水木
geogeocold
TRAINING水木氏があまりにも描けなさすぎて自主練してたときのざっくりまとめ 編集上の都合でたまに親父殿がいます 面倒で服着てなかったり時々背後注意のがあったりするのでご注意表紙の左上が奇跡席に自分比一番よく描けてる気がする… 9
wolflock7
DOODLEバレンタインの父水👁️💧水木が素直な気持ちを伝えられる日だよ!!
一粒だけなら食べさせてくれるかもね…。
💧「好きなやつにチョコをくれてやる日だってよ!」
👁️「好っっっっっ!!!???!?」
ニウカ
MENU墓場鬼水水木と会社モブ同僚女性
なにも気づけない話🍫
※ 5/5に出す短編集の一篇です
喜劇バレンタイン 出社してすぐ目当ての席に向かい、ピンクと赤の包装紙に『love you』と描かれたチョコレートボックスを差し出したとき、私は絶対に注目の的だった。
女はヒソヒソ噂話、男は自らが選ばれなかった悔しさに机を叩く。そんな内輪のどよめきで始まった朝、当の本人は「え」という形に唇を固めたまま静止する。それもそうよね。うら若き娘に目をつけられちゃったんだから。「ネェ水木さん」と呼びかけ、整えた爪でボックスをコツコツ叩く。
「これ、ちょっとお高い洋酒入りなの。スコッチよ。バッカスやラミーと一緒にしないでちょうだいね」
繰り返しコマーシャルで流れる、庶民向け商品とはわけが違う。銀座三越に並ぶ鮮やかな高級品の中からとっておきを選んだのだ。
1934女はヒソヒソ噂話、男は自らが選ばれなかった悔しさに机を叩く。そんな内輪のどよめきで始まった朝、当の本人は「え」という形に唇を固めたまま静止する。それもそうよね。うら若き娘に目をつけられちゃったんだから。「ネェ水木さん」と呼びかけ、整えた爪でボックスをコツコツ叩く。
「これ、ちょっとお高い洋酒入りなの。スコッチよ。バッカスやラミーと一緒にしないでちょうだいね」
繰り返しコマーシャルで流れる、庶民向け商品とはわけが違う。銀座三越に並ぶ鮮やかな高級品の中からとっておきを選んだのだ。
kikhimepmop
DONE6期の鬼太郎で付き合っている鬼水のバレンタイン。水木は地獄で働いているので鬼太郎が通ってます。風呂場の壁「また来たのか。無理しなくていいんだぞ」
水木さんはいつもの卓の前に置かれたいつもの椅子に座り、片頬を突いて僕を迎えた。反対側の手で煙草を潰し、火を消す。燃え殻特有の濃いにおいが鼻先を通り過ぎる。ああ、この人のにおいだ。
椅子のそばに突っ立った僕を眺める彼は、黒の制服のボタンを開け、中の肌着を覗かせている。休憩中だったらしい。この人はこの黒の服が似合う。仕事中の隙のない着こなしも、休憩中の隙だらけの様子も、どの姿も味わいがある、などと考えながら視線を動かせば、肌着の隙間から薄くなった傷跡が見えた。反射的に唾をのむ。今日も会えて嬉しい。
「無理なんかしてないです」
「おまえにとっては特別な場所じゃないかもしれないが、だからといって簡単に来れるわけでもないだろ?」
2690水木さんはいつもの卓の前に置かれたいつもの椅子に座り、片頬を突いて僕を迎えた。反対側の手で煙草を潰し、火を消す。燃え殻特有の濃いにおいが鼻先を通り過ぎる。ああ、この人のにおいだ。
椅子のそばに突っ立った僕を眺める彼は、黒の制服のボタンを開け、中の肌着を覗かせている。休憩中だったらしい。この人はこの黒の服が似合う。仕事中の隙のない着こなしも、休憩中の隙だらけの様子も、どの姿も味わいがある、などと考えながら視線を動かせば、肌着の隙間から薄くなった傷跡が見えた。反射的に唾をのむ。今日も会えて嬉しい。
「無理なんかしてないです」
「おまえにとっては特別な場所じゃないかもしれないが、だからといって簡単に来れるわけでもないだろ?」
