chunyang_3
MEMOCQL話数ワンドロワンライ2回目(11~20話)。18話の江澄と汁物の思い出の話。魏無羨の話を聞きながら涙を流している江澄※画像で上げたものと基本的に同じですが、表現を手直ししています
忘れ難き味 ドンドンと扉を叩く音に、眠りについていた厭離は起こされた。
「姉上……!」
扉の向こうの姉に向かって江澄は声を上げた。父にも母にも言ったら絶対に怒られるに決まっていて怖くて言えないから、江澄には姉に頼る以外の道は無かった。厭離は一体何があったのだろうと思ったのか、急いで扉を開けてくれた。
「阿澄どうしたの?」
「姉上……姉上、どうしよう!」
厭離の顔を見た瞬間、堪えきれなくなり江澄はわんわんと声を上げて泣き出してしまった。
今日、父は江澄が妃妃や小愛と名前をつけて可愛がっていた犬達を知らぬ間に他所へあげてしまっていた。江澄がそのことを知ったのは彼女達がもうずっと遠くに行ってしまってからだ。そんなの絶対に納得がいかないし、悲しくて苦しくてどうして良いか分からないまま夜になってしまい、江澄は部屋でずっと泣き喚いていた。
2333「姉上……!」
扉の向こうの姉に向かって江澄は声を上げた。父にも母にも言ったら絶対に怒られるに決まっていて怖くて言えないから、江澄には姉に頼る以外の道は無かった。厭離は一体何があったのだろうと思ったのか、急いで扉を開けてくれた。
「阿澄どうしたの?」
「姉上……姉上、どうしよう!」
厭離の顔を見た瞬間、堪えきれなくなり江澄はわんわんと声を上げて泣き出してしまった。
今日、父は江澄が妃妃や小愛と名前をつけて可愛がっていた犬達を知らぬ間に他所へあげてしまっていた。江澄がそのことを知ったのは彼女達がもうずっと遠くに行ってしまってからだ。そんなの絶対に納得がいかないし、悲しくて苦しくてどうして良いか分からないまま夜になってしまい、江澄は部屋でずっと泣き喚いていた。
ニノ式 啓水
DONE10/2 お題「甘える」 陳情令ベースです。道侶になってるかなってないかは、ご想像におまかせします(■執筆1時間、推敲+校正15分
※加筆修正分を支部にあげています。https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=16208861 6
pfvnvavc
TRAINING沸き上がる情熱に負けて初めて魏嬰さん描いた。いい加減だし、めちゃくちゃ修正して汚いから薄目で💦どうしても魔道祖師ではなく陳情令で描きたい。三次元を二次元でかわいく描きたいのだけど、こればかりはひたすら描いて慣れるしかないのかな。あ、アナログしか出来ませぬぬぬ。藍湛さんも役者さんも描きたい❗練習記録になるかな❓oio_oi3
DONE忘羨が酔っ払いながらおしゃべりしてます。小湛を抱っこしてあげたい羨哥哥のお話です。前回書いた話と繋がっていますが双方単体でも楽しめるかと思います。
⚠️妊娠出産についてなどデリケートなことに触れています 6
chunyang_3
MEMO“君”がいない世界の江澄蓮の花の咲く音を聞くと悟りが開けるという話があるらしいんですが、蓮が開く時にポンという音がするというのは俗説らしい。
江澄の隣に金凌がいてくれて良かったなと思うばかり。
詠んだ短歌のイメージを短編にしました
君待ち/江澄「蓮花の咲きだす音の聞きたさに走る君の背まぼろしなりて」
ゆさゆさと肩を揺らされて、寝台でよく眠っていた江澄は何事かと寝返りを打とうとする。
「おい、江澄起きろ。行くぞ」
「なんだ?」
目を擦りながらゆっくりと目を開けるが、まだ夜は明けていないようで部屋は暗いままだ。
「こんな夜中になんだ」
「夜中じゃないよ、寅の刻(午前四時)だよ」
