まもり
PASTゼン蛍。アルハイゼンにキスをねだるも彼の新たな扉を開けてしまったほたちんの話。禁断の書「アルハイゼン。キスして」
唐突に放った私の台詞に、彼がティーカップを持とうとしたまま動かなくなった。片方の手には、どうやらストライクゾーンだったらしく二周目に突入している本。付き合い始めた私たちの仲を引き裂く、憎たらしいライバルだ。
「なんだ、急に」
「だって読み終わらないんだもん、それ。ずーっと待ってるんだけど」
私がアルハイゼンに告白してから一ヶ月。「君はそこそこ興味深い」「アルハイゼン。キスして」
唐突に放った私の台詞に、彼がティーカップを持とうとしたまま動かなくなった。片方の手には、どうやらストライクゾーンだったらしく二周目に突入している本。付き合い始めた私たちの仲を引き裂く、憎たらしいライバルだ。
2449唐突に放った私の台詞に、彼がティーカップを持とうとしたまま動かなくなった。片方の手には、どうやらストライクゾーンだったらしく二周目に突入している本。付き合い始めた私たちの仲を引き裂く、憎たらしいライバルだ。
「なんだ、急に」
「だって読み終わらないんだもん、それ。ずーっと待ってるんだけど」
私がアルハイゼンに告白してから一ヶ月。「君はそこそこ興味深い」「アルハイゼン。キスして」
唐突に放った私の台詞に、彼がティーカップを持とうとしたまま動かなくなった。片方の手には、どうやらストライクゾーンだったらしく二周目に突入している本。付き合い始めた私たちの仲を引き裂く、憎たらしいライバルだ。
かみすき
DONEゼン蛍《ゼン蛍》あいのかたち ダイスの転がる音に、時おりわあっと歓声が上がる。かちゃかちゃと什器がぶつかり、その賑やかさに合わせてコーヒーミルが音を立てた。
挽きたての豆の香りに満ちた昼下がりのカフェの隅、気持ちよさそうに眠るパイモンを抱えた蛍はアルハイゼンと向き合っていた。
コーヒーと共に机上に並ぶ本は、昨日貸したはずのそれ。いつも一日足らずで返ってくる。蛍は一週間かけて読むのに。それだけ時間をかけたって、文字を追うのに精一杯で内容なんかほとんど覚えていないが。
さらに目の前の男は、毎度律儀に本についての感想を寄越した。それにわかったような表情で頷くのが、ここ最近のお決まりだった。ちんぷんかんぷんなのはばれているだろうが、アルハイゼンがそれを咎めることもない。声に出して思考を整理したいだけなんだろう、と蛍は本の表紙を見つめながら首を振るだけだった。
1757挽きたての豆の香りに満ちた昼下がりのカフェの隅、気持ちよさそうに眠るパイモンを抱えた蛍はアルハイゼンと向き合っていた。
コーヒーと共に机上に並ぶ本は、昨日貸したはずのそれ。いつも一日足らずで返ってくる。蛍は一週間かけて読むのに。それだけ時間をかけたって、文字を追うのに精一杯で内容なんかほとんど覚えていないが。
さらに目の前の男は、毎度律儀に本についての感想を寄越した。それにわかったような表情で頷くのが、ここ最近のお決まりだった。ちんぷんかんぷんなのはばれているだろうが、アルハイゼンがそれを咎めることもない。声に出して思考を整理したいだけなんだろう、と蛍は本の表紙を見つめながら首を振るだけだった。
さまなし
DONE欲情とありますがエッなことは一切ないです。【ゼン蛍】抱き枕と欲情 目を覚ますと、外は陽が傾き始めていて少し赤らんでいた。彼の腕の中、視線を上げると彼は私が起きたことにも気付いていないかのように本を読み進めている。小さくあくびをして出来るだけ邪魔をしないように指を組んだ両手を前に伸ばせば、私を支えていた右手が私を支え直す。
アルハイゼンの家で本を読むとき、彼は何故か私を足の間に座らせたがる。何故そうなったのか、きっかけはもう覚えていない。それでも最初の方は遠慮をしたし、拒否の姿勢を見せたこともある。けれど何だかんだと気付けば彼の足の間にいて、それが何度も続けば抵抗する方が馬鹿らしくなるもので。