ざらめ
PROGRESSある日、眠りから目覚めなくなった水木を救う為に夢のなかへ入り込んだゲゲ郎が、かつての自分と相対し水木と自身にかかった呪いに立ち向かう話。※エンドロール後時空で、ゲゲ郎は目玉のままです。痛みを抱え、涙を流し歯を食いしばって、それでも未来に希望を持ち生きていくふたりを見たかったので。 14yama_08_11
DONE連れてゆこう どこまでも鬼太郎がお母さんの腹の中にいる時の話です。
入村するたびにちゃんちゃんこのところで泣いてしまうので、自分のきもちを落ち着かせるために書きました。
こうだったらいいな、の妄想の塊です。 10
q4U2fnJzWYDB3im
DOODLE小学五年生の水木少年が夏休みに出会ったのは『前世の相棒』を名乗る謎の男と、自分を『お父さん』と呼ぶ怪しげな青年だった…転生水木とゲゲ郎、ゲタ吉がわちゃわちゃ探偵の真似事をする話。
地上波アニメ第4話『戦慄!廃屋の逆柱〜転結編〜』より。
げげげのなつやすみげげげのなつやすみ
テレビをみるときはへやをあかるくしてはなれてみてね。
▼
「前回までのあらすじ!」
おれはゲゲゲ小学校の5年生、みずき!夏休みのある日、おれが出会ったのは、おれの前世の相棒を名乗る謎の男だった。
彼の名前は【ゲゲ郎】。それからおれはおかしなものが見えるようになった。妖怪と呼ばれる彼らは普段は見えないけれどそこにいる。子守のばあさんが言っていたことが本当だったなんて!
子供が廃屋で相次いで行方不明になる事件が起こった。廃屋に住む妖怪【逆柱】の元に乗り込み、逆にとり込まれそうになっていたおれを助けたのは【田中ゲタ吉】という青年。コイツはおれの前世の息子を名乗っていて……?
▼
「違います!コイツはイトコじゃありません!」
12519テレビをみるときはへやをあかるくしてはなれてみてね。
▼
「前回までのあらすじ!」
おれはゲゲゲ小学校の5年生、みずき!夏休みのある日、おれが出会ったのは、おれの前世の相棒を名乗る謎の男だった。
彼の名前は【ゲゲ郎】。それからおれはおかしなものが見えるようになった。妖怪と呼ばれる彼らは普段は見えないけれどそこにいる。子守のばあさんが言っていたことが本当だったなんて!
子供が廃屋で相次いで行方不明になる事件が起こった。廃屋に住む妖怪【逆柱】の元に乗り込み、逆にとり込まれそうになっていたおれを助けたのは【田中ゲタ吉】という青年。コイツはおれの前世の息子を名乗っていて……?
▼
「違います!コイツはイトコじゃありません!」
ニウカ
MEMO現パロ 墓場鬼水要は互いに逃さないし逃れられない話
※水木に同棲女性がいる
穢れ 一丁前に中流階級がこぞって好む、エレベーター付きのマンションに引っ越したらしい。
あの水木が、あの、欲無しの男が。これらの情報源はすべて悪友ことネズミであり、直接本人から聞いたわけではない。黙って居住まいを変えるなど嫌がらせに他ならないと、急激に沸騰した頭のまま飛び出したものの、あの男との薄い関係値を考えれば至極当然かもしれない。
そもそも先に家出したのは自分だ。窮屈な家庭であった。ヒトの倫理を説こうと口うるさく干渉し、そのどれもに納得がいかず黙って姿を消した。都心の荒波にもまれ、全財産百円と共に、なし崩しで帰宅したのは十年後。水木の第一声は「いい年して俺を頼るんじゃない」だ。それから偉そうに顎を上げ、しげしげ眺めて「デカいな。腕伸ばしたら天井につくか?」感動も勘当もあったもんじゃない。
2387あの水木が、あの、欲無しの男が。これらの情報源はすべて悪友ことネズミであり、直接本人から聞いたわけではない。黙って居住まいを変えるなど嫌がらせに他ならないと、急激に沸騰した頭のまま飛び出したものの、あの男との薄い関係値を考えれば至極当然かもしれない。
