fukuske5050
MOURNING寝ぼけてメソっとしているド…明るい話じゃないです😑コーヒーをひとくち こんな時間に起きなくてもいいはずの朝。おぼつかない手つきで入れたコーヒーは、中途半端な苦味と酸味がブレンドされて鼻先にツンとする。
習慣だとか、そんな大それたものじゃない。寝ぼけた頭には煙草と缶コーヒー、そんな日常が身近にあっただけのこと。
煙草は身に付かなかった。ガキの分際で煙草なんてまだ早い、そうたしなめられて手を出し損なった。そんなことは言い訳で、煙草にはどうしたってあの人の姿がちらついて、軽い気持ちで真似事のようには出来なかった。目にしていた朝の光景からの単純な引き算で、中途半端に残った方が未だになんとなく続いている。ただ、それだけ。
適当に煎れたインスタントコーヒーは毎日微妙に味が違っているけれど、そうこだわりがあるわけじゃない。ごくりと飲み込んだひとくちは舌をジンと焦がしただけであっさりと喉を通り過ぎ、ぼんやりとした頭には効きめがない。せっかくの休みだというのに、20分も早く目が覚めてしまったせいで、頭には靄がかかったままだ。
1957習慣だとか、そんな大それたものじゃない。寝ぼけた頭には煙草と缶コーヒー、そんな日常が身近にあっただけのこと。
煙草は身に付かなかった。ガキの分際で煙草なんてまだ早い、そうたしなめられて手を出し損なった。そんなことは言い訳で、煙草にはどうしたってあの人の姿がちらついて、軽い気持ちで真似事のようには出来なかった。目にしていた朝の光景からの単純な引き算で、中途半端に残った方が未だになんとなく続いている。ただ、それだけ。
適当に煎れたインスタントコーヒーは毎日微妙に味が違っているけれど、そうこだわりがあるわけじゃない。ごくりと飲み込んだひとくちは舌をジンと焦がしただけであっさりと喉を通り過ぎ、ぼんやりとした頭には効きめがない。せっかくの休みだというのに、20分も早く目が覚めてしまったせいで、頭には靄がかかったままだ。
fukuske5050
MOURNING7月8日の朝を迎えたバイク屋ドと関マポエム寄りなので大丈夫な方向け…
ドラマイ/マイドラ
7月にしては暑い日が続いていた。上旬だというのに梅雨は明けて真夏の暑さが続き、早々にふたりのベッドは夏仕様になっていた。オフホワイトの薄いタオルケットの手触りは万次郎の評価も悪くはない。まぁ、アレには勝てねぇんだろうけど。なんて、堅はけして代わりになるとは思っていない。ふたりで始めた空間をふたりで少しづつ埋めていけたら。急ぐことも急かすことも必要ない。
早すぎた夏の帳尻を合わせようというのか、はたまた気まぐれか、その夜は火照った地面を冷ますような大雨になった。あるべき気温に戻った夜は、薄いタオルケットでは少しばかり肌寒い。
「…重い」
からだの上に重くのしかかるそれに身動きの取れない万次郎は、寝苦しさにうっすらと瞼を開ける。
2844早すぎた夏の帳尻を合わせようというのか、はたまた気まぐれか、その夜は火照った地面を冷ますような大雨になった。あるべき気温に戻った夜は、薄いタオルケットでは少しばかり肌寒い。
「…重い」
からだの上に重くのしかかるそれに身動きの取れない万次郎は、寝苦しさにうっすらと瞼を開ける。
fukuske5050
MOURNING明日は無口になるかもしれないので今のうち…🏃💦あっついねーっ🌞ていうだけの話😖
勢いで書いたので細かいことはお許しください🍀
ドラマイ/マイドラ
太陽さえも 足止まって太陽を睨み付けながら、あっちぃーと漏らす、低い声の独り言を聞いたのはケンチンの大きな背中の上だ。
