キミの恋人になりたいもし、もし過去に戻れるのなら
「もうやめよっか、この関係」
言葉足らずだったあの時の自分を殴りたい
「わかりました」
それに笑顔で応じたアイツを抱きしめたい
秋山が品田と身体だけの、セフレと呼ばれる関係を持ってから半年ほど経った。
品田は男だから避妊とかそういう面倒なこと考えなくていいし、向こうも嫌がらなかったからと秋山はそう考えて品田を抱いた。
風俗ライターの品田はソッチの経験もあり不馴れな秋山がヤリやすいように準備等を自分で済ませていて秋山が勉強する必要もなく、楽だった。
しかし半年の間に秋山が品田に抱いていた感情が恋に変わっていた。
品田が風俗ライターとして秋山が知らない人物とセックスをしていると考えただけで気が狂いそうなほどに嫉妬に駆られ、とうとう秋山が品田の仕事に口を出した。
「いや、仕事ですし…第一俺達セフレなんすから秋山さんには関係ないでしょ?」
首を傾げながらそう言った品田に秋山のなかで何かがプツリと音を立てて切れ、気がつけば事務所のソファーで品田を抱いていた。
セフレだから関係ない?
だったら、だったら恋人なら?
恋人なら関係あるだろ?
「もうやめよっか、この関係」
翌日、言葉足らずであったことを自覚した秋山が品田に連絡しても繋がらず、仕方なく品田の知り合いであり秋山の同業者の高杉に連絡をとる。
「品田?名古屋に帰ってきてねぇぜ?俺も連絡つかなくて困ってんだよ」
嫌な予感がし、堂島大吾に連絡すれば
「辰雄?いや…俺も連絡がつかないんだ…秋山、何か知らないか?」
品田が行方不明になった。