vermmon
PROGRESS11月の新刊に入れる話の冒頭。風邪ひいたパセを死ぬほど甘やかすシェの話。ひみつのおはなし(ロドスキッチン編) 暑く、熱く、乾いている。
彼は砂に埋もれていた。身体が熱い砂に埋もれている。絶え間なく吹き付ける風のせいで、口の中は砂でいっぱいだった。喉が渇くのはそのせいだ。砂が唾液も何もかも吸い取ってしまうから。
彼はもがいたが、熱を掻き分けても、ますます沈んでいくばかりだ。水。水が欲しい。サボテンはそこら中にある。その果肉が貴重な水分となることを彼は知っている。棘だらけの植物は目の前だというのに、踏み出した爪先は沈み、どうしても前に進むことができない。埋もれ行く彼の手を誰かが掴んだ。熱砂の只中にありながら、凍り付いたような美貌。ケルシー――否。あの女は、彼の手を握ったりなどしなかった。つまり、これは夢だ。こんな夢を見ている自分に彼はひどく苛立ち、失望した。だが、確かに誰かが彼の手を握ってくれている。大きな手が。
5895彼は砂に埋もれていた。身体が熱い砂に埋もれている。絶え間なく吹き付ける風のせいで、口の中は砂でいっぱいだった。喉が渇くのはそのせいだ。砂が唾液も何もかも吸い取ってしまうから。
彼はもがいたが、熱を掻き分けても、ますます沈んでいくばかりだ。水。水が欲しい。サボテンはそこら中にある。その果肉が貴重な水分となることを彼は知っている。棘だらけの植物は目の前だというのに、踏み出した爪先は沈み、どうしても前に進むことができない。埋もれ行く彼の手を誰かが掴んだ。熱砂の只中にありながら、凍り付いたような美貌。ケルシー――否。あの女は、彼の手を握ったりなどしなかった。つまり、これは夢だ。こんな夢を見ている自分に彼はひどく苛立ち、失望した。だが、確かに誰かが彼の手を握ってくれている。大きな手が。
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DONEジュナーのオペレコ2を見た瞬間「シェパセで書くしかねぇ」と思った。第三者に観測される推しカプっていいですよねLascia ch'io pianga(私を泣かせてください) ロドス本艦 バー「ワン・モア・グラス」
ある日の消灯時間間際、バーテンダーのダリオはカウンターで黙々とグラスを磨いていた。「ワン・モア・グラス」はバーらしく明け方まで営業してはいるのだが、今日は客の入りが悪い。アルコール提供時間になっても二、三人の常連が顔を出しただけで、彼らも軽く飲んだ後すぐに帰ってしまった。客足が途絶えて、すでに三十分が過ぎている。
まあ、所詮は客商売。こんな日もあるさ。今日は早めに店を閉めて、新しいカクテルを考案するのもいいかもしれない。そう思いかけた時、入店チャイムが鳴った。本音を言えばドアベルをつけたいのだが、ロドスの扉は基本的にスライド式の自動ドアだ。雰囲気だけでもそうなるように、音だけでもドアベルのものに設定してある。
3480ある日の消灯時間間際、バーテンダーのダリオはカウンターで黙々とグラスを磨いていた。「ワン・モア・グラス」はバーらしく明け方まで営業してはいるのだが、今日は客の入りが悪い。アルコール提供時間になっても二、三人の常連が顔を出しただけで、彼らも軽く飲んだ後すぐに帰ってしまった。客足が途絶えて、すでに三十分が過ぎている。
まあ、所詮は客商売。こんな日もあるさ。今日は早めに店を閉めて、新しいカクテルを考案するのもいいかもしれない。そう思いかけた時、入店チャイムが鳴った。本音を言えばドアベルをつけたいのだが、ロドスの扉は基本的にスライド式の自動ドアだ。雰囲気だけでもそうなるように、音だけでもドアベルのものに設定してある。
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DOODLE時期不明だけど、多分付き合って間もないシェパセ。パセの心がいかに狭いか、夢で実感するシェ。パセの心の広さは四畳半くらいだと思ってたけど、シェと付き合い始める前は二畳だった。茶室の話は、へうげを読んでふわっと覚えてた事をそれっぽく書いただけです。君の心の小宇宙 ゲームセンターの一画に、数人の人だかりができていた。どうやら、ダンスゲームの順番待ちをしているうちに、話が盛り上がってしまったらしい。
シェーシャが友人たちの後ろからのぞき込むと、どうやら旅行雑誌を眺めてああだこうだと意見を言い合っているようだった。
