おみみ
PAST2023.12.06.◤◢◤◢◤◢◤◢◤◢
2023.12.06 Wed.
I know I'm late, but...
HAPPY BIRTHDAY, AKANE🐆👑❤️
It was extremely great to see you in April!
Let me hear your heartful voice again!
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おみみ
PAST2023.04.09.Are you ready for tonight?
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2023.04.09 Sun.
DIG-ROCK 1st LIVE
『FLASH』🎤🕺✨
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おみみ
PAST2022.12.06.To our king, happy birthday🐆👑✨
Please take me to your concert and let me hear your super fabulous songs!
Can't wait for your cool performance!
Hope you’re having a lovely day🥰
アカネさんたんお
おみみ
PAST2021.12.06.Happy Birthday, dear our king AKANE🐆👑✨
I'm so excited to listen to your new journey, BT in NY🇺🇸🗽🍕
May your birthday be as wonderful as you are!
xoxo♥️
雪ノ下
MEMO2023.08.08『🍮が🚬の看病をする話』再録Main:KURONO・MASHIRO
クロノがマシロの看病をする話この熱が疲労によるものなのか、己への腹立たしさからくるものなのかわからない。それほど今の状態に苛立っていた。
「……最悪」
わかりやすく熱をだすのはいつぶりだろう。不摂生を自覚しながら体調を崩さないのをいい事に適当な生活を放置していた。体の強さを過信していたのが仇になったか。
今日は本当なら揃って新曲のリハをするはずだった。
よりにもよって、なんだってこの大事な時期に。
ため息をついて寝返りをうつと、室内に来客を知らせるチャイムの音が響く。どうせ新聞の営業か何かだろう。無視していればそのうちいなくなる……と、軽く考えていたのだが。
ピンポーン ピピピピンポーン
「……うるさ」
その業者は有り得ないくらいしつこかった。布団を頭から被り抵抗してみるものの、リズミカルなチャイム音が止むことはない。ただでさえ調子が悪いというのにこう連打されてはますます頭が痛くなる。あまりのしつこさに耐えきれなくなって、仕方なくベッドから這い出した。
3923「……最悪」
わかりやすく熱をだすのはいつぶりだろう。不摂生を自覚しながら体調を崩さないのをいい事に適当な生活を放置していた。体の強さを過信していたのが仇になったか。
今日は本当なら揃って新曲のリハをするはずだった。
よりにもよって、なんだってこの大事な時期に。
ため息をついて寝返りをうつと、室内に来客を知らせるチャイムの音が響く。どうせ新聞の営業か何かだろう。無視していればそのうちいなくなる……と、軽く考えていたのだが。
ピンポーン ピピピピンポーン
「……うるさ」
その業者は有り得ないくらいしつこかった。布団を頭から被り抵抗してみるものの、リズミカルなチャイム音が止むことはない。ただでさえ調子が悪いというのにこう連打されてはますます頭が痛くなる。あまりのしつこさに耐えきれなくなって、仕方なくベッドから這い出した。
雪ノ下
MEMO2021.05.18『Endless Scenarios』再録 お題「スタート!」Main:MASHIRO
『Endless Scenarios』はじめてベースに触れた時のことはよく覚えていない。いつの間にか腕の中にあって、いつの間にか弾いていたというのが正直なところだ。
ベーシストとしての始まりをいうなら……それはやはり、ルビレの冬木真白になった時のことをいうのだろう。
居場所がほしかった。俺のベースを最大限活かしてくれる居場所(バンド)が。
ベース、ベースを弾く俺、あと足りないものは一つだけ。
けれどそのたった一つの不足は、ベーシストである自分にとっては致命的な欠陥だった。
