3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第九十八回 お題:「糸」「輝き」
すれ違い、喧嘩しながらも付き合い続けた2人。そんな中で、司の身に降りかかったとある事件のお話。
司視点 途中類視点
「その蝶蝶結びが、解けることは。」の続きとなっております。
※※※イジメ表記があるため、ワンクッション設けました※※※ 7102
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第九十七回 お題:「秋」「ベスト」
秋の肌寒さが徐々にやってきた頃に起こった、練習後のある一幕のお話。
司視点
※※※「司のくしゃみ」に関する個人的見解があるため、ワンクッションあります※※※ 2879
🐟️( ’-’ 🌭)
DOODLEお題「大陸版8周年」蜂です(日本語ギャグ)
(空母ホーネットと空母ワスプです)
>リアクション
ありがとうございます!
はじめデフォルメで考えてたけどうまく行かなくて30分くらいまごまごしてて無駄な時間を過ごしました。
指の数もちゃんと8にしたつもり。
私がプレイしてるのは日本版だけどね〜
Umi1115Tkso
DOODLE #深夜の魔師弟お絵描き字書き60分一本勝負ワンドロ【背中/ぬいぐるみ】
セル編後→SH前くらい。
密会背中合わせで瞑想をしていると、ずるりと悟飯が雪崩れて、落ちた。
すうすうと寝息を立てて、眠りにつく姿を見下ろす。
事情も知らず厳しい修行と称して乱暴に扱ったこともあった俺にどうしてこうも無防備な姿を晒せるんだろうか。
夢の中でも修行をしているのか言葉にもならない寝言の中に俺の名前を呼ぶ。
一昔前なら瞑想中に居眠りなんかしようものなら事情も聞かずにどやしていただろうな。
孫がいなくなって弟の子守り、俺との修行に加えて勉学も手を抜かない。
今ではそうやって思いやることができるくらいには俺もその無防備さにすっかり絆されていた。
『ピッコロさー!!』
遠くからでも良く通る母の声にそっと背中の悟飯の上にマントをかける。
『ピッコロさ、悟飯ちゃん来てねぇだか?』
760すうすうと寝息を立てて、眠りにつく姿を見下ろす。
事情も知らず厳しい修行と称して乱暴に扱ったこともあった俺にどうしてこうも無防備な姿を晒せるんだろうか。
夢の中でも修行をしているのか言葉にもならない寝言の中に俺の名前を呼ぶ。
一昔前なら瞑想中に居眠りなんかしようものなら事情も聞かずにどやしていただろうな。
孫がいなくなって弟の子守り、俺との修行に加えて勉学も手を抜かない。
今ではそうやって思いやることができるくらいには俺もその無防備さにすっかり絆されていた。
『ピッコロさー!!』
遠くからでも良く通る母の声にそっと背中の悟飯の上にマントをかける。
『ピッコロさ、悟飯ちゃん来てねぇだか?』
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第九十六回 お題:「必要」「想うほどに」
大学生活を謳歌している2人に襲いかかる、とある事件と、それに翻弄される2人の話。
司視点、最後のみ類視点
年齢改変あります 2650
🐟️( ’-’ 🌭)
DOODLEワンドロ野分。「舞風だ!」→「あっ、違ったヒーアマンさんだ」ってイメージが強いです。
何回間違えるんだ。どんだけ似てるんだ。
開始時刻とともに夫がピザ持って帰ってきたので左手にピザ持ちながら描きました。
大変でした。
Umi1115Tkso
DOODLE #深夜の魔師弟お絵描き字書き60分一本勝負ワンドロ【ジャージ/雨宿り】
高校生初期飯です!