「なんでそんな時間にお前が起きてるんだ」
江澄が苛立たしげに声を上げると、魏嬰は人差し指を顔の前に立てながら、もう片方の手のひらで江澄の口を塞ぐ。
「しーっ! 大きい声を出したら師姉達が起きちゃうだろ」
たしかにこんな時辰に騒ぎ立てようものなら、父上や母上の耳に入ったら何を言われるか分からない。
3734ゆさゆさと肩を揺らされて、寝台でよく眠っていた江澄は何事かと寝返りを打とうとする。
「おい、江澄起きろ。行くぞ」
「なんだ?」
目を擦りながらゆっくりと目を開けるが、まだ夜は明けていないようで部屋は暗いままだ。
「こんな夜中になんだ」
「夜中じゃないよ、寅の刻(午前四時)だよ」
「なんでそんな時間にお前が起きてるんだ」
江澄が苛立たしげに声を上げると、魏嬰は人差し指を顔の前に立てながら、もう片方の手のひらで江澄の口を塞ぐ。
「しーっ! 大きい声を出したら師姉達が起きちゃうだろ」
たしかにこんな時辰に騒ぎ立てようものなら、父上や母上の耳に入ったら何を言われるか分からない。
紫雨(shigure)
DONE8/2(バニー)の日に、尻尾を嵌めてるバニーちゃんな魏嬰がいないか尋ねたところから始まって、性癖つめつめのひたすらえっちするお話になりました。8/21(バニィ)の日に間に合った感…!
なんちゃって現代AUで、道具を使ったプレイがメインです。
キーワード:アナルプラグ、尿道プレイ、2本挿し
pass:成人済? yes/no 9929
紫雨(shigure)
PROGRESSモス羨をベースにしたファンタジー第二話ですー🦋ちょっとBLぽくなってきたはず…!
(次回か次次回にR18が入る予定です)
微妙に違和感があったので、今回から改題しました🙏💦
君と久遠の夢をみる- 2 -
――――このままではいけない気がする。
そう危機感を抱きながら、シェンシェンはずずずっとコケモモの果実酒を藁の管で吸い上げた。
「うまい」
うっかり酩酊に浸りそうになって、我にかえる。
「だめだ……ワンジーとの生活は、居心地が良すぎる」
ここ最近のシェンシェンの一日の生活の流れはこうだ。
夕方頃に目を覚まして、暗くなるころに家を明るくしてラン・ワンジーを出迎える。夕餉も一緒にとるが、自分の分は、ラン・ワンジーが手土産に持って帰ってきた花や果物だ。その後は、二人で話をしたり、ラン・ワンジーの竪琴に合わせて笛を吹いて合奏したりして過ごし、ラン・ワンジーの就寝を見守ると、森を出て遊び回る。日が上り始める頃に家に戻って二人で朝食を食べると、もうシェンシェンは起きていられなくなり、定位置となったベッド脇の棚に敷かれた手巾の上で眠りにつくのだ。
3016――――このままではいけない気がする。
そう危機感を抱きながら、シェンシェンはずずずっとコケモモの果実酒を藁の管で吸い上げた。
「うまい」
うっかり酩酊に浸りそうになって、我にかえる。
「だめだ……ワンジーとの生活は、居心地が良すぎる」
ここ最近のシェンシェンの一日の生活の流れはこうだ。
夕方頃に目を覚まして、暗くなるころに家を明るくしてラン・ワンジーを出迎える。夕餉も一緒にとるが、自分の分は、ラン・ワンジーが手土産に持って帰ってきた花や果物だ。その後は、二人で話をしたり、ラン・ワンジーの竪琴に合わせて笛を吹いて合奏したりして過ごし、ラン・ワンジーの就寝を見守ると、森を出て遊び回る。日が上り始める頃に家に戻って二人で朝食を食べると、もうシェンシェンは起きていられなくなり、定位置となったベッド脇の棚に敷かれた手巾の上で眠りにつくのだ。
紫雨(shigure)
PROGRESSファンタジー風モス羨のお話の続きです〜🦋プロローグもポイピクに置いてあるよ!