「……そろそろ潮時かな」
吐きだした紫煙が天井に溜まり白い尾を引いて溶けてゆく。それはまるで、今のバンドと自分の関係性を如実に表しているように思えた。なんとなくで繋がった結びつきなど空に消える煙のようなものだ。一度別れてしまえば無かったものと同じ。向こうはどうだか知らないが、少なくとも自分の中には何も残らない。
2176ベーシストとしての始まりをいうなら……それはやはり、ルビレの冬木真白になった時のことをいうのだろう。
居場所がほしかった。俺のベースを最大限活かしてくれる居場所(バンド)が。
ベース、ベースを弾く俺、あと足りないものは一つだけ。
けれどそのたった一つの不足は、ベーシストである自分にとっては致命的な欠陥だった。
「……そろそろ潮時かな」
吐きだした紫煙が天井に溜まり白い尾を引いて溶けてゆく。それはまるで、今のバンドと自分の関係性を如実に表しているように思えた。なんとなくで繋がった結びつきなど空に消える煙のようなものだ。一度別れてしまえば無かったものと同じ。向こうはどうだか知らないが、少なくとも自分の中には何も残らない。
雪ノ下
MEMO2021.05.19『夕飯献立論争』再録 お題「好きなもの」Main:TSUGUMI・AKANE
『夕飯献立論争』好きな食いもん。すき焼きとハンバーグ。正確に言うなら、"クロノがつくった"すき焼きとハンバーグ。
「どーすっかなぁ……」
目の前の男が首を捻るたび金色の瞳にかかった前髪がゆらゆらと揺れる。
午後一でディグプロに寄った帰り、偶然ルビレの日暮茜に遭遇した。今日は日中クロノさんが留守にしているらしく、時刻も昼時を少し過ぎた時間だったため一緒に昼食をとろうということになったのだが……
アカネは店に入って注文を終えるなりずっとこの調子でスマホの画面と睨めっこしながら唸っている。それをいい声してんなコイツとか思っている自分にもなんだか腹が立つ。
アカネの余裕綽々な表情は見慣れているが、眉間に皺を寄せて悩んでいる姿は非常に珍しい。というか、見たことがない。先程から気になって仕方ないのだけれど自分から聞くのはどうにも躊躇われた。何を考えているのか気にするなんて、"俺はお前に興味があります"と言っているようなものだ。それはなんとなく悔しい。コイツ相手となれば尚更。
2039「どーすっかなぁ……」
目の前の男が首を捻るたび金色の瞳にかかった前髪がゆらゆらと揺れる。
午後一でディグプロに寄った帰り、偶然ルビレの日暮茜に遭遇した。今日は日中クロノさんが留守にしているらしく、時刻も昼時を少し過ぎた時間だったため一緒に昼食をとろうということになったのだが……
アカネは店に入って注文を終えるなりずっとこの調子でスマホの画面と睨めっこしながら唸っている。それをいい声してんなコイツとか思っている自分にもなんだか腹が立つ。
アカネの余裕綽々な表情は見慣れているが、眉間に皺を寄せて悩んでいる姿は非常に珍しい。というか、見たことがない。先程から気になって仕方ないのだけれど自分から聞くのはどうにも躊躇われた。何を考えているのか気にするなんて、"俺はお前に興味があります"と言っているようなものだ。それはなんとなく悔しい。コイツ相手となれば尚更。
雪ノ下
MEMO2021.05.23『秘密の逢瀬はレモン色』再録Main:TSUGUMI・MASHIRO
『秘密の逢瀬はレモン色』「つぐみくんの色だね、ソレ」
運ばれてきたケーキを指差すと、最近事務所に所属したばかりの四つ下の後輩が"ほんとだ"とあどけない笑顔を浮かべた。
白のレアチーズケーキに黄色いゼリーの覆いがかかり、一番上には砂糖漬けのレモンがひと切れ乗っかっている。オランジェットが光を反射してキラキラと輝く様は、まるで彼の髪が陽光に透けた時のようだ。
こうして同じテーブルを囲むのは何度目になるだろう。初めて食事に誘った時はまさかこんなに交流を図ることになるとは思ってもいなかった。二人で会っていたと知ればまたアカネが妬くだろうから、今回も内緒の逢瀬だ。バレるのは時間の問題だろうけれど、それはそれで楽しいから良しとする。
1560運ばれてきたケーキを指差すと、最近事務所に所属したばかりの四つ下の後輩が"ほんとだ"とあどけない笑顔を浮かべた。
白のレアチーズケーキに黄色いゼリーの覆いがかかり、一番上には砂糖漬けのレモンがひと切れ乗っかっている。オランジェットが光を反射してキラキラと輝く様は、まるで彼の髪が陽光に透けた時のようだ。
こうして同じテーブルを囲むのは何度目になるだろう。初めて食事に誘った時はまさかこんなに交流を図ることになるとは思ってもいなかった。二人で会っていたと知ればまたアカネが妬くだろうから、今回も内緒の逢瀬だ。バレるのは時間の問題だろうけれど、それはそれで楽しいから良しとする。
