払うような仕草をされながらこちらに近づいてくる影の方向に向かって、私も舞い上がった粉をかき分けかき分け進んでいく。そのうちに粉はすっと空気に溶けるように消え始めた。
「ケホッ……はい、大丈夫で、す……?」
3832魔具研の師団室を片付けている最中だった。私の手にした何か、たしかウサギのぬいぐるみのようなものだったと思うのだが、それが、持ち上げた途端に爆発したのだ。といっても、爆発の威力そのものは風船が破裂した程度の些細なもので、それよりも、飛び散った粉の方が厄介だった。
「アズくん、大丈夫?!」
入間様の声が、粉塵の向こうから聞こえてくる。両手で粉を払うような仕草をされながらこちらに近づいてくる影の方向に向かって、私も舞い上がった粉をかき分けかき分け進んでいく。そのうちに粉はすっと空気に溶けるように消え始めた。
「ケホッ……はい、大丈夫で、す……?」
16natuki_mirm
DONEこちらもワンドロお題を周回遅れで。お題「魔性」です。中途半端に書いて放置していたのをずるずると書いたので、多分合計で2ドロくらいしている……
【イルアズワンドロ周回遅れ】魔性 魔王様の側仕え、というのは大変名誉な仕事である。
王城勤めの官吏の仕事だって相当な倍率の試験を突破しなければならないし、その後も、小間使いから始まって、確実に信頼と実績を積み重ね、魔王様のお目に留まるような何かがなければ抜擢されない。
とはいえ、魔王様は先進的で、しかも気さくなお方なものだから、若い官吏を――そもそも現魔王様の体制ができあがってから、ほんの十年かそこらしか経っていないので、官吏のほとんどが若い、という話もあるけれど――どんどん取り立てては側仕えとして使い、王城全体の仕事の流れを覚えさせては他の部署へ送り出す、ということをしてくださるので、チャンスは多い。
――というわけでこの度、不肖わたくし、魔王様の側仕えに採用されました! やりました!
3937王城勤めの官吏の仕事だって相当な倍率の試験を突破しなければならないし、その後も、小間使いから始まって、確実に信頼と実績を積み重ね、魔王様のお目に留まるような何かがなければ抜擢されない。
とはいえ、魔王様は先進的で、しかも気さくなお方なものだから、若い官吏を――そもそも現魔王様の体制ができあがってから、ほんの十年かそこらしか経っていないので、官吏のほとんどが若い、という話もあるけれど――どんどん取り立てては側仕えとして使い、王城全体の仕事の流れを覚えさせては他の部署へ送り出す、ということをしてくださるので、チャンスは多い。
――というわけでこの度、不肖わたくし、魔王様の側仕えに採用されました! やりました!
16natuki_mirm
DONE忙しくて書けなかったワンドロお題を周回遅れで。本文に上手く入れられなかったんですが、「通常期まちを見たとたんにあずは悪周期から抜けちゃうから、あずに悪周期解放使わせるときは魔様モードになる魔王様」っていうのがやりたかったんですよ(本文でやれ)
【イルアズワンドロ周回遅れ】悪周期 戦いは、苛烈を極めていた。
新たな魔王がその座に就いてから、まだ日が浅い。支配は行き届いておらず、各地で小競り合いが頻発している。様々な勢力が、中央の目の届かないのを良いことに、その隙に影響力を広げようとしてはぶつかり合っているのだ。
些細な勢力争い程度のことはなるようになるであろうと静観していたけれど、しかし、関係のない集落が巻き込まれて被害がでているとなれば黙ってはいられない。魔王は自ら側近を伴い、少数精鋭の手勢をつれて鎮圧へと乗り出した。
はじめは投降を呼び掛け、話し合いでの解決を促そうとした魔王だったが、そんなことで場が収まるのならば最初から戦になどなっていない。いがみ合っていたはずの西軍東軍双方が結託し、魔王軍を追い散らそうと襲いかかってくる。こちらの軍勢はごく少数。いくら精鋭揃いとはいえ、数を頼みに押し切れると思ったのだろう。実際、前線に立つ兵たちは、烏合の衆を前に、倒されこそしないものの数の差に翻弄されて攻め倦ねている。