・週2〜3回更新で、今月中に完結したい
・次回もうちょっとBのLな雰囲気に
・中盤からR18シーン入ります。
その際はひとまずポイピクに。リス限フォロ限はないです。
・もう少しまとまったらpixivにも置きます
君と久遠の夢をみる- 1 -
庭で放し飼いにされている鶏が、けたたましく朝を告げた。夜半よりも濃くなった霧の隙間を縫って、霜のように冴え冴えとした光の筋が、窓辺に射しこんでいる。
いつも通りに目を覚ましたラン・ワンジーは、テーブルの上に木の実や果物が、窓辺には朝露に濡れた色とりどりの花が置かれていることに気がついた。
「おはよう、ワンジー! 起きるのが早いんだな」
タイミングよく、窓から八重咲きの白い花を抱えたシェンシェンがやってきた。
「じゃあこの花はラン兄ちゃんに」
楽しそうにラン・ワンジーに近づいたシェンシェンは、手にしていた花をそっとラン・ワンジーの髪に挿す。
「やっぱり、美人には花が似合うな!」
「やめなさい」
1749庭で放し飼いにされている鶏が、けたたましく朝を告げた。夜半よりも濃くなった霧の隙間を縫って、霜のように冴え冴えとした光の筋が、窓辺に射しこんでいる。
いつも通りに目を覚ましたラン・ワンジーは、テーブルの上に木の実や果物が、窓辺には朝露に濡れた色とりどりの花が置かれていることに気がついた。
「おはよう、ワンジー! 起きるのが早いんだな」
タイミングよく、窓から八重咲きの白い花を抱えたシェンシェンがやってきた。
「じゃあこの花はラン兄ちゃんに」
楽しそうにラン・ワンジーに近づいたシェンシェンは、手にしていた花をそっとラン・ワンジーの髪に挿す。
「やっぱり、美人には花が似合うな!」
「やめなさい」
紫雨(shigure)
PROGRESS魔法使い藍湛と、モス羨を元ネタに西洋ファンタジー風のお話を書き途中…!もう少しまとまったらpixivにもおきますが、ひとまずポイピクに。
プロローグです。
君と久遠の夢をみる〜プロローグ〜
夜霧が立ち込める、鬱蒼とした森の奥。
ひっそりとした佇まいの小屋から、竪琴が紡ぎだすやわらかな音色が流れて、夜闇に広がっていく。
薄い藤色の翅をもつ小さな生き物が、その優しい旋律に惹かれたかのように、ひらひらと飛んで小屋の窓へと降り立った。
演奏が途切れるのを待って、その生き物は奏者へと話しかけた。
「こんばんは、お兄さん」
「誰だ」
竪琴を抱いた男――――ラン・ワンジーが、短く誰何する。
「シェンシェンだよ!」
シェンシェンと名乗った夜の来訪者は、窓枠からぴょんと跳びあがって、竪琴の上に座った。
――――それは、小さな妖精だった。
大きさは、手のひらに載るくらい。ふんわりとひらめく桃色のケープをまとって、首元には赤いリボンを結んでいる。まるで少女のような風貌だが、悪戯めいた笑顔は少年のようにも見える。
1548夜霧が立ち込める、鬱蒼とした森の奥。
ひっそりとした佇まいの小屋から、竪琴が紡ぎだすやわらかな音色が流れて、夜闇に広がっていく。
薄い藤色の翅をもつ小さな生き物が、その優しい旋律に惹かれたかのように、ひらひらと飛んで小屋の窓へと降り立った。
演奏が途切れるのを待って、その生き物は奏者へと話しかけた。
「こんばんは、お兄さん」
「誰だ」
竪琴を抱いた男――――ラン・ワンジーが、短く誰何する。
「シェンシェンだよ!」
シェンシェンと名乗った夜の来訪者は、窓枠からぴょんと跳びあがって、竪琴の上に座った。
――――それは、小さな妖精だった。
大きさは、手のひらに載るくらい。ふんわりとひらめく桃色のケープをまとって、首元には赤いリボンを結んでいる。まるで少女のような風貌だが、悪戯めいた笑顔は少年のようにも見える。
ニノ式 啓水
DOODLE忘羨ワンドロワンライの素敵なお題お借りしました。1時間+? 今回も大遅刻です(;´Д`)
旅に出るとき、藍湛は決してこんな髪型ででかけませんが、髪を描いてたら楽しくなってしまったので、欲望のままに描きました。反省はしていません(
chunyang_3
TRAINING射日の戦いの英雄魏無羨ってつまるところ羿(げい、中国神話の英雄、弓の名手、太陽を落とす)だよなと思ってたんですけど、CQL1話で藍湛がいきなり月見上げてるし、二人の出会いも月見上げてたので、藍忘機って月に逃げなかった嫦娥(じょうが、羿の妻、羿を裏切って不老不死の薬を手に月に逃げる)じゃん!?となった感想のような忘羨知己です。THIS IS 知己(たぶん)Do not repost.
