ペッシ
陽炎@ポイピク
DOODLEペッシが兄貴と同居する切っ掛けの話借りぐらしの始まり兄貴がアジトに忘れ物するなんて珍しい。しかもターゲットの事を事細かに纏めた資料だ。目を通しただけで覚えるような男ではないから、とリーダーが届けに行こうとした所をオレが名乗りを上げた。
リーダーがその事を兄貴に携帯で伝えると電話越しに不機嫌そうな声が聞こえた。
オレがアパルトメントに到着すると連絡を受けていたプロシュート兄貴が玄関の扉を開けた。
ドアの向こうで兄貴は息が上がってたけど大丈夫なのかな?
折角来たんだから入れと言われ断る事も出来ずにお邪魔する。
っていうか上がってから気付いたけれど。
リビングは質素なもので台所も調理器具があんまない。
そしてキッチンの済みにはいかにも慌てて詰め込んだらしきピザの空き箱が入ったゴミ袋の山。
1233リーダーがその事を兄貴に携帯で伝えると電話越しに不機嫌そうな声が聞こえた。
オレがアパルトメントに到着すると連絡を受けていたプロシュート兄貴が玄関の扉を開けた。
ドアの向こうで兄貴は息が上がってたけど大丈夫なのかな?
折角来たんだから入れと言われ断る事も出来ずにお邪魔する。
っていうか上がってから気付いたけれど。
リビングは質素なもので台所も調理器具があんまない。
そしてキッチンの済みにはいかにも慌てて詰め込んだらしきピザの空き箱が入ったゴミ袋の山。
陽炎@ポイピク
TRAINING芸術家プロシュート兄貴と鼠のペッシの話ふしぎなねずみその画家の男は頭を悩ませていた。売り出し中の身である為稼ぎも少ない。それなのに顔料の高騰で思うような色を出せない。美しい青マリンブルーの原料となるラピスラズリを買う為に美しい金髪を短くなるまでバッサリと切って売りに出したが、ほんの僅かしかないラピスラズリは小さく細かく砕いても減ってしまう。考えなしに髪なんて切るものではなかった。この髪がまた伸びるまでどれだけ時間がかかるのだろう。何枚も絵を売った所で高価なラピスラズリには届かない。
「なぁ!そんなにマリンブルーを使いたいのかい?」
足元から小さな声が聞こえてきて男は驚いて周囲を見回した。
「……誰だ?」
「此処だよココ!オイラはここだよぉ!」
チュウ、と時折鳴くそれを男の目が捉える。
2329「なぁ!そんなにマリンブルーを使いたいのかい?」
足元から小さな声が聞こえてきて男は驚いて周囲を見回した。
「……誰だ?」
「此処だよココ!オイラはここだよぉ!」
チュウ、と時折鳴くそれを男の目が捉える。
陽炎@ポイピク
DOODLE盲人プロシュート兄貴と青龍ペッシの話その盲人は杖の先の感覚を頼りに旅を続けていた。
彼の名はプロシュート。
多眼の怪物に目を奪われプロシュートは視力を失った。彼は村の掟で贄に選ばれてしまったのだ。
プロシュートはそんなしきたりを終わらせたくて多眼の怪物を倒せる青龍を探す旅を始めた。
海に棲む青龍は長い長い年月を生き、時折人の姿を借りては地上に現れ、願いをひとつだけ聞いてくれるという伝説があった。
プロシュートは兎に角潮風の香りのする方へ向かって歩き続けた。波の音にもうすぐ目的地が近い事を悟る。
「青龍……居ねぇのか?そこに居るんだろ?」
人の気配に呼び掛けてみると、まだ幼子らしき声が返ってきた。
「誰ーー!?」
あからさまに警戒されプロシュートは開かない瞼を向け敵意がない事を杖を手放して示した。
959彼の名はプロシュート。
多眼の怪物に目を奪われプロシュートは視力を失った。彼は村の掟で贄に選ばれてしまったのだ。
プロシュートはそんなしきたりを終わらせたくて多眼の怪物を倒せる青龍を探す旅を始めた。
海に棲む青龍は長い長い年月を生き、時折人の姿を借りては地上に現れ、願いをひとつだけ聞いてくれるという伝説があった。
プロシュートは兎に角潮風の香りのする方へ向かって歩き続けた。波の音にもうすぐ目的地が近い事を悟る。
「青龍……居ねぇのか?そこに居るんだろ?」
人の気配に呼び掛けてみると、まだ幼子らしき声が返ってきた。
「誰ーー!?」
あからさまに警戒されプロシュートは開かない瞼を向け敵意がない事を杖を手放して示した。
moco2mocco
