Recent Search

    nicola731

    @nicola731

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 80

    nicola731

    DOODLEhttps://privatter.net/p/8723703
    この設定のぐだおくん小話。モブ視点。
    スターボーイ アウトローぐだおくん なんとなく、あの人は恐い人のように思えた。何処の誰かはあまり知らない。会長が客として組に置いている。部屋住みではなく本当に客として。人当たりが良くていつもにこにこしてる。でもきっと俺より年上なんだろう。会長は「立香くん」と呼んで可愛がっている。兄貴分達もパシリにしない。若い先輩や部屋住みの俺達は遠巻きに見ていたが、あの人はいつもにこにこしながら俺達に挨拶したり話しかけたりしてきた。てっきり喧嘩に強いとか、まさかの殺し屋的な人かもとか、そんなことを考えていたけど、本当に普通の人だった。
     口の悪い連中はあの人を会長の隠し子だとか何だとか言っていたが、実際はもっと格上だった。彼はこの業界の中で一番有名な集団から来た人だった。ウチの人間が敵対しているデカい組と揉め事を起こした時に「俺が向こうに謝りに行ってきます」と言って、俺がパシられて買ってきた高島屋の菓子折りを持って向かった。すると激怒していたはずの相手の組長があっさりと機嫌を直してしまった。「なんだ、立香くんの友達だったのか」とウチの会長と盃まで交わしてしまったくらいだ。仲良くなって一緒に飯を食う二人に、あの人はにこにこしながら酒を注いでいた。
    1111

    nicola731

    DOODLE全然けものっくす書けてないので息抜きにニャンボの話。

    地獄の現パロ。お父さん:顕光殿 長子:鬼一さん 二番目:諾子さん 三番目:香子さん 末っ子:道満(全員養子縁組)の、道満と結婚したい晴明さんによる口説き落としRTA話。「会議は踊る。絶対に許さぬ。」 https://poipiku.com/1112421/5111917.html
    ニャンボの一日 猫のニャンボは家で飼われている。動物病院に連れて行けば獣医が三度見し「えっ猫!? デカくない!?」「コーギーじゃなくって!?」と驚き、診察台に乗せる時は獣医とスタッフの二人掛かりでないと持ち上げられないほど巨大ではあるが、一応は猫である。本猫は自分のことを「小さくて可愛い仔猫ちゃん」だと思っている。生まれたばかりの頃に小学生の道満が仔犬と勘違いして道端で拾ってきた。拾ってきたのは道満なのにあまり懐いていない。道満の上には他に三人の子供がいるがその孰れにも懐いていない。「だぁはははははっ! ジャンボ! ジャンボにゃんこ!」と大笑いしてニャンボに「ニャンボ」という名前を付けた次女にも懐いていない。玩具にされるのでほぼ近寄らない。長子と三女はまあまあ、という程度だ。ニャンボが好きなのは家長である四人の子供の父親だけだった。膝に乗れば寝心地の良いように座り直してくれるし、撫でる手は静かで穏やかで何処を撫でれば一番良いのかを理解している。ニャンボの中にある家内のカーストは明確で、頂点に父親である顕光、次点に自分、以下有象無象の子供達、という構成になっている。ニャンボは自分を顕光の妻だと思っているので当然の構成だった。ニャンボが家に来る前に巣立っていった実子三人もそれぞれ立派になっていると聞くし、今だって養子を四人も受け入れてきちんと育てている自慢の夫だ。少し前に死んだ先妻のことを忘れられずとも、自分のことを可愛がってくれる夫だ。
    5241

    nicola731

    DOODLEマシュマロで感想を貰えたので書きました。晴明殿が道満をうっかり殺してしまい作り直したらパーツが余ったのでそれも使って子供作った話のよく分かんない回です。やまなしおちなしいみなし。まさにやおい。なんとなくの気持ちで読んでください。

