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    waremokou_2

    DOODLE酔った黒柳が悶々としながら三毛縞に寝かしつけられるはなし。
    黒柳はたぶん偉い人との会食とかあった帰り。
    おやすみなさい、よいゆめを。 伸ばされた腕は相変わらず緩慢な動きで、いかに黒柳が酔いに身を委ねているかをまざまざと見せつけていた。手招く手のおぼつかない動きに、三毛縞はいつもよりずっと従順な態度で横たわる黒柳の側へと向かうと、まるで子供にするような手つきで頬をするりと撫でられる。こりゃ相当酔ってるな、なんて呆れるほど熱い掌がむしろ普段の低い体温を思い出させるなんて。弱い力だった。三毛縞どころか、子供だった業でさえ片腕で跳ね返せそうなほど、弱い力で引き寄せられ、三毛縞は求められるまままだアルコールの余韻でとろけそうな黒柳の舌を自分のそれで絡めあう。乗り上げたベッドは相変わらず寝心地の良い低反発のもっちりとした沈み具合で、大男二人を難なく受け止めてしまう。静かな夜更けの寝室に、湿った水音だけが転がり落ちて。わずかに汗ばんだ黒柳の地肌を撫ぜながら、三毛縞はいちどきつく舌に吸い付いて、ゆっくりと唇を離した。二人をつなぐ細い細い糸もすぐ、ぺろりと黒柳の舌が絡めとり、こくんと喉を鳴らし、見上げる気だるげな目つきの僅かに涙ぐんだ目元の赤さに雄の本能がグラリと揺れる。普段よりずっと従順に、背中を掻き抱く腕は甘えるように三毛縞のシャツを握りしめていた。それでも、三毛縞は目の前に身を差し出すか弱く振舞う山羊の肉に、愛おしそうに唇を寄せそれ以上はニコリと笑うだけだ。自分がかぶさった体の下で、らしくなく肌着のままの黒柳がわずかに足をすり合わせていることに気が付いていながら、だ。
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    zeppei27

    PROGRESS鍵と錠の六話目冒頭だよ!
    せっかく距離が近くなったのに、またお仕事で離れてしまったクリーチャーが、何やら悶々とこれまでを振り返っているところです。
    鍵と錠 #6 小難しい理論だと思われがちな話も、案外簡単に飲み込めることがある。例えばかの有名な相対性理論は、門外漢には到底理解できないと敬遠する人間は多い。しかし、『素敵な女性と並んで座って過ごす2時間は1分のように感じられるかもしれないが、熱いストーブの上に座った1分間は2時間過ごしたかのように感じられるだろう。それが相対性というものだ』と日常的な言葉で説明されたらば、やや気持ちは和らぐ可能性が高い。要するに、遠い出来事も身近になれば多少はわかった気になりうるのだ。

     クリーチャー・ピアソンは、ルカ・バルサーにこの説明で相対性理論を解説されてもまるで理解できなかった朴念仁である。なんでもアインシュタイン自身が語った言葉らしいが、アインシュタインが誰だと言うのだろう?自分の人生にはまるで関係あるまい――そう思っていたのだが、今となってはクリーチャーは誰よりも相対性なるものを深く理解していた。確かに、時間の重みとでも言うべきものは対象によって随分と変わる。
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