そもそも先に家出したのは自分だ。窮屈な家庭であった。ヒトの倫理を説こうと口うるさく干渉し、そのどれもに納得がいかず黙って姿を消した。都心の荒波にもまれ、全財産百円と共に、なし崩しで帰宅したのは十年後。水木の第一声は「いい年して俺を頼るんじゃない」だ。それから偉そうに顎を上げ、しげしげ眺めて「デカいな。腕伸ばしたら天井につくか?」感動も勘当もあったもんじゃない。
nin5bbb
MOURNING書く時間がとれなくて途中まで書いた愛され水木前提の父水小説もどき。スケベに行く手前くらいの前編ってことでお暇つぶしにでもなれば。
スケベ手前なのでR18ではないです。
※全て捏造&ご都合主義&倫理観サヨナラの何でも許せる方向け
(例:幽霊一家全員生存・水木記憶有・水木母の性格と病気逝去・謎の霊樹 etc) 22996
直匙志万也
PROGRESS異説『都市伝説妖怪少年ゲゲゲの鬼太郎』よく分かる!異説の設定
水木:いつの間にか人外になってたお義父さん。鬼太郎が一番大事。探偵として生計を立ててる。
鬼太郎:蝶よ花よで水木から愛されて育った幽霊族の男の子。お義父さんも父さんも大好きな良い子。でも辛いもんは辛い。
目玉親父:鬼太郎の実父。水木も鬼太郎も大好き。今回はあまり出てこないし子泣き爺とのセリフ訳が難しすぎる。 15563
too_daume
MOURNING前回のばらばらのやつゲタ吉くんのこと……まだよく分かってない
最近そろそろクリスタ先生とお近づきにならんとな……と思って弄ってたのですが
アニメーションのツールあるやんけ!ってわけで描いてみたのでした
毎度「1話」って出てきちゃうけど1話にもならんよ…動画できる人はすごいなあ
水木の方はノー筆圧感知気味の液タブ先生で描いたけどアニメーションするならコレでもいいかもしれないな 6
kikhimepmop
DONE付き合っている鬼太郎と水木の艶ネタ。耳の話。この穴がいちばんくちゅくちゅにゅるちゅるぴちゅくちゅぴちゅくちゅん……ふはっ。
息継ぎの音と同時になまぬるい吐息が濡れた肌をなぞった。我慢していたつもりなのにうなじが大きく揺れる。同時に肩を掴む指が強まった。痛えよ馬鹿力。うなじくらいで興奮してんじゃねえ。
ぴちゅ……くちゅにゅるにゅるちゅるくちゅにゅる。
文句を言う隙もなく、鬼太郎は耳舐めを再開した。あいかわらず俺の肩を掴む指は圧が強く痛かったが、口を開くと変な声が出そうなので何も言えなかった。耳を這う舌は滑らかで、正直ちょっと気持ちがいい。体にある先端は、どこを舐めてもらっても気持ちいいらしいとは聞いていたが、本当だったようだ。こんなところを舐めるのはこいつが初めてだから少し前に身をもって知った。知りたくなかった、というのは勿体無い。思いがけない快感に驚いてはいる。簡単に虜になった自分にも。
1254息継ぎの音と同時になまぬるい吐息が濡れた肌をなぞった。我慢していたつもりなのにうなじが大きく揺れる。同時に肩を掴む指が強まった。痛えよ馬鹿力。うなじくらいで興奮してんじゃねえ。
ぴちゅ……くちゅにゅるにゅるちゅるくちゅにゅる。
文句を言う隙もなく、鬼太郎は耳舐めを再開した。あいかわらず俺の肩を掴む指は圧が強く痛かったが、口を開くと変な声が出そうなので何も言えなかった。耳を這う舌は滑らかで、正直ちょっと気持ちがいい。体にある先端は、どこを舐めてもらっても気持ちいいらしいとは聞いていたが、本当だったようだ。こんなところを舐めるのはこいつが初めてだから少し前に身をもって知った。知りたくなかった、というのは勿体無い。思いがけない快感に驚いてはいる。簡単に虜になった自分にも。
ニウカ