雨宿り「ピッコロさん!」
ぼつ、ぼつと大きくなる雨粒を受けて組手の手を止める。
遠くから気を放っていた悟飯が、駆け寄ってきて、俺の手を掴んだ。
普段は上げている髪がぐしゃりとへたって目にかかっている。
それをかき上げてやれば、うちで雨宿りしましょうと手を引かれ、悟飯の家へと向かった。
玄関先でぎゅっと胴着を絞ると家の中に吸い込まれて行く。
中からばたばたと走り回る音を聞きながらマントを絞っていると、お待たせしました、と悟飯がひょっこりと顔を出した。
「いま、お母さんと悟天もいないみたいで。これ、使ってください」
差し出されたタオルで軽く身体を拭う。
服も新しいものを出してしまおうとした瞬間、ずい、と緑色の服を渡された。
677ぼつ、ぼつと大きくなる雨粒を受けて組手の手を止める。
遠くから気を放っていた悟飯が、駆け寄ってきて、俺の手を掴んだ。
普段は上げている髪がぐしゃりとへたって目にかかっている。
それをかき上げてやれば、うちで雨宿りしましょうと手を引かれ、悟飯の家へと向かった。
玄関先でぎゅっと胴着を絞ると家の中に吸い込まれて行く。
中からばたばたと走り回る音を聞きながらマントを絞っていると、お待たせしました、と悟飯がひょっこりと顔を出した。
「いま、お母さんと悟天もいないみたいで。これ、使ってください」
差し出されたタオルで軽く身体を拭う。
服も新しいものを出してしまおうとした瞬間、ずい、と緑色の服を渡された。
Umi1115Tkso
DOODLE #深夜の魔師弟お絵描き字書き60分一本勝負ワンドロ【研究/お月見】
知らぬが仏『明日ね、お月見なの!!ピッコロさんも来てくれる?』
昨日嬉しそうにはしゃいでいたパンが隣で小さく俯いてしょげるのを見て、ちらりとビーデルを見る。
「悟飯は」
「なんかね、さっき突然騒ぎながら部屋に篭っちゃったの。すぐ行くからとは言ってたんだけど」
修行場近くの小高い丘の上に遠足用のシートを引きながらビーデルは困ったように眉を下げた。
パンはぎゅっと俺のマントを掴んで、また寂しそうに足を揺らす。
金色に輝く満月はもうすでに頂点の半分程まで昇り、今まさに絶好のタイミングを迎えようとしているのにも関わらず、あの男は。
まったく、と半ば舌打ちのように呟いて、パンの頭をぐしゃりとかき混ぜた。
「待っていろ。俺が連れてきてやる」
1085昨日嬉しそうにはしゃいでいたパンが隣で小さく俯いてしょげるのを見て、ちらりとビーデルを見る。
「悟飯は」
「なんかね、さっき突然騒ぎながら部屋に篭っちゃったの。すぐ行くからとは言ってたんだけど」
修行場近くの小高い丘の上に遠足用のシートを引きながらビーデルは困ったように眉を下げた。
パンはぎゅっと俺のマントを掴んで、また寂しそうに足を揺らす。
金色に輝く満月はもうすでに頂点の半分程まで昇り、今まさに絶好のタイミングを迎えようとしているのにも関わらず、あの男は。
まったく、と半ば舌打ちのように呟いて、パンの頭をぐしゃりとかき混ぜた。
「待っていろ。俺が連れてきてやる」
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第九十四回 お題:「こっそり」「髪」
お泊りにきた時に低確率で発生するイベントが楽しみな類のお話。
類視点
きみにだけ、特別。ピピピピ、とアラームが鳴り響く。
直様それを止めて立ち上がると、棚の一角においた小さなカゴを取り出した。
慣れた手つきでテーブルの上に、付ける順に並べていると、ペタペタと歩いてくる音がする。
よかった。予想通りだ。
そう思っていると、ガチャリと扉が開いた。
「るい、あがったぞ」
「うん。こっちおいで、司くん」
僕のその声に、司くんは返事をすることなく、ぽてぽてと歩いて近くに置いておいた座椅子にすとんと座った。
「それじゃ、始めるね」
「ああ、たのむ」
恋人同士になった僕たちは、互いの部屋に泊まることも多くなっていって。
最初は司くんが自ら僕の家まで持ってきてくれていたヘアケア用品も、今は専用の置き場所まで用意して完備している。
1330直様それを止めて立ち上がると、棚の一角においた小さなカゴを取り出した。
慣れた手つきでテーブルの上に、付ける順に並べていると、ペタペタと歩いてくる音がする。
よかった。予想通りだ。
そう思っていると、ガチャリと扉が開いた。
