kasyaken
การฝึกอบรม真→桐。きりゅ〜がテディベア。書きたいシーンや要素を入れたらこの回想シーンいるかあ?ってなってしまったけど考えないことにします。まじまはきりゅ〜が毛玉になっても速攻正体看破しそう。どさくさに紛れて同居に持ち込んでます。
ブラッシングするまじま「桐生ちゃん」
ソファに腰掛けた真島が足の間を軽く叩く。桐生は真島の右手がブラシを握っているのを認め、鼻に皺を寄せた。
「朝やったばかりだよな」
「んー?せやな」
「そんなまめにしなくていい。そもそも必要ないと思うんだが」
くまなんだし。そう、桐生は今、なんだかよくわからないが突然くまになってしまったのだった。くまといっても猛獣の熊ではなく、綿が詰まったふかふかのテディベアの方だった。
***
自分でも信じられないのに、他人なんて尚更だ。俺はどうしたらいい…。茫然自失としていたとき、不思議がる声が桐生の大きくなった耳に届いた。
「桐生ちゃんこっちにいると思たんやけどなあ?」
桐生は咄嗟にその声のする方へ飛び出したが、自分の今の姿を思い出して足が止まった。真島は喧嘩好きでしつこくて、たまに面倒くさい。しかし、困った時には真っ先に頭に浮かぶ頼れる兄貴分なのだ。自分は桐生一馬だと主張しても、真島に胡散臭いモノを見る目で見られたら…そう思うと恐ろしかった。真島の前に出てきたものの、桐生は口を開けなかった。けれど、目を丸くした真島は「なんやオモロイことになっとるな?桐生ちゃん」と、いつものあの特徴的な笑い方をした。
4496ソファに腰掛けた真島が足の間を軽く叩く。桐生は真島の右手がブラシを握っているのを認め、鼻に皺を寄せた。
「朝やったばかりだよな」
「んー?せやな」
「そんなまめにしなくていい。そもそも必要ないと思うんだが」
くまなんだし。そう、桐生は今、なんだかよくわからないが突然くまになってしまったのだった。くまといっても猛獣の熊ではなく、綿が詰まったふかふかのテディベアの方だった。
***
自分でも信じられないのに、他人なんて尚更だ。俺はどうしたらいい…。茫然自失としていたとき、不思議がる声が桐生の大きくなった耳に届いた。
「桐生ちゃんこっちにいると思たんやけどなあ?」
桐生は咄嗟にその声のする方へ飛び出したが、自分の今の姿を思い出して足が止まった。真島は喧嘩好きでしつこくて、たまに面倒くさい。しかし、困った時には真っ先に頭に浮かぶ頼れる兄貴分なのだ。自分は桐生一馬だと主張しても、真島に胡散臭いモノを見る目で見られたら…そう思うと恐ろしかった。真島の前に出てきたものの、桐生は口を開けなかった。けれど、目を丸くした真島は「なんやオモロイことになっとるな?桐生ちゃん」と、いつものあの特徴的な笑い方をした。
kasyaken
การฝึกอบรมまじまがテディベア。寝てないし、毛並みがふわふわになってるけど、きっときりゅ〜は気付かない。鈍感男「お前、好き勝手に喧嘩しとるけどなあ!俺のこと忘れとるやろ!」
チンピラに喧嘩を売られ、その望み通りに叩きのめして一息つけばいつの間にか足元にいた真島が怒っていた。身体は小さいのに声は変わらず大きい。桐生はなぜ自分が怒られているのかわからず、眉間の皺を深くしながら真島の顔を眺めた。足元で怒鳴っている真島はようやく桐生と目が合った途端、ますます怒った。
「桐生ちゃん怪我しとるやんけ!そんなしょーもない奴相手に傷なんか作んなや!」
どうやら真島は虫の居所が悪いらしい。先の喧嘩で負った傷──桐生に言わせればしょーもない傷なのであるが──が気に食わないようだ。いくら鈍感な桐生でも、こうもぷりぷり怒っている真島に余計な口を出すのは悪手だと怒声を右から左へと聞き流していた。
962チンピラに喧嘩を売られ、その望み通りに叩きのめして一息つけばいつの間にか足元にいた真島が怒っていた。身体は小さいのに声は変わらず大きい。桐生はなぜ自分が怒られているのかわからず、眉間の皺を深くしながら真島の顔を眺めた。足元で怒鳴っている真島はようやく桐生と目が合った途端、ますます怒った。
「桐生ちゃん怪我しとるやんけ!そんなしょーもない奴相手に傷なんか作んなや!」
どうやら真島は虫の居所が悪いらしい。先の喧嘩で負った傷──桐生に言わせればしょーもない傷なのであるが──が気に食わないようだ。いくら鈍感な桐生でも、こうもぷりぷり怒っている真島に余計な口を出すのは悪手だと怒声を右から左へと聞き流していた。
ニシン
เมนู雑誌真桐の続編(冒頭)です。素敵な雑誌知識を授けていただいので書きます。ウェブオン間に合えばいいな~!二人を色んなメイク&衣装で飾り立てる予定です✌雑誌撮影リターンズⅠ.
