Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    totorotomoro

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💴 🍵 🐉 🍙
    POIPOI 39

    totorotomoro

    ☆quiet follow

    ムラムラするってあるよね(何)
    致してないです。キスはしてる。鍵博。

    #エベ博
    dr.Ebehler.
    #鍵博
    keybo
    #黑键博
    blackKeybo

    欲求不満 昼に得る多くの惰眠は忌避すべきだが、少しの睡眠はむしろ喜ばしい。何よりも頭の声が少しはマシになる。
     なんなら御年寄殿は昼寝がお得意なのであろう。エーベンホルツが起きてからも寝ているのか夢現ですっきりとして作業にかかれる。だから昼間は時間を見つけては少しの仮眠をとるようにしていた。だというのに。
     起きればそこには隣でこちらを伺っているドクターがいた。
    「……何か?」
    「君を観察していたんだよ。エーベンホルツ」
     ひだまりで温もりのある髪の中に手を差し込み、うっとりとした口調で髪を撫でる。この『うっとりと』した口調が曲者であり、大体こういう口調のドクターは飢えている。唇を寄せ、我が物のようにエーベンホルツから昼休憩と体力と理性を奪っていくのだ。
     繰り返されるついばみに応えて体重をドクターに預ければ淫靡な笑い声と共に腕をエーベンホルツの首に回して床へと転がり込もうとする。
     しかしエーベンホルツもそれなりにドクターには慣れてきている。抱えたままで床を一回転し、ドクターを上に乗せて腰を撫で、足へ、そして腰から下へと手を滑り下すと小さく笑うドクターのベルトに指をかけ、質はいいのだろうスラックスの生地を上撫でながら奥の窄まりを生地の上から押すとふざけたような声があがる。
    「今何時だ?」
    「うん……? もうまもなく昼休憩が終わる頃合いだな」
    「ならば貴殿は幕間の後でミーティングが始まるのをお忘れのようだ。ケルシー女史が貴殿の演奏を待っておられるのでは?」
     ドクターのエーベンホルツの上着を解いていた作業がぴたりとやみ、数回瞬きをすると目が理性的な色を帯びる。
    「リマインドに感謝する」
     口調は毅然としたそれで。手はもじもじとエーベンホルツの服の合わせ目を触り、かりかりと胸元を掻く。
     エーベンホルツ側のアクションを待つ悪戯に彼は鼻で笑うと、ドクターの胸を押して上から立ち退かせる。
     立ち上がり、自身の埃を払い、そうしてからドクターのよれた服を引っ張ってシワを整え、自身の胸元からブラシを取り出してドクターの服の埃を払い身綺麗にする。
    「さあ、これ以上何がお望みだろうか。拍手でもって送ろうか」
     そう問えば、ドクターはエーベンホルツの手をひいて指先にキスをする。
    「愛がいい。君からくれる力が出るようなのを」
    「よろしい」
     エーベンホルツはそっとドクターを胸の中に取り込んで、チークキスを送る。
    「さあ、行ってこい。開始まで後五分を切っている」
     しかしドクターはじいっとエーベンホルツを。ひいてはその唇に注視している。エーベンホルツはそれを無視してドクターの鼻先に指を当てた。
    「夜まだ私が必要なら呼ばうといい。部屋に夜食を差し入れよう」
    「……そうする。じゃあまた後で」
     ドクターは今度こそエーベンホルツからするりと離れてドアの向こうに消えた。
     

    (終わり)
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖👏☺💖💖💖💖😭😭🙏🙏🙏
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    totorotomoro

    DOODLEたらいにお湯張ってドクターに洗われるエベが見てみたかったのに、なんか……あれっ?なんか、まあこれはこれで私好きなんだけど、たまに書く真っ黒ドクターがうっすら出てしまった。
    どうしても書いてみたくて出力するうちに、オチがなんかこれでいいのかな感。
    黑键博と言い張ります。
    バスタイム「お互い傷を持つ身だろう。違うかい?」
     ドクターの言葉に、エーベンホルツは聞こえないように紳士的でない舌打ちをした。