背中を預ける形でいたのも、今では少しでもお互いが本を読みやすいように横抱きの形になった。慣れるとその体温の心地良さに気付けば寝てしまうことも多くなり、彼のゆっくり上下する胸が更に眠気を誘い、今日も彼の腕の中で眠る始末。
3236アルハイゼンの家で本を読むとき、彼は何故か私を足の間に座らせたがる。何故そうなったのか、きっかけはもう覚えていない。それでも最初の方は遠慮をしたし、拒否の姿勢を見せたこともある。けれど何だかんだと気付けば彼の足の間にいて、それが何度も続けば抵抗する方が馬鹿らしくなるもので。
背中を預ける形でいたのも、今では少しでもお互いが本を読みやすいように横抱きの形になった。慣れるとその体温の心地良さに気付けば寝てしまうことも多くなり、彼のゆっくり上下する胸が更に眠気を誘い、今日も彼の腕の中で眠る始末。
amelu
DONEゼン蛍。蛍ちゃんの強さを美しさとして惹かれたアルハイゼンと、アルハイゼンの隣に並ぶには子どもぽく見えるよね……が悩みの蛍ちゃん。*アルハイゼンの恋愛遍歴的な話が捏造されているので苦手な方は閲覧をお控えください
まだ青い議論 きっかけは、砂漠の遺跡調査だった。
教令院に収蔵されていた研究資料を検分していたところ、現物と照らし合わせる必要が生じてアルハイゼンは現地へと赴いていた。
遺跡あるところに盗掘あり。アルハイゼンが碑文を検めていると、金目のものがあると思ったらしい宝盗団が剣を抜いて迫ってきた。
そのときだった。頭上で白い花か何かがぶわっと舞ったかと思うと、アルハイゼンと宝盗団の間に割って入るように、地面に剣を突き立てて蛍が着地した。
「アルハイゼン!?大丈夫?怪我はない?」
「……ああ、問題ない」
「よかった。今、片付けるね」
そう言った彼女は軽やかに舞うように剣を振るい、草の元素力を迸らせる。
呆気にとられたアルハイゼンは、彼女に加勢するため剣を握りながらもどこか冷静に思考を巡らせていた。
6890教令院に収蔵されていた研究資料を検分していたところ、現物と照らし合わせる必要が生じてアルハイゼンは現地へと赴いていた。
遺跡あるところに盗掘あり。アルハイゼンが碑文を検めていると、金目のものがあると思ったらしい宝盗団が剣を抜いて迫ってきた。
そのときだった。頭上で白い花か何かがぶわっと舞ったかと思うと、アルハイゼンと宝盗団の間に割って入るように、地面に剣を突き立てて蛍が着地した。
「アルハイゼン!?大丈夫?怪我はない?」
「……ああ、問題ない」
「よかった。今、片付けるね」
そう言った彼女は軽やかに舞うように剣を振るい、草の元素力を迸らせる。
呆気にとられたアルハイゼンは、彼女に加勢するため剣を握りながらもどこか冷静に思考を巡らせていた。
kinopon_room
DONEカーヴェが洞天の書庫を案内される話※アルハイゼン不在
※カーヴェ実装前につき、口調等の捏造・解釈違いはご了承ください
【ゼン蛍+カーヴェ】とある建築家の憂慮 自分の背丈を優に超える幅広の書棚、行儀よく整列した書物の数々。居候先とまではいかないが、壁と通路にいくつか鎮座するそれらが、この場所を立派な知恵の部屋たらしめていた。
「すごいな。個人でこれほどの資料を集めるのは、大変だったろう?」
「私ひとりの力じゃないよ。……でも、ありがとう」
自慢の書庫なんだ、と胸を張る少女はどこか誇らしげに見える。
洞天への誘いを受けてから、まだほんの数日。広大な敷地のどこに何があるかまだ把握できていないカーヴェは、蛍に案内されながら各所を見て回っていた。外から内へ、玄関からリビングへ。動線に沿いながら進んでいき、最後に奥まった場所にあるこの書庫へと通された。
「カーヴェは、読書好き?」
2543「すごいな。個人でこれほどの資料を集めるのは、大変だったろう?」
「私ひとりの力じゃないよ。……でも、ありがとう」
自慢の書庫なんだ、と胸を張る少女はどこか誇らしげに見える。
