ID
clickcrack04
DONE🐕🎮のただよう我儘EDカードSKIMAにてLily様(https://skima.jp/profile?id=260958)に依頼させていただきました!
2人で歌みた(https://www.youtube.com/watch?v=h3G1aZgPReU)した想定の一枚絵!!
mendakoh
DONE冒険者と乾杯の夜明け【@kanpai_yoake】の『悪霊祓いの夜』の絵!末尾ID:4→頭に角を付ける
スフェーンは頭に角+魔物を模した仮装→ドラゴンとか角のある魔物の仮装のようです。仮装もお祭りもノリノリで楽しんでいると思います。(食べる方面で)
ヴェロニカ姐さんは仮装はしなさそうだけど、酒場とかで祭りの雰囲気は楽しんでいそうです
umj_wawawa
INFO12/1 美術家達の四季で頒布予定の新刊表紙②【くらいはこ/A6/90P/700円】
↓サンプル文リンク
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=23409340
umj_wawawa
INFO12/1 美術家達の四季で頒布予定の新刊表紙①【みじかいうた/A6/58P/500円】
↓サンプル文リンク
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=23404120
Asahikawa_kamo
DONEhrmc。魔、及び術に対する独自設定をぶん回している話です。山奥の廃校へ幽霊調査に行ったmcが魔とエンカウントしてしまい、それを助けに行くidの話。
「晴ぅ、月光蟲って知ってっか?」
「……魔の話してるんなら知ってるけど」
その話題が出たのは、本当についさっきの出来事だった。ちょうどVΔLZの収録としてスタジオに集合したものの、別収録で少し遅れてくるという弦月を待つため、のんべんだらりと適当に会話をしていた時にふと唐突に長尾がそう切り出してきたのだ。
ぼんやりとスマホで他ライバーとのやりとりを返していた甲斐田も、長尾に問いかけに顔を上げて首を傾げて見せたが、長尾の方はスマホを見たまま甲斐田へ視線を寄越すことはしない。すっとその画面に何かを打ち込み続けながら、それでも会話は続いていた。
「珍しいってまじ?」
「珍しいっていうか……まあほぼ人前には現れないし、そもそも短命だって話らしいしね。姿も分かってなければ、伝承っていうか……なんか桜魔のはずれのところにある一部地域で言い伝えがまことしやかに残っているって話は聞いたことあるけど」
10677「……魔の話してるんなら知ってるけど」
その話題が出たのは、本当についさっきの出来事だった。ちょうどVΔLZの収録としてスタジオに集合したものの、別収録で少し遅れてくるという弦月を待つため、のんべんだらりと適当に会話をしていた時にふと唐突に長尾がそう切り出してきたのだ。
ぼんやりとスマホで他ライバーとのやりとりを返していた甲斐田も、長尾に問いかけに顔を上げて首を傾げて見せたが、長尾の方はスマホを見たまま甲斐田へ視線を寄越すことはしない。すっとその画面に何かを打ち込み続けながら、それでも会話は続いていた。
「珍しいってまじ?」
「珍しいっていうか……まあほぼ人前には現れないし、そもそも短命だって話らしいしね。姿も分かってなければ、伝承っていうか……なんか桜魔のはずれのところにある一部地域で言い伝えがまことしやかに残っているって話は聞いたことあるけど」
Asahikawa_kamo
DONEオーマで医者やってるidと12歳で身体年齢が止まったmcと敬語が使える5歳kgmとわんぱく9歳fwの話。大遅刻ハロウィンネタです。あと家庭教師してるolvもいます。
続きもので前作は支部( https://www.pixiv.net/novel/series/11342157 )にて。こちらも季節ものなのである程度溜まったら削除して支部に行く予定です。
ハロウィンネタ「オリバーせんせー」
「ん? どうしたの、不破くん」
「これなに?」
「これ?」
何の変哲もない、秋の夜長を肌身で感じられるようになったある夕暮れ時のこと。いつものように甲斐田家では家庭教師兼甲斐田不在中の仮保護者として、オリバーが三人の子供たちの面倒を見ている最中だった。今日の勉強を途中でほっぽり出した後に休憩として少し席を外していた不破が、唐突に何かをオリバーの元へ持ってきたのである。
これ、と称されたものにオリバーが視線を向けると、そこには小学生向けの本が開かれていた。以前、オリバーがいつも勉強を頑張っている不破と加賀美へと幾つか本を見繕って持ってきたことがあったのだが、どうやらその中の一冊であるようだ。桜魔皇国外の国々にしかない珍しいお祭りをかわいらしい絵や写真でまとめたその本の見開きには、とある国で丁度この時期に行われているひとつのイベントについて描かれてあった。
