夜行
Polaris_bs11
MAIKINGとある舞台作品のパロプロローグ部分なので秀と想楽くんっぽい誰かしか出てこない
百鬼夜行に参加して本音ぶつけ合うクラファが見たかった気持ちで書いてたもの
百鬼夜行 自動扉を潜れば、空調が整っていた病院内とは変わって一気に生ぬるい空気が肌にまとわりつく。半月ほど前までは比較的過ごしやすい気温だったというのに、この時期特有のじめっとした重たい空気が秀はどうも苦手だった。
ここ数年は最高気温やら平均気温やらを年々更新し外を出るのが億劫な暑さとなり、特段暑さに強いわけではなく更にインドア趣味をもっている秀にとっては夏本番の気候も嬉しいものではないが、それでもこの水分を多く含んだ空気が停滞し汗がじんわりと身体を伝う感覚の方が嫌いだ。今年は一層、そう感じる。
……今日も、駄目だったな。
ゆるく握ったままの左手から、帰りがけに受付の人から貰った個包装の飴がカサリと音を立てる。絶えず週に2、3回の頻度で通っていれば当然顔も覚えられて、軽い日常会話を振られるようになった。あの部屋へ来る人の中で間違いなく誰よりも──あいつの家族よりも通っているだろうに、受け入れられていることにありがたく感じる。
1180ここ数年は最高気温やら平均気温やらを年々更新し外を出るのが億劫な暑さとなり、特段暑さに強いわけではなく更にインドア趣味をもっている秀にとっては夏本番の気候も嬉しいものではないが、それでもこの水分を多く含んだ空気が停滞し汗がじんわりと身体を伝う感覚の方が嫌いだ。今年は一層、そう感じる。
……今日も、駄目だったな。
ゆるく握ったままの左手から、帰りがけに受付の人から貰った個包装の飴がカサリと音を立てる。絶えず週に2、3回の頻度で通っていれば当然顔も覚えられて、軽い日常会話を振られるようになった。あの部屋へ来る人の中で間違いなく誰よりも──あいつの家族よりも通っているだろうに、受け入れられていることにありがたく感じる。
りんごのしずく
DONE『後悔とその指』ペーパーラリーのものです。
フォル学軸のミスルチで、夜行バスに乗って旅行に行く短い話です。
セブンイレブン:PAKGKDP8
ローソン・ファミリーマート:KBRL2GBRWA 2
もじか
DONEリクエストをいただいた、益田、関口、榎木津(百鬼夜行シリーズ)です。大変遅くなり申し訳ありませんでした…!!
そういえば、この3人だけを描くということがなかったなあと、あれこれ考えることができ、とても楽しかったです!
1枚絵のつもりでしたが、蛇足的に漫画を描いてしまいました…つ、伝わりますでしょうか…!
まだまだお供ランキング(?)の圏外にいるますだでも良いな、なんて思ってます。
リクエストありがとうございました! 2
ジュン
DOODLE正→→→→良の世界線兄貴が良を夜行に入れたいらしいです
※そんな面影は本編にはない
※捏造しかない
内容は無いよう
センチャンが出ます
兄貴出ません
良守の受難3学校の屋上は俺の安息地だ。コンクリートに寝転んで空を見つめているだけで、心がスっと落ち着いていく。
風は花を運び、鳥は自由に羽ばたいて、雲は遠くへ消えて……そんな様子をぼんやり見送っているだけで、己の悩みなんて酷くちっぽけに思えてしまう。
不思議な感覚だった。目を瞑ると今朝の騒がしさが蘇るというのに。
そんな心的ストレスをぽっかり忘れられるほど、とても穏やかな春の陽気を感じた。
「ふぁ……」
このまま結界を張って昼寝をしたい。
でもダメだ。俺はもう授業をサボったりしないから。横目で腕時計を確認してみると、昼休みはあと15分ほどで終わってしまう。このまま寝過ごすわけにはいけないので、チャイムが聞こえるように術は使わなかった。
4089風は花を運び、鳥は自由に羽ばたいて、雲は遠くへ消えて……そんな様子をぼんやり見送っているだけで、己の悩みなんて酷くちっぽけに思えてしまう。
不思議な感覚だった。目を瞑ると今朝の騒がしさが蘇るというのに。
そんな心的ストレスをぽっかり忘れられるほど、とても穏やかな春の陽気を感じた。
「ふぁ……」
このまま結界を張って昼寝をしたい。