先日発売された雑誌の反響は凄まじかった。
“元広域指定暴力団”というレッテルは、“チョット怖くて顔のいい男たち”というビジュアルに負けたらしい。それをどう受け止めるべきかは微妙なところだったが、マァ世間に批判されるよりかはいいことだろう。
担当者からは五月雨式に感謝の言葉を送られ(いつの間にか西田が窓口の役回りになっていた)、西田もたくさんの好意的なネットコメントを読んだ。
正直かなり嬉しかった。
ずっと背中を追ってきた憧れの二人が世間から注目されている!
その事実は誇りと共に、西田の胸の中でカッカと燃える炎となっていた。
俺はその背中を一番近くで追いかけたんだ!
この人たちの生き方は格別カッコいいんだ!
9690先日発売された雑誌の反響は凄まじかった。
“元広域指定暴力団”というレッテルは、“チョット怖くて顔のいい男たち”というビジュアルに負けたらしい。それをどう受け止めるべきかは微妙なところだったが、マァ世間に批判されるよりかはいいことだろう。
担当者からは五月雨式に感謝の言葉を送られ(いつの間にか西田が窓口の役回りになっていた)、西田もたくさんの好意的なネットコメントを読んだ。
正直かなり嬉しかった。
ずっと背中を追ってきた憧れの二人が世間から注目されている!
その事実は誇りと共に、西田の胸の中でカッカと燃える炎となっていた。
俺はその背中を一番近くで追いかけたんだ!
この人たちの生き方は格別カッコいいんだ!
ニシン
กราฟฟิตี้いつもは削っている意味不明な文章たちをそのまま使ったら完成品はどうなるかなっていう実験です。嘘だったらいいのにな~って感じの話になったので、エイプリルフールにはちょうど良いと思いました。頭は大丈夫です。
簡単な話(作文の実験)西公園のドラム缶前。
何でも放り込んでいいと言われている便利なかがり火を前に、秋山は一人立ち尽くしていた。寒くもないのに冷える末端神経に体温が巡るよう指先を丸め、歯の隙間から細く息を吐く。
「っスゥー……」
片方の瞼が痙攣していた。
緊張と弛緩で神経がすり減っている。
正午を回る前にも関わらず、秋山は早くも今日という日をやり直したかった。
Q.なぜ彼は追い詰められているのか。
答えは簡単で、
A.とても怖いものを見たからである。
それは夜のしじまで追ってくる静かな足音を聞いてしまった時のような、廊下の角に置いてある安楽椅子が揺れ続けているのを見てしまった時のような……冷たい手で心臓を掴まれた人間の、底冷えした恐怖の感覚だった。
10143何でも放り込んでいいと言われている便利なかがり火を前に、秋山は一人立ち尽くしていた。寒くもないのに冷える末端神経に体温が巡るよう指先を丸め、歯の隙間から細く息を吐く。
「っスゥー……」
片方の瞼が痙攣していた。
緊張と弛緩で神経がすり減っている。
正午を回る前にも関わらず、秋山は早くも今日という日をやり直したかった。
Q.なぜ彼は追い詰められているのか。
答えは簡単で、
A.とても怖いものを見たからである。
それは夜のしじまで追ってくる静かな足音を聞いてしまった時のような、廊下の角に置いてある安楽椅子が揺れ続けているのを見てしまった時のような……冷たい手で心臓を掴まれた人間の、底冷えした恐怖の感覚だった。
yuuuhi108
เสร็จแล้ว8外伝のストーリーのネタバレがあります。ご注意ください。8外伝後の真桐。前に上げた『一方その頃』からの続きの話。
ハワイから帰って来た兄さんが桐生ちゃんに会いにくる話です。
なんか違うという感じが拭えない。言わせたい台詞を優先するとこうなってしまった。 3345
yuuuhi108
สปอยเลอร์真桐です。8外伝クリア記念に書きたいとこだけ書き殴りました。
8外伝ラストのネタバレしかないです。ご注意ください。
パスワードは「外伝」をローマ字で入力してください。 2355
ニシン
กราฟฟิตี้バレンタイン後夜祭だとそそのかされて、金曜夜中にほろ酔いで書いてた真桐です。バレンタインの足音〇投稿後追加前書き
※無性に消したくなったしきっと未来の自分が何度も嫌になって消そうとすると思うので、阻止するために絶対目に入る部分で言い訳します。
おかしな部分はぜーんぶお酒のせい!!!
マァ傍から見ると普段とあまり変わらないかもしれませんが、継続ダメ入ってます。やっぱり多少は考えて書かないと駄目ですね。でもスタンプくれた方々、ありがとうございます。穴があったら入りたい。
ホワイトデーにリベンジしようね、私。
-----------------------------------
『日頃の感謝をあの人に!』
コンビニの前。
でっかいのぼりを見た桐生は、はためく文字に足を止めた。店のガラスに貼ってあるポップには『バレンタインデー』という文字が躍っており、ふぅん…?とスマホのカレンダーを確認する。
7834※無性に消したくなったしきっと未来の自分が何度も嫌になって消そうとすると思うので、阻止するために絶対目に入る部分で言い訳します。
おかしな部分はぜーんぶお酒のせい!!!
