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    totorotomoro

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    totorotomoro

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    鯉先生の衣装替えについて素敵な小説があふれてるので、ここなら好き勝手に書いてもバレねえ!ということでまだ見てない設定の鯉博など。

    #鯉博
    leiBo

    散文「あ、これですか? こいつは僵尸っていうんですけど、これは道士……んー、アーツとはまた違う古来の術、まあ炎国で伝わる御伽話なんですけど。そういうので言われてる死者の装束なんですよ」
     言いながらリーは笑いながら私の前でくるりと回ってみせた。
    「おれとしちゃあこないだのマジシャン姿よりは顔も隠れるしいつもの服と近いんで気楽なんですけど。似合いますかね?」
     周りに人がいないこともあって、リーは少し気取って写真用のポーズなどをしてみせる。そうしてフェイスシールド越しにじっと見ているはずのドクターに問いかけたが、彼はただ黙ってこちらを見ているばかりで。
    「──あ、あのですね。できればおれとしちゃあ何でもいいから言ってもらえると」
    「……リー」
    「はい」
     てくてくと近寄ってきたドクターはするりとフェイスシールドを外してフードを取る。そのままぽすりとリーに抱きついた。
    「リー」
    「どうしました? 人目がないからって珍しい」
     ぎゅうっと胸元にしがみつく温かさに、リーは首を傾げながらもドクターを抱きしめた。
    「……生きてるね」
    「そりゃ死んでませんから」
     胸に顔を当てていたのは、耳で鼓動を確かめていたらしい。手が伸びてリーの首元から脈を取ろうとするのに気づいて、リーはやや前屈みになってドクターの手を首に当ててついでに唇にキスをねだる。
     とくとくと流れる音に、安心したのかドクターはリーの唇に己のを一瞬重ねて離れようとする。
     リーはそれを尾で持って引き寄せると今度は自分がしっかりとドクターを包み込んだ。
    「不安になりましたか」
    「なった。似合いすぎてて」
    「そんな簡単には死にませんよ。あなたがいるのに」
     リーはスウっと息を吸い、ドクターを堪能するようにかき抱いた。

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    はるち

    DOODLEロドスでダンスパーティーが開かれるのは公式というのが良いですね
    shall we dance「あなたには、ダンスはどのような行為に見えるかしら?手を相手の首元に添えて、視線を交わせば、無意識下の反応で、人の本心が現れるわ」

    踊ろうか、と差し出された手と、差し出した当人の顔を、リーは交互に見た。
    「ダンスパーティーの練習ですか?」
    「そんなところだよ」
    ロドスでは時折ダンスパーティーが開催されている。リーも参加したことがあり、あのアビサルハンター達も参加していることに少なからず驚かされた。聞けば彼女たちの隊長、グレイディーアは必ずあの催しに参加するのだという。ダンスが好きなんだよ、と耳打ちしてくれたのは通りがかりのオペレーターだ。ダンスパーティーでなくとも、例えばバーで独り、グラスを傾けているときであっても、彼女はダンスの誘いであれば断らずに受けるのだという。あれだけの高嶺の花、孤高の人を誘うのは、さぞかし勇気のいることだろう――と思っていたリーは、けれどもホールの中央で、緊張した様子のオペレーターの手を取ってリードするグレイディーアを見て考えを改めた。もし落花の情を解する流水があるのならば、奔流と潮汐に漂う花弁はあのように舞い踊るのだろう。グレイディーアからすれば、大抵の人間のダンスは彼女に及ばないはずだ。しかしそれを全く感じさせることのない、正しく完璧なエスコートだった。成程、そうであれば、高嶺の花を掴もうと断崖に身を乗り出す人間がいてもおかしくない。
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