でもダメだ。俺はもう授業をサボったりしないから。横目で腕時計を確認してみると、昼休みはあと15分ほどで終わってしまう。このまま寝過ごすわけにはいけないので、チャイムが聞こえるように術は使わなかった。
ジュン
DOODLE正→→→→→→良の世界線兄貴が良守を夜行に入れたいらしいです
※そんな面影は本編にはない
内容は無いよう
登校編
良守の受難2朝は苦手だ。陽の光は眩しいし、眠たいし、学校に行かなくてはならない。
「いってきます」
玄関で靴を履き終えて、振り返らずに学校へ行くことを告げる。父さんには面と向かって言っているので、これはジジイへの最低限のマナーとして放ったもの。断じて最近家に居着いている黒い塊へ向けてでは無かった。
しかし…
「あれ?良守、もう行くのか」
「あ?」
声がして振り返ると、居た。黒の着流しに黒の帯を締めた俺の兄貴が。今日は誰の葬式ですか?ってくらい全身黒い。
「行ってらっしゃい」
「うるせー」
「そこは素直に行ってきます、だろ」
はぁーもうこのくだりもう何回目だよ。めんどくせえ。俺、先に行ってきますって言ってるし別にイチイチいいだろ。つーか兄貴が勝手に見送ってるだけじゃん。って言ってやりたいけど、後が怖いから無視をする。
2959「いってきます」
玄関で靴を履き終えて、振り返らずに学校へ行くことを告げる。父さんには面と向かって言っているので、これはジジイへの最低限のマナーとして放ったもの。断じて最近家に居着いている黒い塊へ向けてでは無かった。
しかし…
「あれ?良守、もう行くのか」
「あ?」
声がして振り返ると、居た。黒の着流しに黒の帯を締めた俺の兄貴が。今日は誰の葬式ですか?ってくらい全身黒い。
「行ってらっしゃい」
「うるせー」
「そこは素直に行ってきます、だろ」
はぁーもうこのくだりもう何回目だよ。めんどくせえ。俺、先に行ってきますって言ってるし別にイチイチいいだろ。つーか兄貴が勝手に見送ってるだけじゃん。って言ってやりたいけど、後が怖いから無視をする。
posha_008
DONEゴスワの各WEBイベントの絵チャで描かせて頂いた絵(一部修正した箇所あり)
・広川神社例祭(2023年3月25日~26日):1段目左
・広川神社百鬼夜行(2022年12月10日):2段目左
・広川神社観月祭(2022年9月10日):1段目右/2段目右/3段目
ジュン
DOODLE正→→→→→→→良の世界線兄貴が良守を夜行に入れたいらしいです
※そんな面影は本編にはない
内容は無いよう
良守の受難兄貴は突然、ある時を境にして俺への態度を一変させた。いままでは何かと俺に対して説教をしてくる底意地が悪く、それでいて掴みどころがない男だったのに対して、今では廊下で出食わそうもんなら…
「おはよう。今日も美味しそうなほっぺしてるなぁ、食べてもいい?」
「ひっ!?やめろ!!」
「なんで嫌がる?もっと見せて、お前の可愛い顔…」
「気色悪いこと抜かすな!あっちいけ!」
「イヒヒ、元気いいね。早く顔洗って朝飯食えよ〜」
とか言って毎朝実家の廊下で絡んでくる。たまにハグされたり、尻を撫でられたり…とにかくスキンシップが激しくて猛烈に困っていた。
否、困っているどころではない。非常に嫌だ。最悪だ。だって不気味だ。今までこんなことなかったのに、何があったわけ。訳わかんねえ。
1457「おはよう。今日も美味しそうなほっぺしてるなぁ、食べてもいい?」
「ひっ!?やめろ!!」
「なんで嫌がる?もっと見せて、お前の可愛い顔…」
「気色悪いこと抜かすな!あっちいけ!」
「イヒヒ、元気いいね。早く顔洗って朝飯食えよ〜」
とか言って毎朝実家の廊下で絡んでくる。たまにハグされたり、尻を撫でられたり…とにかくスキンシップが激しくて猛烈に困っていた。
否、困っているどころではない。非常に嫌だ。最悪だ。だって不気味だ。今までこんなことなかったのに、何があったわけ。訳わかんねえ。
みずひ梠
DONE【百鬼夜行妖怪松】蛟の子と暮らす天狗の長男の記した日記の一部分
赤天狗日記 赤子の記初春。月齢零、新月。
今日も特に何もない、素晴らしい一日だった