MENU墓場鬼水+恋する女不意に触れようとして大火傷した話
女性は水木に恋していた
※ 5/5に出す短編集の一篇です
あなたさえいれば 会社の人たちは水木さんのことを「いい加減な男」や「でくのぼう」だと陰で揶揄しているけれど、果たしてそうだろうか。
確かに日がな一日、目まぐるしく駆け回る営業の同僚や出世欲まみれの宴席好きな上司とは違い、出社直後に自席でゆっくり一杯の緑茶を飲む姿は男らしさに欠ける。埃が溜まる隅の席で大して会話もせず、黙々と書類をまとめる姿はまさに窓際族そのもの。
かくいう私も入社当時は「目立たなくて大人しい人」くらい薄い印象で、噂好きな事務の先輩から「水木さんってあんな年寄りみたいなのに、まだお若いし独身なのよ」と聞いた時には素直に驚いた。てっきり自分よりもうんと年上だと決めつけていたからだ。彼女の「あなたなら嫁にもらってくれるんじゃない?」という言葉には水木さんへの軽い侮りが含まれていて、いわゆる退屈しのぎ程度に弄れる格好の的なのだと知った。
4175確かに日がな一日、目まぐるしく駆け回る営業の同僚や出世欲まみれの宴席好きな上司とは違い、出社直後に自席でゆっくり一杯の緑茶を飲む姿は男らしさに欠ける。埃が溜まる隅の席で大して会話もせず、黙々と書類をまとめる姿はまさに窓際族そのもの。
かくいう私も入社当時は「目立たなくて大人しい人」くらい薄い印象で、噂好きな事務の先輩から「水木さんってあんな年寄りみたいなのに、まだお若いし独身なのよ」と聞いた時には素直に驚いた。てっきり自分よりもうんと年上だと決めつけていたからだ。彼女の「あなたなら嫁にもらってくれるんじゃない?」という言葉には水木さんへの軽い侮りが含まれていて、いわゆる退屈しのぎ程度に弄れる格好の的なのだと知った。
ニウカ
MEMO墓場 偽鬼と水木(根底に鬼水)家族であろうとする人たちの話
無情 水木さんはああ見えてボクと鬼太郎をはっきり区別している。それは単純に食事の質や小遣いの多さではない。むしろ目に見える範囲のすべてはとても平等だし、自分を差し置いてボクや鬼太郎を優遇しているようにすら感じる。一番風呂は父親のもの、なんて常識すら特段気にしないようで「熱い内に湯船に浸かりなさい」と率先してボクたちを入れようとする。「この家は隙間風がひどい。冷えないようにね」といいながら、彼は沸騰しない程度にやかんを熱し、鬼太郎の親父さんのために茶碗に湯を注いでやる。正直ボクは貧乏を除き、この家での待遇に不満はない。
あれは鬼太郎が脱衣所に脱ぎ捨てたちゃんちゃんこを拝借し、追加の小銭をねだろうとしたときのこと。ボクの見た目は本当に鬼太郎そっくりで、ねずみ男なんかは今でも頻繁に見間違う。例え生活を共にしても、アレに愛情を向けているようには見えない水木さんを騙すのも造作ない。そう企んだボクはほくそ笑み、台所で洗い物をする水木さんの腕を引っ張ったのだ。
1091あれは鬼太郎が脱衣所に脱ぎ捨てたちゃんちゃんこを拝借し、追加の小銭をねだろうとしたときのこと。ボクの見た目は本当に鬼太郎そっくりで、ねずみ男なんかは今でも頻繁に見間違う。例え生活を共にしても、アレに愛情を向けているようには見えない水木さんを騙すのも造作ない。そう企んだボクはほくそ笑み、台所で洗い物をする水木さんの腕を引っ張ったのだ。
ニウカ
MEMO墓場鬼水火葬された水木の喉仏をたべてしまう話
退屈 水木家葬儀場を訪れる親類たちに見知った顔はいない。神妙な顔で首を垂れ、声を潜ませる彼らを見るうちに、鬼太郎の頭には腐ってゆく死体に集る蠅や蛆が連想される。どれほど生活が苦しくとも便りの一つさえよこさなかった人たちが、何を偲ぶというのだろう。ウチは遺産どころか未納分の家賃さえ払えないほど困窮していると伝えたら、どれほどの人数が死体の焼き上がりまで待つか試してみたい。