    ■□■

     ハイビスカスが困ったようにエーベンホルツが風呂に入らないと伝えに来た。
    「はい?」
    「ですから、エーベンホルツさんが───」
     書類の山に囲まれてペンを動かしていたドクターは手を止め、ハイビスカスの言葉を手を挙げて制した。
    「すまない、言葉は聞こえていた。……それを私に伝えに来る意味を聞いてもいいだろうか」
    「エーベンホルツさんはドクターの言うことなら聞いてくれると思ったので」
     ハイビスカスは柔らかく優しい微笑みを向けた。慈愛あふれる笑顔だ。ドクターもつられて微笑む。
    「それはどうかは知らないけれど、注意はしよう。曲がりなりにも製薬会社だからね。彼は外交を対応してもらうオペレーターだったはずだから、清潔にすることも大事なことだ」
    3438

    recommended works

    はるち

    DONEやり方は三つしかない。正しいやり方。間違ったやり方。俺のやり方だ。――引用 カジノ
    健康で文化的な最低限度の退廃「抱いてくれないか」

     その人が、ソファに座る自分の膝の上に跨る。スプリングの軋む音は、二人きりの静寂の中では雷鳴のように鮮烈だった。こうしていると、この人の方が自分よりも視線が上にある。天井からぶら下がる白熱灯のせいで逆光となり、この人の表情を見失う。
     どうしてか、この世界の生物は良いものだけを、光の差す方だけを目指して生きていくことができない。酒がもたらす酩酊で理性を溶かし、紫煙が血液に乗せる毒で緩やかに自死するように、自らを損なうことには危険な快楽があった。例えばこの人が、自らの身体をただの物質として、肉の塊として扱われることを望むように。この人が自分に初めてそれを求めた日のことを、今でも良く覚えている。酔いの覚めぬドクターを、自室まで送り届けた時のこと。あの時に、ベッドに仰向けに横たわり、そうすることを自分に求めたのだ。まるで奈落の底から手招くようだった。嫌だと言って手を離せば、その人は冗談だと言って、きっともう自分の手を引くことはないのだろう。そうして奈落の底へと引き込まれた人間が自分の他にどれほどいるのかはわからない。知りたくもない。自分がロドスにいない間に、この人がどうしているのかも。
    1606

    はるち

    DONEリー先生お誕生日おめでとう
     目覚ましとして使っている音楽は、それがどんなに美しいものであれやがては嫌いになる。起こされる不快感に塗り潰されるからだ。
     しかしドクターは、アラームとして使っているその旋律を未だに嫌いになれなかった。リーが好きだと言っていたものだから。先ほどから惰眠に沈んでいる自分を起こそうと、落ち着いて、けれども根気強く流れているそのメロディの出所を探していたドクターは虚空に向かって手を動かし、数度手を振ったところで、そもそもそれは自分の手首から聞こえてくることに気が付いた。
     目を開ける。白熱灯の眩しさが意識を覚醒させる。自分を起こしたのはタイマー機能のある腕時計だった。竜頭を押し込んでその音を止めたドクターは、ゆっくりと立ち上がった。どうやら自室に戻ってから、ベッドへもぐりこむ前に床で眠ってしまったらしい。大きく伸びをすると、全身の筋肉と関節が不平不満を訴えた。床で寝ていただけではない。ここ数日の激務が原因だろう。龍門からウルサスへと向かう道中にはそれなりの波乱万丈があり、のみならずヴィクトリアで起こっているきな臭い一連の騒動の処理と情報収集には、かなりのリソースを割く必要があった。人的にも、時間的にも。昼夜の区別なく働いていたが、ウルサスへと無事に到着したことにより、徹夜新記録を樹立する前にけりが付いたことは僥倖と呼ぶべきだろう。
    6666