DOODLE結構前に描いたプロシュート兄貴。まつ毛多め。久しぶりに描いていたので首にまいているやつを忘れてしまった。
兄貴のネックレスってプロシュート兄貴とペッシのPなのかなって。
仲良しクラブどこじゃないぞ。
陽炎@ポイピク
TRAINING『漫画家だって恋がしたい!』不定期連載編集者兄貴×漫画家ペッシ
何でも許せる人だけ読んで下さい……「そら、タイ曲がってんぞ」
小さな姿見の前でオレの背後から輝を回し蝶ネクタイを直す兄貴に本当に世話好きだなぁと内心呟く。
編集者ってもっお面倒な性格だという先入観もあったけれど兄貴はオレへ弟のように接してくる。
「兄貴ィ、やっぱり変だよぉ。オレにはちゃんとした格好ニ似合わねぇよぉ」
「ペッシペッシペッシペッシよぉ~。これからオメーは新人賞の授賞式に行く。ダセェ服着ていく訳にはいかねぇだろ?」
そんな事言われてもオレは未だに実感が湧かねぇ。
オレが描き上げた新作漫画はあれよという間に連載が決まり新人賞を獲得しちまったんだ。
「オレ、未だに夢見てるような気分だ」
「ハン、新人賞なんてまだまだ栄光への第一歩だぜペッシ。オレ達は更に上を目指さなきゃならねぇ」
ぽんと両肩へ手を置かれてオレは改めて身が引き締まる。
兄貴は不思議だ。言葉だけで自分に自信のねぇ気弱なオレを鼓舞してくれるんだから。
受賞パーティーはとあるホテルの会場だった。四畳半のボロアパートとは違って煌びやかな世界。
オレはそんな空間に来てしまい場違い感でくらくらしそうだった。
「おいおい、こんな所でぶっ倒れるなよ」
さり気なく支 1840
陽炎@ポイピク
TIRED初めて兄貴の部屋に泊まりに行くペッシの話暗殺チームに入って、アジトで仮住まいをする事になったペッシ。アジトでの暮らしは薄暗いのを除けばそれなりだった。だが、その生活も長くは続かなかった。
「すまんペッシ。補修しようにも賃貸を払うので手一杯でな」
ペッシの部屋の天井から染みが広がり床へ向かって水滴が落ちていった。
不甲斐なさそうにしているリゾットにペッシは慌てて返した。
「いっ、いえ!元はとは言えオレがアジトに居候させて貰ってるようなモンですし!」
ホルマジオはホテルを転々としており、イルーゾォには鏡の世界という寝床がある。ギアッチョとメローネはソルベとジェラートと共にシェアハウスしており、ペッシはリゾットの計らいでアジトの物置をわざわざ空き部屋にして貰ったのだ。
「しかしこんな老朽化の酷い部屋で過ごしたくはないだろう?」
ペッシは答えに窮してリゾットと天井を交互に見遣った。
「それなら暫くオレの所に泊まればいいだろ」
いつの間にそこにいたのか、入口に凭れかかったプロシュートが声を上げた。
「えっ!?兄貴の所にですかい!?」
「嫌なのかよ」
あからさまに不機嫌そうに眉間の皺を深くするプロシュートにリゾットは溜息を吐いた。
1525
陽炎@ポイピク
BLANK編集者兄貴×漫画家ペッシそららさんからネタだけお借りしました
この場でお礼を申し上げますオレはペッシ。最近デビューしたばかりの新人漫画家だ(ペッシというのはペンネームだけど)。オレは今白紙のままの原稿用紙を前に頭を抱えて唸っていた。
そういう時に限ってインターホンが鳴る。
ピンポーン。……ほら、やっぱり。
渋々四畳半の部屋から玄関へと向かって扉を開けると見目麗しい男が立っていた。
「よう、進捗具合を見に来たぜ」
このモデルのような出で立ちの人はオレの担当編集者だ。
「タイミング悪過ぎやしませんか?兄貴」
兄貴と呼べと言われてるからそう呼んでるけど本名は聞いた事がない。兄貴は悪びれもせずずかずかと机へ近付くと原稿用紙を覗き込んだ。
「ハン、まだ下書きすらしてねぇのか?」
一瞬眉を寄せながらも次の瞬間には吹き出した兄貴にオレはぽかんとした。
編集者ってもっと怖い存在だと思っていた。
幼い頃から漫画を読むのが好きでいつしか漫画を描きたいと漫画家を目指してきたオレ。
でも漫画家のエピソードは大抵編集者との確執とかそういうのばっかりで、漫画家デビューしたら編集者にドヤされながらネームを進めたりするんだろうなと考えていた。
だから初めて兄貴と会った時もオレはビビってオドオドした態度で 1399