2648新たな魔王がその座に就いてから、まだ日が浅い。支配は行き届いておらず、各地で小競り合いが頻発している。様々な勢力が、中央の目の届かないのを良いことに、その隙に影響力を広げようとしてはぶつかり合っているのだ。
些細な勢力争い程度のことはなるようになるであろうと静観していたけれど、しかし、関係のない集落が巻き込まれて被害がでているとなれば黙ってはいられない。魔王は自ら側近を伴い、少数精鋭の手勢をつれて鎮圧へと乗り出した。
はじめは投降を呼び掛け、話し合いでの解決を促そうとした魔王だったが、そんなことで場が収まるのならば最初から戦になどなっていない。いがみ合っていたはずの西軍東軍双方が結託し、魔王軍を追い散らそうと襲いかかってくる。こちらの軍勢はごく少数。いくら精鋭揃いとはいえ、数を頼みに押し切れると思ったのだろう。実際、前線に立つ兵たちは、烏合の衆を前に、倒されこそしないものの数の差に翻弄されて攻め倦ねている。
y_tanomori
MOURNING背景版ワンドロを先週のお題(衣服・植物・物干し竿)でやったら自分にしか分からん感じの絵になってしまい微妙すぎて公開をためらったやつ。しかもやった一時間後にめちゃ良い改善案が出てきてさらに悔しかったので供養
16natuki_mirm
DONE2022/12/24のイルアズワンドロお題「クリス魔ス」参加分
諸々ご都合設定です。
【イルアズワンドロ】クリス魔ス クリスマス、という行事について、入間は「ツリーとおもちゃとケーキを売るバイトをするための日である」ということ以外の知識を持ち合わせていなかった。要するに、本来の由来とか、寝ている間にサンタさんがプレゼントをくれる、という通俗とか、本来は家族で祝う日であるとか、現代日本では恋人たちの日であるとか、そういうことはよく解っていないまま、この歳になった。
だから、魔界にも「くりすます」と呼ばれる行事があることについて、いやいや、あるわけ無いだろう、なんてことはちらとも思わず、「そっかあ、魔界にもあるんだぁ」だけで受け入れてしまったので、謂われの違いや、文化の違いについて、あまり詳しいことには興味もわかなかった。
2347だから、魔界にも「くりすます」と呼ばれる行事があることについて、いやいや、あるわけ無いだろう、なんてことはちらとも思わず、「そっかあ、魔界にもあるんだぁ」だけで受け入れてしまったので、謂われの違いや、文化の違いについて、あまり詳しいことには興味もわかなかった。
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第百七回 お題:「祝福」「温泉」
とある理由でお疲れの類を、頑張って癒そうとする司のお話。
司視点
この思いは、相互通行。「それじゃあ、ゆっくり休むんだぞ!おやすみ!」
「うん、そっちもね。おやすみ」
「司くん、類くん、おやすみー!」
「うん、えむくんも寧々も、おやすみ」
手を振って、用意された部屋に入る。
しっかり締められたネクタイを解くと、自然とため息が漏れる。
自分でも思っていたより緊張していたみたいだ。
「お疲れ様、司くん。素敵なショーだったよ」
「ああ、ありがとう!類も演出お疲れ様」
ぽんぽんと優しく撫でてくる手に、オレはそっと擦り寄った。
-------------------------
今日は、フェニランのスタッフさんの、結婚式だった。
遊園地全部を使ったあのショーでも、それ以外のことでもよくお世話になった人達で。
あのショーで垣根を越えて交流したことで知り合って、ご結婚されていた。
2624「うん、そっちもね。おやすみ」
「司くん、類くん、おやすみー!」
「うん、えむくんも寧々も、おやすみ」
手を振って、用意された部屋に入る。
しっかり締められたネクタイを解くと、自然とため息が漏れる。
自分でも思っていたより緊張していたみたいだ。
「お疲れ様、司くん。素敵なショーだったよ」
「ああ、ありがとう!類も演出お疲れ様」
ぽんぽんと優しく撫でてくる手に、オレはそっと擦り寄った。
-------------------------
