ハルト
kohiruno
DONE2022/10/8橙WEB魔王軍オンリーイベント『魔王軍だよ全員集合!』にて展示したSSです。
バランと小さなラーハルトの話。
二つのコップ 農夫は、牛たちが騒ぐ鳴き声で目が覚めた。狼がやってきたのではないかと起き上がり扉を開けると、男が一人立っていた。
「夜分にすまない。わけあって旅をしている。牛の乳をもらえないか」
大柄な男。柄に竜の彫られた刀を背負っている。身分の高い人物が出歩く時間ではないから、旅の剣士か。出奔した貴族。または野盗か。
「申し訳ありません。今は差し上げられるものはございません」
眼光の鋭さが恐ろしくて、矢継ぎ早に言葉が口を飛び出る。
「明日の朝、いらしてください。それから、よろしければ、代金と入れ物もおもちになって」
男は、そうか、わかったと一言告げると、踵を返して闇の中に消えていった。
夜が明ける前、牛舎に出向く。牛たちは大人しくなっていた。ふと飼葉桶をかついだまま振り向くと、昨日の男が立って待っていた。足音も立てずに。いつきた? まさか、夜通しここにいたのか?
1552「夜分にすまない。わけあって旅をしている。牛の乳をもらえないか」
大柄な男。柄に竜の彫られた刀を背負っている。身分の高い人物が出歩く時間ではないから、旅の剣士か。出奔した貴族。または野盗か。
「申し訳ありません。今は差し上げられるものはございません」
眼光の鋭さが恐ろしくて、矢継ぎ早に言葉が口を飛び出る。
「明日の朝、いらしてください。それから、よろしければ、代金と入れ物もおもちになって」
男は、そうか、わかったと一言告げると、踵を返して闇の中に消えていった。
夜が明ける前、牛舎に出向く。牛たちは大人しくなっていた。ふと飼葉桶をかついだまま振り向くと、昨日の男が立って待っていた。足音も立てずに。いつきた? まさか、夜通しここにいたのか?
つーさん
DONEラーヒュンとロンノヴァだけど、攻め二人しかいない。寿命の違いというどう足掻いても越えられない壁について、ラーハルトに忠告してくれるロンさんの話。
運命を知る(ラーヒュン&ロンノヴァ)「お前、ちゃんと分かってんのか?」
「…………何のことだ?」
鎧の魔槍の手入れに訪れたラーハルトにかけられた言葉は、彼の理解の範疇外だった。目の前の名工に首を傾げるラーハルト。その姿に、ロン・ベルクはため息を一つついた。
分かっちゃいねぇんだなとため息と共に吐き出された言葉に、ラーハルトはやはり首を傾げる。彼は言葉遊びが得意な人種ではない。腹芸も苦手だ。つまりは、回りくどい言い方をされても察するのが苦手なのである。
魔槍の手入れは既に終わり――腕の使えないロン・ベルクに代わり、押しかけ弟子のノヴァが師の指導の下行った――今は雑談をしているだけとなる。ノヴァが食材の買い出しに出かけると聞き、ヒュンケルが同行してしまったからだ。
4535「…………何のことだ?」
鎧の魔槍の手入れに訪れたラーハルトにかけられた言葉は、彼の理解の範疇外だった。目の前の名工に首を傾げるラーハルト。その姿に、ロン・ベルクはため息を一つついた。
分かっちゃいねぇんだなとため息と共に吐き出された言葉に、ラーハルトはやはり首を傾げる。彼は言葉遊びが得意な人種ではない。腹芸も苦手だ。つまりは、回りくどい言い方をされても察するのが苦手なのである。
魔槍の手入れは既に終わり――腕の使えないロン・ベルクに代わり、押しかけ弟子のノヴァが師の指導の下行った――今は雑談をしているだけとなる。ノヴァが食材の買い出しに出かけると聞き、ヒュンケルが同行してしまったからだ。
nagigsgs
DONEaoさんの作品「two of us」(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17844750)に出てくるさとるです。
チアコスセッ…の良さが存分に、のみならず、アオハルとオトナの違いまで楽しめるめちゃくちゃエッチな作品なんですが、なかでもこの下着が可愛くてですね!!似合うこと自覚してるのが最高です。リボンをピラッとめくるところが見たいですね。
