sendou
MENU【2023/11/23(木)こくほこ20】東6み19b「バメキャン」おしながきです。
新刊・既刊サンプル、全文公開などのURLまとめページは→https://privatter.net/p/10571636
ベレト先生とリンハルトが支援Sの関係を上下左右ないと思いながら描いており、すべて全年齢本です。
同スペースで弊サークル・カザハナさんの跡日本も頒布になります。
よろしくお願いします。
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DONEサクカです次の本は、ソラを見てたらちいさいいきものにぽてぽてしてほしくなったので、抱っこしてるちいさいのがうろうろしてるゆるいギャグです
8コマのコピー本にしようと思います
えんげーじの原稿の髪色青にしてたからそのまま流れで青にしてしまった うっかり 修正されました 2
sendou
DONE新刊できましたpixivでサンプルを公開しています→https://www.pixiv.net/artworks/111334211
えんげーじ世界線で不思議なことにリンハルトが出てくる話です
おまけは…今から進捗を上げていきます…………… 4
大上満
DONEリンレト版お題「忘れた頃に」で参加させていただきました。あまり内容とは関係ありませんが翠風ルートです。
ショートショート。
忘れた頃に温室をふらりと訪れたベレトは赤いくす玉状の花の前で佇むリンハルトと行きあった。
屋台で売られている棒付きの飴のようにぴょこぴょこと地面から突き出ている可憐な花々をベレトも横から見つめながら聞く。
「この花が好きなのか?」
幾つもの小さな紅い花が一塊に集結して玉房(たまぶさ)を成している。うろ覚えだが品種名はアルメリアと言ったか。視線を花からベレトへ移してリンハルトは言う。
「いえ特別好きってほどでもないんですけどね。旅に出る前にカスパルが置いていった種が育って今頃開花したんですよ。それでちょっとその時のことを思い出して」
時期はずれに咲いた花がリンハルトの中に眠っていた記憶を刺激した。
あれは確かカスパルが旅に出る直前の事だった。道ばたで露天を開いていた老婆がごろつきに難癖をつけられて商品を奪い取られそうになっていたところを偶然通りがかったカスパルがぶちのめして助けたらしい。その時に礼としてもらったのがこの種だと言っていた。だが当のカスパルにとってはありがた迷惑だったようで……。
1703屋台で売られている棒付きの飴のようにぴょこぴょこと地面から突き出ている可憐な花々をベレトも横から見つめながら聞く。
「この花が好きなのか?」
幾つもの小さな紅い花が一塊に集結して玉房(たまぶさ)を成している。うろ覚えだが品種名はアルメリアと言ったか。視線を花からベレトへ移してリンハルトは言う。
「いえ特別好きってほどでもないんですけどね。旅に出る前にカスパルが置いていった種が育って今頃開花したんですよ。それでちょっとその時のことを思い出して」
時期はずれに咲いた花がリンハルトの中に眠っていた記憶を刺激した。
あれは確かカスパルが旅に出る直前の事だった。道ばたで露天を開いていた老婆がごろつきに難癖をつけられて商品を奪い取られそうになっていたところを偶然通りがかったカスパルがぶちのめして助けたらしい。その時に礼としてもらったのがこの種だと言っていた。だが当のカスパルにとってはありがた迷惑だったようで……。
sendou
INFO今度出るイベントのスペース出ました わ~と言ってましたが、体調不良のため、予定していたイベント参加を見合わせることにしました。流行り病です…皆様もご自愛ください…
新刊は無理のない範囲で頑張ります、もう9割できてます
大上満
DONE6月10日リンレトお題『小雨のなかで』で参加させていただきました。紅花ルートです。
学生リンハルトとベレトの話です。
小雨のなかで(先生、今日も出てこないや……)
ベレトの部屋の前を通りがかったリンハルトは一度立ち止まり、外側から中の様子を窺う。
