かみすき
PASTゼン蛍筋肉がすごいねって
Twitterに画像で投げたものと、さらにもう少し足してます
≪ゼン蛍≫瓶の蓋が固すぎる問題ジャムの瓶が開かない。
リンゴをとろりと煮詰めて、甘い匂いごと閉じ込めてきゅっと蓋を閉めた瓶。会心の出来だと食べるのを楽しみにしていたのに。
誰がこんなにきつく閉めたのか。そんなもの、この時間までまだ気持ちよく眠っているであろうアルハイゼン、彼しかいない。
いつどこで使うのかもわからない筋肉は、こういったささいなところで発揮されていた。アルハイゼン自身はそんなつもりがなくとも、自然と力が入ってしまって固く閉まるのだろう。何度気をつけるように注意しても一向に改善される気配がなく、おかげで家中の瓶という瓶ががっちがちに封じられていた。
目の前できつね色のカリカリふわふわトーストがジャムを待っているのに、蛍の握力では太刀打ちできない。そもそもこれは昨日の蛍が閉めたもので、それなら蛍が開けられるはずなのに。自分で開けられるように調整したはずの瓶すらも、いつの間にかぎゅっと固く閉められている。見つけるたびに、きちんと閉まっていないからとそれはそれは丁寧に直してくれているようだった。
2376リンゴをとろりと煮詰めて、甘い匂いごと閉じ込めてきゅっと蓋を閉めた瓶。会心の出来だと食べるのを楽しみにしていたのに。
誰がこんなにきつく閉めたのか。そんなもの、この時間までまだ気持ちよく眠っているであろうアルハイゼン、彼しかいない。
いつどこで使うのかもわからない筋肉は、こういったささいなところで発揮されていた。アルハイゼン自身はそんなつもりがなくとも、自然と力が入ってしまって固く閉まるのだろう。何度気をつけるように注意しても一向に改善される気配がなく、おかげで家中の瓶という瓶ががっちがちに封じられていた。
目の前できつね色のカリカリふわふわトーストがジャムを待っているのに、蛍の握力では太刀打ちできない。そもそもこれは昨日の蛍が閉めたもので、それなら蛍が開けられるはずなのに。自分で開けられるように調整したはずの瓶すらも、いつの間にかぎゅっと固く閉められている。見つけるたびに、きちんと閉まっていないからとそれはそれは丁寧に直してくれているようだった。
さまなし
DONE【ゼン蛍】答えは最初からそこにいた付き合っていないけれどキスをしているので一応注意。大丈夫です。この後ちゃんと付き合います。
【ゼン蛍】答えは最初からそこにいた ふっと、視界を影が覆った。
視線が交わった時にはもう、私の唇は塞がれていて。
そして瞬きの間に解放される。
「……どうしてキスしたの?」
「したいと思ったからだな」
「そっか」
何の前触れもない、突然のキス。けど心中は思っている以上に静かだった。
でも私たちはそういう関係ではない。個人的にはそういう空気になったこともないと思う。けれど彼の顔が近づいてきたとき、避けるという選択肢はなく、私は当たり前のようにそれを受け入れた。
「もう少し動じるかと思ったが」
「それをあなたが言うんだ?」
動じて欲しかったの? 問えばあっさり否定される。
「それで、してみた感想は?」
「想像通りというべきか。君の反応の方が意外だった」
1872視線が交わった時にはもう、私の唇は塞がれていて。
そして瞬きの間に解放される。
「……どうしてキスしたの?」
「したいと思ったからだな」
「そっか」
何の前触れもない、突然のキス。けど心中は思っている以上に静かだった。
でも私たちはそういう関係ではない。個人的にはそういう空気になったこともないと思う。けれど彼の顔が近づいてきたとき、避けるという選択肢はなく、私は当たり前のようにそれを受け入れた。
「もう少し動じるかと思ったが」
「それをあなたが言うんだ?」
動じて欲しかったの? 問えばあっさり否定される。
「それで、してみた感想は?」
「想像通りというべきか。君の反応の方が意外だった」
さまなし
DONE【ゼン蛍】それは自分だけの【ゼン蛍】それは自分だけの その日アルハイゼンが塵歌壺に赴くと、何やら邸宅内が騒がしかった。ここの主が認めた者しか入れない為、不法侵入者の類ではないだろうが邸宅の前にいるマルに近づく。
「おや、アルハイゼン様。ようこそいらっしゃいました」