今日は、フェニランのスタッフさんの、結婚式だった。
遊園地全部を使ったあのショーでも、それ以外のことでもよくお世話になった人達で。
あのショーで垣根を越えて交流したことで知り合って、ご結婚されていた。
16natuki_mirm
DOODLE11/26イルアズワンドロ参加分。3年生くらいのつもり、あずの家系能力捏造。誘惑学を履修しようとするあずの話。
【イルアズワンドロ】誘惑 うん、と唸る声が聞こえて、入間は顔を上げた。
その視線の先では、教室の隣の席に座ったアリスが、手元の書類を眺めながらなんだか難しい顔をしている。
その手元にあるのは、今入間が見ていたのと同じ書類――つまり、今学期の選択授業の申請書。
出会ったばかりの頃のアリスであれば、「入間様はどの授業を取りますか」と真っ先に聞いてきて、迷わず同じ授業を取ったであろうし、少し前までのアリスならば、例え入間とは離ればなれになってでも、自分の力を存分に伸ばすために必要な授業を潔く選択していただろう。
それが珍しく、今日のアリスは難しい顔で書類を眺めたまま、じっと固まっている。
「アズくん、どうしたの? 選択授業決まらない?」
2584その視線の先では、教室の隣の席に座ったアリスが、手元の書類を眺めながらなんだか難しい顔をしている。
その手元にあるのは、今入間が見ていたのと同じ書類――つまり、今学期の選択授業の申請書。
出会ったばかりの頃のアリスであれば、「入間様はどの授業を取りますか」と真っ先に聞いてきて、迷わず同じ授業を取ったであろうし、少し前までのアリスならば、例え入間とは離ればなれになってでも、自分の力を存分に伸ばすために必要な授業を潔く選択していただろう。
それが珍しく、今日のアリスは難しい顔で書類を眺めたまま、じっと固まっている。
「アズくん、どうしたの? 選択授業決まらない?」
🐟️( ’-’ 🌭)
DOODLEお題「ウォースパイト」「お風呂」「そういう意味ではない」と、思いつつもこうなってしまった。
猫足バスタブが好き。
>リアクション
ありがとうございます!
猫がいて反応してしまった。猫足だ!
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第百五回 お題:「困難」「しもやけ」
ある理由からショーのことで喧嘩してしまった2人が、仲直りするまでのお話。
司視点
曲げたくない、大切なこと。はあ、と手に息を吹きかける。
手を摩っても、一向に温まる気配もない。
足が、寒さで小さく震える。
それでも、オレはここから移動する訳にはいかなかった。
この"約束"だけは、守りたいから。
-----------------------------------
それは、ある日の、公演の合間に起こった出来事だった。
配線が絡んでいたのか、経年劣化なのか。
ショーに使っていた機材の1つがショートし、うんともすんとも言わなくなってしまった。
類が見てくれたが、素人のオレが見ても、修理には時間がかかる上、困難を極めることが容易に理解できてしまって。
明日、最終公演を迎えるこの公にでは、間に合わないことが、確定してしまっていた。
4936手を摩っても、一向に温まる気配もない。
足が、寒さで小さく震える。
それでも、オレはここから移動する訳にはいかなかった。
この"約束"だけは、守りたいから。
-----------------------------------
それは、ある日の、公演の合間に起こった出来事だった。
配線が絡んでいたのか、経年劣化なのか。
ショーに使っていた機材の1つがショートし、うんともすんとも言わなくなってしまった。
類が見てくれたが、素人のオレが見ても、修理には時間がかかる上、困難を極めることが容易に理解できてしまって。
明日、最終公演を迎えるこの公にでは、間に合わないことが、確定してしまっていた。
Umi1115Tkso
DOODLE #深夜の魔師弟お絵描き字書き60分一本勝負ワンドロ【一緒/未来】
いいP飯の日も!!これで!!おなしゃす!!