あいかわらず天気はぐずついて、灰白の雲がほとほとと竪琴の弦の色をした小雨を落としている。かろうじて目に映るくらいの細かなそれはリンハルトの制服をほんのりと濡らして、音も無く地上に吸い込まれていく。あの日……ジェラルトが亡くなった日も雨であり、濡れた地面の臭いはおのずと墓地の湿った土の記憶を呼び覚ました。
ほんの数日前の事である。黒鷲(クラスメイト)の女生徒モニカに刺されジェラルトはその命を落としたのだ。最強と呼び声高い傭兵団の団長としてはあっけない最後だった。
葬儀を済ませた後、ベレトはふさぎ込み部屋にひきこもった。大司教レアもベレトを気遣い彼が落ち着くまでの間、無期限の休暇を与えることとした。
3080ベレトの部屋の前を通りがかったリンハルトは一度立ち止まり、外側から中の様子を窺う。
あいかわらず天気はぐずついて、灰白の雲がほとほとと竪琴の弦の色をした小雨を落としている。かろうじて目に映るくらいの細かなそれはリンハルトの制服をほんのりと濡らして、音も無く地上に吸い込まれていく。あの日……ジェラルトが亡くなった日も雨であり、濡れた地面の臭いはおのずと墓地の湿った土の記憶を呼び覚ました。
ほんの数日前の事である。黒鷲(クラスメイト)の女生徒モニカに刺されジェラルトはその命を落としたのだ。最強と呼び声高い傭兵団の団長としてはあっけない最後だった。
葬儀を済ませた後、ベレトはふさぎ込み部屋にひきこもった。大司教レアもベレトを気遣い彼が落ち着くまでの間、無期限の休暇を与えることとした。
大上満
DONEリンレト版ワンドロワンライ『寝ていると思ったのに』で参加させていただきました!紅花ルート
学生リンハルトとベレトの話
ほんのちょっとだけ隠居後のおまけがあります。
寝ていると思ったのに 授業の休憩時間。
ガルグ=マク大修道院の裏庭、あまり目立たない場所にある大樹の根元で片膝を立てて座り、眠りこんでいるベレトをリンハルトは見つけた。
(先生、こんなところで眠るなんて珍しいな……)
気持ちの良い陽気にまどろみ、昼寝に適した場所を探してうろついていたリンハルトはそんなベレトを偶然発見したのだった。
リンハルトはベレトの衣服に触れるか触れないかというぎりぎりのところまで近づき、しゃがみこんでベレトの端正な顔を下から覗き込みしげしげと観察する。涼やかな目元や鼻筋が通った中心部、頬から顎にかけてのライン、両耳のひだ、ほのかに色づいた唇……。彼を構成する一つ一つのパーツや藍色の毛髪を熱心に観察する。続いて均整のとれた戦士らしいがっしりとした体躯、頑丈な靴に覆われた足先まで順繰りに眺め回す。
2130ガルグ=マク大修道院の裏庭、あまり目立たない場所にある大樹の根元で片膝を立てて座り、眠りこんでいるベレトをリンハルトは見つけた。
(先生、こんなところで眠るなんて珍しいな……)
気持ちの良い陽気にまどろみ、昼寝に適した場所を探してうろついていたリンハルトはそんなベレトを偶然発見したのだった。
リンハルトはベレトの衣服に触れるか触れないかというぎりぎりのところまで近づき、しゃがみこんでベレトの端正な顔を下から覗き込みしげしげと観察する。涼やかな目元や鼻筋が通った中心部、頬から顎にかけてのライン、両耳のひだ、ほのかに色づいた唇……。彼を構成する一つ一つのパーツや藍色の毛髪を熱心に観察する。続いて均整のとれた戦士らしいがっしりとした体躯、頑丈な靴に覆われた足先まで順繰りに眺め回す。
sendou
DONE描いてた漫画完成、漫画全文はぴくしぶへ→https://www.pixiv.net/artworks/107837772
線画自分、色塗り・仕上げはサークルの相方
想像してた通りの支援Sの絵にしてもらって見る度に自分で笑っている
5月27日~28日にかけて身内主催でオンイベをやるので、合わせて漫画全文やこの絵のネップリとか出すと思います
大上満
DONE4月8日リンレトお題『猫のよう』で参加させていただきました。ルート不定
学生リンハルトと先生の話です。
猫のよう 中天に昇った太陽が春眠の中に微睡む肉体をしゃっきりと目覚めさせる。実に清々しい朝だとベレトは思った。
窓から吹き込んできた爽やかな風に誘われるまま散歩に出て、大修道院の庭園を小一時間ほどかけてゆっくりと一巡りする。そうして自室へ戻ったベレトが扉を開くと部屋の四隅までも明るく照らし出すような白光が室内にある物を輝かせながら広がっていった。
