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    #ワンドロ

    1時間ドローイング。

    0421happy_life

    DONEさねぎゆ版さワンドロワンライ【お題:夏の夜の夢、未熟、まばたき】で書かせていただきました。現代設定。一緒に暮らしている二人が、🌊が連れ帰って来た生き物をどうするかで喧嘩する話です。データが飛んで書き直したら、更に長くなってしまいました💦主催者様、読んで下さった皆様、ありがとうございました!
    猫と視た夢 重苦しい沈黙が圧し掛かる部屋。時を刻む秒針の音にさえ苛立って、不死川は落着きなくテーブルを指で叩いた。すると、此方を睨みつける青い瞳が、それを咎めるように一際鋭さを増した。クーラーが音を立てて冷風を吐き出しているというのに。先程から少しも涼しさを感じられず、頭皮にはじわじわと汗が浮かんでいる。致し方ないのだろう、沸点を越えた思考は一向に落ち着を見せないのだから。
    「……………」
    「…………チッ」
    「お前はすぐそれだ」
    「ああ⁉」
    「苛立っていますという雰囲気を、前面に押し出てくる」
    「事実、苛立ってんだよォ‼」
    「なぁ――」
     不死川が感情に任せ、テーブルを拳を叩こうとした、その時。冨岡の腕に抱かれている黒い仔猫が突然鳴いて、勢いを削がれてしまった。宙でぴたりと止まる拳。不死川はそれを所在なさげに彷徨わせた後で、正面の男から顔を背けて腕を組み、小さく舌打ちする。
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    えのきたけ

    DONE2021/9/25 ワンドロお題「赤い糸」
    2022/7/21 加筆修正
    14×29

    運命の赤い糸とは、本来『赤縄』と呼ばれていました。指ではなく、互いの足に結ばれるものだったそうです。冥界の神にこの縄を結ばれると、必ず運命の相手となってしまう。恋に落ちてしまったことを、このある種呪いのようなもののせいにしてしまえば楽になれるのでは? と少年はひとり思うのでした。
    無色透明の赤「赤い糸って、目に見えないのにどうして赤いと分かるんでしょうか」
     あかい、いと?
     霊幻は思わず、傾けた急須を落としそうになった。なみなみと注がれてしまったお茶の入った湯呑を丁寧にお盆にうつしながら、その言葉の意味を反芻してみた。今までの会話の流れが何だったのか思い出す必要があるほど、それはあまりに唐突な発言だったからだ。
     ええと、たぶん、天気の話をしていたような気がする。それか、今日の宿題の話とか。たしか、その程度のことではなかったか。
    「不思議じゃないですか、可視化されていないものを形容して」
     律から文脈に応じた返事はない。霊幻は、あかいいと、から思考が動かない。最近流行りのなにかか、昔流行ったホラーテイストのなにかか、それとももしかして、いわゆるの"運命の赤い糸"の話をしているのか。ひとり、掴めないでいる。イメージも、相槌も、糸口も。
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