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    文庫

    srzw_kanna

    MAIKING7/22-23開催予定のWebオンリーにて出す予定の新刊冒頭部分です。
    高専三年、何もかも嫌になった夏油が「もう嫌だ!!!現実逃避したい!!!猫ちゃんになりたい!!!」と思ったら、ご都合呪霊の力で本当に猫ちゃんになってしまう話です。
    全編夏油目線の悟硝本。8割シリアス、2割ほのぼの、悟硝1割位。ハピエンです。
    🛁さんに委託予定。文庫で100P前後、1000円台前半の予定です。
    猫になりたい一、天内理子と夏油傑

    「ハナちゃん、今日もふわふわだね! かわいい〜♡」
     耳馴染みがある、けれど長らく正面からは聞いていない声に気付いて、傑はそっと踵を返した。一瞬だけ、廊下の窓越しに硝子と視線が合ったが、少し呆れたように目を逸らされた。気付かれる前にと、足早にその場を立ち去る。悪夢のような夏からおよそ一年が経った。元・星漿体の少女に合わせる顔は、未だ見つけられていない。
     遠目に伺った理子の顔には、大きな銃創が残っている。大分薄くなってきたとはいえ、こめかみから唇の脇にまで走るそれはとても痛々しい。傷痕は天内理子が怪物の魔の手を逃れた証であり、間一髪で五条悟が介入した成果であり、夏油傑が己の責務を果たせなかった悪果である。
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    ロビぐだ♂とヘクマンを書きたい

    DONEそれは誰も知らない、本を閉じた後のお話。

    昔呟いてたロビぐだ♂ファンタジー(元ネタ有り)パラレルを今更小説の形でリメイクしてみたものの最終話。
    てなわけで完結です。長々とありがとうございました。

    ちなみにこのシリーズの全部をまとめた加筆修正版を一冊の文庫本にして今度のインテに持っていく予定です。紙媒体で欲しい方はよろしければ。
    ハッピーエンドは頁の外側で──────復讐を果たした代償のように魔道に堕ち、死ぬことさえ出来なくなった男は、それからの長い時を惰性で生きた。
    妖精達と再び会話を交わせる程度には理性を取り戻したものの、胸の内は冬の湖のように凍りつき、漣さえ立たない。自発的に行動しようとはせず、精々が森を荒そうとする不届き者を追い払ったり、興味本位でやって来る他所からの訪問者をあしらったりする程度。
    このまま在るだけの時間の果てにいつの日か擦り切れて、消滅を迎えるのだろう。その刻限を恩赦と捉えて待ち続けることを化け物は己自身へ科した。巡る季節と深さを増す樹海を他人事として感じ取りながら、摩耗しきるまでただ無為に時間をやり過ごす日々。繰り返しでしかない朝と夜を重ねること幾百年の末。
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    greentea

    MENU4月9日のオフイベにて頒布予定のハンルス本のサンプルです。
    価格1,000円、文庫、本文116P、再録込みとなります。
    よろしくお願いします。
    愛に飛ぶ準備は出来ているか 任務後の仲間たちの顔は晴れやかで、トップガン卒であり空の実力者だと自覚のあるものたちでもかなりのストレスとプレッシャーがかかっていたのがその表情から分かる。任務を達成できるのか、だとしても仲間と生きて帰還できるのか。紆余曲折があったものの、結果として任務は成功して誰も欠けることなく全員が生還することが出来た。
     喜びと解放感からハードデックに集まるやつらのビールを美味しそうに飲む様は楽しそうで、店内に流れる曲に合わせて体は揺れている。さっきまではルースターのピアノと歌声が周囲のコーラスと一緒に聞こえていたが、今ではジュークボックスの味のある音と笑い声が響いている。
     音楽の中心だったルースターであるが、店内を見回してもその姿は見当たらず。だが帰った様子もなくさてどこへ行ったのかと視線を巡らせると、窓の向こうに色鮮やかな布の端が見えた。それはルースターが来ていたアロハシャツの柄で、窓から顔を覗かせると人気の無い店外に置いてあるイスに座って海をのんびり眺めるルースターがいた。
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