洞天への誘いを受けてから、まだほんの数日。広大な敷地のどこに何があるかまだ把握できていないカーヴェは、蛍に案内されながら各所を見て回っていた。外から内へ、玄関からリビングへ。動線に沿いながら進んでいき、最後に奥まった場所にあるこの書庫へと通された。
「カーヴェは、読書好き?」
さまなし
DONEゼン蛍+🥧の話。ゼンは無言でまるごと抱き締めそうだなと。【ゼン蛍】遅めの夕食は、結局ピタだけになった 今日は一日のんびり過ごそう。そう決めた蛍とパイモンは朝からそれぞれ好きに行動をしていた。とはいえ、現在滞在中のスメールシティで行くところと言えばお互い似たような場所になる。お昼前にグランドバザールで再会した二人は屋台で昼食を購入後、塵歌壺に入ってゆっくりとそれを食べ終えた。
この後はどうしようか。このまま塵歌壺の中でのんびり過ごしてもいいし、スメールシティの誰かに会いに行ってもいいかもしれない。パイモンがそんなことを考えていると、満腹感で少しずつ眠気に襲われて瞼がゆっくりと落ちてくる。あと少しで意識を飛ばそうかという時、思わぬ来訪者が現れた。
「あ、アルハイゼン。こんにちは」
「あぁ、こんにちは」
3207この後はどうしようか。このまま塵歌壺の中でのんびり過ごしてもいいし、スメールシティの誰かに会いに行ってもいいかもしれない。パイモンがそんなことを考えていると、満腹感で少しずつ眠気に襲われて瞼がゆっくりと落ちてくる。あと少しで意識を飛ばそうかという時、思わぬ来訪者が現れた。
「あ、アルハイゼン。こんにちは」
「あぁ、こんにちは」
ゆきは
DONE《注意事項》とりあえず暗いです。悩む蛍ちゃんがいます。しかいません。
※稲妻魔神任務、層岩巨淵世界任務、スメール砂漠世界任務のNPCへの言及があります。特にビルキースの哀歌についてはネタバレが多く含まれます。 2559
さまなし
DONEカヴェ曰く「何を見せられてるんだ」2023/04/04誤字修正
【ゼン蛍】当事者だけが気付いてない「だからそれはこの前も言っただろ。そこは――」
「それは最新の論文で否定された。今の見解は――」
頭上で交わされている、全く内容の分からない会話。最初はちょっとした好奇心で二人の会話を聞いていたけれど、チンプンカンプンで早々に理解するのを諦めた。だからそのままここにいても邪魔だろうとお暇しようと思ったのに、私は未だにアルハイゼンの足の間に座らされている(ちなみにパイモンはさっさと逃げ出した。ズルい)
会話が始まる前から読んでいた本も読み終わったし、飲みかけだったコーヒーもお菓子もとうに尽きた。いい加減解放されたい。けれど立とうとすると逃がさないと言わんばかりに引き寄せられるのでどうしようもない。……流石にトイレに行きたくなったら行かせてくれるとは思ってはいるけれど。
1994「それは最新の論文で否定された。今の見解は――」
頭上で交わされている、全く内容の分からない会話。最初はちょっとした好奇心で二人の会話を聞いていたけれど、チンプンカンプンで早々に理解するのを諦めた。だからそのままここにいても邪魔だろうとお暇しようと思ったのに、私は未だにアルハイゼンの足の間に座らされている(ちなみにパイモンはさっさと逃げ出した。ズルい)
会話が始まる前から読んでいた本も読み終わったし、飲みかけだったコーヒーもお菓子もとうに尽きた。いい加減解放されたい。けれど立とうとすると逃がさないと言わんばかりに引き寄せられるのでどうしようもない。……流石にトイレに行きたくなったら行かせてくれるとは思ってはいるけれど。
かみすき
PASTゼン蛍筋肉がすごいねって
Twitterに画像で投げたものと、さらにもう少し足してます
≪ゼン蛍≫瓶の蓋が固すぎる問題ジャムの瓶が開かない。
リンゴをとろりと煮詰めて、甘い匂いごと閉じ込めてきゅっと蓋を閉めた瓶。会心の出来だと食べるのを楽しみにしていたのに。
誰がこんなにきつく閉めたのか。そんなもの、この時間までまだ気持ちよく眠っているであろうアルハイゼン、彼しかいない。