「るい、あがったぞ」
「うん。こっちおいで、司くん」
僕のその声に、司くんは返事をすることなく、ぽてぽてと歩いて近くに置いておいた座椅子にすとんと座った。
「それじゃ、始めるね」
「ああ、たのむ」
恋人同士になった僕たちは、互いの部屋に泊まることも多くなっていって。
最初は司くんが自ら僕の家まで持ってきてくれていたヘアケア用品も、今は専用の置き場所まで用意して完備している。
Umi1115Tkso
DOODLE #深夜の魔師弟お絵描き字書き60分一本勝負ワンドロ【よくできました/カーテン】
悪戯最近気付いたけど、ピッコロさんはちょっと子供っぽいところがある。
僕に悪戯をして、にやりと笑ったり、僕が困ることをわざとしてふふんと鼻を鳴らしたり。
それはパンちゃんがちょっと大きくなってきて、おんなじように僕に悪戯するようになってから顕著になったから、きっとつられて幼児がえりでもしてるのかなって思って、適当に流してたのが仇となった。
僕が反応しないのに気を悪くしたピッコロさんは、たまに大学にくる事があれば、学生が来る間際を狙って唇を合わせるだけのキスをする。
せんせー、と間伸びした学生の声を聞きながら、唇を合わせ、さっと窓から外に出てしまう。
残された火照る僕が何度も学生に揶揄われるのを聞いて、外で面白がるように気が揺れているのを僕は知っていた。
852僕に悪戯をして、にやりと笑ったり、僕が困ることをわざとしてふふんと鼻を鳴らしたり。
それはパンちゃんがちょっと大きくなってきて、おんなじように僕に悪戯するようになってから顕著になったから、きっとつられて幼児がえりでもしてるのかなって思って、適当に流してたのが仇となった。
僕が反応しないのに気を悪くしたピッコロさんは、たまに大学にくる事があれば、学生が来る間際を狙って唇を合わせるだけのキスをする。
せんせー、と間伸びした学生の声を聞きながら、唇を合わせ、さっと窓から外に出てしまう。
残された火照る僕が何度も学生に揶揄われるのを聞いて、外で面白がるように気が揺れているのを僕は知っていた。
Umi1115Tkso
DOODLE #深夜の魔師弟お絵描き字書き60分一本勝負ワンドロ【身長】
成長と共に近づく距離休憩に入り、悟飯が差し出した水を岩に座って飲む。
悟飯は立ったまま俺を見ながら、何かに気がついたように首を傾げた。
「…ピッコロさんて…」
あれ?と顎やら頭やらに手を回しながら俺の周りをぐるぐると回る。
いい加減それも鬱陶しく、なんだと呼び止めればうーん、と唸って指を立てた。
「なんか、身長低くなってますか?」
「は?」
「いや、なんかもっとこう、座ってても僕より目線が高かった気がして…」
立ってる時は気が付かなかったけど、と呟きながらまた、俺の背中の方をきょろきょろ覗き込む。
「なんだそんなことか。そうだな。パンが生まれた時だから3年ほど前か。あの頃よりは低くしている。」
「している?」
「あぁ、そうだ。お前のところだと何かと不便だろう」
927悟飯は立ったまま俺を見ながら、何かに気がついたように首を傾げた。
「…ピッコロさんて…」
あれ?と顎やら頭やらに手を回しながら俺の周りをぐるぐると回る。
いい加減それも鬱陶しく、なんだと呼び止めればうーん、と唸って指を立てた。
「なんか、身長低くなってますか?」
「は?」
「いや、なんかもっとこう、座ってても僕より目線が高かった気がして…」
立ってる時は気が付かなかったけど、と呟きながらまた、俺の背中の方をきょろきょろ覗き込む。
「なんだそんなことか。そうだな。パンが生まれた時だから3年ほど前か。あの頃よりは低くしている。」
「している?」
「あぁ、そうだ。お前のところだと何かと不便だろう」
3iiRo27
DOODLEritk版深夜の60分一発勝負第九十二回 お題:「残暑」「無自覚」
残暑が厳しいとある日の、練習中に発生した一幕のお話。
前半司視点、後半類視点
果たして、無自覚なのはどちらなのか。「……よし、15分休憩にしよう!各自ちゃんと水分補給するようにっ!」
「はーい……」
「はーい!」
「わかったよ。それじゃああれの調整でも……」
「だから休憩!だからな!?」
はあ、とため息をつきながら、首元を伝う汗を拭う。
今年は残暑が厳しいようで、暑い晴れ間がずっと続いている。
だからこうして、こまめな休憩を挟み、水分補給をしてもらっている、という訳だ。