と、それで済ます事ができたら良かったのだが。今日は随分と大変な事があったので、ここに記そうと思う。
逢魔が時の頃、いつものように縁側にて昼寝をしていた所、壱松が呼ぶ声で目を覚ます。聞けば、何も言わずに来て欲しいと言い袖を引っ張る。慌てて下駄をつっかけて行けば、森林の奥深くの十三本の高齢な松の木の目立つ場に辿り着く。中でも一際大きな松の木の下に、何かの獣の耳と尾のある赤子がいた。妖怪である事に違いは無いが、種族までは分からない。壱松は森にて散歩していた時に泣き声を聞きつけたのだと云う。しかし俺の来た時には其の様な様子はなく、眠っているようであった。それがまずい状況であると直感した俺は、その子に妖力を注ぎ込んだ。赤子は目を開け泣き出した。ほっとしたのも束の間、共に気の抜けた壱松も泣き出す。ふたりを同時にあやすのには慣れておらず、手を焼いた。
3392今日も特に何もない、素晴らしい一日だった
と、それで済ます事ができたら良かったのだが。今日は随分と大変な事があったので、ここに記そうと思う。
逢魔が時の頃、いつものように縁側にて昼寝をしていた所、壱松が呼ぶ声で目を覚ます。聞けば、何も言わずに来て欲しいと言い袖を引っ張る。慌てて下駄をつっかけて行けば、森林の奥深くの十三本の高齢な松の木の目立つ場に辿り着く。中でも一際大きな松の木の下に、何かの獣の耳と尾のある赤子がいた。妖怪である事に違いは無いが、種族までは分からない。壱松は森にて散歩していた時に泣き声を聞きつけたのだと云う。しかし俺の来た時には其の様な様子はなく、眠っているようであった。それがまずい状況であると直感した俺は、その子に妖力を注ぎ込んだ。赤子は目を開け泣き出した。ほっとしたのも束の間、共に気の抜けた壱松も泣き出す。ふたりを同時にあやすのには慣れておらず、手を焼いた。
planet_0022
MOURNING「おいでませ!カムラの里へ!」の蛇足アフターストーリーウツハン♀要素足りないな……もっと欲しいなとなったので拗れてもらった。
百竜夜行だけに百回言ってくれ。
好きだって百回言って それからしばらくして。
結局狩人の乙女の帰郷中である七日という短い滞在時間の間では、里おこし計画の最後までを見届けることができなかった。一朝一夕でどうにかなる問題でないのは当然なのだが、あの無茶苦茶な概案書を見てしまうと、次に帰郷を果たした際には故郷がいったいどのような惨状になってしまっているか、狩人の乙女は気が気ではない。おかげでエルガドへと戻ってからも、狩人の乙女の頭の隅で里おこしの一件は気がかりとなって居座り続けてしまうはめとなった。
カムラとエルガドを行き来しているヒノエやミノトを見かける度に、里の様子はどうなりましたか、と狩人の乙女は問いかけた。しかし、ミノトは私の口からは……と、非常に言いにくそうな様子であったし、ヒノエからはウツシ教官がすごく頑張っていらっしゃいますよ、という朗らかな返事をもらった。
5786結局狩人の乙女の帰郷中である七日という短い滞在時間の間では、里おこし計画の最後までを見届けることができなかった。一朝一夕でどうにかなる問題でないのは当然なのだが、あの無茶苦茶な概案書を見てしまうと、次に帰郷を果たした際には故郷がいったいどのような惨状になってしまっているか、狩人の乙女は気が気ではない。おかげでエルガドへと戻ってからも、狩人の乙女の頭の隅で里おこしの一件は気がかりとなって居座り続けてしまうはめとなった。
カムラとエルガドを行き来しているヒノエやミノトを見かける度に、里の様子はどうなりましたか、と狩人の乙女は問いかけた。しかし、ミノトは私の口からは……と、非常に言いにくそうな様子であったし、ヒノエからはウツシ教官がすごく頑張っていらっしゃいますよ、という朗らかな返事をもらった。
humei_san
DONE⚠️服毒、吐血、シリアス、結ばれないOverdose
夏五未満のバレンタイン漫画です。
呪専2年2/14→夜行後2/14
あまりに雰囲気漫画すぎて分かりにくいと思うので
最後に言いたかったことを載せました… 8
firewood399