3682「ん? どうしたの、不破くん」
「これなに?」
「これ?」
何の変哲もない、秋の夜長を肌身で感じられるようになったある夕暮れ時のこと。いつものように甲斐田家では家庭教師兼甲斐田不在中の仮保護者として、オリバーが三人の子供たちの面倒を見ている最中だった。今日の勉強を途中でほっぽり出した後に休憩として少し席を外していた不破が、唐突に何かをオリバーの元へ持ってきたのである。
これ、と称されたものにオリバーが視線を向けると、そこには小学生向けの本が開かれていた。以前、オリバーがいつも勉強を頑張っている不破と加賀美へと幾つか本を見繕って持ってきたことがあったのだが、どうやらその中の一冊であるようだ。桜魔皇国外の国々にしかない珍しいお祭りをかわいらしい絵や写真でまとめたその本の見開きには、とある国で丁度この時期に行われているひとつのイベントについて描かれてあった。
Asahikawa_kamo
DOODLE少女0kgmとslowダウナーid。 ──先生。そう口にした声は、息にも音にもならなかった。静謐さをどこまでも湛え続けているだけの無機質な室内の中で、椅子へと身体をたっぷり預けたその白衣は瞼を落として眠っているかのような横顔を落とし続けている。
冷たいグレーの石壁には所狭しと標本が飾られていた。青、紫、赤、緑、虹色、ホログラム。鮮やかなインクを落としたような薄い翅を細く痛みなどなさそうなピンで留め、飼い殺された蝶々達が呼吸もなく息衝いている。傷一つない美しさは確かに胸を貫かれていて、生命は既に死んでいる。自分もいつかああなるのだろうかと壁に視線を這わせていると、ぎちりと目の前から音が鳴った。静寂は、割り落とされる。
「……加賀美くん?」
865冷たいグレーの石壁には所狭しと標本が飾られていた。青、紫、赤、緑、虹色、ホログラム。鮮やかなインクを落としたような薄い翅を細く痛みなどなさそうなピンで留め、飼い殺された蝶々達が呼吸もなく息衝いている。傷一つない美しさは確かに胸を貫かれていて、生命は既に死んでいる。自分もいつかああなるのだろうかと壁に視線を這わせていると、ぎちりと目の前から音が鳴った。静寂は、割り落とされる。
「……加賀美くん?」
Asahikawa_kamo
PAST世界終焉、記者をやっているidが最後の日まで世界と人々を見つめる話パート③、ラストの話です。今回はホストで墓守のfwの話と、終焉を前にしたidの話。
記者id③ 徹夜明けでぼうっとした頭で付けたニュースでは、富豪たちが乗ったとされる大企業の作った宇宙船が確かに社長の言う通り、地球脱出直前でバラバラになってしまったと報じていた。出航前に希望を謳った金塗りの船は見るも無残に黒く果ててしまったそうで、どこかの海上でずっと浮かび続けている動画が報道されていた。
どうして社長はあれが落ちると知っていたんだろうか。ふとそんなことを考えて、朝一番にリリースした記事のURLと共に仕事用の連絡用メールで社長へと問いかけると、然程待たないうちに幾つかのお礼の文と共に「勘ですよ」と付け足された返事が届いていた。勘、勘ねえ。口の中で飲み込んだカフェオレと共にその言葉を反芻して、どうしたって僕の身の回りの友人たちはこうも勘だか天啓だかが鋭いんだろうかなんてことを考えた。
12500どうして社長はあれが落ちると知っていたんだろうか。ふとそんなことを考えて、朝一番にリリースした記事のURLと共に仕事用の連絡用メールで社長へと問いかけると、然程待たないうちに幾つかのお礼の文と共に「勘ですよ」と付け足された返事が届いていた。勘、勘ねえ。口の中で飲み込んだカフェオレと共にその言葉を反芻して、どうしたって僕の身の回りの友人たちはこうも勘だか天啓だかが鋭いんだろうかなんてことを考えた。
Asahikawa_kamo
PAST世界終焉、記者をやっているidが最後の日まで世界と人々を見つめる話パート②です。今回は玩具会社社長のkgmの話。
記者id② 所詮根拠のない宗教家の預言。世間はもちさんの動画をそう定義付けた。世界は相変わらず回り続けるし、七日後に滅ぶなんてこともありやしない。信じたい人間だけ怯えていればいいだろうという残酷にも冷めた認識は、動画公開の翌日いっぱいかけて大体の人の総意となったようだった。
僕の方はというとやはり相変わらずというか、もちさんが終わると言うならまあ終わるんだろうというぼんやりとした意識の中で変わらずに仕事を続けていた。とはいえ七日後に世界が終わってしまうのなら、それより後の予定なんて入れていてもなあと新規の仕事は取らず、積もり積もっていた取材をまとめて記事にするため家に籠っていることの方が殆どで、世間は日常に戻りつつあった、はずだった。