「……あ!飲み物なくなっちゃった!司くん、買ってくるね!」
「あ、わたしも行く。もうなくなりそうだし」
「お、そうか。……ふむ。」
それを聞いて、思案する。
ワンダーステージは森に囲まれていることも相まって、一番近い自販機でも5分。
従業員用の自販機ともなると、更に距離がある。
2275「はーい……」
「はーい!」
「わかったよ。それじゃああれの調整でも……」
「だから休憩!だからな!?」
はあ、とため息をつきながら、首元を伝う汗を拭う。
今年は残暑が厳しいようで、暑い晴れ間がずっと続いている。
だからこうして、こまめな休憩を挟み、水分補給をしてもらっている、という訳だ。
「……あ!飲み物なくなっちゃった!司くん、買ってくるね!」
「あ、わたしも行く。もうなくなりそうだし」
「お、そうか。……ふむ。」
それを聞いて、思案する。
ワンダーステージは森に囲まれていることも相まって、一番近い自販機でも5分。
従業員用の自販機ともなると、更に距離がある。
Umi1115Tkso
DONE #深夜の魔師弟お絵描き字書き60分一本勝負ワンドロ【手加減/ソファ】
阿吽の呼吸「よし!終わった!」
予定よりも早く終わった論文を保存してPCを閉じる。
慌てて胴着に着替えて、ぐっ、ぐっ、と何度か屈伸をすると窓から飛び出した。
あれから修行をし直した僕はピッコロさんに仕事と家庭と修行を全て両立できなければ修行しないと言われてしまった。
うそ、と項垂れる僕にお前ならできるだろう?なんて言われればやらないわけにもいかない。
そんな無茶振りは結果的に僕の生活を正すいいきっかけになった。
元来、夢中になりすぎてしまう癖も、その約束を思い出せばある程度で我にかえることが出来るし、身体を鍛え始めたことで集中力もぐっと上がった。
そうしてできた時間でパンやビーデルさん、ピッコロさんとの時間を取れるようになってやっぱりピッコロさんはすごいなぁと思うばかりだ。
1310予定よりも早く終わった論文を保存してPCを閉じる。
慌てて胴着に着替えて、ぐっ、ぐっ、と何度か屈伸をすると窓から飛び出した。
あれから修行をし直した僕はピッコロさんに仕事と家庭と修行を全て両立できなければ修行しないと言われてしまった。
うそ、と項垂れる僕にお前ならできるだろう?なんて言われればやらないわけにもいかない。
そんな無茶振りは結果的に僕の生活を正すいいきっかけになった。
元来、夢中になりすぎてしまう癖も、その約束を思い出せばある程度で我にかえることが出来るし、身体を鍛え始めたことで集中力もぐっと上がった。
そうしてできた時間でパンやビーデルさん、ピッコロさんとの時間を取れるようになってやっぱりピッコロさんはすごいなぁと思うばかりだ。
0421happy_life
DONEさねぎゆ版さワンドロワンライ【お題:夏の夜の夢、未熟、まばたき】で書かせていただきました。現代設定。一緒に暮らしている二人が、🌊が連れ帰って来た生き物をどうするかで喧嘩する話です。データが飛んで書き直したら、更に長くなってしまいました💦主催者様、読んで下さった皆様、ありがとうございました!猫と視た夢 重苦しい沈黙が圧し掛かる部屋。時を刻む秒針の音にさえ苛立って、不死川は落着きなくテーブルを指で叩いた。すると、此方を睨みつける青い瞳が、それを咎めるように一際鋭さを増した。クーラーが音を立てて冷風を吐き出しているというのに。先程から少しも涼しさを感じられず、頭皮にはじわじわと汗が浮かんでいる。致し方ないのだろう、沸点を越えた思考は一向に落ち着を見せないのだから。
「……………」
「…………チッ」
「お前はすぐそれだ」
「ああ⁉」
「苛立っていますという雰囲気を、前面に押し出てくる」
「事実、苛立ってんだよォ‼」
「なぁ――」
不死川が感情に任せ、テーブルを拳を叩こうとした、その時。冨岡の腕に抱かれている黒い仔猫が突然鳴いて、勢いを削がれてしまった。宙でぴたりと止まる拳。不死川はそれを所在なさげに彷徨わせた後で、正面の男から顔を背けて腕を組み、小さく舌打ちする。
8274「……………」
「…………チッ」
「お前はすぐそれだ」
「ああ⁉」
「苛立っていますという雰囲気を、前面に押し出てくる」
「事実、苛立ってんだよォ‼」
「なぁ――」
