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    いさな🌱

    DONE既刊「彼女と彼の大団円」の設定をベースに、告白できなかった場合の軸のお話。冒頭に「彼女と彼の大団円」と同じ展開があります。
    ボーダーを辞めたひゃみさんと忘れられない辻󠄀ちゃんの大人になった頃のお話。

    ※捏造、年齢操作があります。
    ※モブがたくさんしゃべります。(名前ありモブもいます)
    🎪うそつきたちの約束は学校帰り、ボーダーへと向かう道。
    「三十歳になった時にさ……お互い彼氏彼女がいなかったら、結婚しちゃおうか?」
    ひょんな話の流れから、ひゃみさんは俺にそう言った。それに思わず固まる。
    「……お、俺はまぁ分かるけど……ひゃみさんは大丈夫でしょ?」
    真に受けて照れてしまった俺とは対照的に、ひゃみさんはいつもと変わらない顔で「分かんないよ」と言ってくる。照れた自分を恥じて少しムッとした俺に、ひゃみさんは「どうしたの?」と聞いてくるものだから、頬をさすりながら「なんでもない」と答える。少しだけ笑った彼女は、それを深追いすることなく「そう」と返し、前を向いた。
    「……あ、ねぇ辻くん」
    クンクンと、制服の裾を軽く掴まれる。俺は素直に、彼女が指差す方向へと視線を向けた。そこには、店の前に置かれたガチャガチャが数台並んでいる。
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    ゆき(ポイピク)

    MOURNING没供養。新しい生活に馴染むのに必死で、1人での生活、生きてるだけで精一杯で他人との恋愛についてまだ考えられるような余裕がなかった時の辻田さんにアプローチしまくってフラれたカンタロウが、娯楽を楽しめる程度に生活に余裕が出来たり、他者との人間関係に意識が向くようになるまで待ってリベンジするような話が書きたかったが途中で失速した没です。
    付き合うにはまだ早かった ケイ・カンタロウは辻田にフラれた。

     正確には彼が辻斬りナギリだと判明した後、それでも辻田さんが好きです!と告白した後に、VRCを出た後は本官ちで一緒に暮らしましょう!と言ったのだが、嫌だ無理だと断られたのである。
     長い観察期間に問題を起こす事もなく、これ以上の過度な付き纏いはストーカー扱いになるぞと上司や同僚達に叱咤され、カンタロウは泣く泣く辻田への過度な接触を控えるようになった。
     同じ新横浜の街に暮らしている身であり、退治人見習いになって仕事をするようになった辻田と吸血鬼対策課のカンタロウはお互いの仕事現場が被る為、仕事中に街中で出会す事は多かったが、プライベートでは全く会えずにいた。
     顔見知り以上、友人以下。辻斬り被害者と加害者である部分を取っ払ってしまえば、カンタロウとナギリには同じ街で暮らしているだとか、吸対と退治人見習いとしての仕事上の関わりしかなく、カンタロウからは兎も角、ナギリからカンタロウに仕事のない日まで会わないかと誘われるような事もなく、このまま一時のお付き合い(辻斬り捜査)で終わってしまうのかと、カンタロウは未練たらしく辻田への想いを捨てられずにいた。
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    38sgmj

    DONE以前、犬辻ワンドロライのお題で書いた二宮隊結成直前の犬辻が少し進展して放課後デートをしたようです。
    犬辻放課後デート 辻ちゃんが応えてくれた。おれの誕生日に、隊とは別に辻ちゃんだけでお祝いしてくれるという。それも、放課後にデートしてくれるんだって。辻ちゃんから、学校が終わってからの時間をください、とメッセージを受け取って、それで、放課後デートだね、と冗談に聞こえるように返事をして、自分で言っておきながら次の返信が来るまでひどく緊張していた。何言ってるんですか。違いますけど。そうやって冷静に返されたらどうしようと、情けなくなるほど不安な時間を過ごしていた。それなのに、はい、よろしくお願いします、なんてわかってるんだかわかっていないんだか微妙な返事をもらって、それから誕生日までの数日間。今度は格好悪いくらいおれはそわそわとしていた。おれがクリスマスに、おれのことももう少し考えてよ、なんて言ったから辻ちゃんは律儀に守ってくれているだけなのか。それとも、本当に考えてくれるようになったのか。正解はわからないけれど、それでも、どちらだとしてもおれは辻ちゃんの気持ちが嬉しくて浮かれてしまっていた。別に付き合えるわけじゃないのに。辻ちゃんの気持ちがおれに向いているわけでもないのに、それなのに、もう、おれのことを考えてくれているだけで胸がいっぱいだった。自分の誕生日には辻ちゃんがおれのためだけにそばにいてくれる。おれのことだけを考えてくれる。嬉しい。嬉しい。どうしよう。こんなの初めてで、嗚呼、おれって、こんなわかりやすい恋愛なんてするんだって自分でも驚いてしまった。
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    fujisankabe

    MEMOいちごジャムの話が続きました。

    アムロくんが残したメモが前回書いてたものと変わりつつある、、、
    支部にあげる時に辻褄が合えばいいかな!
    いちごジャムの話4久しぶりの我が家は相変わらず埃っぽかった。
    人が住まない家は朽ちていくのだなと、実感する。閉め切っていたカーテンと窓を開けると、初夏の風が入ってきた。
    外は随分と暑いのに、家の中はひんやりとしていて心地が良い。埃っぽさには慣れているので一人用のソファにどかりと深く座り込んだ。
    シャアはよくこのソファに座って古い本を読んでいた。シャアのお気に入りだったこのソファは、ゴブラン織の生地が張られていて、木材は天然のオークだそうだ。シャアのムンゾにあった自宅にはこれと似たものがあったと、そんな話をしてくれた。シャアの口から語られる思い出話は、そこら辺にいる子どもと似たような他愛のないもので、勿論その境遇は人とかなり違いはするが、シャアにも子ども時代があり、そしてそれはどんな資料にも彼について書かれた書籍にもない生きた人間の記憶だった。実は虫が苦手だったとか、苦手な食べ物があったとか、モンスターについての絵本を読んだ日は怖くて眠れなかったとか、セイラさんがたまらなく可愛かった事や、兄らしく振る舞うことが嬉しかった事、そしてご両親のこと。
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