いつまでも阿吽の呼吸、以心伝心ニコイチでいて……
師の心、弟子知らず【ピッコロ視点】未来
『ピッコロさんと一緒なら大丈夫だよ、ね?』
弱気ながらも確信と覚悟を持って振り返る幼子の時も。
『ピッコロさん!へへ、今のどうでした?』
片鱗を見せる強すぎる力を制御して見せる自慢気な笑顔も。
『ピッコロさん。僕に任せてください』
大きくなった背中越しに見る勇ましい顔つきも。
悟飯は俺を師だと仰いでは、なんの疑いもなく信頼を向けた。
それは幾つになっても、悟飯がどれだけ強くなって、俺を追い抜いて行ったとしても、変わらない。
ピッコロさん、と呼ぶその声が俺を何度でも奮い立たせ、俺を悟飯の師たらしめる。
「ピッコロさん?」
瞑想のフリで干渉に浸る俺を覗き込んだ顔は大人になった今も、あのあどけないあほづらだ。
1056『ピッコロさんと一緒なら大丈夫だよ、ね?』
弱気ながらも確信と覚悟を持って振り返る幼子の時も。
『ピッコロさん!へへ、今のどうでした?』
片鱗を見せる強すぎる力を制御して見せる自慢気な笑顔も。
『ピッコロさん。僕に任せてください』
大きくなった背中越しに見る勇ましい顔つきも。
悟飯は俺を師だと仰いでは、なんの疑いもなく信頼を向けた。
それは幾つになっても、悟飯がどれだけ強くなって、俺を追い抜いて行ったとしても、変わらない。
ピッコロさん、と呼ぶその声が俺を何度でも奮い立たせ、俺を悟飯の師たらしめる。
「ピッコロさん?」
瞑想のフリで干渉に浸る俺を覗き込んだ顔は大人になった今も、あのあどけないあほづらだ。
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第百四回 お題:「親フラ」「字」
司に対する思いを抱えきれなくなった類が、その思いの欠片を零すお話。
類視点⇒?視点
臆病者の大誤算『…………で、次のシーン。「寧々が台詞を言いながらはける」だな』
「……うん。こんなものかな。ごめんね司くん、迷惑をかけてしまって」
『迷惑かけた、というのであれば、もう少し綺麗に字を書くように心がけた方がいいんじゃないか?』
「うーん、痛いとこを突くねえ」
司くんの言葉に、思わず苦笑してしまう。
今は10時半。
普段であれば、こんな風に電話したりすることはないのだけれど、今回は事情があった。
僕は台本に、演出関係のメモをひたすら書いている。それこそ、台本が真っ黒になってしまうほどに。
あまりに酷い時は新しい台本を用意して、そこに現在確定している演出を書いているのだが。
たまに急いで書いてしまい、自分でも読めない時が発生してしまうのだ。
2521「……うん。こんなものかな。ごめんね司くん、迷惑をかけてしまって」
『迷惑かけた、というのであれば、もう少し綺麗に字を書くように心がけた方がいいんじゃないか?』
「うーん、痛いとこを突くねえ」
司くんの言葉に、思わず苦笑してしまう。
今は10時半。
普段であれば、こんな風に電話したりすることはないのだけれど、今回は事情があった。
僕は台本に、演出関係のメモをひたすら書いている。それこそ、台本が真っ黒になってしまうほどに。
あまりに酷い時は新しい台本を用意して、そこに現在確定している演出を書いているのだが。
たまに急いで書いてしまい、自分でも読めない時が発生してしまうのだ。
16natuki_mirm
DONE11/5のイルアズワンドロ「読書」参加。人間界ifで編集×作家のやつ。【イルアズワンドロ】読書 本を読む、というのは実は長いこと苦手だった。
幼い頃からちゃらんぽらんな両親に連れ回されてろくろく学校にも通えなかったし、家に「本」などというものが存在しなかった。最低限の読み書きは生活をする中で必死に身につけたけど、それもよりたくさんのお金を稼ぐためだった。
中学を卒業するかしないかくらいの頃には、ついに両親は失踪してしまった。でも、むしろその方が有り難くて、親から解放された僕は適当な街に根を下ろして、アルバイトを渡り歩きながら定時制の高校に通った。それでなんとか、通り一遍の常識を身につけた。――それが、僕が人生で「学び」というものと向き合った出来事の全てだ。この人生でまともに読んだ本なんて、高校の教科書と、アルバイトで漫画家さんのアシスタントをしていた時に読んだ、その漫画家さんの作品くらい。