マァ傍から見ると普段とあまり変わらないかもしれませんが、継続ダメ入ってます。やっぱり多少は考えて書かないと駄目ですね。でもスタンプくれた方々、ありがとうございます。穴があったら入りたい。
ホワイトデーにリベンジしようね、私。
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『日頃の感謝をあの人に!』
コンビニの前。
でっかいのぼりを見た桐生は、はためく文字に足を止めた。店のガラスに貼ってあるポップには『バレンタインデー』という文字が躍っており、ふぅん…?とスマホのカレンダーを確認する。
ニシン
กราฟฟิตี้ふせったーに載せてたものです。お嬢の子守をする桐生と、片想いしている真島の話。年下にからかわれる真桐を見たかったけどそこまで行きつきませんでした。アーメン※「お嬢」が出てくるし喋ります
※名前あります
※たぶん全員生きてます
※当たり前のように真桐ですが、二人の会話はほぼないです
当時の年齢
桐生20 大吾12 桔梗8
============
桔梗という少女は堂島組幹部の一人娘で大吾と歳が近かった。二人が幼い頃は、桐生がよく面倒を見ていた。
「かずま、抱っこして」
「桐生くん、こんなやつの言うことなんて聞かなくていいからね」
「なによ、かずまはあんたのものじゃないでしょ!」
「キミのものでもないだろ!」
足元でぎゃあぎゃあと騒ぐ二人に何度頭を抱えた事か。桐生と遊びたい大吾と桐生に構ってほしい桔梗の板挟みになり、いつもスーツのどこかしらを引っ張られていたように思う。
その後、桔梗の親は堂島から独立したため桐生との関りもなくなった。大吾も今は年始の挨拶くらいでしか見ないと言っていた。
4429※名前あります
※たぶん全員生きてます
※当たり前のように真桐ですが、二人の会話はほぼないです
当時の年齢
桐生20 大吾12 桔梗8
============
桔梗という少女は堂島組幹部の一人娘で大吾と歳が近かった。二人が幼い頃は、桐生がよく面倒を見ていた。
「かずま、抱っこして」
「桐生くん、こんなやつの言うことなんて聞かなくていいからね」
「なによ、かずまはあんたのものじゃないでしょ!」
「キミのものでもないだろ!」
足元でぎゃあぎゃあと騒ぐ二人に何度頭を抱えた事か。桐生と遊びたい大吾と桐生に構ってほしい桔梗の板挟みになり、いつもスーツのどこかしらを引っ張られていたように思う。
その後、桔梗の親は堂島から独立したため桐生との関りもなくなった。大吾も今は年始の挨拶くらいでしか見ないと言っていた。
kasyaken
กราฟฟิตี้テディベアのまじまがきりゅ〜に眼帯をつけてもらう話。真→桐個人的な解釈
事件に直接関係している兄弟は別であるが、眼帯の下を見られたくないまじま
まじまが眼帯をつけてもらう話なにかが弾ける軽い感覚がした。嫌な予感がし、左目を隠すようにそっと押さえながら、地面に視線を落とした。予感は的中し、己の左目を覆い隠していたはずの眼帯が落ちていた。真島は素早く拾い上げるとため息をつく。そして、あることに気付いた。
手ぇ、届くんか…?
***
真島は悩んでいた。外れてしまった眼帯を自分でつけることができないのだ。それは、自分が突然テディベアになってしまった時よりも大きな悩みだった。
組の誰かにつけてもらうか。気が滅入る。いっそのこと全く見知らぬ誰かがいいのかもしれない。テディベアになってしまったからには楽しもうと思っていた真島であったが、今すぐに元の姿に戻りたくてたまらない。まあ、そのうち戻るだろうと楽観的に考えていたが、いつ戻るのか?──戻れるのだろうか?
4179手ぇ、届くんか…?
***
真島は悩んでいた。外れてしまった眼帯を自分でつけることができないのだ。それは、自分が突然テディベアになってしまった時よりも大きな悩みだった。
組の誰かにつけてもらうか。気が滅入る。いっそのこと全く見知らぬ誰かがいいのかもしれない。テディベアになってしまったからには楽しもうと思っていた真島であったが、今すぐに元の姿に戻りたくてたまらない。まあ、そのうち戻るだろうと楽観的に考えていたが、いつ戻るのか?──戻れるのだろうか?
