続・男の勲章? * * *
「よりによってジェイに見つかったぁ」
「アキラ、声が」
「あ、悪ぃ……いや俺悪くねーぞ、ヘマしたのはオスカーだろ」
確かに、とオスカーは奥歯をぐっと噛み締めた。注意深く警戒していたつもりだったのに、それは徹底されておらず結果秘匿すべき事項を露呈するに至ってしまった。
ジェイ・キッドマンという人物は進んで噂話や憶測を言い触らす性格ではないし、頭を下げて口外しないよう頼んでくるような人間を無下にするほど冷めた人物でもない。ただヒューマンエラーは如何なる場合も起こり得るので、うっかり口を滑らせて漏れてしまうという可能性はある。その時どう立ち回るべきか。オスカーは唸るように溜息を吐いた。
「ま、ジェイなら多分言わないでくれるだろーしオスカーのは誤魔化せるレベルだからなんとかなるだろ。俺の方がやべーもん」
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