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    gosai01

    SPUR ME尻叩き用。キラ嬢誕生日おめでとうございました。
    アルナがキラに色々な話をする話。
    捏造、考察、推測による表現過多。
    まだあと1000文字は残ってるし、これから表現バンバン変えてくのでまだまだ変わってく予定。
    縦書き用に書いたので縦書きのまま公開します。
    キラは、警察庁の地下へと向かう階段をゆっくりと降りていった。この空間には、キラが階段を下りる足音だけが響いている。わずかに、水滴がしたたる音がした。床のシミが少し濃く感じた。
     キラが初めて「ここ」に来たのは、警察官になって、ノエルのそばにいられるようになってからだ。ノエルから特別な場所に案内する、そう言われたときの胸の高まりを、今でも鮮明に覚えている。
     あのとき、ノエルが囚人の前で静かに、ゆっくりとノエル自身の思想を話したとき、たしかに、あの人に神のような気配を感じた。ノエルに出会ってからキラの日々は輝いていたが、その中でもより輝いていた日だった、と思う。そのように、覚えている。
     キラが地下牢の前を歩くと、囚人たちが牢屋の中から手を伸ばしてきた。キラはそれをうまく避け、奥の部屋へと進んでいく。この地下には表向きには囚人用の地下牢しかないのだが、この奥に、少しだけ開けた場所がある。キラはそこに、用事があった。
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    ryokuchagreeen

    SPUR ME7/30に出したい新刊の冒頭
    限界アラサーおじさん降谷と哀ちゃんのハートフル(?)軟禁ストーリーです
    原稿頑張ります!
    あいを隠してここにいる最近、上司の雰囲気が柔らかくなった。
    例えば、ふとした瞬間に携帯端末の画面を眺めては、微かに表情を緩めるようになった。
    例えば、少し前までは何日でも職場に泊まり込むことを厭わなかったのに、僅かな隙を見つけては小まめに帰宅するようになった。
    隣のデスクに座る同僚の仕事内容さえ互いに分からないらしい、と巷で囁かれるほどに単独行動が多い職業柄、顔を合わせる機会はそう多くはない。それでも、きっと仲間たちの中では信頼されている方だと自負している。その自分がそう思うのだから間違いない……おそらく。

    「――じゃ、僕は用事を済ませるついでに家で仮眠をとってくるから……後は任せたぞ、風見」

    件の上司が、ワーキングチェアの背もたれに掛けていたグレーのスーツの上着を無造作に羽織り、ひらりと褐色の手を振って部屋をあとにしようとする。時刻は既に、日付が変わって幾ばくという頃。少し前までのこの人ならば、用事を済ませた後は即刻とんぼ返りを決め込み、良くて仮眠室、十中八九コーヒーの缶とともにデスクへと帰還を遂げていただろう。
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