雑誌を手にしているのはアカフユで、アオスタとフレイムテイルが彼女の左右に座っている。極東特集のページを、出身者のアカフユがいろいろと解説しているらしい。ふんだんに使用された写真には、炎国とも異なるエキゾチックな景色が写っていた。山や森はサルゴンの熱帯雨林ともクルビアの山脈とも異なり、どこか厳かな感じがする。
アカフユはかなり目が悪いはずだが、写真について説明する分には問題ないのだろう。
4873シェーシャが友人たちの後ろからのぞき込むと、どうやら旅行雑誌を眺めてああだこうだと意見を言い合っているようだった。
雑誌を手にしているのはアカフユで、アオスタとフレイムテイルが彼女の左右に座っている。極東特集のページを、出身者のアカフユがいろいろと解説しているらしい。ふんだんに使用された写真には、炎国とも異なるエキゾチックな景色が写っていた。山や森はサルゴンの熱帯雨林ともクルビアの山脈とも異なり、どこか厳かな感じがする。
アカフユはかなり目が悪いはずだが、写真について説明する分には問題ないのだろう。
karintou13
MENU9/24 Arts in SanityJ02 はちわれ堂にて頒布予定の新刊サンプルです
『××作戦プランC』 シェパセ A5/26P/¥400 成人向け
最近パッセンジャーが妙に色っぽく見えるシェーシャ
しかしそれはパッセンジャーのある「作戦」だった
イベント後にboothにて通販予定です
よろしくお願いします! 7
vermmon
DONEパセ誕おめでとう!シェパセの誕生日ネタです。Three Enigmas その日、パッセンジャーはいつも通りの時間に目を覚ました。身支度にそれなりの時間がかかるので、彼の朝は少し早い。
軽くシャワーを浴びて、髪と肌と羽の手入れをするが、そわそわと落ち着きのない気分が、見慣れた自室を新鮮なものに感じさせている。
努めていつも通りに過ごそうとしているのに、期待する事をやめられない。
もう二十年以上、今日を特別な日にしない事に慣れてきた。それでも、年甲斐もなくワクワクしてしまう。
今までの自分ならあり得ない感情──これもまた、彼が与えてくれたプレゼントと言えるかもしれない。
髪を梳かしていると、宿舎のドアが開いた。この部屋にパッセンジャーの許可なく入れるのは、緊急時の医療オペレーターと、もう一人──恋人の青年だけだ。
3140軽くシャワーを浴びて、髪と肌と羽の手入れをするが、そわそわと落ち着きのない気分が、見慣れた自室を新鮮なものに感じさせている。
努めていつも通りに過ごそうとしているのに、期待する事をやめられない。
もう二十年以上、今日を特別な日にしない事に慣れてきた。それでも、年甲斐もなくワクワクしてしまう。
今までの自分ならあり得ない感情──これもまた、彼が与えてくれたプレゼントと言えるかもしれない。
髪を梳かしていると、宿舎のドアが開いた。この部屋にパッセンジャーの許可なく入れるのは、緊急時の医療オペレーターと、もう一人──恋人の青年だけだ。
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DONEシェパセ本に入れる予定の話。パッセンジャーとクロージャが酒飲みながらIQの低い会話してるだけの短い幕間です。弊ロドスの二人は仲良し。→あまりに短いので全文のせました。シェパセの話もしてます。→3/15収録版に差し替え
Interude-Tell me what a lover is p.m. 11:57 ロドス本艦 部長室
「やーった! 終わったー!」
最後の書類に最後のサインを書き入れたクロージャは、快哉を叫んでデスクに突っ伏した。
「これでケルシーに殺されなくて済むよ……」
開発に夢中になっていたせいで溜めに溜めていた書類仕事を、今日一日で片付けるという無茶なミッションを完遂したクロージャは、達成感に浸っていた。疲労で火照った頬にデスクの冷たさが心地よい。
今日中にすべての書類を提出するようにと余命宣告を受けたクロージャは、念のため「今日って『明日の朝まで』ってこと?」と確認したが、ケルシーはにべもなく「零時までに決まっているだろう」と切り捨てた。だが、まだ日付変わってないからセーフである。あと三分もある。偉い。偉すぎる。
5652「やーった! 終わったー!」
最後の書類に最後のサインを書き入れたクロージャは、快哉を叫んでデスクに突っ伏した。