……とふいに差し込んだ光に驚いたのか、ばっと毛むくじゃらの塊が跳ね起きて今し方ベレトが開いた扉の隙間へと突進するように駆けていく。慌ただしく逃走していくそれはキジトラ柄の猫であった。どうやら換気のために開けていた窓から勝手に忍び込んで休んでいたようだ。猫の後ろ姿が木陰に隠れるまで見送ってからベレトは室内へと再び視線を戻す。
3347窓から吹き込んできた爽やかな風に誘われるまま散歩に出て、大修道院の庭園を小一時間ほどかけてゆっくりと一巡りする。そうして自室へ戻ったベレトが扉を開くと部屋の四隅までも明るく照らし出すような白光が室内にある物を輝かせながら広がっていった。
……とふいに差し込んだ光に驚いたのか、ばっと毛むくじゃらの塊が跳ね起きて今し方ベレトが開いた扉の隙間へと突進するように駆けていく。慌ただしく逃走していくそれはキジトラ柄の猫であった。どうやら換気のために開けていた窓から勝手に忍び込んで休んでいたようだ。猫の後ろ姿が木陰に隠れるまで見送ってからベレトは室内へと再び視線を戻す。
大上満
DONEリンレト版ワンドロワンライ『Sweet/Bitter』で参加させていただきました。Sweet/Bitter「先生、これはなんですか?」
ベレトの部屋を訪れたリンハルトはテーブルに少量ずつ並べられた珍しい試食品の中からブロック状の茶色い塊を指して尋ねた。交易で新しく遠方からもたらされた嗜好品の一つで料理長から「味について率直な意見を聞かせてほしい」と言われているものだ。今後の会食やお茶会に導入する創作菓子の参考にしたいらしい。他の職員にも同様に配られたのだが、ベレトが受け取った試食品の種類が一番豊富だったように思う。食べ物に対して好き嫌いがなく、食堂に出入りする回数の最も多いベレトの意見を料理長は特に重視しているらしかった。
「『ショコラーデ』というそうだ。元は木の実だと聞いた。粉末状に砕いて乳などを混ぜて溶かして固めるとこの形になるらしい」
2624ベレトの部屋を訪れたリンハルトはテーブルに少量ずつ並べられた珍しい試食品の中からブロック状の茶色い塊を指して尋ねた。交易で新しく遠方からもたらされた嗜好品の一つで料理長から「味について率直な意見を聞かせてほしい」と言われているものだ。今後の会食やお茶会に導入する創作菓子の参考にしたいらしい。他の職員にも同様に配られたのだが、ベレトが受け取った試食品の種類が一番豊富だったように思う。食べ物に対して好き嫌いがなく、食堂に出入りする回数の最も多いベレトの意見を料理長は特に重視しているらしかった。
「『ショコラーデ』というそうだ。元は木の実だと聞いた。粉末状に砕いて乳などを混ぜて溶かして固めるとこの形になるらしい」
sendou
PROGRESSベレト先生とリンハルト アナログでやったネームを貼り込んでセリフ入れ終わり あと絵を描くだけ 内容としては指輪渡せてない先生が、ほかの先生みたいに夜明けの女神の塔で渡してスチルを出そうとするギャグ漫画(全文web公開予定) 2大上満
DONEリンレト版ワンドロワンライ『秋色』で参加させていだきました。紅花ルート 隠居後の話です。
悪い夢を見るリンハルトの話です。
秋色 深手を負ったリンハルトは痛む傷口を清潔な布で押さえながら、ふらふらと歩いていた。追っ手を上手く巻いたものの、森の中で精根尽き果て銀杏の木の下へ倒れ込む。黄金色をした銀杏のクッションへ仰向けに埋もれながらリンハルトは呟く。
「そっか、もう秋だっけ……」
そんなあたりまえの事も彼は激化する戦の中で忘れていた。右手(めて)を虚空へ翳すと、その手の平へはらはらと紅葉が降りてくる。あとからあとから、彼の全身を覆い隠すほどの鮮やかな黄色が降り積もっていく。
黒雲の間から一筋の陽光が鋭く差し込み、彼は眩しさに目を細める。光は黄葉を透かして束の間金色(こんじき)の光輝を宿した。
起き上がろうという気概は厚く積もった柔らかな落ち葉に彼自身が流す血とともに吸い込まれた。
2386「そっか、もう秋だっけ……」
そんなあたりまえの事も彼は激化する戦の中で忘れていた。右手(めて)を虚空へ翳すと、その手の平へはらはらと紅葉が降りてくる。あとからあとから、彼の全身を覆い隠すほどの鮮やかな黄色が降り積もっていく。