真冬の寒さも真夏のカンカン照りも関係ない。眠くて眠くて動けないオレを運ぶのはケンチンだ。今日も同じ。眠りこけたオレの目が覚めたのはやっぱりケンチンの背中。あちいと漏らすケンチンの背中はほかほかじっとり、触れてるところがじんわり熱い。
落ちないように腕を回したケンチンの首筋にはうっすら汗が浮き上がる。もぞもぞとするオレに気がついたのか、ケンチンは首だけで振り返る。ボンヤリした頭に「起きたンか」とあの声が沁みる。
「ケンチン…あちぃ?」
言いながらケンチンの首にいっそうまとわりついた。
「オマエだってあちぃだろ。オレ汗かいてるし。オマエ、気持ち悪くねぇか?」
1643真冬の寒さも真夏のカンカン照りも関係ない。眠くて眠くて動けないオレを運ぶのはケンチンだ。今日も同じ。眠りこけたオレの目が覚めたのはやっぱりケンチンの背中。あちいと漏らすケンチンの背中はほかほかじっとり、触れてるところがじんわり熱い。
落ちないように腕を回したケンチンの首筋にはうっすら汗が浮き上がる。もぞもぞとするオレに気がついたのか、ケンチンは首だけで振り返る。ボンヤリした頭に「起きたンか」とあの声が沁みる。
「ケンチン…あちぃ?」
言いながらケンチンの首にいっそうまとわりついた。
「オマエだってあちぃだろ。オレ汗かいてるし。オマエ、気持ち悪くねぇか?」
fukuske5050
MOURNINGバイク屋ドとマ。ふわっと書いてますどこかの世界線if
ドマにもマドにもなりませんでした🥺
鍵 住宅街を抜けた通り沿いの駐車場の隣には、安いだけが取り柄のアパートが建つ。朝も昼も、夜間でさえも大型車が通り過ぎる特有の騒音と振動が絶えない場所。そこが実家を離れた堅の棲み家だ。
もっとも繁華街育ちの堅にとっては甲高い嬌声も四輪車の騒音も聞きなれた音のひとつであって、今更疎ましいとは思わない。
堅の小さなバイク屋は相変わらずの絵に描いたような自転車操業で、店と質素な部屋との行き来を繰り返す毎日が堅の日常だ。堅実に繰り返される日々の中、店を閉めたそのあとに、息をついて横になる場所があればいい。
その夜、帰宅したのは19時を過ぎてのこと。ガチャリ、と差し込んだ鍵の感触が不自然だ。掛けたはずの鍵は開けられていた。元より簡素な部屋に狙われるような金目の物はない。
7952もっとも繁華街育ちの堅にとっては甲高い嬌声も四輪車の騒音も聞きなれた音のひとつであって、今更疎ましいとは思わない。
堅の小さなバイク屋は相変わらずの絵に描いたような自転車操業で、店と質素な部屋との行き来を繰り返す毎日が堅の日常だ。堅実に繰り返される日々の中、店を閉めたそのあとに、息をついて横になる場所があればいい。
その夜、帰宅したのは19時を過ぎてのこと。ガチャリ、と差し込んだ鍵の感触が不自然だ。掛けたはずの鍵は開けられていた。元より簡素な部屋に狙われるような金目の物はない。
fukuske5050
REHABILIエマちゃんとマがいちごを煮てるだけ途中からなにを書いているのか…🤔自分でできない料理ネタはもう二度と手を出さないと決めました…
ちょこっとドラマイドラ
いちご リズミカルな鼻歌が台所から聞こえてくる。最近エマがよく聞いている曲だ。歌詞のここが好きだとか声がいいだとか。それは何度も何度も聞かされた。気にいった同じ部分を繰り返し耳にしているうちにいつの間にか覚えてしまっていたけれど、万次郎が知っているのはエマによって切り取られたその部分だけ。そういえばそれが誰のなんという曲なのかさえ知らないことに気がついた。
鼻をくすぐる甘い匂いに誘われて万次郎は台所を覗き込む。流し台に立つエマの後ろ姿は変わらず同じフレーズを繰り返す。リズムに合わせて手慣れた手つきで調理するエマは様子を伺う万次郎に気づかない。