篁樹(たつる)
DONE9月24日に開催されるダイラーWEBオンリーイベント『偉大なる竜の騎士さまと』への参加作品です。こちらは現パロになっていますので、ダイとラーハルトが兄弟の設定となっております。
直接的な描写はありませんが、匂わせ程度はあるのでR18とさせていただきます。
こちらの作品はイベント後も削除予定はありません。 8575
asamag108
TRAININGダイラー未満。主従の情しかないつもりだったのに、ダイ様が自分を好きらしいと知って急にすごく意識してしまう部下の話。前半:悪友的なラーハルトとヒュンケル
後半:様子のおかしいラーハルトと通常運転のダイ様 6793
大上満
DONEリンレト版ワンドロワンライ「瞳」で参加しました。ベレトとリンハルトが線香花火をする話です。
WRainbowさんが以前描かれた花火をする二人の絵と「リンハルトは花火よりベレトに夢中」という添え書きにインスパイアされて書きました。
(※掲載許可済みです)
「瞳」 リンハルトは藍晶石みたいな瞳でよくベレトを凝視してくる。
大抵は好奇心に満ちたきらきらした眼差し。実験対象を見つめる学者然とした知的な双眸。
ベレトに炎の紋章が宿っていると知るや、リンハルトはことあるごとにまとわりついてはベレトを観察してきた。
(最初は自分に欠片も興味がなさそうだったのにな)
それを思い出す時、ベレトはいつも微苦笑してしまう。
ベレト自身はハンネマンに調べられるまで己が紋章持ちであることすら認識していなかったが、相当に珍しいものらしい。
そんなわけで彼が親愛の情を寄せてくるのも、興味深い研究対象であるということの延長だろうと思っていた。言葉からも表情からも溢れんばかりの好意が伝わってくるが、それ以上の意味はないだろうと。紋章学に対する情熱が別の形をとっているだけであろうと。
2620大抵は好奇心に満ちたきらきらした眼差し。実験対象を見つめる学者然とした知的な双眸。
ベレトに炎の紋章が宿っていると知るや、リンハルトはことあるごとにまとわりついてはベレトを観察してきた。
(最初は自分に欠片も興味がなさそうだったのにな)
それを思い出す時、ベレトはいつも微苦笑してしまう。
ベレト自身はハンネマンに調べられるまで己が紋章持ちであることすら認識していなかったが、相当に珍しいものらしい。
そんなわけで彼が親愛の情を寄せてくるのも、興味深い研究対象であるということの延長だろうと思っていた。言葉からも表情からも溢れんばかりの好意が伝わってくるが、それ以上の意味はないだろうと。紋章学に対する情熱が別の形をとっているだけであろうと。
コノハ(happanical)
DONE後悔原作終了後の話。
ラーハルトとヒュンケルの旅の終わりです。
後悔後悔などしない。力を尽くしたのだから。
だが、実を結ばなかったこの道のりに、意味はあるのだろうか。
「エイミは宿に送ってきた。酔いが回ったから先に休む、そうだ」
「そうか」
「……気をつかったんだろうな」
ギルドメイン山脈北方の街の小さなバーで、ラーハルトとヒュンケルはグラスを交わした。旅の中で何度となく繰り返された光景だが、今夜は特別な意味を持っている。
明日、ラーハルトは魔界に旅立つ。ポップ、それにクロコダインとともに。
大魔王バーンとの戦いからもうすぐ4年。地上の隅々まで巡りダイの行方を探ってきたが、発見には至らなかった。しかしながら、捜索は先日大きく進展を見せた。失われた古代秘術を封じた勾玉に呼応して、ダイの剣の宝玉がギルドメイン山脈を示して光ったのだ。
3589だが、実を結ばなかったこの道のりに、意味はあるのだろうか。
「エイミは宿に送ってきた。酔いが回ったから先に休む、そうだ」
「そうか」
「……気をつかったんだろうな」
ギルドメイン山脈北方の街の小さなバーで、ラーハルトとヒュンケルはグラスを交わした。旅の中で何度となく繰り返された光景だが、今夜は特別な意味を持っている。
明日、ラーハルトは魔界に旅立つ。ポップ、それにクロコダインとともに。
