昔から宝物はしまっておきたいタイプだった。
兄ちゃんと初めてお小遣いで買ったアイスの当たり棒。こっそり持ち帰って綺麗にした後、凛だけの宝箱にそっとしまっておいた。
自分だけが独り占めできるぴかぴかの宝物。
欲しいと思うものは少なかったけど、その分見つけた宝物は、一等大事にする。
だから誰にも見せずひっそりと隠して、しまっておく。
凛だけの、宝物。
「ん……」
ふと目が覚めると、辺りはまだ暗闇に包まれていた。まだ深夜であると分かり、凛は再びベッドの中に深く潜り込み、腕の中に収まる存在を強く抱き締めた。お互い一糸纏わぬ状態で、触れ合う肌から感じる体温が心地良い。
「んん……、りん……?」
強く抱き締め過ぎたのか、腕の中にいた潔の意識が浮上する。まだ意識が微睡んでいるのか、んぅ、と唸るような声をあげて凛の胸元に擦り寄る。
1824