雪ノ下
MEMO2021.05.27『rainy day special』再録※時間軸Never end直後
Main:HAIJI
『rainy day special』「……いつの間に降り出したんだろ」
ある日の仕事帰り。自主練のために寄ったスタジオを出ると、目の前が霞むほどの大雨が地面を叩きつけていた。練習に没頭していたせいか室内にいる時は気づかなかったが、周囲の音が聞こえないほどの強さだ。数メートル先の視界も危ういこの状況、屋根の下から出ていくのはかなりの勇気がいる。が、今日はこれから夕飯の支度をしなくてはならない。同居人の帰宅時間を考えると、ここで二の足を踏んでいる暇はなかった。
「…...行くしかないか」
天気予報は曇り予報だったが念のため傘は持ってきていた。最寄りの駅までは五分もかからない距離だし行き慣れた道だ、この雨でもなんとか辿り着けるだろう。
1929ある日の仕事帰り。自主練のために寄ったスタジオを出ると、目の前が霞むほどの大雨が地面を叩きつけていた。練習に没頭していたせいか室内にいる時は気づかなかったが、周囲の音が聞こえないほどの強さだ。数メートル先の視界も危ういこの状況、屋根の下から出ていくのはかなりの勇気がいる。が、今日はこれから夕飯の支度をしなくてはならない。同居人の帰宅時間を考えると、ここで二の足を踏んでいる暇はなかった。
「…...行くしかないか」
天気予報は曇り予報だったが念のため傘は持ってきていた。最寄りの駅までは五分もかからない距離だし行き慣れた道だ、この雨でもなんとか辿り着けるだろう。
雪ノ下
MEMO2021.06.08『おいしくたべて』再録「LOVER」ジャケ写考察。自己解釈強
Main:RUBIA Leopard
『おいしくたべて』「物騒だよなぁ……」
「なにが?」
新曲ジャケットの色校を見返しながら呟くと、すかさず隣から反応が返ってくる。アカネがスマホから顔を上げると同時に"Are you ready ?"とカウントダウンを告げるツイートがタイムラインに流れた。
本日最後の仕事を終えたのが二時間前。メンバー揃ってアカネ・クロノ宅に到着したのが一時間前。そして"今からジャケット公開するわ"と言い出したのが数分前のことだ。
いつもの事とはいえあまりに唐突な発言に目が点になったが、やると言い出したら聞かないのが王様だ。サプライズと焦らしはルビレ(主にアカネ)の十八番ということもあり、問題ないだろうと最終的には全員が頷いた。もちろん敏腕マネージャーの許可もとってある。若干呆れられはしたが。
2273「なにが?」
新曲ジャケットの色校を見返しながら呟くと、すかさず隣から反応が返ってくる。アカネがスマホから顔を上げると同時に"Are you ready ?"とカウントダウンを告げるツイートがタイムラインに流れた。
本日最後の仕事を終えたのが二時間前。メンバー揃ってアカネ・クロノ宅に到着したのが一時間前。そして"今からジャケット公開するわ"と言い出したのが数分前のことだ。
いつもの事とはいえあまりに唐突な発言に目が点になったが、やると言い出したら聞かないのが王様だ。サプライズと焦らしはルビレ(主にアカネ)の十八番ということもあり、問題ないだろうと最終的には全員が頷いた。もちろん敏腕マネージャーの許可もとってある。若干呆れられはしたが。
雪ノ下
MEMO2021.07.05『互いの35センチメートル』再録 お題「意外な一面」※男性用傘の直径約70センチ
Main:KURONO・MASHIRO
『互いの35センチメートル』クロノは面倒見がいい。それこそファンから"ママ"なんて愛称で呼ばれるくらいには。
俺は必要以上に干渉されるのは嫌いだが、事ある毎に何かと口を出してくるアイツのことを"余計なお世話だ"と思ったことは不思議と一度もなかった。恐らく毎回の主張に筋が通っているからだろう。そんなクロノのお節介は特に"健康"に対して発揮される。これは幼い頃からずっと一緒にいるアカネのお墨付きだから間違いない。
三年来の付き合いがある今でこそ当たり前のように認識している事実だが、ルビレが結成されて間もない当時はまだ知らなかったのだ。なぜクロノが、これほどまでに他人の体を心配するのか。
2816俺は必要以上に干渉されるのは嫌いだが、事ある毎に何かと口を出してくるアイツのことを"余計なお世話だ"と思ったことは不思議と一度もなかった。恐らく毎回の主張に筋が通っているからだろう。そんなクロノのお節介は特に"健康"に対して発揮される。これは幼い頃からずっと一緒にいるアカネのお墨付きだから間違いない。
