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    自然

    rrKonrr

    DONE⚠️自然災害についての描写があります。フラッシュバック等ご心配な方は閲覧をお控えください。⚠️

    一回別れたけど未練たらたらなえんじがヨリを戻したいはなし。
    結局ホはどこまでもえんじに甘いし、えんじはホの愛情にあぐらをかいてるから、周りは「絶対やめといた方がいいってー!」ってなるんだけど、本人たちが幸せならそれでいいよとしか言えない。
    このえんじ、常くんには今後もずっと睨まれててほしい。
     それが彼のためだと、本当に思ったのだ。

     分かりましたと、ホークスは言った。どこまでも静かな瞳だった。振り返れば、彼はいつもそうだった。人付き合いというものは大なり小なり、すれ違いや意見の相違の連続であるはずだ。しかし、彼と付き合う中でそういうズレをろくに感じたことがなかったことに気が付いたのは、「もう辞めるべきだ」という終わりの台詞を口にしてからだった。
     自分の言葉に対して、ホークスが首を横に振ったことはなかった。そうですね、了解です、それがいい、そうしましょう、さすがです——いつもそう言って、楽しそうに笑うばかりで。
    「分かりました」
     出会い頭に何の前置きもなく別れを切り出された、こんなときでさえ。
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    雨野(あまの)

    DONEhttps://shindanmaker.com/804548様からお題いただいて書いたひふ幻です。
    お題→ ひふ幻のお話は
    「人は本当に悲しいとき、涙が出ないのだと知った」で始まり「ふと思い付いて、ごく自然に筆を執った」で終わります。
    貴方に生かされる 人は本当に悲しいとき、涙が出ないのだと知った。
     彼がこの家から出て行って三日が経つ。だが、俺は未だに泣けずにいた。別に強がる必要もない。この家には俺一人なのだから思う存分泣いたら良いのだ。それなのに涙は一滴も出なかった。
     巷で〝泣ける〟と話題の映画を観ても涙は出なかった。それならば、と読む度に涙を流す歴史小説を試してみるがそれもまったくというほど涙が出なかった。
     自分はおかしくなってしまったのだろうか。彼が俺の体の一部や機能さえも一緒に連れて行ってしまったのだろうか。もし、そうだとしたらいっそ体も心も魂でさえも全て奪い去ってくれて良かったのに。

     もう初夏へと向かっているはずなのに自分の手は氷のように冷たく不快感を抱く。少しでも温めようと両手を擦り合わせるがあまり意味はなさそうだ。昼間なのに雨のせいかどんよりと暗い雰囲気が漂う。しとしとと鳴る雨音を聞きながら暫し目を閉じ彼のことを考えた。太陽みたいに明るい人なのに、どうしてこんな天気の日に思い浮かべてしまうのだろう。いや、雨だろうと晴れだろうと関係ない。ところ構わず彼のことを考えているじゃないか、と自分に物申す。
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