黒雲の間から一筋の陽光が鋭く差し込み、彼は眩しさに目を細める。光は黄葉を透かして束の間金色(こんじき)の光輝を宿した。
起き上がろうという気概は厚く積もった柔らかな落ち葉に彼自身が流す血とともに吸い込まれた。
大上満
DONEリンレト版ワンドロワンライ『君への贈り物』銀雪ルート
ベレトがリンハルトにサプライズを仕掛ける話です。
君への贈り物「どうしたんですの先生?お茶が冷めてしまいますわよ」
執務の合間のわずかな休憩時間の事。侍女が運んだ茶にも口をつけず、分厚い商品目録(カタログ)を開きなにやら難しい顔をして考え込んでいるベレトへフレンが声をかけてくる。
「……今年のリンハルトの誕生日に何を贈るか考えていた」
「まあ」
フレンの表情がぱっと明るくなる。夢見る乙女の眼差しで両手を合わせ「あいかわらずぞっこんですのね」と口元を綻ばせる。
「書物は普段から贈っているし、花はすぐ枯れる……」
貴族の出であるリンハルトはそもそも物欲が薄い。大抵のものは最初から揃っているものだから、欲しいものを聞いても毎回首を傾げてしまう。
「ひさしぶりに手作りのお菓子を用意するというのはどうでしょう?」
2281執務の合間のわずかな休憩時間の事。侍女が運んだ茶にも口をつけず、分厚い商品目録(カタログ)を開きなにやら難しい顔をして考え込んでいるベレトへフレンが声をかけてくる。
「……今年のリンハルトの誕生日に何を贈るか考えていた」
「まあ」
フレンの表情がぱっと明るくなる。夢見る乙女の眼差しで両手を合わせ「あいかわらずぞっこんですのね」と口元を綻ばせる。
「書物は普段から贈っているし、花はすぐ枯れる……」
貴族の出であるリンハルトはそもそも物欲が薄い。大抵のものは最初から揃っているものだから、欲しいものを聞いても毎回首を傾げてしまう。
「ひさしぶりに手作りのお菓子を用意するというのはどうでしょう?」
大上満
DONEリンレト版ワンドロワンライ『就寝前』で参加しました。一応翠風ルートです。
おやすみ前の幸福な時間。
就寝前 夜の整容を済ませたベレトが寝室に入ると、いつものように化粧台の椅子にリンハルトが腰掛けて待っている。昼間邪魔にならぬよう、まとめあげている緑髪は今紐を解かれてリンハルトの背中まで流れていた。毛艶の良い髪にベレトはさらりとしたヘアオイルの詰まったスプレーを噴霧し丁寧にくしけずる。
ほのかに漂う花の香りが鼻腔をくすぐる。
リンハルトは気持ちよさそうに目を細めて、ベレトの指先や柔らかいブラシが頭皮を柔らかく刺激する感覚に身を委ねている。鏡台が目の前にあるので、背後でブラッシングをするベレトにもリンハルトのうっとりした表情がありありと視える。彼が幸せそうだとベレトも嬉しくなる。最後にゆるく髪を束ねて、準備はおしまいである。
1141ほのかに漂う花の香りが鼻腔をくすぐる。
リンハルトは気持ちよさそうに目を細めて、ベレトの指先や柔らかいブラシが頭皮を柔らかく刺激する感覚に身を委ねている。鏡台が目の前にあるので、背後でブラッシングをするベレトにもリンハルトのうっとりした表情がありありと視える。彼が幸せそうだとベレトも嬉しくなる。最後にゆるく髪を束ねて、準備はおしまいである。
大上満
DONEリンレト版ワンドロワンライ「瞳」で参加しました。ベレトとリンハルトが線香花火をする話です。
WRainbowさんが以前描かれた花火をする二人の絵と「リンハルトは花火よりベレトに夢中」という添え書きにインスパイアされて書きました。
(※掲載許可済みです)
「瞳」 リンハルトは藍晶石みたいな瞳でよくベレトを凝視してくる。
大抵は好奇心に満ちたきらきらした眼差し。実験対象を見つめる学者然とした知的な双眸。
ベレトに炎の紋章が宿っていると知るや、リンハルトはことあるごとにまとわりついてはベレトを観察してきた。
(最初は自分に欠片も興味がなさそうだったのにな)
それを思い出す時、ベレトはいつも微苦笑してしまう。
ベレト自身はハンネマンに調べられるまで己が紋章持ちであることすら認識していなかったが、相当に珍しいものらしい。