いつどこで使うのかもわからない筋肉は、こういったささいなところで発揮されていた。アルハイゼン自身はそんなつもりがなくとも、自然と力が入ってしまって固く閉まるのだろう。何度気をつけるように注意しても一向に改善される気配がなく、おかげで家中の瓶という瓶ががっちがちに封じられていた。
目の前できつね色のカリカリふわふわトーストがジャムを待っているのに、蛍の握力では太刀打ちできない。そもそもこれは昨日の蛍が閉めたもので、それなら蛍が開けられるはずなのに。自分で開けられるように調整したはずの瓶すらも、いつの間にかぎゅっと固く閉められている。見つけるたびに、きちんと閉まっていないからとそれはそれは丁寧に直してくれているようだった。
2376リンゴをとろりと煮詰めて、甘い匂いごと閉じ込めてきゅっと蓋を閉めた瓶。会心の出来だと食べるのを楽しみにしていたのに。
誰がこんなにきつく閉めたのか。そんなもの、この時間までまだ気持ちよく眠っているであろうアルハイゼン、彼しかいない。
いつどこで使うのかもわからない筋肉は、こういったささいなところで発揮されていた。アルハイゼン自身はそんなつもりがなくとも、自然と力が入ってしまって固く閉まるのだろう。何度気をつけるように注意しても一向に改善される気配がなく、おかげで家中の瓶という瓶ががっちがちに封じられていた。
目の前できつね色のカリカリふわふわトーストがジャムを待っているのに、蛍の握力では太刀打ちできない。そもそもこれは昨日の蛍が閉めたもので、それなら蛍が開けられるはずなのに。自分で開けられるように調整したはずの瓶すらも、いつの間にかぎゅっと固く閉められている。見つけるたびに、きちんと閉まっていないからとそれはそれは丁寧に直してくれているようだった。
さまなし
DONE【ゼン蛍】答えは最初からそこにいた付き合っていないけれどキスをしているので一応注意。大丈夫です。この後ちゃんと付き合います。
【ゼン蛍】答えは最初からそこにいた ふっと、視界を影が覆った。
視線が交わった時にはもう、私の唇は塞がれていて。
そして瞬きの間に解放される。
「……どうしてキスしたの?」
「したいと思ったからだな」
「そっか」
何の前触れもない、突然のキス。けど心中は思っている以上に静かだった。
でも私たちはそういう関係ではない。個人的にはそういう空気になったこともないと思う。けれど彼の顔が近づいてきたとき、避けるという選択肢はなく、私は当たり前のようにそれを受け入れた。
「もう少し動じるかと思ったが」
「それをあなたが言うんだ?」
動じて欲しかったの? 問えばあっさり否定される。
「それで、してみた感想は?」
「想像通りというべきか。君の反応の方が意外だった」
1872視線が交わった時にはもう、私の唇は塞がれていて。
そして瞬きの間に解放される。
「……どうしてキスしたの?」
「したいと思ったからだな」
「そっか」
何の前触れもない、突然のキス。けど心中は思っている以上に静かだった。
でも私たちはそういう関係ではない。個人的にはそういう空気になったこともないと思う。けれど彼の顔が近づいてきたとき、避けるという選択肢はなく、私は当たり前のようにそれを受け入れた。
「もう少し動じるかと思ったが」
「それをあなたが言うんだ?」
動じて欲しかったの? 問えばあっさり否定される。
「それで、してみた感想は?」
「想像通りというべきか。君の反応の方が意外だった」
さまなし
DONE【ゼン蛍】それは自分だけの【ゼン蛍】それは自分だけの その日アルハイゼンが塵歌壺に赴くと、何やら邸宅内が騒がしかった。ここの主が認めた者しか入れない為、不法侵入者の類ではないだろうが邸宅の前にいるマルに近づく。
「おや、アルハイゼン様。ようこそいらっしゃいました」
「何やら騒がしいようだが、何が起きている?」
「今日は蛍さんが模様替えを始めたようですよ」
なるほど、と知らずうちにしていた警戒を解いて邪魔をするとマルに一言掛けて邸宅内に入ると、小物を抱えた蛍の姿がすぐに目に入った。蛍の方も室内に入ってきたアルハイゼンの姿を認めておはようと挨拶をする。