不死川が感情に任せ、テーブルを拳を叩こうとした、その時。冨岡の腕に抱かれている黒い仔猫が突然鳴いて、勢いを削がれてしまった。宙でぴたりと止まる拳。不死川はそれを所在なさげに彷徨わせた後で、正面の男から顔を背けて腕を組み、小さく舌打ちする。
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第九十一回 お題:「倦怠期」「知らない一面」
大学生となり多忙な毎日を送る中、すれ違いすぎて類への感情がわからなくなる司のお話。
司視点 年齢改変あり 5243
Umi1115Tkso
DOODLE #深夜の魔師弟お絵描き字書き60分一本勝負ワンドロ【読書】
静かな時間を2人で過ごしてくれ〜〜〜
本を読む午後-P視点-
『これはね、ぷりあむすとりばねあげは!こっちがあかえりとりばねあげはでね、これがね…』
昔、悟飯に一緒に読んでやると言ったら引っ張り出してくるのは図鑑ばかりだった。
蝶やら蝉やらの写真を指差しながらその名前を呟いて綺麗だねと笑う。
俺自身そんなものに興味があったかといえば正直なかったが、楽しそうにページを捲る小さな手と輝く瞳を眺めるのは嫌いじゃなかった。
そんな事を思い出して、顔をあげる。
昼下がりの心地よい風と日差しの中、分厚い本に視線を落とし、コーヒーを口に運ぶ顔はすっかり大人びている。
分厚いレンズの向こうの瞳は、右に左に静かに揺れて静かな波のようだ。
あの時みたいな無邪気な光はないが、穏やかなこの時間も悪くない。
1305『これはね、ぷりあむすとりばねあげは!こっちがあかえりとりばねあげはでね、これがね…』
昔、悟飯に一緒に読んでやると言ったら引っ張り出してくるのは図鑑ばかりだった。
蝶やら蝉やらの写真を指差しながらその名前を呟いて綺麗だねと笑う。
俺自身そんなものに興味があったかといえば正直なかったが、楽しそうにページを捲る小さな手と輝く瞳を眺めるのは嫌いじゃなかった。
そんな事を思い出して、顔をあげる。
昼下がりの心地よい風と日差しの中、分厚い本に視線を落とし、コーヒーを口に運ぶ顔はすっかり大人びている。
分厚いレンズの向こうの瞳は、右に左に静かに揺れて静かな波のようだ。
あの時みたいな無邪気な光はないが、穏やかなこの時間も悪くない。
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第九十回 お題:「太陽」「やっぱり」
猛暑日にワンダーステージで起こったとある事件のお話。
類視点
君を見ているのなんて、当たり前なんだから。「……うーん。今日もあっついねえ」
被っていた帽子を深くまで被りなおす。
大凡独り言のように言われたそれに、返す声があった。
『今日は、最高気温は何度なんだっけ?』
「36°まで上がるそうだよ。ここまで暑いと、溶けてしまいそうだねえ」
『と、溶ける!?るるるる類くん!早くワンダーステージに行こう!』
慌てるような声に思わず笑いながら、足を速める。
目線を下げると、心配そうに此方を伺う金色がいた。
-------------------------------
猛暑日が連日続く、今日この頃。
新作のショーが大盛況のまま終わったこともあり、連日の猛暑の中、頑張ってくれたからと、慶介さんから特別にお休みをもらった。
司くんは少し不服そうだったけれど、休むのも大切だと言われて渋々頷いていた。
3354被っていた帽子を深くまで被りなおす。
大凡独り言のように言われたそれに、返す声があった。
『今日は、最高気温は何度なんだっけ?』
「36°まで上がるそうだよ。ここまで暑いと、溶けてしまいそうだねえ」
『と、溶ける!?るるるる類くん!早くワンダーステージに行こう!』
慌てるような声に思わず笑いながら、足を速める。
目線を下げると、心配そうに此方を伺う金色がいた。
-------------------------------
猛暑日が連日続く、今日この頃。
新作のショーが大盛況のまま終わったこともあり、連日の猛暑の中、頑張ってくれたからと、慶介さんから特別にお休みをもらった。
司くんは少し不服そうだったけれど、休むのも大切だと言われて渋々頷いていた。
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第八十九回 お題:「おとぎ話」「タキシード」