3155幼い頃からちゃらんぽらんな両親に連れ回されてろくろく学校にも通えなかったし、家に「本」などというものが存在しなかった。最低限の読み書きは生活をする中で必死に身につけたけど、それもよりたくさんのお金を稼ぐためだった。
中学を卒業するかしないかくらいの頃には、ついに両親は失踪してしまった。でも、むしろその方が有り難くて、親から解放された僕は適当な街に根を下ろして、アルバイトを渡り歩きながら定時制の高校に通った。それでなんとか、通り一遍の常識を身につけた。――それが、僕が人生で「学び」というものと向き合った出来事の全てだ。この人生でまともに読んだ本なんて、高校の教科書と、アルバイトで漫画家さんのアシスタントをしていた時に読んだ、その漫画家さんの作品くらい。
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第百二回 お題:「Trick or Treat」「間接キス」
恋に翻弄される司が、類に一矢報いるお話。
司視点
オレだって、たまには。「ふむ……。それなら、ここは下手にいるしかないか……」
「うん、次の動きが間に合わないからね。あまり目立たないというのが問題だから、ちょっと迷ってはいるんだけれど」
「なるほど……。ああ、それならば、寧々の台詞のところで、此方に移動してもらうのはどうだ?」
「へえ、それはいいね。これならカバーができる。後は……」
何時も通りの練習風景。
休憩時間だから、えむと寧々は飲み物を買いに行っているが、オレ達は休憩はそこそこに、立ち位置の相談をしていた。
公演までの期間はまだあるが、できるだけ詰めて詰めて、よりよいショーを作る方がいいだろう。
というのが、オレと類の見解だ。
……まあ、大概えむと寧々に怒られて、休まざるを得なくなるのだが。
4109「うん、次の動きが間に合わないからね。あまり目立たないというのが問題だから、ちょっと迷ってはいるんだけれど」
「なるほど……。ああ、それならば、寧々の台詞のところで、此方に移動してもらうのはどうだ?」
「へえ、それはいいね。これならカバーができる。後は……」
何時も通りの練習風景。
休憩時間だから、えむと寧々は飲み物を買いに行っているが、オレ達は休憩はそこそこに、立ち位置の相談をしていた。
公演までの期間はまだあるが、できるだけ詰めて詰めて、よりよいショーを作る方がいいだろう。
というのが、オレと類の見解だ。
……まあ、大概えむと寧々に怒られて、休まざるを得なくなるのだが。
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第百一回 お題:「絹製品」「ぬいぐるみ」
自身の親を見習って、未来を見据えたプレゼントを贈ろうとする司のお話。
司視点、途中から類視点
ずっと、傍に。「はい、ではこれで終了です。ありがとうございました」
「「「「「ありがとうございました!!!」」」」」
色んな人が、達成感や成長を感じている中。
オレはただ1人、やりきったように息を吐いて、グッと手を握った。
(やった……。やりきった……!やっと……!)
表情に出ないように気をつけながら、同じエキストラだった人達に挨拶をして、足早に更衣室に向かう。
(やっと、目標までいった……!)
強い達成感と同じくらい、強く残る疲労感から目を逸らしながら。
やりきった自分を、褒めたたえた。
----------------------------
そのきっかけは、なんてことない。
何時も通りの日常の中で、オレの目に入ったものがきっかけだった。
3949「「「「「ありがとうございました!!!」」」」」
色んな人が、達成感や成長を感じている中。
オレはただ1人、やりきったように息を吐いて、グッと手を握った。
(やった……。やりきった……!やっと……!)