「これでケルシーに殺されなくて済むよ……」
開発に夢中になっていたせいで溜めに溜めていた書類仕事を、今日一日で片付けるという無茶なミッションを完遂したクロージャは、達成感に浸っていた。疲労で火照った頬にデスクの冷たさが心地よい。
今日中にすべての書類を提出するようにと余命宣告を受けたクロージャは、念のため「今日って『明日の朝まで』ってこと?」と確認したが、ケルシーはにべもなく「零時までに決まっているだろう」と切り捨てた。だが、まだ日付変わってないからセーフである。あと三分もある。偉い。偉すぎる。
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MOURNINGツイッターで妄想してたショタシェとエリオットが友達になるパロディを補足したまとめ。シェーシャとエリオットが同年代(エリオットが13歳、シェーシャが10歳くらい)です。妄想まとめなので唐突に終わります。ショタシェ×エリオットちょっと気弱で素直なガリ勉系ショタのシェーシャくんと同年代のエリオットくんと友達になるパロ。シェはエリオットに懐きそうだけど、エリオットはニコニコ応対しながらも内心すごいイラついてそう。ショタシェ、愛されてる子のオーラ全開だろうし、エリオットはもっと幼い頃に両親を亡くしてるうえ、親からの愛情も薄かったので。
同年代なのに大学生なエリオットに素直な尊敬の眼差しを向けるショタシェ。表向きはにこやかだけど、内心鬱陶しがっているエリオット。
ある日、エリオットが年上の同級生に嫌がらせされてる現場を目にして大きなショックを受けるショタシェ。自分のために涙を流し、憤る姿を見てエリオットがショタシェを心情的に受け入れるようになるものの、今度はエリオットと仲がいいということでショタシェが虐められる。それに対し、ショタシェが引くほどおっかない報復をするエリオット。
1106同年代なのに大学生なエリオットに素直な尊敬の眼差しを向けるショタシェ。表向きはにこやかだけど、内心鬱陶しがっているエリオット。
ある日、エリオットが年上の同級生に嫌がらせされてる現場を目にして大きなショックを受けるショタシェ。自分のために涙を流し、憤る姿を見てエリオットがショタシェを心情的に受け入れるようになるものの、今度はエリオットと仲がいいということでショタシェが虐められる。それに対し、ショタシェが引くほどおっかない報復をするエリオット。
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MAIKINGエリオットとシェーシャくん。何もしてないけどエリオット君が脱いでるのでワンクッションしてます。若返りの薬か何かでソーン教授と出会う前まで戻ったパセ。「あなたは僕の恋人だったんでしょう?愛する人に抱かれる喜びを僕に教えてください」
「本当にお前を愛してる奴はお前みたいな子供に手は出さないんだよ」
「鼓動が随分早いようですが」
「いいから服着てくれ…」
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PROGRESSシェパセなれそめ、ラスト。ようやく恋人の扉の前に立ったというところ。傷と誘惑6 ──pipi、pipi、pipi、pipi
無粋なアラームが泥沼のような狂騒から意識を引き剥がす。すぐ目の前には、ぐったりとしたパッセンジャーの顔。彼は随分前から声も出なくなっていた。閉じることさえできなくなった口から突き出た赤い舌を痙攣させ、唾液をだらだらと零すままの彼は、それでも美しかった。長い髪が乱れてシーツに広がり、まだらな夜明けの光景を描き出している。一晩中犯され、それでも懸命に雄を受け入れ続ける腫れぼったい粘膜が、電子音に反応してひくりと蠢く。
突然冷水を浴びせられたような空白。呆然としてると、パッセンジャーが億劫そうに腕を上げて手首の装置を探り、ピーピーわめいているアラームを止めた。
6745無粋なアラームが泥沼のような狂騒から意識を引き剥がす。すぐ目の前には、ぐったりとしたパッセンジャーの顔。彼は随分前から声も出なくなっていた。閉じることさえできなくなった口から突き出た赤い舌を痙攣させ、唾液をだらだらと零すままの彼は、それでも美しかった。長い髪が乱れてシーツに広がり、まだらな夜明けの光景を描き出している。一晩中犯され、それでも懸命に雄を受け入れ続ける腫れぼったい粘膜が、電子音に反応してひくりと蠢く。