大魔王バーンとの戦いからもうすぐ4年。地上の隅々まで巡りダイの行方を探ってきたが、発見には至らなかった。しかしながら、捜索は先日大きく進展を見せた。失われた古代秘術を封じた勾玉に呼応して、ダイの剣の宝玉がギルドメイン山脈を示して光ったのだ。
大上満
DONE先生とリンハルトが湖でいちゃいちゃしてるだけです。無性に彼シャツが書きたくなりました。
水浴び ジジジジジ……と蝉の大合唱が授業を妨げる真夏の猛暑日。
かんかんと照りつける陽射しが窓際の席に座る生徒達を熱で蝕んでいく。黙っていても額や頬から玉の汗が滲んでは、ぱたぱたと滴り落ちていく。生徒達は合間を見ては手や紙でしきりに体を仰いでいた。元気なのはペトラのように暑い地方から来た生徒だけであった。
窓枠から外を眺めれば、どこまでも青く雲一つない空が遠方の山脈まで綺麗に広がっていた。
鐘の音とともに授業から解放された生徒達は一斉に立ちあがり、飲み物や涼を求めて散り散りになり、教室を出て行った。
授業に使用した教材や専門書をベレトが片付けていると、リンハルトが近づいてきた。
この暑さで艶やかな長い髪も心なしかじっとりと濡れてみえる。ハンカチで汗を拭いながらリンハルトはベレトへ尋ねる。
4420かんかんと照りつける陽射しが窓際の席に座る生徒達を熱で蝕んでいく。黙っていても額や頬から玉の汗が滲んでは、ぱたぱたと滴り落ちていく。生徒達は合間を見ては手や紙でしきりに体を仰いでいた。元気なのはペトラのように暑い地方から来た生徒だけであった。
窓枠から外を眺めれば、どこまでも青く雲一つない空が遠方の山脈まで綺麗に広がっていた。
鐘の音とともに授業から解放された生徒達は一斉に立ちあがり、飲み物や涼を求めて散り散りになり、教室を出て行った。
授業に使用した教材や専門書をベレトが片付けていると、リンハルトが近づいてきた。
この暑さで艶やかな長い髪も心なしかじっとりと濡れてみえる。ハンカチで汗を拭いながらリンハルトはベレトへ尋ねる。
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DOODLEハルトの参観日に乗り込むカイトと遊馬 最終回後 特にCPの表現はありませんが検索避けのため女性向けタグを使用していますわたしのすきなひと ラボの天井は時間帯に応じて日光を取り込むよう、窓のガラス面が露出する幅を自動的に調節する。日がな一日、最低出力の暗い部屋で過ごしていても特に支障がないといえばそうなのだが、オービタル曰く「日光ニ当タリセロトニンノ分泌ヲ促進スルコトデカイト様ノ精神的ナ安定ヲ図ルデアリマス」とのことなのでカイトは好きにさせている。なお、カイトは現状においては自己の精神が不安定であるというつもりはない。
時刻は午後2時。今になって昼食をとり損ねたことを思い出し、カイトは上着のポケットに突っ込んであったゼリー飲料を取り出した。
あれから数ヶ月。
クリスやトロンまで巻き込んで、今このラボでは異次元についての研究を行っている。地球と宇宙、人間界とアストラル世界、シリアルとパラレル、次元と次元……。アストラル、そしてヌメロンコードの存在はあらゆる「ここ以外」の可能性を提示した。自分たちが生きている間には存在を知ることすらできないかもしれないほどの広大な世界がある事実に、確かにカイトの中のロマンは掻き立てられた。
10064時刻は午後2時。今になって昼食をとり損ねたことを思い出し、カイトは上着のポケットに突っ込んであったゼリー飲料を取り出した。
あれから数ヶ月。
クリスやトロンまで巻き込んで、今このラボでは異次元についての研究を行っている。地球と宇宙、人間界とアストラル世界、シリアルとパラレル、次元と次元……。アストラル、そしてヌメロンコードの存在はあらゆる「ここ以外」の可能性を提示した。自分たちが生きている間には存在を知ることすらできないかもしれないほどの広大な世界がある事実に、確かにカイトの中のロマンは掻き立てられた。
「N」
DONE《私のゲーム日記》気になリますが...…うちのラインハルトさんだけがおかしいでしょうか
※新しいフォロワーさん、こ注意ください!