月に昇らじ 夜の風が竹林を通り抜ける囁くような音が聞こえてくる。風の音に藍忘機が琴を弾く手を止め、開け放たれた外へと視線を向けると、魏無羨は軒先から見上げた月の明かりに目を細めながら天子笑を呷っていた。
静室の奥に座る藍忘機がじっと魏無羨の顔を見つめていると、魏無羨が振り向いた。藍忘機の琴の音が止まったことが気になったらしい。
「藍湛、どうかしたのか?」
月明かりに照らされた魏無羨の陰影の濃い輪郭に見惚れながらも、藍忘機は前々から気になっていた疑問を口にした。
「好きなのか?」
「ん? 俺が酒を好きなのは見てれば分かるだろ? 酒ならいくらでも飲めるなぁ」
魏無羨の答えを聞かずとも、彼が酒を愛していていくらでも飲めることは良く知っている。
2362静室の奥に座る藍忘機がじっと魏無羨の顔を見つめていると、魏無羨が振り向いた。藍忘機の琴の音が止まったことが気になったらしい。
「藍湛、どうかしたのか?」
月明かりに照らされた魏無羨の陰影の濃い輪郭に見惚れながらも、藍忘機は前々から気になっていた疑問を口にした。
「好きなのか?」
「ん? 俺が酒を好きなのは見てれば分かるだろ? 酒ならいくらでも飲めるなぁ」
魏無羨の答えを聞かずとも、彼が酒を愛していていくらでも飲めることは良く知っている。
amaneazumaa
DONE双傑に夢を見すぎではとなりつつ夢は見たモン勝ちなので良いんだよとなりつつのとりあえず小説の体裁が完了。そのうち肉付けして校正してまとめてからpixivに上げます。上がる筈。
ともしびを手に 6腹もくちくなりさあ出発と、二人は銅陵を後にして西へと向かう。しかし星の巡りが悪いのか、銅陵を出てしばらくもしないところで、小さな荘が妖怪に襲われている場面に出くわした。
無視する訳には無論いかず、二人して荘に降りたって妖怪退治となった。
村に出た妖怪は欽原と呼ばれる蜂に似た妖怪で、刺されると鳥獣は死に木々は枯れる。さらには群れを作りその数も多いという妖怪である。
剣で一匹一匹を切り殺すのは面倒な欽原は、火を使って退治をする。蜂と同じような薄い羽を火で焼き、地面に落としてから始末をするのだ。手順さえ踏めば時間は掛かるが脅威ではそれ程でもない妖怪である。
退治の手法に倣い二人は符術で欽原の羽を焼いて回っていたのだが、一向に減らない数に魏無羨が悪い癖を出した。効率を上げるべく広範囲を焼いてやろうと、霊符をその場で書き変えたのだ。
4394無視する訳には無論いかず、二人して荘に降りたって妖怪退治となった。
村に出た妖怪は欽原と呼ばれる蜂に似た妖怪で、刺されると鳥獣は死に木々は枯れる。さらには群れを作りその数も多いという妖怪である。
剣で一匹一匹を切り殺すのは面倒な欽原は、火を使って退治をする。蜂と同じような薄い羽を火で焼き、地面に落としてから始末をするのだ。手順さえ踏めば時間は掛かるが脅威ではそれ程でもない妖怪である。
退治の手法に倣い二人は符術で欽原の羽を焼いて回っていたのだが、一向に減らない数に魏無羨が悪い癖を出した。効率を上げるべく広範囲を焼いてやろうと、霊符をその場で書き変えたのだ。
amaneazumaa
PROGRESS少年双傑話の続き。少年藍湛とニアミスしますが今回の話には関わらない。
ともしびを手に 5二人を最後に乗せて橋桁が外されると、夜明けと共に船が漕ぎ出された。未だ薄暗いにもかかわらず、力強く皖河を下っていく船の上は長江沿いの都邑へ向かう人と荷物で混み合っている。