「何やら騒がしいようだが、何が起きている?」
「今日は蛍さんが模様替えを始めたようですよ」
なるほど、と知らずうちにしていた警戒を解いて邪魔をするとマルに一言掛けて邸宅内に入ると、小物を抱えた蛍の姿がすぐに目に入った。蛍の方も室内に入ってきたアルハイゼンの姿を認めておはようと挨拶をする。
「アルハイゼン、もしかして今日はここを利用するつもりだった?」
「あぁ、少し書斎を借りたいのだが」
「書斎……」
2162「おや、アルハイゼン様。ようこそいらっしゃいました」
「何やら騒がしいようだが、何が起きている?」
「今日は蛍さんが模様替えを始めたようですよ」
なるほど、と知らずうちにしていた警戒を解いて邪魔をするとマルに一言掛けて邸宅内に入ると、小物を抱えた蛍の姿がすぐに目に入った。蛍の方も室内に入ってきたアルハイゼンの姿を認めておはようと挨拶をする。
「アルハイゼン、もしかして今日はここを利用するつもりだった?」
「あぁ、少し書斎を借りたいのだが」
「書斎……」
さまなし
DONE【ゼン蛍】好奇心は猫をも2023/02/24にTwitterに投稿した話です。
ゼン(+カヴェ)に猫耳が生えた話。
2023/03/14追記
ver3.5の風花祭にて、モナが「人の恋路を邪魔したら、イノシシに蹴られますよ。」との発言があったため、本文の最後のカーヴェの台詞「馬に蹴られる趣味はないんだ」を「キノシシに蹴られる趣味はないんだ」に変更しました。
【ゼン蛍】好奇心は猫をも 突然、アルハイゼンの頭に動物の耳が生えた。本当に突然過ぎてパイモンも蛍も驚きのあまり声も出せずにそれを凝視し、急に黙り込みおかしな表情をする二人にアルハイゼンは首を傾げた。
「どうかしたのか?」
「みっ」
「み?」
「みみ!! 耳が生えてるぞアルハイゼン!!」
「耳は元々あるものだろう」
「ちっがーう!! 頭!! 頭に猫耳みたいなのが生えてるんだよ!!」
パイモンが空中で地団駄を踏みながら今の状況を説明したが、アルハイゼンは言っている意味が分からないと訝しむ。蛍も言われた側なら同じ反応をしただろう。とにかくまずは自分の姿を確認してもらおうと鏡に誘導しようとしたとき、パイモンの声に反応したカーヴェが部屋から出てきた。
2961「どうかしたのか?」
「みっ」
「み?」
「みみ!! 耳が生えてるぞアルハイゼン!!」
「耳は元々あるものだろう」
「ちっがーう!! 頭!! 頭に猫耳みたいなのが生えてるんだよ!!」
パイモンが空中で地団駄を踏みながら今の状況を説明したが、アルハイゼンは言っている意味が分からないと訝しむ。蛍も言われた側なら同じ反応をしただろう。とにかくまずは自分の姿を確認してもらおうと鏡に誘導しようとしたとき、パイモンの声に反応したカーヴェが部屋から出てきた。
さまなし
DONE【ゼン蛍】それは嫉妬か、それとも2023/02/18にTwitterに投稿した話です。
【ゼン蛍】それは嫉妬か、それとも カーヴェが家に戻ると、既に陽が落ち始めている時間だというのに明かりが灯されていなかった。この家の主は今日一日家にいると聞いていたのだが出かけてしまったのだろうか。
まぁどちらでも鍵を持っている自分には関係がない。居ないなら居ないで静かに模型作りに精が出るものだ。と、勝手知ったるなんとやらで鍵を開けようとして、鍵がかかっていないことに気付く。不用心だなと思いつつ中に入ると、玄関からすぐの右手のソファに家主――アルハイゼンの姿を見つけた。外から見た通り明かりもつけず、しかし黙々と手にした本を読み進めているようだ。
確かにまだ読めない暗さではないが、集中しているからと言ってもこれはいただけない。スイッチに手を伸ばしながら小言を言ってやる。
2099まぁどちらでも鍵を持っている自分には関係がない。居ないなら居ないで静かに模型作りに精が出るものだ。と、勝手知ったるなんとやらで鍵を開けようとして、鍵がかかっていないことに気付く。不用心だなと思いつつ中に入ると、玄関からすぐの右手のソファに家主――アルハイゼンの姿を見つけた。外から見た通り明かりもつけず、しかし黙々と手にした本を読み進めているようだ。
確かにまだ読めない暗さではないが、集中しているからと言ってもこれはいただけない。スイッチに手を伸ばしながら小言を言ってやる。