燈火「……私と同調したドライバーについて知りたい――ですか?」
「そうだ」
少女の言葉に、カグツチは日記を綴る手を止めた。振り向いて見た先にいた少女――メレフは、何やら期待に満ちた目でカグツチを見つめていた。
「前にも言ったろう、宝珠であるおまえにふさわしいドライバーになりたいとな。そう、おまえは『帝国の宝珠』……、そして、父上や我がスペルビア血族のブレイドだった」
ハキハキとした子供の声が、二人のいる部屋の中で響く。
「わたしは父上や陛下のように、この国の守り手となりたい。だからカグツチ、おまえと同調した者達についてわたしに教えてはくれないか?」
蒼いブレイドは、使命感に溢れた緋色の丸い瞳に僅かに気圧された。カグツチは何も言わず、そう請うた主人をただ見つめ返していた。
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