人と荷物をかき分けながら船の端に高く積まれた荷物を見つけると、二人は並んで腰を下ろてし荷物に背中を預けた。
「これでしばらく、身体を休めることが出来るな」
魏無羨は大きく身体を伸ばす。すると今度は演技でなく大きなあくびが出た。
夜通し御剣の術で飛びっぱなしだったのだ。休息を取ったとはいえ気の休まらない山の中だったので、安全な場所で腰を下ろした事により疲労と空腹、ついでに眠気が一気に襲いかかってくる。
隣の江澄も疲れを隠せない顔で乾坤袋から、竹を切って作った水筒と饅頭を二つ取り出すと、一つを魏無羨に投げて寄越した。受け取ってもそもそと饅頭を囓り腹に収めたが、空腹よりも眠気が勝って、もう一つとは手が伸びない。代わりに懐から隠行符を取り出した。
3190人と荷物をかき分けながら船の端に高く積まれた荷物を見つけると、二人は並んで腰を下ろてし荷物に背中を預けた。
「これでしばらく、身体を休めることが出来るな」
魏無羨は大きく身体を伸ばす。すると今度は演技でなく大きなあくびが出た。
夜通し御剣の術で飛びっぱなしだったのだ。休息を取ったとはいえ気の休まらない山の中だったので、安全な場所で腰を下ろした事により疲労と空腹、ついでに眠気が一気に襲いかかってくる。
隣の江澄も疲れを隠せない顔で乾坤袋から、竹を切って作った水筒と饅頭を二つ取り出すと、一つを魏無羨に投げて寄越した。受け取ってもそもそと饅頭を囓り腹に収めたが、空腹よりも眠気が勝って、もう一つとは手が伸びない。代わりに懐から隠行符を取り出した。
amaneazumaa
PROGRESS少年双傑話の続き。少年時代の二人は地元じゃ負け知らずの悪童だと滅茶滅茶思っている。
責任感もまだあんまり無くて結丹したばかりで毎日が楽しくてしゃあない、眩いばかりの黄金時代をこの話は夢見てます。
ともしびを手に 4安慶に向かうべく結託をした二人は、段取りを詰めながら機会を待った。そして二ヶ月が過ぎた頃、江楓眠が清談会で不在の間に夜狩に出ることになった。
夜狩を願い出たのは雲夢の西に存在する木蘭山、その麓にある荘からであった。
山に住まう妖怪が、麓の荘まで降りてきて悪さをするので退治に赴いて欲しいと訴え出る話を江澄は聞きつけると、魏無羨と共に虞紫鳶へと妖怪退治に名乗りを上げた。
腕を上げたいと願い出る二人に虞紫鳶は、二十人の門弟を付けるならばと許可を与えた。
そして江澄が門弟を引き連れる形で蓮花塢を出発した一行は、日がある内に木欄山に到着すると、その日のうちに妖怪は見事退治されたのである。
だがその日のうちと言っても、退治を終えたのは夜もすっかり更けた刻限だ。蓮花塢に戻るのは翌日となり、その日は木欄山の荘に宿を取ることになった。
3139夜狩を願い出たのは雲夢の西に存在する木蘭山、その麓にある荘からであった。
山に住まう妖怪が、麓の荘まで降りてきて悪さをするので退治に赴いて欲しいと訴え出る話を江澄は聞きつけると、魏無羨と共に虞紫鳶へと妖怪退治に名乗りを上げた。
腕を上げたいと願い出る二人に虞紫鳶は、二十人の門弟を付けるならばと許可を与えた。
そして江澄が門弟を引き連れる形で蓮花塢を出発した一行は、日がある内に木欄山に到着すると、その日のうちに妖怪は見事退治されたのである。
だがその日のうちと言っても、退治を終えたのは夜もすっかり更けた刻限だ。蓮花塢に戻るのは翌日となり、その日は木欄山の荘に宿を取ることになった。
amaneazumaa
PROGRESS少年双傑話の続き。この話は夢と希望とねつ造に次ぐねつ造で出来ています。