MENUCoC 探索者ディスプレイ一覧 No.3ネタバレなし / 2023.01.31〜2023.09.22
【一覧】
音峯夢叶, 有田柑奈, 信平終, Charles Jefferson, 夜行竹虎, 桜庭紺, 羽純天音, 慈あやめ, 透間空, 月代, 志万鏡華, 甲園三郎, Algharib Tenrra, Tihalt H P Murreha, Biche Chalcanthite 15
lili9603
MOURNING初めてマーブルキャストで裏稼業をしたこはく。暗夜行路を読み終えた後すぐ書き上げたものです。
小説普段書かないし、言語化するのとても苦手なので拙いものですが。
大丈夫な方は
pass→yes 1549
firewood399
DOODLEネタバレなし自探索者 突発落書きまとめ2
「アイドルパロ」河風信司 / 初恋性ストックホルム症候群KPC
「アイドルパロ」審洞慧 / 一隻眼、爛々と。KPC
月代 / 空蝉の如く HO2
「医療着」河風信司 / 初恋生KPC
シトゥーラKP代理ちびきゃら / 十二星座館殺人事件 HO水瓶座
「舌ピ高3」夜行竹虎 / 界獣PC
「照れ顔ver2」河風信司 / 初恋生KPC 7
やつかる
MOURNINGTRPGをフォロワさん達とやったのがめちゃくちゃに楽しかったのでレポ漫画描きました。続きは気力があれば…。
シナリオ「パンケーキ夜行」
作成者:邪草様
シナリオのネタバレ、キャラ崩壊をガッツリ含んでおりますので閲覧にはご注意ください。 5
🟣文庫
ArtSummary2022⚠友人に書きました2j3jkgmさんの夢です。ご理解のある方のみお進みください!
カラーパレット
夜行列車 明ける 知らない
夜の旅 久々に訪れた彼の自室でなんとなく見ていたテレビは、塞ぐように現れた彼の端正な顔で見えなくなった。
「たまには旅行でもどうでしょうか」
頭を傾けて揺れる優しい色の茶髪に見惚れながらも、突然の誘いに「はい」と自然に声が漏れ出ていた。少しぶっきらぼうな声色は緊張していたのだろうか、旅行の了承を得てからは一気に声も表情も明るくなった。
「では早速予定をお聞きしたいのですが」
用意周到さはさすが取締役代表と言ったところで、あれよあれよという間に旅行の計画が立てられていた。彼の自室のソファに二人でもたれて団らんする度に、話題は旅行一色だった。
───
「大まかな旅行先は決まりましたが、具体的に行きたいところとかはありますか?揺蕩さんが希望する場所があったら是非そこに行きましょう」
2352「たまには旅行でもどうでしょうか」
頭を傾けて揺れる優しい色の茶髪に見惚れながらも、突然の誘いに「はい」と自然に声が漏れ出ていた。少しぶっきらぼうな声色は緊張していたのだろうか、旅行の了承を得てからは一気に声も表情も明るくなった。
「では早速予定をお聞きしたいのですが」
用意周到さはさすが取締役代表と言ったところで、あれよあれよという間に旅行の計画が立てられていた。彼の自室のソファに二人でもたれて団らんする度に、話題は旅行一色だった。
───
「大まかな旅行先は決まりましたが、具体的に行きたいところとかはありますか?揺蕩さんが希望する場所があったら是非そこに行きましょう」
richatrpg
ArtSummary2022立ち絵いろいろ居待 紗耶(Radiant Abyss)
柴 豆真(感染自罪のモンタージュ)
御厨 誠二(天上落土堕樂のすすめ)
ウロリァク(極夜行)
羽雁 明(リバースリバースリバース)
ジスラン・ルナール(ジャンヌの猟犬)
コフィ・ベイカー(嗤う人間師)
安蘇 路次(じょはり)
十六夜 幾夜(Good night,Judas) 8
ltochiri
DONE #星とあんずの幻想曲3 女装アイドル×あんずプチオンリー #Pぼくスカート 展示作品です。(斑あんです)暗夜行路から骨董綺譚までの間の秋というゆるめの設定があります。
スカウト「ホワイトブリム」のストーリーもよろしくお願いします。
※イベント終了にともないパスワードをはずしました。当サークルまでお越しいただき、またリアクション等いただきありがとうございました!