6041僕の方はというとやはり相変わらずというか、もちさんが終わると言うならまあ終わるんだろうというぼんやりとした意識の中で変わらずに仕事を続けていた。とはいえ七日後に世界が終わってしまうのなら、それより後の予定なんて入れていてもなあと新規の仕事は取らず、積もり積もっていた取材をまとめて記事にするため家に籠っていることの方が殆どで、世間は日常に戻りつつあった、はずだった。
Asahikawa_kamo
PAST世界終焉、記者をやっているidが最後の日まで世界と人々を見つめる話パート①です。今回は宗教家であり預言者であるmcの話。
記者id① 世界はあと一週間後に終わります。そう初めて口にしたのは、動画投稿サイトやSNSでカルト的人気を誇っている一人の宗教家だった。緊急発表と銘打たれた動画は既に一晩のうちで何百万再生を回っており、朝起きてトレンドを確認していた僕は数秒唖然とした後にすぐスマホを手に取っていた。膨大な数の電話番号たちの中から正しく該当の番号を見つけ出した後、すぐさまタップしてからテレビをつける。ああ、もうバラエティ寄りのニュース番組では件の動画が何度も何度も報道されてしまっていた後のようだった。これ見よがしに専門家という名を冠した人々が動画の是非や真意を議論し始めていて、少し目眩を起こしかけた。
ぷつっ。電話越しにかけ続けていたコール音が止まって、がさがさと何かを擦る音がし出した。おそらく起きたてなんだろう、相手は中々喋ることなくずっと雑音だけが流れ続けていて、痺れを切らした僕は小さな溜息と共に「おはようございます」と呟いた。
5532ぷつっ。電話越しにかけ続けていたコール音が止まって、がさがさと何かを擦る音がし出した。おそらく起きたてなんだろう、相手は中々喋ることなくずっと雑音だけが流れ続けていて、痺れを切らした僕は小さな溜息と共に「おはようございます」と呟いた。
Asahikawa_kamo
PAST曲を作っているmcと、高機能歌声生成アンドロイドのidの話。めちゃくちゃSFファンタジーで好き勝手してます。「もちさん。もちさんがはじめて聞いた曲って何だった?」
「ええ? えー……何だったかな……」
聞き慣れた、けれど小気味良いとも思える音が鳴り響く自室の大型テーブルを前に、モニターと睨めっこしていた剣持は唐突にそんな質問を投げかけられたことで一度視線をずらして、首をゆるやかに傾げていた。彼の視線の先にはもう何年も行動を共にしている青の双眸が、煌めきを湛えながら此方を見ている。その体躯はまるでどこにでもいる普通の青年であるはずだが、剣持は彼が人間でないことを知っていた。
高性能歌声生成アンドロイド。様々なシリーズが展開されているその中で、曲を作る剣持の元にやってきたのは「甲斐田晴」という世界で唯一のオリジナルカスタム済みアンドロイドだった。学習能力の高いAIが搭載されており、外見も普通の人間と見間違えるほど。都内で一人暮らしを送る剣持へ昔ながらの友人であり同業者でもあり、世界企業である加賀美インダストリアルの代表取締役から贈られた誕生日プレゼントだ。
1684「ええ? えー……何だったかな……」
聞き慣れた、けれど小気味良いとも思える音が鳴り響く自室の大型テーブルを前に、モニターと睨めっこしていた剣持は唐突にそんな質問を投げかけられたことで一度視線をずらして、首をゆるやかに傾げていた。彼の視線の先にはもう何年も行動を共にしている青の双眸が、煌めきを湛えながら此方を見ている。その体躯はまるでどこにでもいる普通の青年であるはずだが、剣持は彼が人間でないことを知っていた。
高性能歌声生成アンドロイド。様々なシリーズが展開されているその中で、曲を作る剣持の元にやってきたのは「甲斐田晴」という世界で唯一のオリジナルカスタム済みアンドロイドだった。学習能力の高いAIが搭載されており、外見も普通の人間と見間違えるほど。都内で一人暮らしを送る剣持へ昔ながらの友人であり同業者でもあり、世界企業である加賀美インダストリアルの代表取締役から贈られた誕生日プレゼントだ。
Asahikawa_kamo
PASTankb。雨の日につい感慨に耽ったfwと、偶然仕事中の彼の店に立ち寄ったidの話。解像度低めのホスクラ描写がほんのちょっとだけあります。 雨だ。そう気づいたのは、室内に響き渡る音楽と男女の談笑が漏れ出す店前の扉前で、ぱたたと誰かの傘が水を弾いた独特の音がしたからだ。更け込んだ深夜二時前後の繁華街は未だネオンが煌めいてはいるが、そろそろ店じまいも始まりそうな様相を纏っている。実際不破の働く店もまた、もうじき閉店となる予定だった。