食卓には大ぶりなボウルを真ん中に幾つか皿が置かれている。1番大きいものには砂糖をまぶした大量の苺。万次郎も昨晩ヘタを取るのを手伝わされた。潰さないで、傷つけないで、とうるさく言われながら手伝って、ぽいと口にほおりこんだたったひとつにこっぴどく叱られた。水にさらしただけの苺をサクリと噛めば口の中は初夏の味がする。
4446鼻をくすぐる甘い匂いに誘われて万次郎は台所を覗き込む。流し台に立つエマの後ろ姿は変わらず同じフレーズを繰り返す。リズムに合わせて手慣れた手つきで調理するエマは様子を伺う万次郎に気づかない。
食卓には大ぶりなボウルを真ん中に幾つか皿が置かれている。1番大きいものには砂糖をまぶした大量の苺。万次郎も昨晩ヘタを取るのを手伝わされた。潰さないで、傷つけないで、とうるさく言われながら手伝って、ぽいと口にほおりこんだたったひとつにこっぴどく叱られた。水にさらしただけの苺をサクリと噛めば口の中は初夏の味がする。
fukuske5050
MOURNINGミツヤ見舞ったあとマのところ帰ったんだよね😭という妄想…やっぱりちょっと悲しかったのかも💦黒い衝動のまま支離滅裂な妄想…😰書き逃げ~🏃
ドラマイ/マイドラ
不機嫌を隠しもせずに万次郎はドカリとベッドに腰を下ろす。据えた目でうつむくその背にはありありと険難が張り付いている。
「ヘソ曲げてんじゃねぇよ」
万次郎の険に思い当たるのか、向けられた背の頑なに男は苦笑する。その気配を感じながらも万次郎は振り向かない。
「ケンチン、ミツヤが気になるんだろ」
ほんの一時。男は万次郎の傍らから離れた。それが万次郎の密やかな臆病に刺さる棘になる。クチリ、万次郎の気弱を責める。
それが酷く滑稽なことは今さらだ。万次郎には男を責めることも、ましてや引き留めることも出来はしない。けれど許すことも出来ない。男は万次郎のものだからだ。万次郎だけのものだからだ。
「ちげーよ。…アイツの顔、見ておきたかっただけだ」
1487「ヘソ曲げてんじゃねぇよ」
万次郎の険に思い当たるのか、向けられた背の頑なに男は苦笑する。その気配を感じながらも万次郎は振り向かない。
「ケンチン、ミツヤが気になるんだろ」
ほんの一時。男は万次郎の傍らから離れた。それが万次郎の密やかな臆病に刺さる棘になる。クチリ、万次郎の気弱を責める。
それが酷く滑稽なことは今さらだ。万次郎には男を責めることも、ましてや引き留めることも出来はしない。けれど許すことも出来ない。男は万次郎のものだからだ。万次郎だけのものだからだ。
「ちげーよ。…アイツの顔、見ておきたかっただけだ」
fukuske5050
MOURNINGド誕のつもりで書き始めだけれども…😭下書き状態でだいぶ意味不明ですが…いろいろ無理だった⤵️⤵️ドがひとつ年を取るのはマが身を削って頑張った証、と思って書きました
やっと軌道に乗ったバイク屋の灯りが消えるのがは遅いのは毎晩のこと。営業時間を終えると共に店を営む相棒が先に店を出る。アイツは店にひとり残りデスクに向かい、辺りが暗くなった頃にやっとシャッターに鍵をかけて帰路へと向かう。
跨るのは丁寧なメンテナンスを繰り返した昔と変わらない愛機。同じ商店街で挨拶ついでに総菜を買うか、遅くまで開いているスーパーで買い物をして帰るのが日課。渋谷の繁華街にある実家を出て、安アパートにひとり移り住んでからは一層堅実に生きている。
けれどその日だけは閉店作業を終えると早々に店を出る。少しばかり遠回りをして、昔なじみの店で懐かしい味の甘味を2つ。時代に合わせるように改装した小洒落た店構えと女性向のメニュー。いかついツナギ姿の男がひとり、不釣り合いな店に入れば一斉に注目を浴びて少しばかり肩身が狭い。遠慮がちに店員に声をかけると、店員は古参なのか訳知り顔で表情を崩すと店の奥に声をかける。かけられた声にぱたぱたと小走りに姿を現したのは母親のような年代の店の主だ。にこやかに目じりの皺を緩ませて、小さな茶色の包みをアイツに手渡した。