表情に出ないように気をつけながら、同じエキストラだった人達に挨拶をして、足早に更衣室に向かう。
(やっと、目標までいった……!)
強い達成感と同じくらい、強く残る疲労感から目を逸らしながら。
やりきった自分を、褒めたたえた。
----------------------------
そのきっかけは、なんてことない。
何時も通りの日常の中で、オレの目に入ったものがきっかけだった。
Umi1115Tkso
DOODLE #深夜の魔師弟お絵描き字書き60分一本勝負ワンドロ【コーヒー】
🧬編後〜高校生前(14〜15?くらい)
🍚ちゃん来なくて本当は寂しいPさんとPさんに会えないし勉強に身が入んないし、おわんないと会えないしのループにいる🍚ちゃんの話。
子供の頃の方が🍚ちゃん大人びてるから早いうちからコーヒーとか飲んでそう。
大義名分少し前まではなんだかんだと理由をつけて日を開けずに訪れていた悟飯が神殿にこなくなってから数ヶ月が経つ。
神殿から地上の様子を伺えば、何やら家に篭って何かに熱中しているようだった。
あいつにも何か事情があるのだろうと呑気に構えていたものの、ここ1ヶ月程は悟飯の部屋の灯りが消える事はほぼない事に気づくと、何をやってるんだと気にもなる。
流石に身体を壊してしまうのでは、と心配するデンデにも背を押されて、珍しく俺の方から悟飯を尋ねことにした。
久々に降り立った地上の匂いと温度に懐かしさを感じつつ、目の前の悟飯の家を見れば、やはり悟飯の部屋の明かりだけが煌々と夜の闇を照らし出している。
かつかつと爪を立て窓を叩く。
1308神殿から地上の様子を伺えば、何やら家に篭って何かに熱中しているようだった。
あいつにも何か事情があるのだろうと呑気に構えていたものの、ここ1ヶ月程は悟飯の部屋の灯りが消える事はほぼない事に気づくと、何をやってるんだと気にもなる。
流石に身体を壊してしまうのでは、と心配するデンデにも背を押されて、珍しく俺の方から悟飯を尋ねことにした。
久々に降り立った地上の匂いと温度に懐かしさを感じつつ、目の前の悟飯の家を見れば、やはり悟飯の部屋の明かりだけが煌々と夜の闇を照らし出している。
かつかつと爪を立て窓を叩く。
🐟️( ’-’ 🌭)
DOODLEお題「ハロウィン」ずっと描きたかったミス・パンプキンベドーヴイ。
>リアクション
たくさんありがとうございます!
毎年戦艦少女Rのハロウィン絵はグローウォームを描いてしまうので他のハロウィン衣装を描くタイミングが難しかったけど、今回ワンドロでベドーヴイを描く時間を設けてもらいました。見れば見るほどかわいい衣装です。
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第九十九回 お題:「お互い様」「指輪」
付き合い初めても恋人らしいことができない司が、一歩前に踏み出す話。
司視点
小さくて、大きな一歩。「じゃあ類、また15時になったらここに集合だぞ!絶対忘れないようにな!」
「うん、気をつけるよ。それじゃ、また後でね」
「ああ!」
手を振って、類に背を向けて歩き出す。
……さあ、類には秘密のミッション、開始だ!
ぐっ、と手に力を入れ、本来の目的のものを買うべく、歩みを早めた。
--------------------------------------
「2人って、いちゃいちゃとかしないわけ?」
ある日の練習の日。
飲み物を買いにいったえむと類を待つ間、2人で台本読みをしていたのだが。
ふと、思い出したように寧々から話しかけられた。
「いちゃ、いちゃ……?」
「2人からしっかりと報告は受けたし、それに対して疑ってるとかじゃないけど。
5188「うん、気をつけるよ。それじゃ、また後でね」
「ああ!」
手を振って、類に背を向けて歩き出す。
……さあ、類には秘密のミッション、開始だ!