突然冷水を浴びせられたような空白。呆然としてると、パッセンジャーが億劫そうに腕を上げて手首の装置を探り、ピーピーわめいているアラームを止めた。
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PROGRESSシェパセなれそめ続き。ルート「サンドソルジャー」は消滅し、「寂しがり屋のエリオット」が解放されました。パセさんの内面についてたぶんこうって自己解釈の斧を振り回してるから覚悟して読んでください。傷と誘惑4 パッセンジャーが、先日の会議の資料を未出席のエンジニアに配って回っている。要点をまとめた追加資料を添付してくれているようだが、それについて口頭での説明をつけ足したり、質問に応じているようだ。わざわざそこまでの手間をかけるのも珍しい気がしたが、会議は次年度の予算要求に関するものだったはずで、一部のエンジニアには疎かにできない案件だろう。後から「聞いてない」などと言われるよりはマシだと判断したのかもしれない。
決算書の一件以来、クロージャは彼に面倒な書類仕事を次々押し付けているようだが、本人はあまり苦には思っていないようだ。
すっかりエンジニア部の秘書扱いされているリーベリは、外勤任務で会議に出られなかったシェーシャのところにも資料を渡しにやって来る。予算に口を出すつもりのないシェーシャはまともに資料を読む気は無かったが、それを知っているのか、彼は説明の代わりに違うことを言った。
8728決算書の一件以来、クロージャは彼に面倒な書類仕事を次々押し付けているようだが、本人はあまり苦には思っていないようだ。
すっかりエンジニア部の秘書扱いされているリーベリは、外勤任務で会議に出られなかったシェーシャのところにも資料を渡しにやって来る。予算に口を出すつもりのないシェーシャはまともに資料を読む気は無かったが、それを知っているのか、彼は説明の代わりに違うことを言った。
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PROGRESSシェパセなれそめ続き。2枚目のイベントスチルが解放され、シェーシャくんは「落ち」ました。ヘビレちゃんはシェくんのことを「意外と頼りなるけど不真面目なのがむかつく」と思ってます。守ってはくれるけど腹立たしさが消えない(意外と頼りになるのがまたむかつく)。傷と誘惑3 荒野を走る輸送車両の中は静かだった。時間的にはまだ昼だが、一晩中戦闘が続いたせいで、皆疲労困憊していた。窓はすべて日よけが降ろされ、車内は暗い。
ほとんどの乗員はシートベルトやハーネスで身体を固定し、車体の揺れをものともせず眠っている。戦闘に参加しなかった運転手以外に外を警戒する余力があるものはおらず、道中、サンドビーストや野盗に出くわさないことを祈るほか無かった。先発した二台は影も形も見えない。無事ロドスに辿り着いただろうか。
固い座席に背を預けたシェーシャは、青い紐のついた金色のメダルを手の中で弄んでいた。メダルには幾何学模様を組み合わせた意匠とクルビア文字が刻印されている。B、F、T、R、I──何かのイニシャルだろうか。
7816ほとんどの乗員はシートベルトやハーネスで身体を固定し、車体の揺れをものともせず眠っている。戦闘に参加しなかった運転手以外に外を警戒する余力があるものはおらず、道中、サンドビーストや野盗に出くわさないことを祈るほか無かった。先発した二台は影も形も見えない。無事ロドスに辿り着いただろうか。
固い座席に背を預けたシェーシャは、青い紐のついた金色のメダルを手の中で弄んでいた。メダルには幾何学模様を組み合わせた意匠とクルビア文字が刻印されている。B、F、T、R、I──何かのイニシャルだろうか。
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PROGRESSシェパセなれそめ続き。秘書とは…傷と誘惑2 協力者ではあるが、危険な奴だ。感化されたり、入れ込んだりしてはいけない──そう自分に言い聞かせはしているものの、シェーシャの視界には優美なリーベリの姿が度々入り込むようになっていた。
「本当はこの世のあらゆることに興味がないけれど、円滑な人間関係のためにはそれなりの態度が必要だと言うことは心得ていますよ」という感じの空疎な微笑みは相変わらずシェーシャの神経を逆撫でしたが、なまじ顔の造作が整っているせいで、常に甘いものでも含んでいるようなパッセンジャーの微笑に騙されるものは多いだろう。