三年来の付き合いがある今でこそ当たり前のように認識している事実だが、ルビレが結成されて間もない当時はまだ知らなかったのだ。なぜクロノが、これほどまでに他人の体を心配するのか。
雪ノ下
MEMO2021.07.22『a piece of glass』再録 お題「無自覚」※時間軸BREAK TIME in無人島
Main:KURONO・MASHIRO
『a piece of glass』「マシロのやつ……一体どこに行ったんだ」
MV撮影のため海外を訪れたルビレは現在無人島でサバイバルの真っ最中だ。どうしてそうなってしまったのかは割愛するが、今は救助を待つしかない状態なので各々開き直ってこの無人島生活を楽しんでいる。アカネさんとハイジは連れ立ってダイビング中、巌原さんは何やらPCと睨めっこしており、マシロは迷子で見当たらない。一体どこにいったのかと海岸沿いを歩いていると、洞窟から随分離れた砂浜で見慣れたふわふわ頭がしゃがみ込んでいるのが目に入った。白い肌が日差しを跳ね返して光っている。このまま晒し続けていればいずれ赤くなってしまうと、無防備な背中目掛けてパーカーを投げつけた。
1630MV撮影のため海外を訪れたルビレは現在無人島でサバイバルの真っ最中だ。どうしてそうなってしまったのかは割愛するが、今は救助を待つしかない状態なので各々開き直ってこの無人島生活を楽しんでいる。アカネさんとハイジは連れ立ってダイビング中、巌原さんは何やらPCと睨めっこしており、マシロは迷子で見当たらない。一体どこにいったのかと海岸沿いを歩いていると、洞窟から随分離れた砂浜で見慣れたふわふわ頭がしゃがみ込んでいるのが目に入った。白い肌が日差しを跳ね返して光っている。このまま晒し続けていればいずれ赤くなってしまうと、無防備な背中目掛けてパーカーを投げつけた。
雪ノ下
MEMO2021.07.27『たまの星、夏の花』再録 お題「お祭り」Main:AKANE・HAIJI
『たまの星、夏の花』「おー。眺めいいな」
「ありがとうございます。がんちゃんもそうやってよく外を眺めてるんですよ」
お昼時、不意にアカネさんが「ハイジって花火大会行ったことある?」と話を振ってきた。
いつもならまた一体何のことかと思考を巡らせるところだが、今回は"花火大会のニュースを熱心に見ていたから話の種にするかもしれない"と事前にクロノさんから聞いていたのですぐに合点がいった。
花火大会に行ったことはある。けれど覚えているのは"行ったことがある"という漠然とした事実だけで、その他のことは大部分がぼやけてしまっている。子供の頃のことだからきっと母に手を引かれて行ったのだろうけれど、その温もりすら曖昧だ。
1970「ありがとうございます。がんちゃんもそうやってよく外を眺めてるんですよ」
お昼時、不意にアカネさんが「ハイジって花火大会行ったことある?」と話を振ってきた。
いつもならまた一体何のことかと思考を巡らせるところだが、今回は"花火大会のニュースを熱心に見ていたから話の種にするかもしれない"と事前にクロノさんから聞いていたのですぐに合点がいった。
花火大会に行ったことはある。けれど覚えているのは"行ったことがある"という漠然とした事実だけで、その他のことは大部分がぼやけてしまっている。子供の頃のことだからきっと母に手を引かれて行ったのだろうけれど、その温もりすら曖昧だ。
雪ノ下
MEMO2021.08.20『change my perspective.』再録 お題「汗」マシロのとあるセリフに関する考察
Main:AKANE・KURONO
『change my perspective.』マシロの言葉が始終頭の片隅に陣取っているせいで、日々後ろ髪を引かれるような思いで過ごさなければならなかった。
あの時は随分と極端な物言いだと思って取り合わなかったが、冬木真白という男は適当なようでいて適当でなく……それはヤツの言葉も同様で、よくよく考えてみれば昔から核心をついているものが多かった。ただ厄介なのは、マシロはひどく回りくどい言い方をするから都度噛み砕いて考えなければならないということである。
野球でいえば変化球の連続。少しは充弦くんを見習ってストレートを投げてほしいものだが……正しく厄介の一言に尽きる。
"バンドマンの本音なんて、楽しくて気持ちいいことしてたいだけ"
それが肉体だけでなく精神の充足も含むのだと知った時、あぁ。確かにそうかもしれないと半分くらいは納得できた。
