ラゾクノツキシマ「降られてしまったな」
「俺は平気ですけど、鯉登さん冷えるでしょう。ここまで来たんでうちで乾かしていきますか?」
繁忙期を過ぎ、今夜は月島と飲みに出ていた。明日は休日。いい気持ちで1軒目を出て2軒目はどうすると彷徨いていると、見事にゲリラ豪雨に見舞われてしまった。生憎と折りたたみ傘すら持っておらずふたり揃ってずぶ濡れになった。近くの駅まで駆け込むと雨は止んでくれたが、さすがにこの濡れ方では自然乾燥はのぞめない。
この格好でタクシーに乗るわけもいかないだろう……と考えていたところに月島の提案。
「えっ、あ、いいのか?」
「いいですよ。今日呼ぶつもりなかったんで散らかってますけど」
「問題ない!行く!」
「ふっ、元気ですね」
1971