水木の最後は突然で、自室の布団の上であった。亡くなる前日には「畑の白葱を収穫してくれんか」と駄賃さえ渡してきた。金のため了承すると「もうすぐ冬至だ。おまえに七草粥を食わせたい」なんて笑う。
ここ数年の水木はとても図太く、幽霊族を顎で使うような言種であったが、なんだかんだ住み慣れた家に間借りし続ける鬼太郎は苦々しく従っていた。とはいえあれの頼み事はほとんど子どもの使いで、就職しろだの妖怪を退治しろだの大それたことは何一つ求めない。数十年かけ鬼太郎が許容して動く範囲を自ら学習したらしく、実際その通りなのでタチが悪い。それが死んだ。翌朝。鬼太郎が首に指を添えた頃には脈はなく、魂すら見当たらなかった。
1495水木の最後は突然で、自室の布団の上であった。亡くなる前日には「畑の白葱を収穫してくれんか」と駄賃さえ渡してきた。金のため了承すると「もうすぐ冬至だ。おまえに七草粥を食わせたい」なんて笑う。
ここ数年の水木はとても図太く、幽霊族を顎で使うような言種であったが、なんだかんだ住み慣れた家に間借りし続ける鬼太郎は苦々しく従っていた。とはいえあれの頼み事はほとんど子どもの使いで、就職しろだの妖怪を退治しろだの大それたことは何一つ求めない。数十年かけ鬼太郎が許容して動く範囲を自ら学習したらしく、実際その通りなのでタチが悪い。それが死んだ。翌朝。鬼太郎が首に指を添えた頃には脈はなく、魂すら見当たらなかった。
ニウカ
MEMO水木と水木昭和十八年末 ニューブリテン島にて
バイエンで戦う先鋭部隊が、ついに最期の時を迎えるとの通達があった。
直ちにラバエルの兵士を整列させ「燦然と散る同志に敬礼を」と熱弁をふるう参謀殿に倣い、右手を恭しく持ち上げた水木の心内は「気の毒に」のひと言に尽きる。同情ではない。誇らしさでもない。明媚な白浜に体中の臓物を撒き散らして横たわる彼らを想い、ただ安らかであれと願いたいだけだ。どうかあたたかな南の陽光と幾億もの星の煌めきが、嘘偽りなき優しい場所へ彼らを導いてやってほしい。
水木の信念に日本国への大義はない。世情柄それを口にした途端、不敬罪であの世行きだが心は自由だ。ただ、態度には現れていたのか「おまえは欲のないタマ無しだな。隊旗が穢れる。俺たちの見えない後方で女の様に炊事でもやれ」と、若人でありながら前線を外された。正直ありがたい話である。自分は先陣を買って出るような気骨溢れる男の神格化に理解が示せない。だからこそ後方にて、少しでも犠牲者がでないようにと支援できるくらいで丁度いい。
1400直ちにラバエルの兵士を整列させ「燦然と散る同志に敬礼を」と熱弁をふるう参謀殿に倣い、右手を恭しく持ち上げた水木の心内は「気の毒に」のひと言に尽きる。同情ではない。誇らしさでもない。明媚な白浜に体中の臓物を撒き散らして横たわる彼らを想い、ただ安らかであれと願いたいだけだ。どうかあたたかな南の陽光と幾億もの星の煌めきが、嘘偽りなき優しい場所へ彼らを導いてやってほしい。
水木の信念に日本国への大義はない。世情柄それを口にした途端、不敬罪であの世行きだが心は自由だ。ただ、態度には現れていたのか「おまえは欲のないタマ無しだな。隊旗が穢れる。俺たちの見えない後方で女の様に炊事でもやれ」と、若人でありながら前線を外された。正直ありがたい話である。自分は先陣を買って出るような気骨溢れる男の神格化に理解が示せない。だからこそ後方にて、少しでも犠牲者がでないようにと支援できるくらいで丁度いい。
ニウカ
MEMO墓場鬼水起きない水木を不本意で起こす話
別名:義息解釈違い強火否定派の水木
寝覚めが悪い 最近夢見が悪い、と鬱陶しそうにこぼした水木は、その日の夜から眠り続けている。