1776あの時は随分と極端な物言いだと思って取り合わなかったが、冬木真白という男は適当なようでいて適当でなく……それはヤツの言葉も同様で、よくよく考えてみれば昔から核心をついているものが多かった。ただ厄介なのは、マシロはひどく回りくどい言い方をするから都度噛み砕いて考えなければならないということである。
野球でいえば変化球の連続。少しは充弦くんを見習ってストレートを投げてほしいものだが……正しく厄介の一言に尽きる。
"バンドマンの本音なんて、楽しくて気持ちいいことしてたいだけ"
それが肉体だけでなく精神の充足も含むのだと知った時、あぁ。確かにそうかもしれないと半分くらいは納得できた。
雪ノ下
MEMO2021.08.23『sweeter than sugar and honey.』再録マシロのとあるセリフに関する考察
Main:AKANE・MASHIRO
『sweeter than sugar and honey.』「お前にだけは言われたくねーな」
独り言かと思って振り向くと、金色の瞳とバチリと視線が合った。最近SNSで偶然ヒョウの写真を目にする機会があって、なんだマジでアカネそっくりじゃんと感心したことを思い出す。
相変わらず"RUBIA Leopard"というバンドを体現したような男だ。
今更言うことでもないが、ルビレのボーカルにこれほど相応しいヤツは他にいない。歌唱力的にも、ビジュアル的にも。
「……今の俺に言ったの?」
「他に誰がいんだよ。俺とお前しかいねーのに」
「独り言かと思って」
アカネの言う通り今この部屋には俺とアカネの二人しかいない。
というのもここはスタジオに併設された喫煙ルームで、クロノもハイジも基本的にタバコは吸わないから必然的に並ぶ顔ぶれは俺一人、もしくは俺とアカネ二人のどちらかということになる。吸う頻度でいえばアカネよりがんちゃんの方が高いけれど、アーティストとマネージャーという立場上休憩時間が被ることはあまりない。
1760独り言かと思って振り向くと、金色の瞳とバチリと視線が合った。最近SNSで偶然ヒョウの写真を目にする機会があって、なんだマジでアカネそっくりじゃんと感心したことを思い出す。
相変わらず"RUBIA Leopard"というバンドを体現したような男だ。
今更言うことでもないが、ルビレのボーカルにこれほど相応しいヤツは他にいない。歌唱力的にも、ビジュアル的にも。
「……今の俺に言ったの?」
「他に誰がいんだよ。俺とお前しかいねーのに」
「独り言かと思って」
アカネの言う通り今この部屋には俺とアカネの二人しかいない。
というのもここはスタジオに併設された喫煙ルームで、クロノもハイジも基本的にタバコは吸わないから必然的に並ぶ顔ぶれは俺一人、もしくは俺とアカネ二人のどちらかということになる。吸う頻度でいえばアカネよりがんちゃんの方が高いけれど、アーティストとマネージャーという立場上休憩時間が被ることはあまりない。
雪ノ下
MEMO2021.09.07『ぷりんぱにっく』再録販促音声# 11の後日談妄想
Main:AKANE・KURONO
『ぷりんぱにっく』「……、」
冷蔵庫を開けた瞬間思考が停止した。
開いた口が塞がらないとはきっとこういう状態のことを言うのだろう。原因は今目の前に広がっているこの景色だ。
何を言っているかわからないかもしれないが、冷蔵庫の中がプリン一色なのだ。
プチッとお皿にのせられるプリン。とろけるプリン。真っ白なミルクプリン。焼きプリンからプリンアラモード。
種類は違えど右から左、上から下の棚まで全てプリンで埋め尽くされている。
左隅の、申し訳程度に空けられたスペースに買ってきた食材をなんとか詰め込んだ。俺が買い出しに行っている間に一体何が……
「悪かった」
「……アカネさん」
振り返ると、今まさに思い浮かべていた人物が大きな体を縮こませて立っていた。いつもはスパンと言い切る口も今日はどこか歯切れが悪い。
1056冷蔵庫を開けた瞬間思考が停止した。
開いた口が塞がらないとはきっとこういう状態のことを言うのだろう。原因は今目の前に広がっているこの景色だ。
何を言っているかわからないかもしれないが、冷蔵庫の中がプリン一色なのだ。
プチッとお皿にのせられるプリン。とろけるプリン。真っ白なミルクプリン。焼きプリンからプリンアラモード。
種類は違えど右から左、上から下の棚まで全てプリンで埋め尽くされている。
左隅の、申し訳程度に空けられたスペースに買ってきた食材をなんとか詰め込んだ。俺が買い出しに行っている間に一体何が……
「悪かった」
「……アカネさん」
振り返ると、今まさに思い浮かべていた人物が大きな体を縮こませて立っていた。いつもはスパンと言い切る口も今日はどこか歯切れが悪い。
雪ノ下
