寿ぐ「今日は楽しかったなぁ」
白いネグリジェを纏ったフリーナはベッドの上から贈り物で足の踏み場もなくなった部屋を見回して微笑んだ。まだ最後の一人と会えていないがいつものことだ。誕生日の余韻を味わいながら、フリーナは部屋の照明をそっと落とした。
旅人、パイモン、ナヴィア、クロリンデ、リネとリネット……フォンテーヌ廷を一歩進むごとに呼び止められていたフリーナの腕の中はプレゼントで埋め尽くされていった。あっちでよたよた、こっちでよたよた、前が見えないほどに大きく伸びたタワーを頼りない足取りで運ぶフリーナの視界が不意に明るくなった。
「手伝おう」
フリーナの視界を塞いでいたプレゼントを奪ったのは彼女の天敵とも言える女性――ファトゥスの第四位『召使』こと、アルレッキーノだった。
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