馴染みの客に謝りながらも足元に気を遣いながら、店外へ出ていくその背中を見送る。何度も何度も手を振っては、ふうとひとつだけ呼吸に似せた溜息を吐いた。いつもであれば姫に請われるがままにアフターに興じることが大体だったが、今日は明日が早いと言い訳をして断ってしまった。ただ、そうは言ったが別に明日は何か用事があるわけでもない。ただ、いつもとは違って妙に気が乗らない。ただそれだけの理由でしかなかった。
2198馴染みの客に謝りながらも足元に気を遣いながら、店外へ出ていくその背中を見送る。何度も何度も手を振っては、ふうとひとつだけ呼吸に似せた溜息を吐いた。いつもであれば姫に請われるがままにアフターに興じることが大体だったが、今日は明日が早いと言い訳をして断ってしまった。ただ、そうは言ったが別に明日は何か用事があるわけでもない。ただ、いつもとは違って妙に気が乗らない。ただそれだけの理由でしかなかった。
atra4_m12
MOURNING2024年11月までに描いたシたち🌼ついったからのお引っ越し分です。(前のIDが入っているもの・差分があるものもあります)
念のため透かしを入れてありますので見づらかったらすみません🙇 12
atra4_m12
MOURNING2023年に描いたシたち🌼ついったーからお引っ越しです。(前のIDも入っています)
もっとあった気がするんですが手元に残っておらず…😭ある分だけ移しました🤦
念のため透かしを入れてありますので見づらかったらすみません🙇 10
Asahikawa_kamo
PAST(いつも書いてるやつとは別の)四神パロ+曲パロ。メデューサ特性の玄武idと、彼を迎えに行く朱雀fwのankb。名前だけの白虎と一言だけ喋る青龍もいます。「……今日も寒いなあ」
曇天に包まれた空を見上げながらぽつりと一言そう呟いた瞳は、快晴にも似た水色が揺蕩っている。眩しいほどに煌めいたその双眸に雲を写し込んだ一人の少年はぷちりとひとつ摘まんだ葉を手でちぎってから、手元に下げていた籠へと放り込んだ。彼が佇む辺りには大小様々な雑草にも似た葉が多い茂っていたが、彼はその中でもまるですべての葉の種類を知り尽くしているかのように迷いなく特定の葉だけを選び取って摘んでいた。
ここは、天之四国北部。険しい山脈地帯が広がっており、唯一常に雪が覆い尽くしているために国の中でも一番人が住みにくいとされているこの地域で、少年はたった一人で暮らしている。既に百年弱の時を誰にも会わず、孤独の中で生きていた。
4731曇天に包まれた空を見上げながらぽつりと一言そう呟いた瞳は、快晴にも似た水色が揺蕩っている。眩しいほどに煌めいたその双眸に雲を写し込んだ一人の少年はぷちりとひとつ摘まんだ葉を手でちぎってから、手元に下げていた籠へと放り込んだ。彼が佇む辺りには大小様々な雑草にも似た葉が多い茂っていたが、彼はその中でもまるですべての葉の種類を知り尽くしているかのように迷いなく特定の葉だけを選び取って摘んでいた。
ここは、天之四国北部。険しい山脈地帯が広がっており、唯一常に雪が覆い尽くしているために国の中でも一番人が住みにくいとされているこの地域で、少年はたった一人で暮らしている。既に百年弱の時を誰にも会わず、孤独の中で生きていた。
Asahikawa_kamo
PAST研究のため怪我の多いidと、それを心配するkgmの話。idに怪我の描写があります。 加賀美が初めて異変に気付いたのは、以前収録の折に甲斐田が作業のためにと袖を捲った時、前腕に真新しい傷のようなものを見たのが最初だった。インナーの端からちらりと顔を覗かせたそれはまだ痛々しいほどに赤く、おそらく最近出来たものだろうと察するのは容易なものではあった。が、加賀美はそれに声をかけることはなく、知らないふりをして視線を逸らすことにしたのだ。
自らのユニットメンバーが異世界人であることは勿論理解している。彼の国は当たり前のように未知の何かと戦い、尊い命が喪われることもあるような場所であるとも。住む世界が違えばそんなこともあるか、と加賀美は結成時頭のどこか遠いところでそんなことを思ってはいたが、目の前の甲斐田は割と普通そうだったとでも言えばいいだろうか。彼と過ごすことが増えた半年か一年の節目頃に、一人で今までのことを振り返り何となくひとりごちたことをよく覚えていた。そりゃあそうだ、普通そうにしているに決まっているだろうなんて、自分が傲岸不遜な面を取っていないのと一緒だと気付いたのだ。まあそもそも、加賀美自身代表取締役としての一面の時も傲岸不遜な面など取ることはあまりないのだが。