ある事件を起因に、すれ違ったり、自信をなくしたりするお話。
司視点
その呪縛から、解き放つ方法は。「……司くーん!」
背後からかけられた声に、顔をあげる。
ぴょこぴょこと走ってきた桃色は、その勢いをそのままにオレの隣に座った。
「大丈夫?ここ、暑くない?」
「ああ、大丈夫だ。日陰だし、小型扇風機もあるし、飲み物もこまめに飲んでいるからな」
そう言いながら小型扇風機をえむの方に向けると、気持ちよさそうに声を上げながら目をつむった。
「……それよりも、すまんな。何も手伝えなくて」
そういうオレに、えむは焦りながら直様声を上げた。
「ううん!困ったときは!…………両成敗!だっけ?」
「……困ったときはお互い様、と言いたいのか?」
「そう、それ!」
誇らしげにいうと、すぐに寂しそうな顔になって、オレの方に手を伸ばす。
「だから、司くんはしっかり休んでね?無理しちゃダメだよ?」
7671背後からかけられた声に、顔をあげる。
ぴょこぴょこと走ってきた桃色は、その勢いをそのままにオレの隣に座った。
「大丈夫?ここ、暑くない?」
「ああ、大丈夫だ。日陰だし、小型扇風機もあるし、飲み物もこまめに飲んでいるからな」
そう言いながら小型扇風機をえむの方に向けると、気持ちよさそうに声を上げながら目をつむった。
「……それよりも、すまんな。何も手伝えなくて」
そういうオレに、えむは焦りながら直様声を上げた。
「ううん!困ったときは!…………両成敗!だっけ?」
「……困ったときはお互い様、と言いたいのか?」
「そう、それ!」
誇らしげにいうと、すぐに寂しそうな顔になって、オレの方に手を伸ばす。
「だから、司くんはしっかり休んでね?無理しちゃダメだよ?」
Umi1115Tkso
DONE #深夜の魔師弟お絵描き字書き60分一本勝負ワンドロ【団結/夢】
魔師弟というより家族ぐるみになってしまった。
夢結ぶ絆「負けないよ、パパ!」
「ふふふ、それはどうかなっ!とうっ」
久々に見たセンスがいいとは言えないマントをはためかせ、大袈裟な口上で屋根の上から落ちてきた悟飯は少年のような笑顔で楽しそうにはしゃいでいる。
自分のことのように羞恥する俺を他所に、同じデザインのサーモンピンクがはためいた。
「グレートサイヤマン1号!」
「2号もいるわよ!」
ばしっと効果音の鳴りそうな決めポーズをとったままたっぷりと静止する。
「…ビーデルまで…」
つぅ、と伝う冷や汗。
腕を組んだまま眺めていると首を埋めるように肩を持ち上げたパンがだんだんと地団駄を踏んだ。
「ゔ〜〜〜ずるい〜〜っ!ぴっころさん!」
「え?」
ばっと振り返って駆け寄ってきたパンに嫌な予感しかしない。
1914「ふふふ、それはどうかなっ!とうっ」
久々に見たセンスがいいとは言えないマントをはためかせ、大袈裟な口上で屋根の上から落ちてきた悟飯は少年のような笑顔で楽しそうにはしゃいでいる。
自分のことのように羞恥する俺を他所に、同じデザインのサーモンピンクがはためいた。
「グレートサイヤマン1号!」
「2号もいるわよ!」
ばしっと効果音の鳴りそうな決めポーズをとったままたっぷりと静止する。
「…ビーデルまで…」
つぅ、と伝う冷や汗。
腕を組んだまま眺めていると首を埋めるように肩を持ち上げたパンがだんだんと地団駄を踏んだ。
「ゔ〜〜〜ずるい〜〜っ!ぴっころさん!」
「え?」
ばっと振り返って駆け寄ってきたパンに嫌な予感しかしない。
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第八十八回 お題:「入道雲」「こちょこちょ」
とある夏の日、彼らの男子高校生としての性が暴走したお話。
※行為を匂わせるシーンが含まれるためワンクッション置きました。本番や行為自体はありません。
司視点 3272
Umi1115Tkso
DONE #深夜の魔師弟お絵描き字書き60分一本勝負ワンドロ【通話/夜中】
-あの頃の月と君と今夜-てんてけてんてん、にゃーん、にゃーん
聞き慣れた着信音。
だが、画面に映し出された名前は珍しい相手だった。
「悟飯」
『あ、ピッコロさん。こんばんは』
悟飯は頬を掻きながら目線を逸らす。
「どうした?というか、用があるならそちらに行くが」
『あ!や、いいんです。ただ、ちょっと、声が聞きたくて』
そんなものかと椅子に腰を下ろした。