そんなわけで彼が親愛の情を寄せてくるのも、興味深い研究対象であるということの延長だろうと思っていた。言葉からも表情からも溢れんばかりの好意が伝わってくるが、それ以上の意味はないだろうと。紋章学に対する情熱が別の形をとっているだけであろうと。
2620大抵は好奇心に満ちたきらきらした眼差し。実験対象を見つめる学者然とした知的な双眸。
ベレトに炎の紋章が宿っていると知るや、リンハルトはことあるごとにまとわりついてはベレトを観察してきた。
(最初は自分に欠片も興味がなさそうだったのにな)
それを思い出す時、ベレトはいつも微苦笑してしまう。
ベレト自身はハンネマンに調べられるまで己が紋章持ちであることすら認識していなかったが、相当に珍しいものらしい。
そんなわけで彼が親愛の情を寄せてくるのも、興味深い研究対象であるということの延長だろうと思っていた。言葉からも表情からも溢れんばかりの好意が伝わってくるが、それ以上の意味はないだろうと。紋章学に対する情熱が別の形をとっているだけであろうと。
大上満
DONE銀雪ルート 支援S後過労で倒れるベレトの話
※8月30日 加筆修正しました。
「虫の音」「休養」 ひんやりと肌に心地良い涼風を感じてベレトは瞼を開いた。横を向いてみれば少し開いた窓から風が吹き込み、カーテンをはためかせている。
そして彼の横たわっているベッドの傍にはリンハルトが椅子に腰掛け、無表情にベレトの様子を見守っている。
目が覚めて最初に考えたのは自分はどうしてこんなところにいるのだろうという疑問である。意識のないうちに先ほどまで身につけていた法衣も脱がされ、今は呼吸が楽になるように胸元をゆるめた寝衣に着替えさせられていた。
「リンハルト……」
「気がついたみたいですね。体の調子はどうですか?」
「少しだるいが動けないほどじゃない」
リンハルトは彼の不養生を非難するかのような眼差しをベレトへ向けてくる。その視線を受け、ようやく自分が来客との謁見中に倒れた事をベレトは思い出す。
2325そして彼の横たわっているベッドの傍にはリンハルトが椅子に腰掛け、無表情にベレトの様子を見守っている。
目が覚めて最初に考えたのは自分はどうしてこんなところにいるのだろうという疑問である。意識のないうちに先ほどまで身につけていた法衣も脱がされ、今は呼吸が楽になるように胸元をゆるめた寝衣に着替えさせられていた。
「リンハルト……」
「気がついたみたいですね。体の調子はどうですか?」
「少しだるいが動けないほどじゃない」
リンハルトは彼の不養生を非難するかのような眼差しをベレトへ向けてくる。その視線を受け、ようやく自分が来客との謁見中に倒れた事をベレトは思い出す。
大上満
DONE先生とリンハルトが湖でいちゃいちゃしてるだけです。無性に彼シャツが書きたくなりました。
水浴び ジジジジジ……と蝉の大合唱が授業を妨げる真夏の猛暑日。
かんかんと照りつける陽射しが窓際の席に座る生徒達を熱で蝕んでいく。黙っていても額や頬から玉の汗が滲んでは、ぱたぱたと滴り落ちていく。生徒達は合間を見ては手や紙でしきりに体を仰いでいた。元気なのはペトラのように暑い地方から来た生徒だけであった。
窓枠から外を眺めれば、どこまでも青く雲一つない空が遠方の山脈まで綺麗に広がっていた。
鐘の音とともに授業から解放された生徒達は一斉に立ちあがり、飲み物や涼を求めて散り散りになり、教室を出て行った。
授業に使用した教材や専門書をベレトが片付けていると、リンハルトが近づいてきた。
この暑さで艶やかな長い髪も心なしかじっとりと濡れてみえる。ハンカチで汗を拭いながらリンハルトはベレトへ尋ねる。
4420かんかんと照りつける陽射しが窓際の席に座る生徒達を熱で蝕んでいく。黙っていても額や頬から玉の汗が滲んでは、ぱたぱたと滴り落ちていく。生徒達は合間を見ては手や紙でしきりに体を仰いでいた。元気なのはペトラのように暑い地方から来た生徒だけであった。
窓枠から外を眺めれば、どこまでも青く雲一つない空が遠方の山脈まで綺麗に広がっていた。
鐘の音とともに授業から解放された生徒達は一斉に立ちあがり、飲み物や涼を求めて散り散りになり、教室を出て行った。
授業に使用した教材や専門書をベレトが片付けていると、リンハルトが近づいてきた。