4618自らのユニットメンバーが異世界人であることは勿論理解している。彼の国は当たり前のように未知の何かと戦い、尊い命が喪われることもあるような場所であるとも。住む世界が違えばそんなこともあるか、と加賀美は結成時頭のどこか遠いところでそんなことを思ってはいたが、目の前の甲斐田は割と普通そうだったとでも言えばいいだろうか。彼と過ごすことが増えた半年か一年の節目頃に、一人で今までのことを振り返り何となくひとりごちたことをよく覚えていた。そりゃあそうだ、普通そうにしているに決まっているだろうなんて、自分が傲岸不遜な面を取っていないのと一緒だと気付いたのだ。まあそもそも、加賀美自身代表取締役としての一面の時も傲岸不遜な面など取ることはあまりないのだが。
Asahikawa_kamo
PASTankb。脈絡もなく花を渡すfwとそれを受け取るidの話。「甲斐田ァ」
「はあい、どうしたんですか不破さ……うお!? 何!?」
「にゃははっ、お前にプレゼント~」
ゆうるりとくだる雲の流れと共に傾いた午後二時の昼時。別件の会議の後に塾の収録のため合流した甲斐田が休憩室で他のメンバーの到着を待ちつつぽちぽちとスマホを弄っていると、ふと休憩室の扉が開いた。挨拶をしようと振り向きかけた直前に、何より先に呼ばれたことで咄嗟に反応すると、ぽふんと顔間近に何かを押し付けられる感覚がする。思わず仰け反れば、鼻腔を擽る良い香り。なに、と声を上げた甲斐田へ、不破はどこか悪戯が成功したかのように笑んだ。ひとつの花束を、甲斐田へと手渡して。
数度硬直にも似た驚きにぱちくりと目を瞬かせながらも、甲斐田はつい差し出された花束を受け取った。え、だかあ、だか、その挙動は意図も組めずに不破を見上げることしか出来ていない。しかし当の本人はまるでさも気にしていなさそうに笑うばかりで、やはり甲斐田は何も解らぬままで「ありがとうございます……?」と呟いた。まずい、何も分からない。完全に甲斐田の表情には困惑が浮かんでいた。
1719「はあい、どうしたんですか不破さ……うお!? 何!?」
「にゃははっ、お前にプレゼント~」
ゆうるりとくだる雲の流れと共に傾いた午後二時の昼時。別件の会議の後に塾の収録のため合流した甲斐田が休憩室で他のメンバーの到着を待ちつつぽちぽちとスマホを弄っていると、ふと休憩室の扉が開いた。挨拶をしようと振り向きかけた直前に、何より先に呼ばれたことで咄嗟に反応すると、ぽふんと顔間近に何かを押し付けられる感覚がする。思わず仰け反れば、鼻腔を擽る良い香り。なに、と声を上げた甲斐田へ、不破はどこか悪戯が成功したかのように笑んだ。ひとつの花束を、甲斐田へと手渡して。
数度硬直にも似た驚きにぱちくりと目を瞬かせながらも、甲斐田はつい差し出された花束を受け取った。え、だかあ、だか、その挙動は意図も組めずに不破を見上げることしか出来ていない。しかし当の本人はまるでさも気にしていなさそうに笑うばかりで、やはり甲斐田は何も解らぬままで「ありがとうございます……?」と呟いた。まずい、何も分からない。完全に甲斐田の表情には困惑が浮かんでいた。
Asahikawa_kamo
PASTリプきたセリフで一コマ描く のタグでそらさん(@._S0R4__40B4_)から頂いたセリフ「ちゃんと目を見て言えますか」で書きました。無理しがちkgmとそれを叱るidの話。
一番最初に出来なくなったのは、咄嗟に誰かの一言を掬うことだったと記憶している。次に、喋ることが少し億劫だなと思うことが増えてきていた。そうして、外に出ることがつらくなってきて、食事が面倒だと感じることが多くなった。どうにかこなしているうちに、遂に目の前が霞むようなことが何度も起こるようになってしまった。
心因性のストレスだろうというのは大いに理解していたけれど、それでも病院にかかる程度が精々関の山。入院は出来ない、もっと言えば休むことさえ難しいと医者に言えば、難しい顔でいくつかの処方箋を出してくれた。それを飲みながらどうこう誤魔化しつつ動いている内に、その朝がやってきてしまった。
「……?」
歌が歌えないと、唐突に気付いた。気付いてしまった。声を音にすることが出来ない。メロディを紡ぐことさえままならない。喋ることは出来る、音を出すことも出来る。けれど、この声が明確な音階にならなかった。それを知った時、はくりと口が呼吸を薄く吐き出して、溜息にもならず気化していった。自分の存在意義が、不明瞭になったのだ。
3360心因性のストレスだろうというのは大いに理解していたけれど、それでも病院にかかる程度が精々関の山。入院は出来ない、もっと言えば休むことさえ難しいと医者に言えば、難しい顔でいくつかの処方箋を出してくれた。それを飲みながらどうこう誤魔化しつつ動いている内に、その朝がやってきてしまった。
「……?」