何も言わず、悟飯の次の言葉を待つ俺に、悟飯はへへ、と嬉しそうに笑う。
『今、外ですか?』
「いや。部屋だ。さっきまで外にいたが」
『そうだったんですね。もう見ましたかね?今日、綺麗な満月ですよ』
画面の悟飯は窓枠に肘をつき天を仰いだ。
その言葉につられるように窓へ顔を向ける。
見上げた夜空に浮かぶ白い月。
865聞き慣れた着信音。
だが、画面に映し出された名前は珍しい相手だった。
「悟飯」
『あ、ピッコロさん。こんばんは』
悟飯は頬を掻きながら目線を逸らす。
「どうした?というか、用があるならそちらに行くが」
『あ!や、いいんです。ただ、ちょっと、声が聞きたくて』
そんなものかと椅子に腰を下ろした。
何も言わず、悟飯の次の言葉を待つ俺に、悟飯はへへ、と嬉しそうに笑う。
『今、外ですか?』
「いや。部屋だ。さっきまで外にいたが」
『そうだったんですね。もう見ましたかね?今日、綺麗な満月ですよ』
画面の悟飯は窓枠に肘をつき天を仰いだ。
その言葉につられるように窓へ顔を向ける。
見上げた夜空に浮かぶ白い月。
えのきたけ
DONE2021/9/25 ワンドロお題「赤い糸」2022/7/21 加筆修正
14×29
運命の赤い糸とは、本来『赤縄』と呼ばれていました。指ではなく、互いの足に結ばれるものだったそうです。冥界の神にこの縄を結ばれると、必ず運命の相手となってしまう。恋に落ちてしまったことを、このある種呪いのようなもののせいにしてしまえば楽になれるのでは? と少年はひとり思うのでした。
無色透明の赤「赤い糸って、目に見えないのにどうして赤いと分かるんでしょうか」
あかい、いと?
霊幻は思わず、傾けた急須を落としそうになった。なみなみと注がれてしまったお茶の入った湯呑を丁寧にお盆にうつしながら、その言葉の意味を反芻してみた。今までの会話の流れが何だったのか思い出す必要があるほど、それはあまりに唐突な発言だったからだ。
ええと、たぶん、天気の話をしていたような気がする。それか、今日の宿題の話とか。たしか、その程度のことではなかったか。
「不思議じゃないですか、可視化されていないものを形容して」
律から文脈に応じた返事はない。霊幻は、あかいいと、から思考が動かない。最近流行りのなにかか、昔流行ったホラーテイストのなにかか、それとももしかして、いわゆるの"運命の赤い糸"の話をしているのか。ひとり、掴めないでいる。イメージも、相槌も、糸口も。
2205あかい、いと?
霊幻は思わず、傾けた急須を落としそうになった。なみなみと注がれてしまったお茶の入った湯呑を丁寧にお盆にうつしながら、その言葉の意味を反芻してみた。今までの会話の流れが何だったのか思い出す必要があるほど、それはあまりに唐突な発言だったからだ。
ええと、たぶん、天気の話をしていたような気がする。それか、今日の宿題の話とか。たしか、その程度のことではなかったか。
「不思議じゃないですか、可視化されていないものを形容して」
律から文脈に応じた返事はない。霊幻は、あかいいと、から思考が動かない。最近流行りのなにかか、昔流行ったホラーテイストのなにかか、それとももしかして、いわゆるの"運命の赤い糸"の話をしているのか。ひとり、掴めないでいる。イメージも、相槌も、糸口も。
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第八十七回 お題:「祭り」「台本」
彼らの幼少期の祭り事情と、それに纏わるお話。
類視点
想像以上の規模に、ここでやるものじゃないとツッコミが入ったのはここだけの話。ある日の休日。
新作のショーの公演終わりなのも相まって、しっかり休んで英気を養おうということで、練習はお休みになっていた。
僕はというと、新しい機械を作るのもいいが、一日くらいはしっかり休んでくれ!と
司くんに念を押されたのもあって、大きな図書館に来ていた。
以前青柳くんに教えてもらった、シェイクスピアの翻訳違いの蔵書を読んで以来、同様に翻訳違いのものを見るのが楽しくなってしまったので、それを発掘しに来たのだ。
読んでいる最中に演出を思いつくこともあって、その度にメモをとったりするけれど
どうもそんな僕の姿はあまりよく思われないらしく、人が離れることが多いから、最近は読みたい本を借りて、家で読むようにしている。