陽炎@ポイピク
CAN’T MAKE #プロペシ版ワンドロ・ワンライ『ご都合スタンド攻撃』
兄貴がペッシと同じ年齢になる話
左右曖昧表現あるのでご注意下さい「ペッシ、ペッシ!」
誰かの声が聞こえる。知ってるようで知らない声。
アジトでうたた寝していたオレはうっすらと瞼を開けた。
「よぉペッシ。お目覚めか?」
ぼんやりとした意識のままのオレの前には金髪蒼眼の青年が立っていた。
「……夢?」
だってそうだろ。皆が仕事で出払ってる間留守をしていたのはオレだけだ。
「おいペッシ!起きろ!眠そうにしてるんじゃねぇ!」
肩を前後に揺すられオレの意識は否応なしに覚醒させられる。
「えっ!?だっ、誰だ!?」
背丈はオレより少し上だろうか。着ている服は袖が余ってぶかぶかだ。年齢に似合わず高級そうなヘリンボーン柄の仕立てのいいスーツ。
ーーまさか。
「まだ分かんねぇのか!マンモーニのペッシ!」
顎に人差し指を突き付けてくるこの癖は。
「あ、兄貴かい?あんた兄貴かい?」
「ペッシペッシペッシペッシよぉ~。咄嗟にビーチ・ボーイを構えるのはいい度胸だが、オレに攻撃しようなんざ10年早いぜ」
いつものように額に額をくっつけてくる兄貴だったけれど、オレはただ兄貴の若い姿に混乱してばかりだった。
「もしかしてスタンド攻撃受けたんですかい!?」
パッショーネはスタンド使 2362
陽炎@ポイピク
MOURNINGメローネがペッシを甘やかす話メロペシ風味のプロペシです「プロシュートがペッシを甘やかしたくなる気持ち、俺にも分かるぜ……ペッシは可愛いもんな」
オレは今、メローネに片手で頭を撫でられている。パソコン型のスタンドのキーボードを打ちながらだから、メローネは結構器用なんじゃねぇかな。
「可愛いってそれ褒めてねぇよぉ」
オレはと言えば標的の血液をビーチ・ボーイで採取してる最中だ。任務中なのに呑気な事を口にするメローネにオレは本当にマイペースな人だなと内心呟いた。
暗殺チームの中でもメローネは特に何を考えてるのか良く分からない。ギアッチョもメローネと知り合ったばかりの頃はそう感じたって言ってたっけ。
「褒めてるぜ?喩えばペッシのそのスタンド。シンプルで凄くイイ。群像型や遠隔操作型とは違う」
その時背後から低い声がした。
「おい。そいつをあまり甘やかすな」
思わず身を竦めたまま振り返るとプロシュート兄貴が佇んでいた。
「やれやれプロシュートは手厳しいな。アンタの代わりにペッシを甘やかしてやろうとしていただけなのに」
メローネはオレのビーチ・ボーイの針先に着いた血液をアンプルへ保管しながら肩を竦めた。
「ハン、甘やかしたら付け上がるだけだぜペッシは。い 609
きらら
DONE🥓夢ペッシVSブチャラティの一騎打ちを見守りながら、プロシュートが思う事は……
5部53巻の兄貴の最期が辛過ぎてねつ造しました。あの最期の裏側にこんな話があってもいいかなと。
(⚠︎本当になんでもありな大丈夫な方のみご覧ください) 4
陽炎@ポイピク
TRAINING足を怪我して兄貴に背負われるペッシの話『恋じゃない』
#プロペシ版ワンドロ・ワンライ流石に姫抱きは勘弁してくだせぇと真っ赤になる弟分にプロシュートは溜息を吐いた。
かれこれ永遠と続くかのような押し問答。
ターゲットを追ってビーチ・ボーイの針と糸で捉えかけていた所、標的が残した罠へ掛かってしまい、ペッシが足を怪我してしまったのだ。
「オレの事は置いていいから追ってくれ兄貴!」
プロシュートはペッシの言葉に迷った。此処で見失ったら任務は失敗だ。
だが、プロシュートは足を止めた。
「兄貴っ!そんな事したらスタンドの射程範囲から逃げられちまう!」
ペッシの悲痛な叫び。その時聞こえてきたのは仲間のひとりの声帯を真似た声だった。
「ドウヤラコイツヲ始末スルノハ、ワタシノヨウデスネ」
次の瞬間ターゲットはサイコロ状にバラバラにされてその場に崩れる。
「ベイビィ・フェイス……」
常に笑みを浮かべたような機械の如き肉体を持つ人型のスタンドはプロシュートとペッシを見遣った。
「ナンテコトナイ任務デシタネ。プロシュート、アナタハドウシテ仕事ナノニ弟分ヲ優先スルノデスカ?」