2403跨るのは丁寧なメンテナンスを繰り返した昔と変わらない愛機。同じ商店街で挨拶ついでに総菜を買うか、遅くまで開いているスーパーで買い物をして帰るのが日課。渋谷の繁華街にある実家を出て、安アパートにひとり移り住んでからは一層堅実に生きている。
けれどその日だけは閉店作業を終えると早々に店を出る。少しばかり遠回りをして、昔なじみの店で懐かしい味の甘味を2つ。時代に合わせるように改装した小洒落た店構えと女性向のメニュー。いかついツナギ姿の男がひとり、不釣り合いな店に入れば一斉に注目を浴びて少しばかり肩身が狭い。遠慮がちに店員に声をかけると、店員は古参なのか訳知り顔で表情を崩すと店の奥に声をかける。かけられた声にぱたぱたと小走りに姿を現したのは母親のような年代の店の主だ。にこやかに目じりの皺を緩ませて、小さな茶色の包みをアイツに手渡した。
fukuske5050
MOURNING27巻のドの葬式でしゃがみこんでた後ろ姿はマサウェ-さんですよねって思って書いた黒い衝動ドマド前提 ド⬅️マサウェ-さん
💣️マサウェ-さんが大好き…💕💣️ほんとだよ…😢
きたない こい どうも病院というところは居心地がよろしくない。幸い頑丈にできたからだをそこそこ無難にやってきた正道は、これまで大きな病気をしたことがない。病院なんてものに世話になったのは大むかしに歯医者に通ったことと、ひとりきりで子を産むのだと腹をくくった嬢に付き添った時ぐらいのことだ。
ひとりきりで赤ん坊を生んだ嬢は母親にはならなかった。こんなことになるんじゃないか。そうどこかで予感していなかったかといえば嘘になる。けれどまさかその赤ん坊を自分が育てることになろうとは。流石にそれは想像すらしていなかった。どうしてそんなことになったのかなんて、今でも正道にはわからない。それがわかることなんて、この先もきっとない。
3158ひとりきりで赤ん坊を生んだ嬢は母親にはならなかった。こんなことになるんじゃないか。そうどこかで予感していなかったかといえば嘘になる。けれどまさかその赤ん坊を自分が育てることになろうとは。流石にそれは想像すらしていなかった。どうしてそんなことになったのかなんて、今でも正道にはわからない。それがわかることなんて、この先もきっとない。
fukuske5050
MAIKINGまとまりませんでした…挫折…😫😫😫いろいろ適当…😭
梵マとさくらの話
ドラマイ マイドラ …まで行き着かない…
いったいどうしてこんなことになったのか、未だにもって腑に落ちない。追い立てられるように最低限の身支度をして最低限のメンバーで足を踏み入れたのは、情報もヒトの目も届かない山奥の崩れかけた旧館だ。
壊れ傾く鉄の門をくぐればその先には蔦の這う古ぼけた館が見える。門の先へと促す石畳は乱れ所々に穴が空き、砂利と雑草にまみれている。車を降りて踏みしめた古い敷石がぱしりとなる。まるで行く先を拒むように思え、歩みを止めれば咎めるようにぱしりと鳴って、意を決して先を進めばやはりぱしりぱしりと鳴って足元を急かす。
動きを見張る気配にぞわり背筋が震えた九井の歩みが止まる。それに気が付いたのは、ひとつ前を歩く鶴蝶だ。「どうした」と九井を窺ってくる。鶴蝶の低い声にはっとして、窄めた肩の強張りが解けて九井に冷静が帰ってくる。
6561壊れ傾く鉄の門をくぐればその先には蔦の這う古ぼけた館が見える。門の先へと促す石畳は乱れ所々に穴が空き、砂利と雑草にまみれている。車を降りて踏みしめた古い敷石がぱしりとなる。まるで行く先を拒むように思え、歩みを止めれば咎めるようにぱしりと鳴って、意を決して先を進めばやはりぱしりぱしりと鳴って足元を急かす。