メイド服を着ないと出られないフィッティングルーム 衣装に負担は付きものである。
Double Faceとしてユニット活動をしているのなら、なおさら。
キレのあるダンスで糸がほつれるだけでならまだしも、ホール内に雨を降らせる演出で水浸しにもなる。当然、生地の伸び縮みや色褪せ、装飾品の綻びなどがあるので、ライブが終わるたびに修繕される。
そのたびに斑はあんずから直接受け取っていて、今日もまた、衣装ルームへやってきた。
「こんにちはああ! ママだぞお!」
斑のあいさつは絨毯の敷かれた部屋の隅々にまで響き渡った。けれどその大きな声に対して返されるのは静寂のみ。まるで音がカーテンの布に吸収されたみたいにしんとしている。
あんずが不在であることに首を傾げながら——ここで待っていると連絡をくれたのは彼女の方だ——斑はソファとテーブルがある位置に移動した。すると、丁寧に畳まれた衣装と小さな透明の袋に分けて入れられている装飾品が置いてあるのを見つけた。
3238Double Faceとしてユニット活動をしているのなら、なおさら。
キレのあるダンスで糸がほつれるだけでならまだしも、ホール内に雨を降らせる演出で水浸しにもなる。当然、生地の伸び縮みや色褪せ、装飾品の綻びなどがあるので、ライブが終わるたびに修繕される。
そのたびに斑はあんずから直接受け取っていて、今日もまた、衣装ルームへやってきた。
「こんにちはああ! ママだぞお!」
斑のあいさつは絨毯の敷かれた部屋の隅々にまで響き渡った。けれどその大きな声に対して返されるのは静寂のみ。まるで音がカーテンの布に吸収されたみたいにしんとしている。
あんずが不在であることに首を傾げながら——ここで待っていると連絡をくれたのは彼女の方だ——斑はソファとテーブルがある位置に移動した。すると、丁寧に畳まれた衣装と小さな透明の袋に分けて入れられている装飾品が置いてあるのを見つけた。
ムー(金魚の人)
DONEモクチェズワンライ1218「吹雪」で参加です。ヴ愛の夜行列車から飛び降りた直後のモさんの独白。
目の前に広がるキャンバスを彩るのは、白と黒の2色だけ。
光も通さない夜闇の黒。
足を囚える雪原の白。
天と地の境界を曖昧にするのは灰色の吹雪。
「――………」
深夜の雪山を歩み進めるひとつの影があった。
ヴィンウェイの夜行列車から飛び降りたモクマだ。雪深い高山を列車の進む方向とは逆側へ向かって突き進む。下半身全体で雪を掻き分けながら、目を凝らす。
「……!」
モクマのまだ踏み入れていない地面に穴があった。穴から手前へ引きずるようにして伸びるミミズ腫れのように盛り上がった雪は、モクマ以外の人間が通った跡に違いない。モクマを置いて先に雪原へと逃げてしまった男の存在証明へモクマは飛びついた。
雪原の中、真っ白なキャンバスに引かれた黒い線を辿ろうとモクマは足を持ち上げた。
1555光も通さない夜闇の黒。
足を囚える雪原の白。
天と地の境界を曖昧にするのは灰色の吹雪。
「――………」
深夜の雪山を歩み進めるひとつの影があった。
ヴィンウェイの夜行列車から飛び降りたモクマだ。雪深い高山を列車の進む方向とは逆側へ向かって突き進む。下半身全体で雪を掻き分けながら、目を凝らす。
「……!」
モクマのまだ踏み入れていない地面に穴があった。穴から手前へ引きずるようにして伸びるミミズ腫れのように盛り上がった雪は、モクマ以外の人間が通った跡に違いない。モクマを置いて先に雪原へと逃げてしまった男の存在証明へモクマは飛びついた。
雪原の中、真っ白なキャンバスに引かれた黒い線を辿ろうとモクマは足を持ち上げた。