休日王子さま「あれ、五条先生じゃね?」
休日、伏黒とショッピングに出ていた虎杖悠二は声を上げた。
いつもの黒い服は着ていないものの、雑踏の中、まさに頭一つぶん飛び出た白い髪は紛れもなく担任の五条だ。やっぱ目立つなあ~と思いながら視線を動かすと横に金色の髪を見つけた。
「ナナミーン! 五条先生!」
「あ、おい!」
止める間もなく駆け出す友人を、伏黒恵は小さく舌打ちしてからゆっくり後を追った。
「悠二~、恵も」
明るい表情で振り向いた担任は、いつもの目隠しはしていない。薄い色のサングラスを掛け、体にぴったりとしたボトムの上に緩い白いシャツを着ている。何でもないシャツだけど何か感じいいから…きっと高いシャツなんだろうなと虎杖は思った。同級生の釘崎と違って彼はブランドなどには疎い。
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