MEMO2021.11.12『Halloween-like Halloween』再録 お題「仮装・コスプレ」Main:RUBIA Leopard
『Halloween-like Halloween』「アカネー、ちょっといい?」
肩を叩かれ振り向くと、頭に勢いよく何かが被せられた。
反動でぐらりと視界が揺れていきなりなんだと顔を顰めるも、当人のマシロはあーでもないこーでもないと唸るばかりでこちらの事など一切お構いなし。仕方なく手で触れて確認してみるものの、感触だけではさっぱりわからず……鏡で見るのが一番手っ取り早いのだが、残念ながら周囲には見当たらなかった。
この大型マーケットに訪れるのは今回で二度目になる。前回はクロノと二人きり。今日はルビレ揃って。マネージャーも誘う予定だったが恒常的に忙しい人だし、全員で行くと言ったら心労で卒倒するかもしれない。今度声をかける時は入念に準備を整えておかなければ。いっそ貸し切りにしてしまおうか。
3073肩を叩かれ振り向くと、頭に勢いよく何かが被せられた。
反動でぐらりと視界が揺れていきなりなんだと顔を顰めるも、当人のマシロはあーでもないこーでもないと唸るばかりでこちらの事など一切お構いなし。仕方なく手で触れて確認してみるものの、感触だけではさっぱりわからず……鏡で見るのが一番手っ取り早いのだが、残念ながら周囲には見当たらなかった。
この大型マーケットに訪れるのは今回で二度目になる。前回はクロノと二人きり。今日はルビレ揃って。マネージャーも誘う予定だったが恒常的に忙しい人だし、全員で行くと言ったら心労で卒倒するかもしれない。今度声をかける時は入念に準備を整えておかなければ。いっそ貸し切りにしてしまおうか。
雪ノ下
MEMO2021.12.07『とあるオフの日-アカネと巌原の場合-』再録 お題「オフの日」Main:AKANE・IWAHARA
『とあるオフの日-アカネと巌原の場合-』「オフに呼び出して悪かったな」
「むしろ参加させてもらえてありがたいっすよ。俺が頼んだ案件なんだし」
"ルビレに関することは全て把握しておきたいから"と、たとえ休日でも打ち合わせがある時は連絡を寄越してほしいと頼まれていた。普段の多忙さを知っている手前たまのオフくらいゆっくり過ごしてほしいのが本音だが、アカネの希望を無視するわけにもいかない。会議室がリザーブできた段階で連絡を入れると、予想通り返事は即答だった。
ルビレのボーカル、サウンドプロデューサー、そして時には己の容姿を活かして広告塔をも務める。当然その仕事量は膨大だ。本人の意思でやっている事とはいえ本当に恐れ入る。明け方近くSNSに浮上していることもあるようだし、きちんと睡眠をとれているのか不安になってしまうが……私生活はクロノが見張っているだろうから無理はさせてもらえないだろう。体調さえ崩さなければある程度までは許容の範囲内だ。
2299「むしろ参加させてもらえてありがたいっすよ。俺が頼んだ案件なんだし」
"ルビレに関することは全て把握しておきたいから"と、たとえ休日でも打ち合わせがある時は連絡を寄越してほしいと頼まれていた。普段の多忙さを知っている手前たまのオフくらいゆっくり過ごしてほしいのが本音だが、アカネの希望を無視するわけにもいかない。会議室がリザーブできた段階で連絡を入れると、予想通り返事は即答だった。
ルビレのボーカル、サウンドプロデューサー、そして時には己の容姿を活かして広告塔をも務める。当然その仕事量は膨大だ。本人の意思でやっている事とはいえ本当に恐れ入る。明け方近くSNSに浮上していることもあるようだし、きちんと睡眠をとれているのか不安になってしまうが……私生活はクロノが見張っているだろうから無理はさせてもらえないだろう。体調さえ崩さなければある程度までは許容の範囲内だ。
雪ノ下
MEMO2021.12.14『Kalanchoe』再録クロノについてアカネとマシロが考える。花言葉ネタ
Main:AKANE・MASHIRO
『Kalanchoe』時任黒乃は、日暮茜にとって"不変の象徴"のような存在だと思う。
「コンニチハー」
久方ぶりのオフ、特に理由なく気まぐれにアカネ・クロノ宅の戸を叩いた。雑談ついでに昼食をご馳走になれたらラッキー程度の気持ちだ。
日に日にこのマンションに入り浸る率が高まっている自覚はあるが、時間ができるとつい足が向いてしまう。まぁ他でもない家主の片割れから"いつでもメシ食いに来いよ"と許可は得ていることだし、嫌な顔をされない限りは甘えさせてもらおうと思っている。
「ようマシロ」
「……おっと」
「なんだよ。出迎えが俺じゃ不満?」
「まさか」