4584新作のショーの公演終わりなのも相まって、しっかり休んで英気を養おうということで、練習はお休みになっていた。
僕はというと、新しい機械を作るのもいいが、一日くらいはしっかり休んでくれ!と
司くんに念を押されたのもあって、大きな図書館に来ていた。
以前青柳くんに教えてもらった、シェイクスピアの翻訳違いの蔵書を読んで以来、同様に翻訳違いのものを見るのが楽しくなってしまったので、それを発掘しに来たのだ。
読んでいる最中に演出を思いつくこともあって、その度にメモをとったりするけれど
どうもそんな僕の姿はあまりよく思われないらしく、人が離れることが多いから、最近は読みたい本を借りて、家で読むようにしている。
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第八十五回 お題:「猫」「未来」
子供の頃の経験から、ある行動に出る司の話。
司視点
矢張り母の教えは偉大なのだと、後に理解した。今でも、忘れられない言葉がある。
母さんと一緒に買い物をした帰り。
そこには、ダンボールの中で、にゃあにゃあと鳴き続ける、猫がいた。
寂しいと、怖いと、そう言っているようにも感じて。
連れて帰りたいと、そう言ったオレに。
母さんは、悲しそうに首を振った。
汚れ方からしても、かなり長時間外にいた猫。
恐らくノミが沢山いるだろうし、もし連れて帰ったら、咲希の病気が悪化してしまうかもしれない、と。
まだ子供だったから、難しい話ではあったけれど。
それでも、できるだけわかりやすく、噛み砕いて説明してくれた母さんの甲斐もあって
オレは、その猫を連れて帰ることを諦めた。
ごめん、と何度も言いながら、泣きながら帰るオレに。
母さんは、優しく手を握って、言ってくれた。
4151母さんと一緒に買い物をした帰り。
そこには、ダンボールの中で、にゃあにゃあと鳴き続ける、猫がいた。
寂しいと、怖いと、そう言っているようにも感じて。
連れて帰りたいと、そう言ったオレに。
母さんは、悲しそうに首を振った。
汚れ方からしても、かなり長時間外にいた猫。
恐らくノミが沢山いるだろうし、もし連れて帰ったら、咲希の病気が悪化してしまうかもしれない、と。
まだ子供だったから、難しい話ではあったけれど。
それでも、できるだけわかりやすく、噛み砕いて説明してくれた母さんの甲斐もあって
オレは、その猫を連れて帰ることを諦めた。
ごめん、と何度も言いながら、泣きながら帰るオレに。
母さんは、優しく手を握って、言ってくれた。
3iiRo27
DONEritk版深夜の60分一発勝負第八十四回 お題:「挫折」「逃げる」
類に渡すことができなかったあるものを、司があげようとする話。
司視点
寝不足がたたってこの後すぐ落ちてしまうが、それは別のお話。「ご馳走様でしたー!」
「ご馳走様でしたっ!咲希、皿はシンクに持ってきてもらったらオレが洗うぞ?」
「本当?ありがとう、お兄ちゃん!それならアタシ、先にお風呂もらうね!」
「ああ。ゆっくり温まってくるといい」
オレの声に、はーい!と明るく元気な返事が返ってきたことに、思わず微笑みが漏れる。
自分も手早く終わらせて、脚本に手をつけねばなと、スポンジを手に取った。
最近行っている宣伝大使の仕事は順調で、お客さんもどんどん集まってきているらしい。
ワンダーランズ×ショウタイムとしてのショーも大盛況で、毎回長蛇の列ができたり
立ち見が出来たりするほどだ。
咲希も咲希で、Leo/needの活動は順調のようだ。
体調を崩すことも少なくなったし、大切な幼馴染と活動できる今が、とても幸せに写る。
6513「ご馳走様でしたっ!咲希、皿はシンクに持ってきてもらったらオレが洗うぞ?」
「本当?ありがとう、お兄ちゃん!それならアタシ、先にお風呂もらうね!」
「ああ。ゆっくり温まってくるといい」
オレの声に、はーい!と明るく元気な返事が返ってきたことに、思わず微笑みが漏れる。
自分も手早く終わらせて、脚本に手をつけねばなと、スポンジを手に取った。
最近行っている宣伝大使の仕事は順調で、お客さんもどんどん集まってきているらしい。
ワンダーランズ×ショウタイムとしてのショーも大盛況で、毎回長蛇の列ができたり
立ち見が出来たりするほどだ。
咲希も咲希で、Leo/needの活動は順調のようだ。
体調を崩すことも少なくなったし、大切な幼馴染と活動できる今が、とても幸せに写る。