    https://poipiku.com/1112421/4069510.html
    https://poipiku.com/1112421/4294357.html
     自分が地面に転がっていると気付くのに、道満は時間が掛かった。記憶の途絶がある。昨夜は吾子を寝かしつけてそのまま寝てしまった。それから記憶が無い。今こうして自分が倒れ伏している理由に心当たりさえ無い。体が動かない。視線を動かしてどうにか周囲を確認すると、晴明の邸庭であることに気付いた。
    「全くお前はどうしてそうも……」
     少し離れたところから呆れたような晴明の声が聞こえた。それから木の撓る音がして、沓の擦れる音が近付いてくる。家主が庇の間から降りて近付いてきたのだろう。
     俯せた道満の体をころりと転がして、晴明が見下ろしてくる。何も分からない道満は困惑したまま彼を見上げるばかりだった。
    「あの、晴明殿。何故このようなところに儂は寝ておるのでしょうか?」
    「庭に降りようとしたからですよ。私の術の効果範囲を無視して外に出ようとするからそんなことに、と、今のお前に説明しても仕方無いですね」
     「お前は何も覚えていないのですから」と晴明が言いながら道満を抱き上げた。驚いた道満は身を捩り、その時に自分の手足が無くなっていることに気付いた。思わず悲鳴を上げれば晴明が声を立てて笑った。何も面白いこと 1542

    nicola731

    DOODLE「罪深き墓前まで」
    思いつきの時代物パロ晴道。多分この後二人で共謀して旦那を始末します。
     晴明の兄が妻を娶ったのは彼が十五の時だった。付き合いのある旧家の長子で、美しいことで評判だった。まだ十八になったばかりだった。晴明の幼馴染だった。
     晴明は義姉になる前まで兄の結婚相手を「道満」と呼んでいた。義姉になるまで兄の結婚相手を抱いていた。去年の盆に宴会があり、その裏で二人は体を繋げた。お互い初めての相手だった。晴明にとっては初恋だった。
     道満は自分の妻になるものだと信じ切っていた彼は、夏の盛りを過ぎた頃に兄から婚姻のことを聞かされて、がらがらと全てが崩れていくような心地になった。美しい上に賢い道満は詩経さえ誦じてみせる。対して夫となる晴明の兄は凡庸で家柄ばかりが取り柄の役人だった。幼少のみぎりから才覚を発揮していた晴明とは大違いだった。
     晴明は兄が何処か勝ち誇ったような顔をして自分を見ていることに気付いた。兄が自分を打ち負かしたいがためだけに、道満を妻に迎えたのだとすぐに理解した。殺してやろうかと思った。
     道満は家庭に入ると頗る良妻で、よく躾けられた奥様になった。夫の父母に気に入られ、夫の床屋政談にも美しい笑みを浮かべたまま付き合った。晴明が「義姉さん」と呼んでも笑み 1027

    nicola731

    DOODLEhttps://twitter.com/nicola731/status/1374684085319168000?s=21
    晴道ハッピーゆるゆる結婚生活だよ。ホントだよ。
    ふと、書き付けを捲る道満の指が止まる。自分が書き留めたはずの術式がまるで目新しく見えた。自分の屋敷から運ばせた書物の内に紛れていた一片の書き付けを、道満は思い出すことができない。なぜ自分が書き留め、なぜこのように術を構築したのか。道満は考え込んでしまう。
     晴明の屋敷の奥、その御帳に囲われている道満は外へ出ることもできないため、自邸から自身の蔵書を運ばせた。一度死んでしまい、晴明の手によって人形の体に魂を移し替えられてしまった道満にはできることが少なかった。与えられる衣服が小袖のみなので人前に出ることもできない。仕方なく畳の上に座って自分を囲む書を読むか、不本意ながら夜伽の真似をするか、まことに不本意ながら子の世話をするぐらいしかない。
    「ンン、ンンンンン? なぜこのように……いや、効果的ではあるが、こちらではむしろ、ンンン、検証済であるか…………」
     紙片を前に悩む道満の背に勢いの付いた何かがぶつかる。道満が振り返ると七歳ぐらいに見える、夜の海に幾つもの白波が立っているような、白髪の混じる黒髪の子供がいた。
    「おや吾子、腹でも空いたか?」
    「かかちゃまー縺ェ縺ォ繧偵@縺ヲ繧九」
    1822

    nicola731

    DOODLE狩零「ヒルコは産まれなかった」R-15くらいのはず
    https://fusetter.com/tw/hNgoKUGC
    道満の同一カプ狩零をiPhoneで落書き。零臨はカントボーイ。
    近畿のとある国司には恐ろしく醜い三男坊がいる。三男坊は気狂いの色狂いで、猿のように日頃から欲を持て余しては吐き出す先を求めていた。血筋は確か、家も豊かという申し分無い身分ではあるが、三男坊は本当にぞっとするほどに醜かった。縁談の話をしようにも娘は彼の名を聞いただけで卒倒し、家の繋がりが欲しいはずの相手方も尻込みをする始末だった。
     家督を継ぐわけでもない三男坊を父母は愛さなかった。兄達も、使用人でさえ彼を嘲り罵った。そうして、孤独のまま迫害され続けた三男坊はついに発狂したのだった。