この絵日記は、12股の達成(既に7股達成)を目指し、最終目標はマーティンさんと結婚するゲームの記録でございます。
文法校正:えんじさん 2
nume_numeri
DONEラーハルトとヒュンケルの話。エロ無し健全。
原作後の話になるのでネタバレご注意ください。
灰と燃えさし思えば、その日は朝からろくな事がなかった。
愛用の毛皮には虫が湧き、道具袋の留めは壊れ、携行食にはカビが生えていた。もともと運勢などは信じないほうだが、ここまで不運が続くなら慎重になった方がよかったのかもしれない。
きっかけは、ちょっとした近道だった。
長く曲がった道を省略するために草地を突っ切った後、ヒュンケルが体調を崩すまで数時間もかからなかった気がする。おそらく草地に埋もれて足元がよく見えなかったのだろう、鋭い草や木板の釘で足を切ると、そこから病魔が入るのだと聞いたことがある。
足取りもおぼつかない友の肩をかつぎ、手頃な廃屋に寝かせてよくよく症状を問いつめてみれば、それらしい切り傷と高熱が想定した病と合致した。
2848愛用の毛皮には虫が湧き、道具袋の留めは壊れ、携行食にはカビが生えていた。もともと運勢などは信じないほうだが、ここまで不運が続くなら慎重になった方がよかったのかもしれない。
きっかけは、ちょっとした近道だった。
長く曲がった道を省略するために草地を突っ切った後、ヒュンケルが体調を崩すまで数時間もかからなかった気がする。おそらく草地に埋もれて足元がよく見えなかったのだろう、鋭い草や木板の釘で足を切ると、そこから病魔が入るのだと聞いたことがある。
足取りもおぼつかない友の肩をかつぎ、手頃な廃屋に寝かせてよくよく症状を問いつめてみれば、それらしい切り傷と高熱が想定した病と合致した。
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DOODLE蘭たんのふ〜か本編のここでむせるほど笑ったリンハルトとの茶会でズタボロになったプライドをアネットとのPTTで持ち直したところ
ボ〜〜〜〜〜〜〜ブボブボブボブボブボブボブボブボブボブ!!!!!!
chiroroya_dda
DONEバラダイWEB企画のお題「白色「私はあなたにふさわしい」」を書かせて頂きました。バラダイなのに、二人の会話が一切無いです。ごめんなさい。
現パロで、パパが俳優という特殊設定です。
ダイ君は一般人です。
因みに、話に出てきてませんが、ラーハルトはバランの秘書です。
とても短いので、さらっと流してください。
決して届かない我儘晴天の今日、ポップ達と一緒に都会へ遊びに行った。そこでゲームをしたり、色々なお店を覗いたり、食事を楽しんだりと楽しい時間を過ごした。
そう、あれを見るまでは。
昼ご飯を食べ終え、次の目的にである映画館に向うために大通りの大きな交差点を渡ろうとした時だった。丁度信号が赤だったので立ち止まり隣のポップと会話している時、ふと顔を上げた。
すると、向かい側にある大きなビルの液晶画面に見知った大人が映し出された。黒一色の背景に立つ大人は深紅の上下のスーツを纏い、上着の下には、同色のベスト、その更に下に黒のワイシャツとそれの襟を締める為の銀に近い灰色のネクタイが覗く。上着のボタンを止めず、ズボンに両手を入れた大人は、クラシックな音楽に合わせ緩慢に接近する。そして、映像が全身から上半身だけになると立ち止まり、大きな手をポケットから出し目の前に持ってくると、指を鳴らした。すると、何も持っていない手から手品のように白い薔薇が一本現れた。途端にBGMは鳴り止み、大人は薔薇の花弁へ大事そうに見つめながら、そっと口付け。
1655そう、あれを見るまでは。
昼ご飯を食べ終え、次の目的にである映画館に向うために大通りの大きな交差点を渡ろうとした時だった。丁度信号が赤だったので立ち止まり隣のポップと会話している時、ふと顔を上げた。
すると、向かい側にある大きなビルの液晶画面に見知った大人が映し出された。黒一色の背景に立つ大人は深紅の上下のスーツを纏い、上着の下には、同色のベスト、その更に下に黒のワイシャツとそれの襟を締める為の銀に近い灰色のネクタイが覗く。上着のボタンを止めず、ズボンに両手を入れた大人は、クラシックな音楽に合わせ緩慢に接近する。そして、映像が全身から上半身だけになると立ち止まり、大きな手をポケットから出し目の前に持ってくると、指を鳴らした。すると、何も持っていない手から手品のように白い薔薇が一本現れた。途端にBGMは鳴り止み、大人は薔薇の花弁へ大事そうに見つめながら、そっと口付け。