もっとも、それなりにつき合えば、彼がほとんどの事に関心がないことは否応なしに理解させられる。エンジニア部のメンバーで彼を誤解する者はすでにいなかった。
3965「本当はこの世のあらゆることに興味がないけれど、円滑な人間関係のためにはそれなりの態度が必要だと言うことは心得ていますよ」という感じの空疎な微笑みは相変わらずシェーシャの神経を逆撫でしたが、なまじ顔の造作が整っているせいで、常に甘いものでも含んでいるようなパッセンジャーの微笑に騙されるものは多いだろう。
もっとも、それなりにつき合えば、彼がほとんどの事に関心がないことは否応なしに理解させられる。エンジニア部のメンバーで彼を誤解する者はすでにいなかった。
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MAIKINGシェパセが付き合うようになるまでのなれそめその1の序盤だけ。パセさんの内心は妄想だけど、セリフの端々からにじみ出る苦しみをシェーシャくんは解ってくれると信じてる。傷と誘惑1 シェーシャがパッセンジャーと最初に二人きりで話したのは、パッセンジャーがロドスに来て数日後のことだ。彼は技術部のエンジニアとして配属された。新人の案内という余計な仕事は彼をロドスに連れてきたシェーシャに押し付けられたのだが、その途中、彼はそっとシェーシャに囁いた。
「『あの話』は、まだ有効ですよ」
「……ッ」
密かに息を呑む。
ついに──と思った。サルゴンでの任務を終えてロドスに帰還するまで時間はあったが、他の人間がいたせいで詳しい『話』をすることはできなかった。シェーシャとしては、正直心待ちにしていた申し出だ。
「今夜でどうだ?」
動揺を抑えて囁き返すと、パッセンジャーはその美貌に張り付けた微笑みを僅かに深くした。
7560「『あの話』は、まだ有効ですよ」
「……ッ」
密かに息を呑む。
ついに──と思った。サルゴンでの任務を終えてロドスに帰還するまで時間はあったが、他の人間がいたせいで詳しい『話』をすることはできなかった。シェーシャとしては、正直心待ちにしていた申し出だ。
「今夜でどうだ?」
動揺を抑えて囁き返すと、パッセンジャーはその美貌に張り付けた微笑みを僅かに深くした。
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DOODLEおせせが盛り上がり、ろくに言葉も喋れなくなった頃のパセさんと、その頃のシェくん。なぜか目の前の綺麗な生き物がとても美味しそうに見えて唾液が止まらないし空腹で仕方がない。理性はすっ飛んでるので、シェくんも多分ほとんど喋らない。そういう捕食者と被捕食者みたいなえっちをしてほしい。 2vermmon
MAIKINGこれはシェ―シャに遊園地デートに誘われて宇宙リーベリになるパッセンジャーと面白れぇもん見たなと思ってるドクターのシーン。憧れと風船(導入部分) 物資補給のために停泊する予定の移動都市に、大規模な移動遊園地のキャラバンが滞在している──よりによって、合流の一日前にもたらされたその情報は、瞬く間にロドス艦内を駆け巡った。
年少のオペレーターたちはもちろん、年長のオペレーターも普段娯楽の少ない生活をしていることもあってか、かなりの数が慌てて外出許可申請を出した結果として、ドクターは決済処理に負われていた。
「パッセンジャーは遊園地行かないの? 申請出してないみたいだけど」
「興味がありませんので」
「まあ、君ならそう言うかなとは思ったけど。出すだけ出しておいたら? ここまで来たら一枚や二枚増えても変わらないよ」
目の高さを超える書類の山に囲まれたドクターは乾いた笑いをもらす。
1927年少のオペレーターたちはもちろん、年長のオペレーターも普段娯楽の少ない生活をしていることもあってか、かなりの数が慌てて外出許可申請を出した結果として、ドクターは決済処理に負われていた。
「パッセンジャーは遊園地行かないの? 申請出してないみたいだけど」
「興味がありませんので」
「まあ、君ならそう言うかなとは思ったけど。出すだけ出しておいたら? ここまで来たら一枚や二枚増えても変わらないよ」
目の高さを超える書類の山に囲まれたドクターは乾いた笑いをもらす。