インターホンを押すと応答したのはアカネだった。部屋に上がっても見当たらないもう一人はどこに行ったのかと尋ねると、午前中から買い出しに出掛けたという。現在デスクワークの真っ最中で暫く相手ができそうにないと眉を寄せるアカネに気にするなと手を振って、買っておいた酒とつまみを冷蔵庫にしまい込んだ。無意味に時間を浪費するのは嫌いだが、この家は居心地がいいから特別苦にならない。アカネが仕事を終えるかクロノが帰宅するまで適当に時間を潰せばいいだけだ。
2357「コンニチハー」
久方ぶりのオフ、特に理由なく気まぐれにアカネ・クロノ宅の戸を叩いた。雑談ついでに昼食をご馳走になれたらラッキー程度の気持ちだ。
日に日にこのマンションに入り浸る率が高まっている自覚はあるが、時間ができるとつい足が向いてしまう。まぁ他でもない家主の片割れから"いつでもメシ食いに来いよ"と許可は得ていることだし、嫌な顔をされない限りは甘えさせてもらおうと思っている。
「ようマシロ」
「……おっと」
「なんだよ。出迎えが俺じゃ不満?」
「まさか」
インターホンを押すと応答したのはアカネだった。部屋に上がっても見当たらないもう一人はどこに行ったのかと尋ねると、午前中から買い出しに出掛けたという。現在デスクワークの真っ最中で暫く相手ができそうにないと眉を寄せるアカネに気にするなと手を振って、買っておいた酒とつまみを冷蔵庫にしまい込んだ。無意味に時間を浪費するのは嫌いだが、この家は居心地がいいから特別苦にならない。アカネが仕事を終えるかクロノが帰宅するまで適当に時間を潰せばいいだけだ。
雪ノ下
MEMO2021.12.21『Q.酢豚にパイナップル。アリ?ナシ?』再録帝さんから大量のパイナップルが送られてくる話
Main:RUBIA Leopard
『Q.酢豚にパイナップル。アリ?ナシ?』「……なにコレ」
明日にオフを控えた夜、仕事終わりにアカネとクロノから揃って「この後うちに来てほしい」と声をかけられた。時間があるときに自ら赴くことはあっても家主である二人から直接来てほしいと頼まれるのはかなり稀なケースだ。現在取り掛かっている新曲のことか、はたまたバンドの方向性に関わることか……ともかく何か大事なことに違いない。ただならぬ気配を感じつつ、マシロとハイジは二つ返事で了承した……のが、今からおよそ三十分前の出来事である。
「なんなのコレ」
「パイナップル」
「それは見りゃわかるっつーの!」
家に上がってすぐに一階の最奥にある部屋に通された。確か普段はゲストルームとして使用されている場所だ。てっきり話し合いのためにリビングルームに直行するものと思っていたマシロとハイジは首を傾げたが、室内の異様な光景を目にしてすぐに納得した。
3219明日にオフを控えた夜、仕事終わりにアカネとクロノから揃って「この後うちに来てほしい」と声をかけられた。時間があるときに自ら赴くことはあっても家主である二人から直接来てほしいと頼まれるのはかなり稀なケースだ。現在取り掛かっている新曲のことか、はたまたバンドの方向性に関わることか……ともかく何か大事なことに違いない。ただならぬ気配を感じつつ、マシロとハイジは二つ返事で了承した……のが、今からおよそ三十分前の出来事である。
「なんなのコレ」
「パイナップル」
「それは見りゃわかるっつーの!」
家に上がってすぐに一階の最奥にある部屋に通された。確か普段はゲストルームとして使用されている場所だ。てっきり話し合いのためにリビングルームに直行するものと思っていたマシロとハイジは首を傾げたが、室内の異様な光景を目にしてすぐに納得した。
雪ノ下
MEMO2021.12.25『”You” from my point of view.(about 4years ago)』再録 お題「日暮茜」自己解釈度強。RUBIA解散直後にアカネが過ごしたかもしれない一夜
Main:AKANE・KURONO
『”You” from my point of view.(about 4years ago)』涙がでないのが不思議なほど苦しい夜だった。
ズキズキ。ズキズキ。心臓のあたりが鈍く痛む。
ズキズキ。ズキズキ。見えない何かが内側から苛む。
ズキズキ。ズキズキ。ズキズキ。ズキズキ。
血など一滴もでていないのに息をするのも辛い。
眠りたい。できない。
忘れたい。できない。
泣きたい。できない。
助けてほしい。縋りたい。頼りたい。できない。
許されない。してはいけない。言ってはいけない。悟られてはいけない。あらゆるNO。あらゆるシャットアウト。×××××。
"だってそんなのは日暮茜じゃない"
感情が爆発する一歩手前で理性がそう訴えかけてくる。