     国司の所領には尼寺があり、そこにいる年若い一人の尼が絶世の美貌によって名を広めていた。年はまだ十五、六でありながら心は清らかな乙女であり、真摯に修行に励んでいた。
     三男坊は尼寺へ無理矢理押し入り、その尼を攫ってしまった。三男坊は尼を邸の蔵に閉じ込めた。そうして泣き叫ぶ少女を犯して孕ませてしまった。両親は三男坊を打ち殺そうとしたが、成長して巨躯と怪力を身に付けた息子を殺すことは叶わず、仕方なく黙認した。
     尼が発狂した頃に腹の子供は産まれた。双子だった。不思議なことに片方は女の性器が付いていた。三男坊 1649

    nicola731

    DOODLE「自分のふるさとの昔話を調べてみましょう!」
    謎時空での俺モブ×道満の話です。そんなヤバイ彼氏やめて俺にしろよ道満。
    やまりさんと話した結果ヤバイ晴明さんに托卵される俺モブです。
    ある時。山間にある村の庄屋に美しい人の形をした何かが嫁いだ。庄屋が言うには、その人は山から下りてきたらしい。
     その人は鬼と見紛うほどに背が高く美しかった。雪の積もった谷間を過ぎる夜の川に似ている長い髪を流して、見上げるほどに背が高く、恐ろしく力が強かった。村人達はその人を「御寮人」と呼んでいた。
     先代から家を継いだばかりの若い庄屋が山の中で出会い、天女のように清らかで輝くように美しいその人を「ぜひ妻に」と切望したのだ。それを了承して、山を下りてきたその人は内儀となった。
     今にしてみれば恵まれた体躯と綺麗な顔をしているその人は、人では無かったのかも知れない。
     乞われて田畑を耕せば、御寮人は男の十倍は耕した。読み書きはおろか漢詩を幾つも諳んじることができた。薬学や医術にも詳しく、村人の中には命を救われた者も少なくは無い。庄屋は良い嫁御を貰ったものだと、村中の人間が頷き合った。御寮人から見れば庄屋は子供のような背丈だったが、二人は仲睦まじく、十年も経たないうちに子供を十人も作った。御寮人は畜生のように双子や三つ子を産んだ。産んだ子供はどれも美しく、父親に似ている者はいなかった。
     御 1900

    nicola731

    DOODLE顕道(顕蘆)まで行かない現パロ
    元ネタ
    https://twitter.com/nicola731/status/1382088577497001984?s=21
    「現パロ晴明さんの職業を映画監督にするともれなく主演俳優の道満がずっと「何言ってんだコイツ」って顔してるメイキング映像が浮かぶ(テネットのあれ)」
    今後道満は同級生の納言ちゃんに「それは推しだよ」とか教えてもらう。
    夏休みの間に行われる夏期講習は半日で終わってしまった。高校一年生だから今から必死に受験勉強をするのも、と教師はやんわりと生徒達を宥めた。道満もその一人で、真夏の昼過ぎに学校の外へと放り出された。図書室や自習室を使えれば良かったのだが三年生達で一杯だった。仕方なく道満は日陰を渡り歩いて駅まで向かう。
     まだ高校で友人はできていないし、そもそも道満はあまり人付き合いをしなくても平気だったから遡って友人らしい友人がいたことはない。だから一人で図書館にでも行こうと思った。駅まで真っ直ぐ大通りを進んでいく。道の日当たりは良くて、歳の割りにかなり身長の高い道満の頭はじりじりと灼かれた。酷く熱くて参ってしまう。
     涼しいところに行きたいと思った。それでふと駅の近くにある劇場の掲示が目に入った。平時であれば何とも思わないが、暑さのせいで変な気紛れを起こした。財布にはチケット代分の金額が入っている。高校生になったのだから「観劇」を経験してみるのも良いだろうと思った。子供らしい背伸びだった。
     チケット売り場で当日券を買い求めて、フライヤーと共に受け取って席へと向かうと最前列だった。道満は「マズい」と思っ 2331