動きを見張る気配にぞわり背筋が震えた九井の歩みが止まる。それに気が付いたのは、ひとつ前を歩く鶴蝶だ。「どうした」と九井を窺ってくる。鶴蝶の低い声にはっとして、窄めた肩の強張りが解けて九井に冷静が帰ってくる。
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MOURNINGムビリべのイメージでふんわり書いてます。ヨナカーンは愛を拒む これはもう処分してしまわないとならないな。気にいった靴だったのだが仕方がない。稀咲は自分の足元を忌々しく見下ろした。
長く隠し持っていた感情そのままに蹴り上げたそれは、今や稀咲の足元にごろりと無力に横たわる。足元に転がる醜悪を憎々しくも見下ろして、くいと視線ひとつでそれの行き先を促すと、これが最後だとでも言うように稀咲は吐き捨てた。
「さぁ、最後の茶番です。しっかりと努めてくださいよ、ドラケンくん」
◇
拒むことは許さない。背に回された手が佐野を扉の前に促して逃さない。向かい合った鉄の扉は佐野のためにギイイイと耳障りな音をあげて開かれた。その音が悲鳴のように聞こえたのはどうしてだろう。立ちつくす佐野に、こちらですよ、とくすぐるような低音が囁いた。
2728長く隠し持っていた感情そのままに蹴り上げたそれは、今や稀咲の足元にごろりと無力に横たわる。足元に転がる醜悪を憎々しくも見下ろして、くいと視線ひとつでそれの行き先を促すと、これが最後だとでも言うように稀咲は吐き捨てた。
「さぁ、最後の茶番です。しっかりと努めてくださいよ、ドラケンくん」
◇
拒むことは許さない。背に回された手が佐野を扉の前に促して逃さない。向かい合った鉄の扉は佐野のためにギイイイと耳障りな音をあげて開かれた。その音が悲鳴のように聞こえたのはどうしてだろう。立ちつくす佐野に、こちらですよ、とくすぐるような低音が囁いた。
fukuske5050
MOURNING観覧車に乗るバイク屋ドと関マイメージでふわっと書いてます🙂色々捏造🙂
誤字直して再投稿してます🙇
ドラマイ/マイドラ(どっちにもなっていないよ!)
7月の観覧車 雨が降っていた。7月なのにサァサァと降る雨は冷たくて、顔にあたる雨粒が大きくて。睫毛に跳ねた雫が頬を伝って流れて落ちる。冷たい。冷たくて冷たくて、ぶるりと背筋が冷える。
なんでこんなに冷たいんだ。なんでこんな雨の中で、オレは、
「すまねぇ、遅くなった…!」
聞き覚えのある声に万次郎は振り返る。そこにいたのは雨に濡れた黒いツナギ姿の堅だった。
「…ケンチン…?」
「なんだよ、オマエ、傘くらい差せよ」
言って堅は立ち尽くす万次郎の隣に駆け寄って、ホラ、と万次郎に向けて傘を広げてみせる。堅の手には傘は1本。その傘は万次郎のためのもので自分は雨に濡れていた。そのくせ大事そうに万次郎の頭の上に傘を差す。そんな男だった。
3341なんでこんなに冷たいんだ。なんでこんな雨の中で、オレは、
「すまねぇ、遅くなった…!」
聞き覚えのある声に万次郎は振り返る。そこにいたのは雨に濡れた黒いツナギ姿の堅だった。
「…ケンチン…?」
「なんだよ、オマエ、傘くらい差せよ」
言って堅は立ち尽くす万次郎の隣に駆け寄って、ホラ、と万次郎に向けて傘を広げてみせる。堅の手には傘は1本。その傘は万次郎のためのもので自分は雨に濡れていた。そのくせ大事そうに万次郎の頭の上に傘を差す。そんな男だった。
fukuske5050
MAIKINGバイク屋ドと梵マワンドロであげたお題「春」の元のヤツ。書いてたら楽しくなったので、できたら最後まで書けたらいいな…😖
ドラマイ/マイドラ(どっちにもなっていないよ!)