この暑さで艶やかな長い髪も心なしかじっとりと濡れてみえる。ハンカチで汗を拭いながらリンハルトはベレトへ尋ねる。
大上満
DONEリンレト版ワンドロワンライのお題『秘密』で参加しました。ルート不定。風化雪月無双をベースに書きましたが、作者はまだ一度もプレイしていませんのでイメージで書いています。時々twitterに流れてくる情報を元に作成したのでもしかしたらネタバレが含まれているかもしれません。
状況的にいろいろおかしいかもしれませんがご了承ください。
秘密「へへお嬢ちゃんこっちこいよ」
酔っ払った兵士の数人グループが偶々通りがかったリンハルトにちょっかいをかけてくる。無視してさっさと通り過ぎようとしたところにずいっと立ちはだかる。
「おい待てよ」
「僕急いでるんですけど」
「あんた最近こっちの軍に入ったばかりだろう。まあまあ俺らと親睦を深めようぜ」
馴れ馴れしく肩に手をまわそうとしてくるのを鬱陶しそうに避けて、逃げだそうとする。だがやはり面白がってにやにや笑いながら男達はリンハルトの前に壁を作り、逃げ道を塞いでくる。
リンハルトは眼前の男をきつく睨みながら、攻撃しようかどうか迷う。この程度の雑兵なら何人集まろうと魔法で蹴散らすのは容易い……が先刻男の一人が言ったとおり、帝国から此方の陣営に入隊して間もない将であるリンハルトがもめ事を起こせばやっかいなことになる。まだ配属先の仲間と信頼が築けていない状態で余計なトラブルは避けたい。下手をすれば事と次第によっては処罰が下るのは彼のほうかもしれない。そこまで考えて目をつけてきたならかなり卑劣な輩である。
3329酔っ払った兵士の数人グループが偶々通りがかったリンハルトにちょっかいをかけてくる。無視してさっさと通り過ぎようとしたところにずいっと立ちはだかる。
「おい待てよ」
「僕急いでるんですけど」
「あんた最近こっちの軍に入ったばかりだろう。まあまあ俺らと親睦を深めようぜ」
馴れ馴れしく肩に手をまわそうとしてくるのを鬱陶しそうに避けて、逃げだそうとする。だがやはり面白がってにやにや笑いながら男達はリンハルトの前に壁を作り、逃げ道を塞いでくる。
リンハルトは眼前の男をきつく睨みながら、攻撃しようかどうか迷う。この程度の雑兵なら何人集まろうと魔法で蹴散らすのは容易い……が先刻男の一人が言ったとおり、帝国から此方の陣営に入隊して間もない将であるリンハルトがもめ事を起こせばやっかいなことになる。まだ配属先の仲間と信頼が築けていない状態で余計なトラブルは避けたい。下手をすれば事と次第によっては処罰が下るのは彼のほうかもしれない。そこまで考えて目をつけてきたならかなり卑劣な輩である。
nanndemo_monyo
MAIKING昔書いた紅花√のリンレトが出てきたので供養。こんなんいつ書いてたんだろう。いろいろと捏造部分が多く尻切れトンボです。戦災で割と考え込むし疲れているのに、それを全く自覚していない先生と、なんとなくわかっていたので介抱するリンハルトの話
(先生のそれが精神的なものである、というのは、できる限り読者にバレないように書くこと)
先生の疲労の原因
⇒セテスを殺した感触(家族、と言うほどの仲の物を自ら屠ったこと)
⇒レアの正体と自分の出自を知り、「人の世に、と言うのなら、本当は俺自身も滅ぶべきだった」と考えたこと
⇒使命を失ったこと
「酷使しすぎたせいだろうね」
元黒鷲学級の生徒の会議で、リンハルトはそう言った。
「天帝の剣の力にしろ、あの指揮能力や紋章にしろ、先生の持っていたものは普通じゃなかった。その代償だとか、ツケが回ってくるなら、心臓を取り戻した今が適切だ」
2621(先生のそれが精神的なものである、というのは、できる限り読者にバレないように書くこと)
先生の疲労の原因
⇒セテスを殺した感触(家族、と言うほどの仲の物を自ら屠ったこと)
⇒レアの正体と自分の出自を知り、「人の世に、と言うのなら、本当は俺自身も滅ぶべきだった」と考えたこと
⇒使命を失ったこと
「酷使しすぎたせいだろうね」
元黒鷲学級の生徒の会議で、リンハルトはそう言った。
「天帝の剣の力にしろ、あの指揮能力や紋章にしろ、先生の持っていたものは普通じゃなかった。その代償だとか、ツケが回ってくるなら、心臓を取り戻した今が適切だ」