ニシン
กราฟฟิตี้これは昨日寝れなくて「ゴロ桐ってえっちよね~♪」とぽちぽち書いたものですが、ただ単に可哀想な被害者が生まれただけでした。はは。被害者:堂島大吾「ゴロ美ぃ…お酒弱くってぇ……ふえぇーん…」
「すごい、清々しいほどの嘘泣きだ…」
大吾は呆然と呟いた。
今日は久々に桐生と飲みに来ていた。
最初の店は俺が決めていいか?と言われ、指定されたのはキャバクラ。
大吾としてはあまり歓迎できないチョイスだったが、なんでもゴロ美とかいうキャバ嬢の約束が断れなかったらしく、重ねて桐生に「すまん、最初だけだから…」と謝られてしまっては頷く以外の選択肢がなかった。
そして入店と同時に顔見知りの女装姿を目の当たりにして気を失っていた大吾は、奈落へ落ちる感覚でハ…っ!と目を覚ました。
何か悪夢のようなものを見た気がする。
全身に冷や汗をかきながら身を起こせば、向かいの席には桐生とゴロ美の姿。
4138「すごい、清々しいほどの嘘泣きだ…」
大吾は呆然と呟いた。
今日は久々に桐生と飲みに来ていた。
最初の店は俺が決めていいか?と言われ、指定されたのはキャバクラ。
大吾としてはあまり歓迎できないチョイスだったが、なんでもゴロ美とかいうキャバ嬢の約束が断れなかったらしく、重ねて桐生に「すまん、最初だけだから…」と謝られてしまっては頷く以外の選択肢がなかった。
そして入店と同時に顔見知りの女装姿を目の当たりにして気を失っていた大吾は、奈落へ落ちる感覚でハ…っ!と目を覚ました。
何か悪夢のようなものを見た気がする。
全身に冷や汗をかきながら身を起こせば、向かいの席には桐生とゴロ美の姿。
ニシン
กราฟฟิตี้アホな桐生(とブレインの秋山)が無敵の真島をトキメキ撃退アタックする話です。クラッシュ・アクション作戦「大好き、むっちゃ好き」
「に、兄さん、少し離れてくれ…」
「一生俺だけにして」
「兄さん…人の目が……」
「ちょっと顔赤くなっとるよ。恥ずかしいんか?ほんまに可愛い……一人にさすの心配やし俺の家に住も?な?」
「可愛…?おれはとっくに成人男性だ……」
桐生は顔を赤くして、小さな汗をいっぱいかいて、目をぐるぐるさせていた。
どうにかこの場から逃れようと努力している最中だった。
しかし片手は真島にガッチリと指を絡め取られていて。もう片手はぐいぐいと迫ってくる真島の肩を押していたのだが、その手首もしっかり掴まれていてあまり意味をなしてない。
すり…と手首の内側を親指で撫でられるたびに背中がぞわぞわして、思考が纏まらない。
10749「に、兄さん、少し離れてくれ…」
「一生俺だけにして」
「兄さん…人の目が……」
「ちょっと顔赤くなっとるよ。恥ずかしいんか?ほんまに可愛い……一人にさすの心配やし俺の家に住も?な?」
「可愛…?おれはとっくに成人男性だ……」
桐生は顔を赤くして、小さな汗をいっぱいかいて、目をぐるぐるさせていた。
どうにかこの場から逃れようと努力している最中だった。
しかし片手は真島にガッチリと指を絡め取られていて。もう片手はぐいぐいと迫ってくる真島の肩を押していたのだが、その手首もしっかり掴まれていてあまり意味をなしてない。
すり…と手首の内側を親指で撫でられるたびに背中がぞわぞわして、思考が纏まらない。
ムジナ
การฝึกอบรม明けましておめでとうございます🐍昨年は🐉🎮️に出逢い興奮した年となりました。
疎いながらも拙宅の作品を見て頂いたり、スタンプなどポチポチ本当にありがとうございます🙏。
今年もゆっくりではありますが如くを進めながらきりゅさんにあんなこといいなできたらいいなと思っております。人外🐍兄さん良き…ですね!
ニシン
ไว้ทุกข์どこに使うでもない短い会話文とか、書き出しとか、そういうものです。文章が不安定だしぶつ切れで、とてつもなく読みづらくて雑です。いつかのために取ってありましたが、そんな日は来ないと気付きました。
文字の墓場『監禁』
◆真島・桐生
真島の想定では、そろそろ心が折れて自分なしでは生きられなくなって縋り付いてくるような状態に持っていける筈だった。
しかし実際はどうだ。
部屋へ行けば「もしかして暇なのか?」という顔をされ、肌に触れれば「救いようがないな」という呆れた目を向けられる。こないだなんて、俺にもプライベートがあるのだから入る時にはノックしてくれと真剣に怒られたばかりだ。
おかしい。
明らかに監禁されている人間の取る態度ではない。いつでも逃げられるならば頷けるが、足首は鎖で繋いでいるし窓は全て嵌め殺しだ。唯一のドアも、二重の扉で頑丈に閉ざされている。
どう考えても桐生に逃げ場はないのだ。
それなのにこの男は、やれ米が柔らかすぎるだの娯楽が少ないだの灰皿がほしいだの、言いたい放題だ。
22508◆真島・桐生
真島の想定では、そろそろ心が折れて自分なしでは生きられなくなって縋り付いてくるような状態に持っていける筈だった。