歌が歌えないと、唐突に気付いた。気付いてしまった。声を音にすることが出来ない。メロディを紡ぐことさえままならない。喋ることは出来る、音を出すことも出来る。けれど、この声が明確な音階にならなかった。それを知った時、はくりと口が呼吸を薄く吐き出して、溜息にもならず気化していった。自分の存在意義が、不明瞭になったのだ。
Asahikawa_kamo
PASTとある日常のidとmcの話。のんびりした感じの冬と雪にまつわる話。 冬がいくら寒いとはいえ、都市部に雪が積もることは滅多にない。どんなにどんよりと落ち切った雲がかかろうとも、降ってせいぜいみぞれ程度なのがオチだ。とはいえそのみぞれも降るとやれ電車が止まるだの、やれ転ぶ人が増えるだの、やれスタッドレスタイヤが必須になるだのと面倒なことが増えるので、基本的には何も降らないでいて欲しいというのが、甲斐田の本音だった。
そんな寒空の中、ぼんやりと甲斐田が事務所の最寄り駅から緩やかな足取りで歩いていると、ふと見覚えのある背格好が自分より少し前を歩いていることに気付いた。あの紫色の髪の彼が、いつもは着ない服を着ている。最近寒くなったし、卸したてかな、なんて思いながら甲斐田はその肩をぽんと叩いた。
2075そんな寒空の中、ぼんやりと甲斐田が事務所の最寄り駅から緩やかな足取りで歩いていると、ふと見覚えのある背格好が自分より少し前を歩いていることに気付いた。あの紫色の髪の彼が、いつもは着ない服を着ている。最近寒くなったし、卸したてかな、なんて思いながら甲斐田はその肩をぽんと叩いた。
Asahikawa_kamo
PAST学パロankb。突然宇宙人を自称した先輩fwとそれに振り回される後輩idの話。ギャグテイストですがほぼファンタジーみたいなもんです。いうてギャグ詐欺。
「甲斐田ぁ」
「はーい、なんですか?」
「ごめんなあ。実は俺、宇宙人だったんだわ」
「…………は?」
梅雨はひしひしと入道雲と太陽と連れてきて、明ける頃には茹だるような夏がやってくるんだと今日の朝のニュースではそんなことを言っていた。夏休みは七月の中旬から下旬のあたりじゃないかと生徒の中では噂になっていたけれど、正確にはいつになるかは分かっていないらしい。先生たちは皆してちぐはぐな日付を言うものだから、これだから高校は適当なことばっかだなんて愚痴ってる途中だったというのに、先輩で兄貴分の不破さんがふと突然脈絡のないことを言ってきた。
思わずきょとんとして持っていたサンドイッチを取り落としそうになったけれど、いっつも本当かよく分からない話ばっかりする不破さんのことだ、いつもの冗談かと思ってその顔を見たら今までないくらいの真顔。むしろその表情で更によくわからなくなった。むしろ聞かなかったふりをしたいくらいには理解不明だった。
3741「はーい、なんですか?」
「ごめんなあ。実は俺、宇宙人だったんだわ」
「…………は?」
梅雨はひしひしと入道雲と太陽と連れてきて、明ける頃には茹だるような夏がやってくるんだと今日の朝のニュースではそんなことを言っていた。夏休みは七月の中旬から下旬のあたりじゃないかと生徒の中では噂になっていたけれど、正確にはいつになるかは分かっていないらしい。先生たちは皆してちぐはぐな日付を言うものだから、これだから高校は適当なことばっかだなんて愚痴ってる途中だったというのに、先輩で兄貴分の不破さんがふと突然脈絡のないことを言ってきた。
思わずきょとんとして持っていたサンドイッチを取り落としそうになったけれど、いっつも本当かよく分からない話ばっかりする不破さんのことだ、いつもの冗談かと思ってその顔を見たら今までないくらいの真顔。むしろその表情で更によくわからなくなった。むしろ聞かなかったふりをしたいくらいには理解不明だった。
Asahikawa_kamo
PASTリプきたセリフで一コマ描く のタグでなうさん(@.nau_bookshelf)から頂いたセリフ「ねぇ僕たちはどこから来たんでしょうね」で書きました。大分前に書いた現世終焉idの続き、終了した現世で一人生きているmcの話です。前作読んでなくてもふんわり分かると思います。
前作はこっち☞https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=21141522
ゆるやかにつま弾いた音に、歪みを感じる。調律がずれていると気付いたのは、何も考えずに指先が弦をいくつか弾いた後の出来事だった。チューナーを探すために立ち上がった剣持は、ぎいと鈍く軋んだ椅子を置き去りにしながら車の中を歩き出した。