ベイビィ・フェイスは教育次第で成長するスタンドだ。故に知識欲も強い。疑問を感じれば主であるメローネ以外にも遠慮なく質問 1413
jab_kyojin
DONEプロペシ小説「Ticket」/ペッシ視点。休日にプロシュート兄貴から呼び出されたペッシ。
それも「交通手段は何であれ切符は2枚買え」と不可解なことを言われる。
1枚分不要な切符の理由は?―Ticket—
「……」
腑に落ちない……。
そう思いながら、オレはバスの券売機に札を差し込んだ。
――スッ
券売機が5ユーロ札をのみ込み、タッチパネルに5種類の切符が表示される。
選ぶはバスの1回券、1.5ユーロ。それを2枚。オレの分と、プロシュート兄貴の分だ。
「兄貴ってば無駄なこと嫌いなくせによぉ~~。もぉ~~」
休日の今日、兄貴から電話があり、家に来いと呼び出された。しかも、『交通手段は何であれ切符は2枚買え』と意味不明なことを言う。兄貴は家にいるんだから、兄貴分の切符はいらないはずだけど、それを指摘しても『ごちゃごちゃ言うな』と一蹴するし……。
仕事柄、突然呼び出されることには慣れているし、休日が吹き飛ぶことも気にしない。暗殺チームの〝唐突″には意味があるんだ。それは些細な任務も同じ。些細な任務、されど綿密な構成の一部。そのときには理解できないことも、任務を経て意味を知る。
仕事はチームプレイだけど、人を殺したことのない下っ端のオレには、パズルのような世界観だ。小さな任務を1ピース、1ピースはめていき、チーム全体で暗殺というミッションをこなしていく。
……じ 3542
陽炎@ポイピク
MOURNING兄貴がペッシを振り回してるつもりが実はペッシが兄貴を手玉に乗せて転がしてた話を書こうとした。「オメーを大人の店ってやつに連れて行ってやる」プロシュートという男の言動はいつも突拍子もない。それでもペッシにとっては兄貴分たる故いつもプロシュートのその日その時の気分に付き合わされる羽目になるのだが。流石に大人の店というのは勘弁して欲しかった。ペッシにはホルマジオに童貞卒業させてやると連れられた娼婦の店で、慣れない生身の女性を相手に逃げ出した苦い記憶があった。何よりもプロシュートとは違って自分のように決して容姿の良い訳でもないマンモーニが店に行った所で惨めな気持ちになるだけだ。プロシュートは外見だけでなく外面のいい男だった。女性を悦ばせる言葉を幾つもその口から繰り出す。喩えそれが本音でなかったとしてもだ。
「え~?兄貴だけで行きゃあいいじゃねぇですか」
反抗的な態度を取ってしまったのはきっと嫉妬だ。
プロシュートの香水の匂いも、美しく長い睫毛に縁取られた青も、低く凄味すらある声も、娼婦になど独占されたくない気持ちの方が強かった。
「あ?別に女を侍らしに行くんじゃねぇ。酒だよ酒」
ああ、そっちの店という意味か。ペッシは安堵すると同時にやはり行きたくない気持ちの方が強い事には変わらなか 861
陽炎@ポイピク
DONE・警官プロシュート兄貴×ウェイターペッシネアポリスの一角に佇むカフェは人々が集いそれぞれ話に華を咲かせていた。扉が開きドアベルが鳴り響く。その音を気にしない者の方が多かったが、店主だけがその男に訝しげな視線を向けていた。
「ペッシというウェイターを探している」
警官の男は店主へと真っ直ぐ歩み寄るとそう淡々と告げた。
「ペッシ?ああ、見てくれの割には良く働いてくれる奴だよ」
警官の男の眉尻が一瞬だけぴくりと上がる。
店主は奥で客から注文を受けている緑髪の青年を顎で示した。
「来い。少し聞きたい事がある」
警官の男がウェイターの目の前に立ち帽子の影に隠れた蒼眼が鋭く光る。その物々しい雰囲気に注文していた客もオーダーを忘れ息を飲んだ程だった。
「それってどれ位かかりますか?オレ、仕事中なんすけど」
ウェイターの青年は怯えながらも男へ返した。
何しろイタリアの警察が声を掛ける相手はスリの犯人が多い。疑われるというのはウェイターでなくても気分のいいものではない。
「すぐに済む」
男の言葉にウェイターは仕方なさそうに他の従業員を呼んでエプロンを脱ぐ。騒雑するカフェの中ですらりとした体格の警官とガタイのいいウェイターの対比は酷く目立って 1793