しかし実際はどうだ。
部屋へ行けば「もしかして暇なのか?」という顔をされ、肌に触れれば「救いようがないな」という呆れた目を向けられる。こないだなんて、俺にもプライベートがあるのだから入る時にはノックしてくれと真剣に怒られたばかりだ。
おかしい。
明らかに監禁されている人間の取る態度ではない。いつでも逃げられるならば頷けるが、足首は鎖で繋いでいるし窓は全て嵌め殺しだ。唯一のドアも、二重の扉で頑丈に閉ざされている。
どう考えても桐生に逃げ場はないのだ。
それなのにこの男は、やれ米が柔らかすぎるだの娯楽が少ないだの灰皿がほしいだの、言いたい放題だ。
ニシン
กราฟฟิตี้もう今年も終わるんですね。へー早いや。私の気分はまだ10月です。酔っぱらいキス魔の続きですが、今回えっちなお騒がせキス魔は誕生しておりません。完全にカットしていい部分しかないですが、書いてしまったので載せます。
読めりゃなんでもいい!という腹ペコヤギさんのような方だけどうぞ。
東城会忘年会【東城会忘年会(前日譚+酔っ払い前まで)】
※過剰飲酒とキス魔 の続き
□東城会本部 会長室
会長室の扉が蹴り開けられ、「おう、おったおった」という無遠慮な声が響いた。鉄板の仕込まれている靴でしか出せない不気味な音が近付いてくる。
「お帰りください」
土地売買の契約書を読み込んでいる最中で忙しかった大吾は、無遠慮な来訪者にしっしと手を振った。
「言われんでも忘年会の日付聞いたら帰るわ、いつやっけ」
「今週末です。ではまた」
「早ぁ。桐生ちゃん空いてるとええけどなぁ」
大吾はそこで初めて、目を通していた書類から顔を上げ、「なぜ…?」という顔をした。
真島の言い方ではまるで、桐生を忘年会に招待するように聞こえる。積もる話もあるし、会える機会が多くない大吾としては嬉しいのだが、なぜわざわざ東城会の忘年会に招待するのかが全くわからなかった。東城会の忘年会は数ある酒の席の中でも最悪だからだ。
10823※過剰飲酒とキス魔 の続き
□東城会本部 会長室
会長室の扉が蹴り開けられ、「おう、おったおった」という無遠慮な声が響いた。鉄板の仕込まれている靴でしか出せない不気味な音が近付いてくる。
「お帰りください」
土地売買の契約書を読み込んでいる最中で忙しかった大吾は、無遠慮な来訪者にしっしと手を振った。
「言われんでも忘年会の日付聞いたら帰るわ、いつやっけ」
「今週末です。ではまた」
「早ぁ。桐生ちゃん空いてるとええけどなぁ」
大吾はそこで初めて、目を通していた書類から顔を上げ、「なぜ…?」という顔をした。
真島の言い方ではまるで、桐生を忘年会に招待するように聞こえる。積もる話もあるし、会える機会が多くない大吾としては嬉しいのだが、なぜわざわざ東城会の忘年会に招待するのかが全くわからなかった。東城会の忘年会は数ある酒の席の中でも最悪だからだ。
ニシン
กราฟฟิตี้5軸の真桐です。脳がやられてるので私のなかではきちんと真桐ですが、客観的に見たらたぶん違うと思います。
無駄に長いし設定だけ見ると暗いけど、ほぼコメディです。シリアスなんて書けないので安心してください。
退屈を持て余してる方だけどうぞ。
webオンリー出たいよ~;;と思いながらも、何を書こうかな?😄の段階なので間に合う予感がまったくしません。間に合うといいね……。
死者の奉仕とダイナマイト黒いスーツを身につけ、黒いネクタイを締め、黒い革靴を履いた桐生は、東城会の本部に来ていた。
もう二度と、足を踏み入れることはないと思っていた場所だった。よっぽどの大事件がない限りは、もう見ることすらないと思っていた。
たとえば何らかの組織に本部を襲撃されて大吾が人質にとられたり、何らかの病気にかかった大吾が桐生を呼んだり、何らかの局地的災害で大吾が助けを求めてきたり(桐生は幼い頃から知っている大吾に対して、他の人間よりも甘かった)、あとはたとえば――
――たとえば、真島の葬式とかでなければ。
◇
真島を構成するものはとてもわかりやすい。
すぐに思い浮かぶのはあの人を喰ったような笑い声で、時代が時代なら魔女裁判に掛けられてもおかしくない不気味さがあった。
8998もう二度と、足を踏み入れることはないと思っていた場所だった。よっぽどの大事件がない限りは、もう見ることすらないと思っていた。
たとえば何らかの組織に本部を襲撃されて大吾が人質にとられたり、何らかの病気にかかった大吾が桐生を呼んだり、何らかの局地的災害で大吾が助けを求めてきたり(桐生は幼い頃から知っている大吾に対して、他の人間よりも甘かった)、あとはたとえば――
――たとえば、真島の葬式とかでなければ。
◇
真島を構成するものはとてもわかりやすい。
すぐに思い浮かぶのはあの人を喰ったような笑い声で、時代が時代なら魔女裁判に掛けられてもおかしくない不気味さがあった。