勝手に従う自分。意思とは正反対に機能する体。ひとりの人間としての日暮茜と、周囲から期待される日暮茜の"姿"。
2742ズキズキ。ズキズキ。心臓のあたりが鈍く痛む。
ズキズキ。ズキズキ。見えない何かが内側から苛む。
ズキズキ。ズキズキ。ズキズキ。ズキズキ。
血など一滴もでていないのに息をするのも辛い。
眠りたい。できない。
忘れたい。できない。
泣きたい。できない。
助けてほしい。縋りたい。頼りたい。できない。
許されない。してはいけない。言ってはいけない。悟られてはいけない。あらゆるNO。あらゆるシャットアウト。×××××。
"だってそんなのは日暮茜じゃない"
感情が爆発する一歩手前で理性がそう訴えかけてくる。
勝手に従う自分。意思とは正反対に機能する体。ひとりの人間としての日暮茜と、周囲から期待される日暮茜の"姿"。
雪ノ下
MEMO2022.01.21『12.09の邂逅』再録2021.12.09に叶希とクロノがしていたツイートのその後妄想
Main:TOKI・KURONO
『12.09の邂逅』「よければ一緒に行かないか」
事務所でファンレターを受け取った帰り道、上着のポケットに突っ込んでいたスマホが着信を知らせた。画面を確認すると、表示されていた名前は"黒乃さん"。緑の電話マークをタップする指が緊張からか少し震えた。
連絡先を交換して暫く経つというのに未だに電話でのやり取りには慣れない。つぐと違って人との距離を縮めるのが上手い方ではないし、何度か顔を合わせているとはいえ相手は事務所の先輩だ。ルビレのハードスケジュールっぷりを知っている手前、メッセージひとつ送るのでさえ躊躇してしまう。
タイミングはいつがいいか。どれくらいの頻度なら迷惑でないか。色々考えた末結局は連絡をしないのが一番迷惑をかけずに済むという答えに行き着いて、スマホから指は遠のくばかり。けれどまったく音沙汰なしというのも"一応交換はしたけれど連絡をとる気は一切ありません"などというあらぬ誤解を与えかねないし……とまたモヤモヤ。
2469事務所でファンレターを受け取った帰り道、上着のポケットに突っ込んでいたスマホが着信を知らせた。画面を確認すると、表示されていた名前は"黒乃さん"。緑の電話マークをタップする指が緊張からか少し震えた。
連絡先を交換して暫く経つというのに未だに電話でのやり取りには慣れない。つぐと違って人との距離を縮めるのが上手い方ではないし、何度か顔を合わせているとはいえ相手は事務所の先輩だ。ルビレのハードスケジュールっぷりを知っている手前、メッセージひとつ送るのでさえ躊躇してしまう。
タイミングはいつがいいか。どれくらいの頻度なら迷惑でないか。色々考えた末結局は連絡をしないのが一番迷惑をかけずに済むという答えに行き着いて、スマホから指は遠のくばかり。けれどまったく音沙汰なしというのも"一応交換はしたけれど連絡をとる気は一切ありません"などというあらぬ誤解を与えかねないし……とまたモヤモヤ。
雪ノ下
MEMO2022.02.04『紫紺のギタリスト曰く』再録 お題「野中つぐみ」叶希とアカネがつぐみについて語り合う
Main:TOKI・AKANE
『紫紺のギタリスト曰く』「……アカネさんてそんなにつぐのこと好きなんすか?」
口にだしてからしまったと思った。けれど金色の瞳はとっくにこちらを向いていて、今更"なんでもありません"と首を横に振れる雰囲気ではない。何よりアカネさんの場合そんな言葉で誤魔化されてはくれないだろう。
はじめて顔を合わせた時から思っていた。なぜこの人は、そこまでつぐのことを特別視するのだろうと。
競合相手ならまだしも相手はプロデビューしたばかりの嘴の青い新人アーティストだ。もちろん俺にとってはアイツ以上のボーカルはいないが、その評価には少なからず身内特有の贔屓目が含まれている。当然バンドとしての実績も遠く及ばないから、どうしてアカネさんが事ある毎につぐに絡むのか不思議でならなかった。
2695口にだしてからしまったと思った。けれど金色の瞳はとっくにこちらを向いていて、今更"なんでもありません"と首を横に振れる雰囲気ではない。何よりアカネさんの場合そんな言葉で誤魔化されてはくれないだろう。
はじめて顔を合わせた時から思っていた。なぜこの人は、そこまでつぐのことを特別視するのだろうと。
競合相手ならまだしも相手はプロデビューしたばかりの嘴の青い新人アーティストだ。もちろん俺にとってはアイツ以上のボーカルはいないが、その評価には少なからず身内特有の贔屓目が含まれている。当然バンドとしての実績も遠く及ばないから、どうしてアカネさんが事ある毎につぐに絡むのか不思議でならなかった。