ぐっ、と手に力を入れ、本来の目的のものを買うべく、歩みを早めた。
--------------------------------------
「2人って、いちゃいちゃとかしないわけ?」
ある日の練習の日。
飲み物を買いにいったえむと類を待つ間、2人で台本読みをしていたのだが。
ふと、思い出したように寧々から話しかけられた。
「いちゃ、いちゃ……?」
「2人からしっかりと報告は受けたし、それに対して疑ってるとかじゃないけど。
Umi1115Tkso
DOODLE #深夜の魔師弟お絵描き字書き60分一本勝負ワンドロ【天気/名前】
セル編後くらいの師弟。
久々にポエムっぽい独白書いたな…。
名前曇天の空を仰ぐ。
光の差さない荒野は重く暗く沈んでいた。
神と同化する時、自分を失うつもりはない、奴を取り込んでやるのだ、と思うと同時に、何処かでこの同化をしてしまえば、自分はもう、元には戻れないことも予感していたように思う。
その予感は的中し、神と同化して1つに戻った時、神殿もこの荒野も何処か懐かしいものとなってしまった。
それは俺の中の大魔王と神がそれぞれそう思わせていたのだろう。
どちらでもない俺は、どちらの記憶も自分のものでない、遠い昔のだれかの記憶になってしまったのだ。
そうして俺は大魔王でも、神でもなくなった。
きっと本当の俺はあの日ここに打ち捨てられたまま、気でも失って、長い夢を見ていたんだろう。
776光の差さない荒野は重く暗く沈んでいた。
神と同化する時、自分を失うつもりはない、奴を取り込んでやるのだ、と思うと同時に、何処かでこの同化をしてしまえば、自分はもう、元には戻れないことも予感していたように思う。
その予感は的中し、神と同化して1つに戻った時、神殿もこの荒野も何処か懐かしいものとなってしまった。
それは俺の中の大魔王と神がそれぞれそう思わせていたのだろう。
どちらでもない俺は、どちらの記憶も自分のものでない、遠い昔のだれかの記憶になってしまったのだ。
そうして俺は大魔王でも、神でもなくなった。
きっと本当の俺はあの日ここに打ち捨てられたまま、気でも失って、長い夢を見ていたんだろう。
Umi1115Tkso
DOODLE #深夜の魔師弟お絵描き字書き60分一本勝負ワンドロ【眼鏡/嘘つき】
百千さんと遅刻ワンドロもくりの成果物です!!
嘘つき「あー…まじかぁ…」
ぼんやりと曇る視界の中、足の下に感じるざらざらと破片がぶつかるのを感じながら肩を落とした。
しゃがみ込んでピントが合う距離まで来ると、そこにはやはり無惨にもガラクタと化した眼鏡の姿。
はぁ、とため息を一つ吐いて、机の引き出しを漁る。
予備の眼鏡を探すつもりだったが、すぐに不穏な音が聞こえて、その必要がなくなったことを悟った。
「う、うそでしょ…」
2つ目の眼鏡の犠牲に流石にショックを受けて椅子に座って天を仰ぐ。
うーん、と唸りながらなおざりに引き出しの中を弄ると、あ、と覚えのある感触に当たった。
目のぎりぎりまで持ち上げると、いつからあるのか遠い昔に買った使い捨てのコンタクトレンズが映る。
1183ぼんやりと曇る視界の中、足の下に感じるざらざらと破片がぶつかるのを感じながら肩を落とした。
しゃがみ込んでピントが合う距離まで来ると、そこにはやはり無惨にもガラクタと化した眼鏡の姿。
はぁ、とため息を一つ吐いて、机の引き出しを漁る。
予備の眼鏡を探すつもりだったが、すぐに不穏な音が聞こえて、その必要がなくなったことを悟った。
「う、うそでしょ…」
2つ目の眼鏡の犠牲に流石にショックを受けて椅子に座って天を仰ぐ。
うーん、と唸りながらなおざりに引き出しの中を弄ると、あ、と覚えのある感触に当たった。
目のぎりぎりまで持ち上げると、いつからあるのか遠い昔に買った使い捨てのコンタクトレンズが映る。