ニシン
กราฟฟิตี้酒鬱の産物です。真桐です。今回の被害者も大吾です。いつもごめんね。
書くべきものは一切進んでいません。どうしようもないね。
書きっぱなしなので読みづらいかと思います。たぶんそのうち清書します。
過剰飲酒とキス魔「にいさん……ん、んっ」
「…っ!?…っふ、まっ……き、りゅちゃっ!?」
「んぅっん、…っはぁ……んっ」
ぬる、と熱い舌が真島の口内に入り込み、逃げる舌を絡めとられる。
咄嗟に肩を掴んで引き剥がす前に片方の手首を掴まれ、もう片方の手でガッチリと後頭部を固定されて壁際に追い込まれる。
膝の上に乗られたせいで身動きが取れない。
首を振って逃れることもままならず、息継ぎの合間に慌てて制止の声を上げる。
「きりゅ…っんぅ、っは、ちょぉ、まっ…」
「ん、にいさん…っはぁ、かわいい…」
ガチガチに固まった真島を宥めるようにちゅ、ちゅ、とかわいらしい音を立てながら唇を啄んだ桐生は、真島の声を聞くことなくまたすぐに舌を差し込んできた。
3386「…っ!?…っふ、まっ……き、りゅちゃっ!?」
「んぅっん、…っはぁ……んっ」
ぬる、と熱い舌が真島の口内に入り込み、逃げる舌を絡めとられる。
咄嗟に肩を掴んで引き剥がす前に片方の手首を掴まれ、もう片方の手でガッチリと後頭部を固定されて壁際に追い込まれる。
膝の上に乗られたせいで身動きが取れない。
首を振って逃れることもままならず、息継ぎの合間に慌てて制止の声を上げる。
「きりゅ…っんぅ、っは、ちょぉ、まっ…」
「ん、にいさん…っはぁ、かわいい…」
ガチガチに固まった真島を宥めるようにちゅ、ちゅ、とかわいらしい音を立てながら唇を啄んだ桐生は、真島の声を聞くことなくまたすぐに舌を差し込んできた。
ニシン
เสร็จแล้ว真桐で、なんの変哲もない恋の話です。甘酸っぱい話を目標に書きました。いつも通りです。追記:pixivに加筆修正版上げました。お好みでどうぞ。
グッバイ恋心「来月この映画やるんやて」
「……」
「あ、コレこないだ桐生ちゃんに似てる思った猫。ソックリやろ」
「……」
「大麻って今グラム五千円なんやぁ」
「……」
「ここ今度行こな、オススメの店」
「…ん」
桐生は壁に寄りかかり、狭い空に昇っていく煙を見上げていた。
真島は桐生のすぐ横にしゃがみ、気だるそうに煙草を吸いながら器用に様々な画像をパッパッと表示させている。桐生は初めの頃こそ律儀に付き合っていたが、最近は右から左だ。
真島の生きる時間は桐生よりずっと早いのではないかと思うことが多々あるが、この時間もそのひとつだった。
真島がいつになく真剣な顔で付き合ってくれと言ってきたのは、もう三ヶ月前になる。
その時桐生は、神社の片隅で甘酒を飲みながら確定申告のことを考えていた。当然そんなことをした経験はないし今後する予定もないのだが、どうやら世間ではポピュラーな行事らしい……というのをラーメン屋のテレビで知った。
11105「……」
「あ、コレこないだ桐生ちゃんに似てる思った猫。ソックリやろ」
「……」
「大麻って今グラム五千円なんやぁ」
「……」
「ここ今度行こな、オススメの店」
「…ん」
桐生は壁に寄りかかり、狭い空に昇っていく煙を見上げていた。
真島は桐生のすぐ横にしゃがみ、気だるそうに煙草を吸いながら器用に様々な画像をパッパッと表示させている。桐生は初めの頃こそ律儀に付き合っていたが、最近は右から左だ。
真島の生きる時間は桐生よりずっと早いのではないかと思うことが多々あるが、この時間もそのひとつだった。
真島がいつになく真剣な顔で付き合ってくれと言ってきたのは、もう三ヶ月前になる。
その時桐生は、神社の片隅で甘酒を飲みながら確定申告のことを考えていた。当然そんなことをした経験はないし今後する予定もないのだが、どうやら世間ではポピュラーな行事らしい……というのをラーメン屋のテレビで知った。
ニシン
ไว้ทุกข์一番隊隊士が経験したある任務の話鬼に成る男 こないだの任務で、街の外れの村を占拠した賊を討つってのがあった。
結構な規模だったから一番隊と三番隊との合同任務だったんだが、俺らは他の任務があったから先に三番隊が乗り込んだ。沖田隊長が張り切って斬りまくったお陰で、さほど遅れずに村へと着いた。
村の入口には百姓たちが集まっていて、女子供は固まって震えていた。誰も大きな怪我はなく無事な様子だったが聞けば逃げ遅れた女がいるらしく、小隊で手分けして捜索するために村の中へ入った。奥へ行く道には既にかなりの数の賊の死体が転がっていたが、まだ奥から怒声や悲鳴が聞こえてきていた。
賊を斬り伏せながら奥へと進めば、後ろでドンッと音がした。刀を構えていた敵の上へ三番隊の西谷さんが降って来た音だった。
4201結構な規模だったから一番隊と三番隊との合同任務だったんだが、俺らは他の任務があったから先に三番隊が乗り込んだ。沖田隊長が張り切って斬りまくったお陰で、さほど遅れずに村へと着いた。