──現世の終焉というものは、今回顧するならば思っている以上にあっさりしたものだったと、剣持は記憶していた。始まったものはいつか終わりが来るだろうとは確かに思っていたものだが、それがまさか隕石の衝突や環境破壊によるものではなく、未知の化物によって荒廃する羽目になるとは剣持も思ってはいなかった。とはいえ特段何かが大暴れしていたわけではなく、それこそ前述の通り隕石の衝突から始まり、その衝撃による地盤沈下と大津波、異常気象から引き起こされた環境破壊による地球荒廃が直接的な原因ではあったのだが。結局のところその諸々が一番最悪な形で噛み合ってしまったのは、聞く話によると桜魔皇国で言う「魔」と呼ばれる未知の化物のせいだった、らしい。ただその辺りのことを剣持本人は色々説明された割にはうまくピンとこなかったので、自分の意識範囲外で何かしらされて、この世界は滅びに向かっているのだなということだけは判断出来ている。
2240──現世の終焉というものは、今回顧するならば思っている以上にあっさりしたものだったと、剣持は記憶していた。始まったものはいつか終わりが来るだろうとは確かに思っていたものだが、それがまさか隕石の衝突や環境破壊によるものではなく、未知の化物によって荒廃する羽目になるとは剣持も思ってはいなかった。とはいえ特段何かが大暴れしていたわけではなく、それこそ前述の通り隕石の衝突から始まり、その衝撃による地盤沈下と大津波、異常気象から引き起こされた環境破壊による地球荒廃が直接的な原因ではあったのだが。結局のところその諸々が一番最悪な形で噛み合ってしまったのは、聞く話によると桜魔皇国で言う「魔」と呼ばれる未知の化物のせいだった、らしい。ただその辺りのことを剣持本人は色々説明された割にはうまくピンとこなかったので、自分の意識範囲外で何かしらされて、この世界は滅びに向かっているのだなということだけは判断出来ている。
Asahikawa_kamo
PASTあまりにも中二病がすぎるrf異能パロ。気狂いが途中で覚めたためにお話も途中で終わってます。特殊設定がすぎる、中二もすぎる、今回の主人公はid。まじで特級呪物と化した。ゆるして。
異能パロ① 人が異形の生物に変貌する現象は、遡れば十九世紀後半のヨーロッパから始まっているとされていた。とある小さな村で起こったその悪夢の始まりは、現代の魔女裁判を彷彿とされる疑対象の磔刑と火炙りで一度は途絶えたとされていた。が、気付かぬうちに世間の認知外で少しずつ、病魔のように広がっていたのだと誰かは言う。
『それ』になった者は、関節の痛みから始まる。身体中の関節が軋み出し、気が付かぬうちに短期間で身長が──否、四肢が伸びるのだ。そうして足と手が細長い生物と化した後、全身が白く変化し、人間であった意識も面影も失われては、ただ人を襲うだけの異形と化す。故にそれを人は、白化獣と呼んだ。
二十世紀も半ばをとうに折り越した日本。首都、東京。紅蓮に沈む夕焼け空を少しばかり見上げていたとある青年は、現代では珍しい黒の羽織りを翻しながら歩いていた。グラデーションになった青緑の裾は、既に失われかけている新緑を彷彿とさせる。揺れるブロンドグレーの淡い光彩は、その奥に潜んでいる青空にも良く似た双眸を隠しながら、少しの風を起こしつつ人気のない雑居ビル群の中を進んでいた。
4674『それ』になった者は、関節の痛みから始まる。身体中の関節が軋み出し、気が付かぬうちに短期間で身長が──否、四肢が伸びるのだ。そうして足と手が細長い生物と化した後、全身が白く変化し、人間であった意識も面影も失われては、ただ人を襲うだけの異形と化す。故にそれを人は、白化獣と呼んだ。
二十世紀も半ばをとうに折り越した日本。首都、東京。紅蓮に沈む夕焼け空を少しばかり見上げていたとある青年は、現代では珍しい黒の羽織りを翻しながら歩いていた。グラデーションになった青緑の裾は、既に失われかけている新緑を彷彿とさせる。揺れるブロンドグレーの淡い光彩は、その奥に潜んでいる青空にも良く似た双眸を隠しながら、少しの風を起こしつつ人気のない雑居ビル群の中を進んでいた。
nikohappy0213
PASTパスワード:俺のTwitterのIDに入っている数字4桁を半角でコロコロ、プロセカ、あとなぜかフリーレン
AI対策で削除した過去絵のうち比較的まともなやつと気に入ってる落書きです
過去絵なので当然のように下手な奴が多いです 10
Asahikawa_kamo
PASTrfのバンドパロみたいなやつです。喋ってるのはidとkgmだけ。楽器配置はただの癖。 アンプのつまみを捻み、じー、と音が鳴り出すのを聞きながら、ふと甲斐田はとあることを思い出した。取るに足らない、クリスマスの予定のことである。