春待ち(続きを書く!)11 :
「オマエが過去を捨てる覚悟があるんならそいつを解放してやろうじゃねえか」
この国で起こる凶悪と肩書のつく犯罪の背後には必ずといっていいほど関わりをチラつかせる犯罪組織「梵天」。その組織の相談役という肩書を持つ男の言葉が果たしてどれほどまでに信用できるものなのか。龍宮寺は目の前のソファに深く座る男の顔を睨みつけた。
両手をひとまとめに後ろ手に捕らえられ、コンクリの床に乱暴に投げ出された。床にこすった頬を拾われて、顎を掴まれ、力任せに顔を持ち上げられた。猿轡を噛まされた口元に自由はない。ふうふうと荒い呼吸がせいぜいだ。流した血液が眼球に滲んで視界が霞む。
皮張りのソファにどかりと腰を下ろして値踏みするような目を向ける男の顔には特徴的な大きな傷。やつれ険のある眼差しは記憶にあるそれとは大きく異なってはいたが、龍宮寺がそれに驚くことはない。
4026「オマエが過去を捨てる覚悟があるんならそいつを解放してやろうじゃねえか」
この国で起こる凶悪と肩書のつく犯罪の背後には必ずといっていいほど関わりをチラつかせる犯罪組織「梵天」。その組織の相談役という肩書を持つ男の言葉が果たしてどれほどまでに信用できるものなのか。龍宮寺は目の前のソファに深く座る男の顔を睨みつけた。
両手をひとまとめに後ろ手に捕らえられ、コンクリの床に乱暴に投げ出された。床にこすった頬を拾われて、顎を掴まれ、力任せに顔を持ち上げられた。猿轡を噛まされた口元に自由はない。ふうふうと荒い呼吸がせいぜいだ。流した血液が眼球に滲んで視界が霞む。
皮張りのソファにどかりと腰を下ろして値踏みするような目を向ける男の顔には特徴的な大きな傷。やつれ険のある眼差しは記憶にあるそれとは大きく異なってはいたが、龍宮寺がそれに驚くことはない。
fukuske5050
MOURNING寝言ドラマイ/マイドラ(というかどっちにもなってない)
書き逃げ~
雪の日 集会のない夜は暇だ。しかも今日の予報は「夕方から雪」。予定のない放課後をどうするか、決まらないまま万次郎と堅は下駄箱までにたどり着いてしまった。カコンと軽い音をたてて万次郎は下駄箱から靴を取り出した。
「ほんとに降ってきやがった」
一足先に玄関先に出た堅の背中に万次郎は駆け寄った。空に向かって睨みを利かす堅の隣に並んでふわりと落ちてくる白い粉雪と眉を寄せる堅を見比べて、つい口元が緩む。
寒さに肩を窄める堅の隣で「ケンチン、見ろよー」と万次郎は粉雪が舞う空に向かって緩く白い息を吐く。ふたりで並んで見上げた空に白い息がふわりと浮かんで消える。ふわりふわりと白い結晶が舞う空を難しい顔をして睨む堅をこっそりと覗く。
2790「ほんとに降ってきやがった」
一足先に玄関先に出た堅の背中に万次郎は駆け寄った。空に向かって睨みを利かす堅の隣に並んでふわりと落ちてくる白い粉雪と眉を寄せる堅を見比べて、つい口元が緩む。
寒さに肩を窄める堅の隣で「ケンチン、見ろよー」と万次郎は粉雪が舞う空に向かって緩く白い息を吐く。ふたりで並んで見上げた空に白い息がふわりと浮かんで消える。ふわりふわりと白い結晶が舞う空を難しい顔をして睨む堅をこっそりと覗く。
fukuske5050
MOURNING夏に書いていてまとまらなくて途中なやつ姿を消したマイキーと残されたおじいちゃんとドラケンです
カプ要素無しですが 気持ちだけはいつでもドラマイ
ビ―ドロ 古い引き戸に手をかければ案の定鍵はかかっていない。いくら師範を務めるとは言え、ひとり暮らしは物騒だからと堅が言い聞かせても、なにも取られるものはないからと家の主は豪快に笑う。そうして相変わらず佐野の家は誰もが出入り自由なままだ。
この家の扉が開いたままの理由はわかっていた。万次郎のためだ。
万次郎がこの家から、この渋谷から姿を消してからもう季節は夏を迎えていた。
しばらくすればふらりと帰ってくるだろうと浅はかな淡い期待があった。けれど万次郎は浅い思いつきで行動する子どもではけしてない。きっと万次郎が帰ることはないのだろう。それでも。いつかは当たり前のように帰ってこい。 そう願うように大きな家でひとり万作は待っている。
4625この家の扉が開いたままの理由はわかっていた。万次郎のためだ。
万次郎がこの家から、この渋谷から姿を消してからもう季節は夏を迎えていた。
しばらくすればふらりと帰ってくるだろうと浅はかな淡い期待があった。けれど万次郎は浅い思いつきで行動する子どもではけしてない。きっと万次郎が帰ることはないのだろう。それでも。いつかは当たり前のように帰ってこい。 そう願うように大きな家でひとり万作は待っている。