村の入口には百姓たちが集まっていて、女子供は固まって震えていた。誰も大きな怪我はなく無事な様子だったが聞けば逃げ遅れた女がいるらしく、小隊で手分けして捜索するために村の中へ入った。奥へ行く道には既にかなりの数の賊の死体が転がっていたが、まだ奥から怒声や悲鳴が聞こえてきていた。
賊を斬り伏せながら奥へと進めば、後ろでドンッと音がした。刀を構えていた敵の上へ三番隊の西谷さんが降って来た音だった。
daik1ji2
เสร็จแล้ว【8ネタバレあり】8後お付き合いを始めた二人。
追憶ダイアリーで桐ちゃんがこの台詞を言っていたのが好きだったので……。
8外伝がどうなってるのか不明だから何とも言えないんだけど治療しつつ兄さんとのんびり過ごしてくれ〜。
ニシン
กราฟฟิตี้モブ組員と真島の会話モブ視点桐生一馬という人間は、気を許した者の前ではかなり気の抜けたところを見せる人間だった。
年上である真島や冴島の前ではもちろん、年下である大吾や峯の前でも構わず、緩んだ空気を纏う。「坊の世話しとったんや、もう家族みたいなモンなんやろ」と真島が言っていたのを思い出す。
自分に対してはもちろんそんな姿は見せようとしなかったが、それを続けるにはあまりにも同じ空間にいることが多かった。
桐生が自分に対しても緩んだ姿を見せるには、幾月もかからなかった。
「真島さんは嫉妬とかされないんですか」
「嫉妬ォ?」
隻眼が瞬き不思議そうにこちらを見る。
二人の関係を知ってから時折思うのだ。例えば自分の付き合っている相手が他の人間と距離が近かったら、嫌じゃないのだろうかと。
944年上である真島や冴島の前ではもちろん、年下である大吾や峯の前でも構わず、緩んだ空気を纏う。「坊の世話しとったんや、もう家族みたいなモンなんやろ」と真島が言っていたのを思い出す。
自分に対してはもちろんそんな姿は見せようとしなかったが、それを続けるにはあまりにも同じ空間にいることが多かった。
桐生が自分に対しても緩んだ姿を見せるには、幾月もかからなかった。
「真島さんは嫉妬とかされないんですか」
「嫉妬ォ?」
隻眼が瞬き不思議そうにこちらを見る。
二人の関係を知ってから時折思うのだ。例えば自分の付き合っている相手が他の人間と距離が近かったら、嫌じゃないのだろうかと。
ニシン
ไว้ทุกข์なんで兄さんの様子がおかしいのか全く思いつかなかったので供養。何も考えずに書くからこうなるんだなぁ…。
疲れてる四代目と様子のおかしい真島の話。桐生はわりと人に頼るタイプだ。
一人で抱え込むこともあるが、自分のキャパシティがそんなに大きくないという自覚があるため、手に負えないと感じたらさっさと他人の手を借りる。不器用な自分がやるよりも適切な人間なんていくらでもいるのだ。
効率化を考慮してなんて難しい思考回路ではなく。もっと単純に、「これはちょっと無理かも」と思ったら人に任せているだけである。
しかしどうしても桐生でなければならない仕事もあるわけで。ここ二週間ほど、ずっと本部に缶詰だった。
肩が重く、腰も痛い。
倦怠感が重くのしかかる。
思う存分体を動かせていないのもこの言い様のない疲労感の一端なのだろう。
組の問題は大きいものから小さいものまで様々だ。桐生が四代目の椅子に座ることに反発する組も当然あったが、力で反抗する組は力で捻じ伏せ、対話を望む組には対話で応じ、今は概ね落ち着いている状況だった。
4631一人で抱え込むこともあるが、自分のキャパシティがそんなに大きくないという自覚があるため、手に負えないと感じたらさっさと他人の手を借りる。不器用な自分がやるよりも適切な人間なんていくらでもいるのだ。
効率化を考慮してなんて難しい思考回路ではなく。もっと単純に、「これはちょっと無理かも」と思ったら人に任せているだけである。
しかしどうしても桐生でなければならない仕事もあるわけで。ここ二週間ほど、ずっと本部に缶詰だった。
肩が重く、腰も痛い。
倦怠感が重くのしかかる。
思う存分体を動かせていないのもこの言い様のない疲労感の一端なのだろう。
組の問題は大きいものから小さいものまで様々だ。桐生が四代目の椅子に座ることに反発する組も当然あったが、力で反抗する組は力で捻じ伏せ、対話を望む組には対話で応じ、今は概ね落ち着いている状況だった。
ニシン
ไว้ทุกข์はじめちゃんが鶏競で一文無しになるだけの話だけど、大して喋りません。三番隊がだらだら話してるだけの話はぶつ切れです。何これ?維新小話【はじめちゃんが鶏競で一文無しになるだけの話】
藍の暖簾をくぐると、狐目の男がカコン!と出入りを伝える木を打った。目から下は濃紺の布で隠れており、布には白糸で縦に『御用』と刺繍されている。
「おや、街の人気者が来たね」
