ご褒美 ライブの余韻と高揚感が後を引く中、二人でアパートに戻ってきた燐音とニキは一つのベッドの上で絡み合っていた。
「んっ……、ふ、んぅ……」
「ん……」
ライブ会場でシャワーを浴びてきたはずなのに身体はすっかり熱を帯びて、汗ばんだ肌が触れ合う。それだけで、気持ちがいい。
「は……、ニキ……」
「ぁ……、んむ……」
唇を合わせながら、互いに身体に手を這わせていく。薄目を開けたニキは、己を組み敷いてギラギラとした鋭さで見下ろしてくる天色と目が合った。会場中の視線を奪って、ダイナミックで大胆なパフォーマンスで観客の心を鷲掴みにしていたその男が、今この瞬間はただ一人の恋人に、蕩けるような視線と溢れるほどの欲情をぶつけている。
1179