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    イデア・シュラウド

    suno_kabeuchi

    TRAININGtwst夢/イデア・シュラウド
    集中している間に髪と戯れられてるはなし
    待てができるいいこなので ゆらゆらとゆらめくサファイアブルーを見つめること数十分。幸いにしてプログラム生成に集中しているイデア先輩に気取られることもなく、私はじっくりとっくり拝ませてもらっている。
     ほう、と何度目かもわからない感嘆の息が漏れる。昼だろうが夜だろうが、常に薄暗いイデア先輩の部屋ではそのサファイアブルーが陽の下のそれよりも鮮やかに映る。彩度の高いそれは驚くほど瞼に焼き付いては目を伏せてもその名残で閉じた視界に青が散る。
     足首まである長いそれはいざ座ると殆どが背凭れと痩躯の間に隠れてしまうけれど、一筋二筋と零れ落ちるそれもある。カーペットに座っていたけれど、そろりそろりと近づいて音もなくそれに手を伸ばす。燃えているだけあって毛先こそ掴めはしないが、もう少し上の方であれば実体がある。指に絡ませてみれば鮮やかな青に照らされて私の肌が青褪めたように光を受ける。視線だけイデア先輩に向ける。足元にいる私に気づいた様子もなくブツブツと早口で何か捲し立てながらキーボードを叩いている。それに小さく笑みを零して指に絡ませたそれに唇を添える。殆ど何も感じないけれど、ほんのりと温かい気がした。
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    suno_kabeuchi

    TRAININGtwst夢/イデア・シュラウド
    起きるに起きれなくなったはなし
    リディキュラス・サイダーを呷る 本当に顔がいいなこの先輩。
     胎児のように長躯を丸めてすうすう寝入っているイデア先輩を見下ろして独白する。何度だって言うんですけどこれで美形の自覚がないのなんでなんですかね。いや本当になんでだ。確かにヴィル先輩とかレオナ先輩みたいに華があるタイプではないにしろ、影のある美形というカテゴリにはなると思うんだよ。小さい頃とかにチヤホヤされなかったのかな。顔面の良さを。己の天才性についてはそこそこ自覚がありそうなのに。
     そっと手を伸ばして前髪に触れる。意外にも実体があるそれはほんのりぬくい。そろりとそれを払えばその顔立ちが露わになる。うわ睫毛長っ。全身の毛が全部睫毛に集中しましたかってくらい長いしミッチミチなんだよな。鼻筋なんて通り過ぎてもはや滑り台じゃん。スキージャンパーがこぞって練習に詰めかけるんだよこんなの。ところで不摂生極めてるくせになんで肌艶こんなにいいんですかね。隈はあるけどそれすらも影のある美貌を引き立たせるエッセンスでしかないのあまりにもズルでは。顔面格差ってこういうこと言うんだろうな。絶対この顔面だけで食べていけるってこの先輩。青い唇がこんなに似合う男、います?
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