「アルハイゼン、もしかして今日はここを利用するつもりだった?」
「あぁ、少し書斎を借りたいのだが」
「書斎……」
2162「おや、アルハイゼン様。ようこそいらっしゃいました」
「何やら騒がしいようだが、何が起きている?」
「今日は蛍さんが模様替えを始めたようですよ」
なるほど、と知らずうちにしていた警戒を解いて邪魔をするとマルに一言掛けて邸宅内に入ると、小物を抱えた蛍の姿がすぐに目に入った。蛍の方も室内に入ってきたアルハイゼンの姿を認めておはようと挨拶をする。
「アルハイゼン、もしかして今日はここを利用するつもりだった?」
「あぁ、少し書斎を借りたいのだが」
「書斎……」
さまなし
DONE【ゼン蛍】好奇心は猫をも2023/02/24にTwitterに投稿した話です。
ゼン(+カヴェ)に猫耳が生えた話。
2023/03/14追記
ver3.5の風花祭にて、モナが「人の恋路を邪魔したら、イノシシに蹴られますよ。」との発言があったため、本文の最後のカーヴェの台詞「馬に蹴られる趣味はないんだ」を「キノシシに蹴られる趣味はないんだ」に変更しました。
【ゼン蛍】好奇心は猫をも 突然、アルハイゼンの頭に動物の耳が生えた。本当に突然過ぎてパイモンも蛍も驚きのあまり声も出せずにそれを凝視し、急に黙り込みおかしな表情をする二人にアルハイゼンは首を傾げた。
「どうかしたのか?」
「みっ」
「み?」
「みみ!! 耳が生えてるぞアルハイゼン!!」
「耳は元々あるものだろう」
「ちっがーう!! 頭!! 頭に猫耳みたいなのが生えてるんだよ!!」
パイモンが空中で地団駄を踏みながら今の状況を説明したが、アルハイゼンは言っている意味が分からないと訝しむ。蛍も言われた側なら同じ反応をしただろう。とにかくまずは自分の姿を確認してもらおうと鏡に誘導しようとしたとき、パイモンの声に反応したカーヴェが部屋から出てきた。
2961「どうかしたのか?」
「みっ」
「み?」
「みみ!! 耳が生えてるぞアルハイゼン!!」
「耳は元々あるものだろう」
「ちっがーう!! 頭!! 頭に猫耳みたいなのが生えてるんだよ!!」
パイモンが空中で地団駄を踏みながら今の状況を説明したが、アルハイゼンは言っている意味が分からないと訝しむ。蛍も言われた側なら同じ反応をしただろう。とにかくまずは自分の姿を確認してもらおうと鏡に誘導しようとしたとき、パイモンの声に反応したカーヴェが部屋から出てきた。
さまなし
DONE【ゼン蛍】それは嫉妬か、それとも2023/02/18にTwitterに投稿した話です。
【ゼン蛍】それは嫉妬か、それとも カーヴェが家に戻ると、既に陽が落ち始めている時間だというのに明かりが灯されていなかった。この家の主は今日一日家にいると聞いていたのだが出かけてしまったのだろうか。
まぁどちらでも鍵を持っている自分には関係がない。居ないなら居ないで静かに模型作りに精が出るものだ。と、勝手知ったるなんとやらで鍵を開けようとして、鍵がかかっていないことに気付く。不用心だなと思いつつ中に入ると、玄関からすぐの右手のソファに家主――アルハイゼンの姿を見つけた。外から見た通り明かりもつけず、しかし黙々と手にした本を読み進めているようだ。
確かにまだ読めない暗さではないが、集中しているからと言ってもこれはいただけない。スイッチに手を伸ばしながら小言を言ってやる。
2099まぁどちらでも鍵を持っている自分には関係がない。居ないなら居ないで静かに模型作りに精が出るものだ。と、勝手知ったるなんとやらで鍵を開けようとして、鍵がかかっていないことに気付く。不用心だなと思いつつ中に入ると、玄関からすぐの右手のソファに家主――アルハイゼンの姿を見つけた。外から見た通り明かりもつけず、しかし黙々と手にした本を読み進めているようだ。
確かにまだ読めない暗さではないが、集中しているからと言ってもこれはいただけない。スイッチに手を伸ばしながら小言を言ってやる。