    nicola731

    DOODLE顕道(顕蘆)現パロ
    顕光殿がヤーさんで道満が腹心兼愛人みたいなポジの話。前回の話
    https://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=1112421&TD=4197
    https://twitter.com/nicola731/status/1367080549974609922?s=21 設定は上記の通り。参考文献は「デストロ246」と「来世は他人が良い」です。
    顕光は表向き、ビル屋の社長で中古車販売も手掛けていて飲食店を小規模ながらチェーン展開している、つまり実業家だった。だからその付き合いでパーティーに呼ばれることもする。人付き合いは疲れるが華やかな場は好きだ。可愛がっている自分の腹心を飾り立て、隣に侍らして来場客全員に自慢できる折角の機会が与えられる。可愛い養い子を自慢できるとなれば顕光も俄然行く気になる。秘書の呆れた視線を気にすること無く仕立屋を呼んであれこれと生地を体に当てさせて、それこそ道満が飽きてふて寝するまで注文を付ける。月一でパーティーにお呼ばれしたいくらいだった。
     反面、裏稼業の会合やら商談やらは嫌になる。駆け引きも面倒だし金勘定で一々ケチを付けてくる奴もいるので苛立つ。顕光は自分が賢い人間だとは思わないが馬鹿馬鹿しい話し合いはうんざりする。それに護衛の数は限定されるのでいつも道満を連れて行くのだが、相手方が道満を見て怯えるのもムカつく。


     今夜は嫌いな裏稼業の会合がある。顕光は行く前から嫌だったし、会場に到着してからも気分は底に落ちていた。壁の花を決め込んで、供に連れてきた道満の顔を眺めていないとやっていられない。道 1746

    nicola731

    DOODLE顕道(顕蘆)現パロ
    顕光殿がヤーさんで道満が腹心兼愛人みたいなポジの話。らくがき。https://twitter.com/nicola731/status/1367080549974609922?s=21 設定は上記の通り。参考文献は「デストロ246」と「来世は他人が良い」です。
    そろそろ鰆の旨い季節だと思いながら、顕光は夜の執務室で決算書類を処理していた。表稼業の不動産と輸入会社の書類だけで机は一杯になる。なのに裏稼業のほうまで膨大な書類になるのだからうんざりしてしまう。ただサインをするだけなのに朝からやってまだ終わらない。
     万年筆を広い机に放り、顕光は立ち上がった。卓上の電話で隣室にいる秘書に内線を掛ける。
    『はい、橘で御座います。お茶ですか? 旦那様』
    「まだ何も言ってないだろ。今日はもう仕事しないぞ俺は。疲れた、飯食ってくる」
    『お供しましょうか?』
    「いや、お前はもう帰りなさい。道満と寿司食ってくる。あれは今どこにいるんだ?」
     顕光が一番の腹心の居所を聞くと秘書は『地下で作業中です』と答えた。顕光は秘書に礼と労いを言い、電話を切った。上着を羽織って彼は執務室を出る。顕光が所有するこのビルには地下がある。執務室は最上階、道満がいる作業場は地下の一番下にある階だ。エレベーターに乗り、一番下へと下りていく。
     スマートフォンで最寄りの寿司屋を探している内に、エレベーターの箱は地底へと辿り着いた。
    「寿司、寿司屋……舟盛り出してもらえるところが良いな……道 2576