薄い呼吸を繰り返し寝返りもせず寝床に張り付いている姿は、さながら死人も同然だ。恐らく夢食いの類。腹が減った彼らは対象が起きないよう、うんと幸せな夢を見せてその中に籠るのだ。とはいえ、せいぜい二、三日の眠りで大概は目を覚ます。もう一週間も眠ったままなのはさすがに異常といえるだろう。
水木の不在は鬼太郎にとってなんら問題はないが、このまま然るべきところへ金が払えなくなるのは大変良くない。生活費と家賃をきちんと納めるのがこの男の数少ない役目である。仕方がないのでそろそろ起こしてやろう。鬼太郎は襖を開け、ぴくりとも動かない青白い顔を叩いた。
1096薄い呼吸を繰り返し寝返りもせず寝床に張り付いている姿は、さながら死人も同然だ。恐らく夢食いの類。腹が減った彼らは対象が起きないよう、うんと幸せな夢を見せてその中に籠るのだ。とはいえ、せいぜい二、三日の眠りで大概は目を覚ます。もう一週間も眠ったままなのはさすがに異常といえるだろう。
水木の不在は鬼太郎にとってなんら問題はないが、このまま然るべきところへ金が払えなくなるのは大変良くない。生活費と家賃をきちんと納めるのがこの男の数少ない役目である。仕方がないのでそろそろ起こしてやろう。鬼太郎は襖を開け、ぴくりとも動かない青白い顔を叩いた。
ニウカ
MEMOアニメ 墓場鬼水寝子の死後、寂しくて地獄へ行くと水神後の水木に出会った話
二度と会わない 喪失はごく自然に起こり得ることである。何かを失う度に感情の均衡を損なうのは効率が悪い、とすら思う。
寝子が死んだ。日常に霧がかかっている。不慮の事故とはいえ、自分よりもうんと生命の短い生物だ。それでも、灰色の現世を登校して無意味な授業を受け、無言で下校する毎日が寂しい。今日も寝子の笑顔やあの澄んだ歌声が無性に聴きたくなり、ひとり煎餅布団を濡らす。鬼太郎を静かに見つめていた父は「あの子の選んだことじゃ、諦めよ」と、何もかも知ったかのように諭す。
寝子は死を受け入れた。理解していても悲しみは否応なく心を蝕む。
丑三つ時、父には内緒で地獄へ行った。
寝子の住む小さなあばら屋は、今日も変わらずそこにある。彼女が生活する様子を一目見たいと思うものの、姿を見ればたちまち恋しさが上回り、また大泣きしてしまうのではないかと恐れて近づけない。
1789寝子が死んだ。日常に霧がかかっている。不慮の事故とはいえ、自分よりもうんと生命の短い生物だ。それでも、灰色の現世を登校して無意味な授業を受け、無言で下校する毎日が寂しい。今日も寝子の笑顔やあの澄んだ歌声が無性に聴きたくなり、ひとり煎餅布団を濡らす。鬼太郎を静かに見つめていた父は「あの子の選んだことじゃ、諦めよ」と、何もかも知ったかのように諭す。
寝子は死を受け入れた。理解していても悲しみは否応なく心を蝕む。
丑三つ時、父には内緒で地獄へ行った。
寝子の住む小さなあばら屋は、今日も変わらずそこにある。彼女が生活する様子を一目見たいと思うものの、姿を見ればたちまち恋しさが上回り、また大泣きしてしまうのではないかと恐れて近づけない。
ニウカ
MEMO墓場鬼水水木の腐臭が弱った鬼太郎に受け入れられる話
屍肉 ぐんと冷え込みが強くなった。こんな日にはこれでもかと家を暖かくして過ごしたい。けれども燃料の需要が高まり価格が上昇した昨今、自分たちは身を寄せ合って火鉢を囲うしか暖を取る手立てがない。もう少し自分に甲斐性があれば……と、水木は後悔する。明日は雪がちらつくらしい。
鬼太郎には分厚いちゃんちゃんこと毛布を被せたが、それでも寒いようだ。なるべく身を縮めて耐え忍ぶべく目を瞑っている姿は痛ましい。大人の自分でも凍えてしまいそうなのに、小さな体では更に堪えるだろう。
「……鬼太郎、こっちに来なさい」
