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    前日譚

    みしま

    DONEiさん(@220_i_284 )のスコーチ&パルスさんを元に書かせていただきました。いつも通り独自設定&解釈多々。『残り火の膚に』https://poipiku.com/4433645/7767604.htmlは前日譚的なものとなります。
    シグナルレッドの装いを 息を吸う。息を吐く。熱が気道を炙り、何かが焦げるようなきつい臭いが鼻を突く。
     死体。揺らめく炎。その炎に、炎よりも鮮烈な赤が照り返す。
     聴覚が不明瞭な音を拾う。いや、音じゃない。声か?

     不意に、漂っていた意識が引っ張られるように急浮上した。白い光が目の前で明滅している。次第に声がはっきりとしてきて、意味の理解できる言葉だと気づく。
    「パイロット・エンバー、聞こえますか?」
     光がそれると、陽性残像のちらつく人物を視覚が捉えた。IMCのロゴマークがついた白衣を着ている。名札に記されているのは『Dr.ジャンセン』。
     周囲にあるのはコンピュータ端末の置かれたデスクと金属製の棚、隅のパーティション、そして自身が寝ているストレッチャー。少ない要素で構成された飾り気のない小部屋だ。四方を囲む白い壁の一片はガラスになっており、ブラインドカーテンの隙間から白衣や作業着姿の人々、作業用ロボットが行き来しているのが垣間見える。
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    yutaxxmic

    DONE10.15-16に開催される晶くんオンリー4にて出品予定のオメガバースのお話の前日譚というか、晶くん視点での導入部分です。オンリーに出品するものはファウスト中心の予定です。
    【ファ…α、あきら…Ω】が前提です。ご都合主義の細かい部分については出品予定の話に盛り込むつもりです。ファ晶♂推し以外の人には優しくない設定。
    以前Twitterに載せていましたが、こちらにはまだだったようなので再掲です。
    ファウ晶♂でオメガバ「この薬を複製できますか?」
    晶は静かに生きていくために不可欠な薬の、少なくなってしまった残りのひとつをフィガロに見せる。
    フィガロは手渡された錠剤を興味深そうに様々な角度から眺め、緩く首を振る。
    「賢者様も見たことがあるだろう?俺たちの世界ではミチルが作るようなものが薬なんだ」
    フィガロは失わないように、手の中の小さいものを晶の両手に握らせながら、それにと続けた。
    「形までは真似なくても成分さえ同じであればいいのだろうけれど、生憎とこれは複雑すぎて分析するには相当な労力がかかる」
    言葉を紡ぎながら、自分でも考えを纏めるような慎重な口調だった。
    「ムルに頼めば複製する機械を作って貰えるかもしれないけど、複製するためには相応の材料が必要だ。無から有を作れないってことは賢者様も分かるだろう?」
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