ここ数年で急激に人気が出始めた、バンドグループ「ROF-MAO」。甲斐田が所属しているそのグループは、クリスマス前から年末年始までぎっちりとライブやイベントの予定がひしめき合っていた。いや、それは分かっている、構わないのだ。毎年悲しいほどにお一人様の甲斐田は、どうせクリスマスが空いたとて幼馴染みの長尾と弦月辺りしか過ごす相手がいない。だから別に空いてなかろうが構わないが、クリスマスっぽいことはしたいのだ。じゃあクリスマスっぽいことって何、と言われれば、まあ、ケーキを食べる程度の乏しい発想力しかないのがまた切なくなるのだが。
1936ここ数年で急激に人気が出始めた、バンドグループ「ROF-MAO」。甲斐田が所属しているそのグループは、クリスマス前から年末年始までぎっちりとライブやイベントの予定がひしめき合っていた。いや、それは分かっている、構わないのだ。毎年悲しいほどにお一人様の甲斐田は、どうせクリスマスが空いたとて幼馴染みの長尾と弦月辺りしか過ごす相手がいない。だから別に空いてなかろうが構わないが、クリスマスっぽいことはしたいのだ。じゃあクリスマスっぽいことって何、と言われれば、まあ、ケーキを食べる程度の乏しい発想力しかないのがまた切なくなるのだが。
kokyo_s
DOODLE奪還は乙女の嗜み ネタバレあり自陣向け🌙🌙
口調は補完してね。
こちらのサイトのガチャだよ。↓
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DONE12/27発行予定「番外編 八木くんといっしょ」A5/44Pのサンプルです。表紙をお友達のみのりさんに塗っていただきました!!すごい!!!!!!!フロマージュさん→https://www.melonbooks.co.jp/fromagee/detail/detail.php?product_id=2663507 9
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PROGRESS※閲覧パスはID空嘉のすけべ漫画描こうとしたけど技量が足りなそう
どういうシチュエーションで描こうとしてるかは
この伏せを読んでください→https://fusetter.com/tw/JVDJnfT4
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DONEファンアートになりますので、何か問題がありましたら削除させていただきます。やっと叶ったとヒースは笑った | ねる河わう子さん #pixiv https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19510130 2
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DONE12月1日 真赤な太陽に恋焦がれDR2024「日常の延長線のその先の」 A5/42p/¥500(会場頒布価格)
スペース 晴れたら海にいく 東2ホール 2チ45b
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cp_akatoki
DOODLEgnsn夢漫画 お相手は🟩。投稿してる小説(https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=23086273)の二人です。
普通に夢主の顔が出てるので注意。キスをしないと出られない部屋について。 3
gnsnmta
DONE前に書いたレイチュリを手直ししました。ピクシブにも同じものを投稿しています。
https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=23391586
アティニークジャクの羽を休めて ツガンニヤという星は一日の寒暖差が激しい。日中帯は日差しが大地を焼きつくし、痛覚を伴うようだった。かと思えば、日も暮れて日差しがなくなった途端にまるで太陽などこの世界に一度たりとも存在していないかのように一気に冷え込み、足元から体温を急速に奪い取る。住む人類にとってはあまりにも容赦のない環境であり、エヴィキン人はその過酷な環境を日々生き抜いていたのだった。
しかしそれも今は昔。カンパニーがあるピアポイントの気候は温暖ではあるものの、夏から秋にかけての季節の移り変わりには身体がその遠い記憶を呼び覚ましてしまうようだった。
——「カカワーシャ、ほらもう寝る時間よ、目を閉じて。カカワーシャの具合が早く良くなりますように、地母神さまにこの想いが伝わりますように」
7101しかしそれも今は昔。カンパニーがあるピアポイントの気候は温暖ではあるものの、夏から秋にかけての季節の移り変わりには身体がその遠い記憶を呼び覚ましてしまうようだった。
——「カカワーシャ、ほらもう寝る時間よ、目を閉じて。カカワーシャの具合が早く良くなりますように、地母神さまにこの想いが伝わりますように」