視線を落として両手をゆるく広げる。穴倉のねずみのように目をのぞかせている鬼太郎に、意図は伝わってないらしい。
1057鬼太郎には分厚いちゃんちゃんこと毛布を被せたが、それでも寒いようだ。なるべく身を縮めて耐え忍ぶべく目を瞑っている姿は痛ましい。大人の自分でも凍えてしまいそうなのに、小さな体では更に堪えるだろう。
「……鬼太郎、こっちに来なさい」
視線を落として両手をゆるく広げる。穴倉のねずみのように目をのぞかせている鬼太郎に、意図は伝わってないらしい。
ニウカ
MEMO墓場鬼水人ならざる者と共に暮らし、普遍的な死生観から遠ざかっている水木の話
※某曲モチーフ
しゅうまつ ここらで現世は一旦終わりになるらしい。具体的な理由は連日ワイドショーで語られているが、鬼太郎にとっては実父の「妖怪どもが騒がしいからのう。そろそろ人間が滅びてもおかしくない頃合いじゃ」という言葉で十分だった。人間側の細かな事情など知ったこっちゃない。
最初は驚きと疑いで信じようとしなかった人々も、冬に桜が咲いたり夏に霜が降りたりといった異常な気候の数々に恐れをなし、今や誰もが終わりを意識している。街は日に日に荒れ果て、銀行の金は空っぽになるまで持っていかれ、小さな商店にさえ空き巣が入る始末。それすらも落ち着くと、今度はひとっこひとり姿を消してしまった。
鬼太郎は時々、がらんどうのビル群や獣たちが悠々と歩く公園を見て回る。これが案外心地よい。人間に特別な恨みがあるわけではないが、増えすぎた単一種族は面白味に欠けるように思う。また別の種族が覇権を握り、この世に快楽をもたらしてくれたらきっと楽しいはずだ。
1812最初は驚きと疑いで信じようとしなかった人々も、冬に桜が咲いたり夏に霜が降りたりといった異常な気候の数々に恐れをなし、今や誰もが終わりを意識している。街は日に日に荒れ果て、銀行の金は空っぽになるまで持っていかれ、小さな商店にさえ空き巣が入る始末。それすらも落ち着くと、今度はひとっこひとり姿を消してしまった。
鬼太郎は時々、がらんどうのビル群や獣たちが悠々と歩く公園を見て回る。これが案外心地よい。人間に特別な恨みがあるわけではないが、増えすぎた単一種族は面白味に欠けるように思う。また別の種族が覇権を握り、この世に快楽をもたらしてくれたらきっと楽しいはずだ。
ニウカ
MEMO墓場鬼水→ゲタ水水神後、水木の友が訪ねてくる話
※全く平和的ではない
※水の過去に戦地を足してる
綻び 廃屋の玄関を何度もしつこく叩く音に参ったなァ、と頭を掻く。これから一日の疲れをさっぱり落として長湯を楽しむところだったのに。ねずみ男が性懲りも無く追いかけてきたに違いない。とはいえ無視すると、返って面倒事に巻き込まれそうなので「うるさいぞ。押し売りは勘弁してくれ」と答える。
「君が鬼太郎くんか」
ややあって訝しむような男の声がした。こちらの返答を待たずして「初めまして、私は田中だ。水木から君のことを頼まれている」と穏やかな口調で答える。そこに敵意は感じられない。
「……オジサンは出張してますよ。何かあったんですか?」
戸を開けるとくたびれたスーツ姿の男が立っていた。鬼太郎は少し思案し、不安そうな声色に変えて見上げる。眩しい月明かりが男に影を落として表情はよく分からない。
1439「君が鬼太郎くんか」
ややあって訝しむような男の声がした。こちらの返答を待たずして「初めまして、私は田中だ。水木から君のことを頼まれている」と穏やかな口調で答える。そこに敵意は感じられない。
「……オジサンは出張してますよ。何かあったんですか?」
戸を開けるとくたびれたスーツ姿の男が立っていた。鬼太郎は少し思案し、不安そうな声色に変えて見上げる。眩しい月明かりが男に影を落として表情はよく分からない。