は組の授業を終え、教員長屋にて回収したばかりの問題用紙の採点を始めてからおよそ半刻。
土井は最後の一枚に赤い数字を記し、手に持っていた筆を置いた。
「ふぅ……」
これでひとまず急ぎの仕事は終わりだ。半刻とはいえ、ずっと同じ姿勢で文机に向かっていた体は、まるで重い荷物を背負った後かのように固くこわばっていた。
ふぅ、と再び小さく息を吐き出した土井は、まず首をゆっくりと左右に倒しながら筋を伸ばし、次に肩を回して固くなった筋肉を少しずつほぐしていく。
それから両手を高く上げてグググと大きく背中を伸ばせば、曲がっていた背骨が上へ伸びるにつれてポキポキポキと小気味いい音を奏でた。
「ん、んん〜〜〜〜!」
腰から上を目一杯伸ばしたのちに、ふっと力を抜けば、体は重力に従って一気にカクンと落ちる。
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