    nicola731

    TRAINING晴道の練習。明るくポップな話とか、優しくて可愛い話とか思い付けたら、良いなって思ったんですよホント・・・。

    こあら「球体関節人形!ちょっと難しいけどまともな晴明さんを練習したいから考えてみるぞ!」
    企画こあら「はいネタ」
    脚本こあら「はい書いた」
    こあら「なんでだよ!なんでこんな感じなんだよ!」
    晴明はついうっかり道満を殺してしまったので作り直すことにした。術比べで事故死してしまった道満の残骸を集め、自宅に持ち帰った晴明は自分で組んだ人形にそれを納めた。名を三度呼び、魂を吹き込めば血が通う。
     出来上がったのは完璧な人形だった。可愛い弟子の生き写し。寸分違わぬ麗しい拵え。晴明は暫く自画自賛していた。だが現在進行形の問題は、それでは解決しない。
    「うーん、余った」
     何故か部品が余った。腑が幾らか、肉が幾らか、皮が幾らか、髪が幾らか余った。はみ出た分を切り取ったら余った。骨は全て外して綺麗に取ってある。腹が減ったら舐める用に。
     仕方が無いので人形を作成する際に出た端材を使い、七歳程度の大きさでまた別に人形を拵えた。足りていない部品は輝石を削り出して充てがった。
     出来上がったのは輝くばかりの美童だった。
    「うーん、端材だけで傑作が出来てしまった。さすが私」
     子供の顔は現在固定している自分の顔に寄せてみた。絹のような肌に映える濡羽色の髪。所々に月白の色が混じっていて雲母のようだった。魂を調達するのは面倒なので自分の尾を一本を裂いて入れてみた。己の中では比較的素直で大人しい側面な 1652

    nicola731

    DOODLE生前の顕光殿と道満の顕道。捏造。息抜き。
    おれのかんがえたさいきょうの顕光殿。
    内裏から帰る道中、顕光はうとうとしながら牛車の揺れに身を任せていた。もう日が暮れ始めていた。牛が一声吼えた。早く帰らなければ、夜はすぐに迫って来る。牛にさえ、夜の都は恐ろしいのだ。外の従者達も不安であろうと主人は案じる。
     顕光は微睡みを振り払おうと頭を振った。その時、揺れる牛車の音に混じって女の啜り泣きが聞こえた。空耳かと思って耳を澄ます。やはり、若い女が啜り泣いている。
    「おい、止めてくれないか」
     顕光が声を掛ければ車は止まる。家令が外から主人を呼んだ。
    「顕光様、何かありましたか?」
    「何処かで娘が泣いておらんか? 声が聞こえる」
    「見当たりませんが。もう黄昏ですよ。この辺りに住まう者であれば疾く帰る時分です」
    「お前、少しその辺を探してみなさい。いなければいないで構わんから」
     家令は主人の言葉に溜息を吐く。それから従者達の中から一人呼んで、二つ先の通りまで見に向かった。
     鬼の出る都で女の啜り泣きが聞こえる。娘を持つ顕光にとっては他人事ではないのだ。心配にもなる。
    「本当に心配だ。聞き間違いであればそれが一番良いのだが」
     誰に聞かすわけでもなくそう呟けば、若い女の声が物見 2814

    nicola731

    MOURNINGドキドキ! 地獄の結婚生活!

    一次創作の書かない部分です。
    『大人気連載!「あの人は今【第十八回】」~消えた天才俳優~』
    https://note.com/nicola731/n/n35617ae3936d

    二人の前世的な
    『悼む色は赤「明くる朝には皆死体【後編】」』
    https://note.com/nicola731/n/n2be8702043d6
    願わくは、落雷か隕石がこの男の頭を撃ち抜き死に至らしめますように。私は毎日そう思っている。

     人間の皮を被ったクソが結婚指輪を買ってきた。嵌めたくなかったので彼奴が仕事へ行っている間に左手の薬指を包丁で四苦八苦しながらどうにか切り落とし、ついでに両手首を切った。血行の流れを良くするために熱い風呂を湧かして浸かる。これで死ねると思った。
     目が覚めたら生きていた。見慣れてしまった寝室の天井が見えた。点滴を繋がれていて、口に薬剤兼栄養剤を流し込むカテーテルを突っ込まれていて、傍らに男が座っていた。男は私を見下ろしている。慈愛に満ちた優しいばかりの眼差しを向けてくる。頭がぼんやりしていても私は彼を睨みつけるのを忘れない。
     男はいつものように私の激情をさらりと流す。
    「結婚指輪って、別に右手でも良いんじゃなかったかな。馬鹿だねお前。だからって其処までしなくても良かったのに。本当に馬鹿で愚かで可愛い」
     含み笑いが聞こえて、男の両手が無遠慮に私の顔を撫でた。輪郭を確かめ、カテーテルの調子を確かめて、口の中に指を突っ込んできた。体がきちんと動かないせいで抵抗出来ない。ぐにぐにと好き勝手に舌を弄 1993