揶揄いを含んだ声から、斎藤とはそれなりに気安い仲なのだろうと伺える。
男が座る後ろの違い棚には地面へ垂れ下がる蛇腹本や瓶詰めされた色とりどりの羽、刀や鉄砲にイノシシの首の剥製、草木で染められた絹布や大小様々な玉飾りなど、雑多なもので溢れかえっていて、一見すると万屋のような店構えをしている。
それらが全て、受付台の左右に吊り下がっている藍色の大きな提灯にぼうっと青く照らされ、怪しい雰囲気を醸し出していた。
4423藍の暖簾をくぐると、狐目の男がカコン!と出入りを伝える木を打った。目から下は濃紺の布で隠れており、布には白糸で縦に『御用』と刺繍されている。
「おや、街の人気者が来たね」
揶揄いを含んだ声から、斎藤とはそれなりに気安い仲なのだろうと伺える。
男が座る後ろの違い棚には地面へ垂れ下がる蛇腹本や瓶詰めされた色とりどりの羽、刀や鉄砲にイノシシの首の剥製、草木で染められた絹布や大小様々な玉飾りなど、雑多なもので溢れかえっていて、一見すると万屋のような店構えをしている。
それらが全て、受付台の左右に吊り下がっている藍色の大きな提灯にぼうっと青く照らされ、怪しい雰囲気を醸し出していた。
ニシン
กราฟฟิตี้昔々、終電続きだった時に意識を保つために書いたものです。当然纏まりはないし、特に内容もない上に5歳が幼児なのかも分かりません。えへ。幼児桐生と駄目な大人たち【登場人物】
〇天使
・桐生ちゃん(5歳)
〇大人たち
・ガチ告白をする秋山
・愛情が重い真島
・常識人ぶる大吾
◇秋山の場合
桐生と初めて会った日。
コツコツ培ってきた話術なんてものは、桐生の視線ひとつでアッサリと奪われてしまった。自分が何を喋ったのか、どんな顔をしていたのか、何ひとつ覚えていなかった。
だって憧れの人なのだ。
画面越しに見ていたアイドルが急に自分に話しかけてきたようなものだった。いつまで経っても慣れやしない。だから桐生と居る時の秋山の脳内は、緩い笑顔と気安い態度からは想像もつかないほど荒れ狂っているのが常だった。
そんな秋山の目の前に、天使は現れた。
柔らかな髪、ふくふくの頬、大きな瞳。
どこもかしこもまろい曲線で構成されている。
8794〇天使
・桐生ちゃん(5歳)
〇大人たち
・ガチ告白をする秋山
・愛情が重い真島
・常識人ぶる大吾
◇秋山の場合
桐生と初めて会った日。
コツコツ培ってきた話術なんてものは、桐生の視線ひとつでアッサリと奪われてしまった。自分が何を喋ったのか、どんな顔をしていたのか、何ひとつ覚えていなかった。
だって憧れの人なのだ。
画面越しに見ていたアイドルが急に自分に話しかけてきたようなものだった。いつまで経っても慣れやしない。だから桐生と居る時の秋山の脳内は、緩い笑顔と気安い態度からは想像もつかないほど荒れ狂っているのが常だった。
そんな秋山の目の前に、天使は現れた。
柔らかな髪、ふくふくの頬、大きな瞳。
どこもかしこもまろい曲線で構成されている。
ニシン
เสร็จแล้วハロウィン真桐です。間に合わなかった上にだいぶ思っていたのと違うものができました。いつものことですが。ハロウィン真桐「今日何の日やと思う?」
「知りませんけど」
昼下がり。
人通りの多い神室町の大通りでバットを肩に担いだ真島は、残念な子を見るような目で頷いた。
「ほんま桐生ちゃんはイベント事に疎いのぉ…。ええか、イベントっちゅうもんは金になる。これからシノギ任された時、アホらしい祭りの波に乗れるかどうかで稼ぎが変わってくるんや。まだキリトリばかりで意識しとらんやろうけど、この先お前自身が金を生み出すことを求められる。思考と分析を欠いたらアカン。泥臭いシノギなんてそのうち時代遅れになるんや。今のうちに成功のベースロジックを構築しとかな、土地転がしの残り汁でデカい顔しとる邪魔なタヌキ共を引き摺り下ろせへんで。フィジビリティスタディは出来るか?幸い体力だけはアホほどある奴らばかりやし、たま~に脳ミソがある奴もおる。上手く使い分けることが生き残るための――……」
7495「知りませんけど」
昼下がり。
人通りの多い神室町の大通りでバットを肩に担いだ真島は、残念な子を見るような目で頷いた。
「ほんま桐生ちゃんはイベント事に疎いのぉ…。ええか、イベントっちゅうもんは金になる。これからシノギ任された時、アホらしい祭りの波に乗れるかどうかで稼ぎが変わってくるんや。まだキリトリばかりで意識しとらんやろうけど、この先お前自身が金を生み出すことを求められる。思考と分析を欠いたらアカン。泥臭いシノギなんてそのうち時代遅れになるんや。今のうちに成功のベースロジックを構築しとかな、土地転がしの残り汁でデカい顔しとる邪魔なタヌキ共を引き摺り下ろせへんで。フィジビリティスタディは出来るか?幸い体力だけはアホほどある奴らばかりやし、たま~に脳ミソがある奴もおる。上手く使い分けることが生き残るための――……」