ともしびを手に 3「長沢からの手紙だ」
手紙を取り上げた江楓眠は、それを魏無羨へと差し出した。思いも掛けぬ江楓眠の言葉に、魏無羨は瞳を丸くすると身体の動きを止める。
「……えぇ、と」
口も固まってしまい、常は過分に回る少年とは思えない、歯切れの悪い言葉しか出てこなかった。
長沢。魏長沢。知っている。
父の名前だ。
江家の家僕であり、江楓眠とは親しい間柄であったということは聞かされている。だから手紙の一つや二つ、残っていても何らおかしくは無いのだ。
しかし魏無羨は今まで父の残したものを、己という存在以外に知らなかった。それが江家に迎え入れられて数年経った今になって急に現れたものだがら、本来であれば喜ぶべき筈なのに酷く戸惑った。
「読んで……良いの?」
3151手紙を取り上げた江楓眠は、それを魏無羨へと差し出した。思いも掛けぬ江楓眠の言葉に、魏無羨は瞳を丸くすると身体の動きを止める。
「……えぇ、と」
口も固まってしまい、常は過分に回る少年とは思えない、歯切れの悪い言葉しか出てこなかった。
長沢。魏長沢。知っている。
父の名前だ。
江家の家僕であり、江楓眠とは親しい間柄であったということは聞かされている。だから手紙の一つや二つ、残っていても何らおかしくは無いのだ。
しかし魏無羨は今まで父の残したものを、己という存在以外に知らなかった。それが江家に迎え入れられて数年経った今になって急に現れたものだがら、本来であれば喜ぶべき筈なのに酷く戸惑った。
「読んで……良いの?」
紫雨(shigure)
MOURNING「明日は君の隣で」忘羨の現代AUで、2人とも大学生という設定です。
女装して街へ繰り出した魏嬰が、藍湛をナンパして男だという事を隠してデートするお話。
もとは前々回のワンライ(お題「誤解」)に合わせて書くつもりだったのに、まったく収まらず…!
明日は君の隣で 廃屋の朽ちた扉に手をかけて中に入ると、左奥の物陰からゆらりと歪な動きの人影が飛び出し、こちらへ近づいてくる。――――――彷屍だ。
魏無羨は、手にした銃の照準を彷屍の頭蓋に合わせると、数回トリガーを引く。彷屍はあえなく崩れ落ちるが、その後ろからも、二体の彷屍が続いて姿を現した。魏無羨は慌てる様子もなく次の彷屍に銃口を向ける。
「お兄さん! 次、右手前から飛び出してくるからお願い!」
「うん、わかった」
呼びかけに応えた藍忘機は、自身の持つ銃を右手前に向け、彷屍が下部から頭を出した瞬間にその頭を撃ち抜くと、そのまま魏無羨に加勢して、襲い来る彷屍にとどめを刺した。
「お兄さんさすが! かっこいい!」
ここでゲーム画面が切り替わる関係で、少しのインターバルがあることを知っている魏無羨は、ここぞとばかりにはしゃいで、藍忘機を持ち上げつつ―――――その内心では、おかしな事になったな、と愉快に思う気持ちと、困惑する気持ちとがせめぎ合っていた。
5459魏無羨は、手にした銃の照準を彷屍の頭蓋に合わせると、数回トリガーを引く。彷屍はあえなく崩れ落ちるが、その後ろからも、二体の彷屍が続いて姿を現した。魏無羨は慌てる様子もなく次の彷屍に銃口を向ける。
「お兄さん! 次、右手前から飛び出してくるからお願い!」
「うん、わかった」
呼びかけに応えた藍忘機は、自身の持つ銃を右手前に向け、彷屍が下部から頭を出した瞬間にその頭を撃ち抜くと、そのまま魏無羨に加勢して、襲い来る彷屍にとどめを刺した。
「お兄さんさすが! かっこいい!」
ここでゲーム画面が切り替わる関係で、少しのインターバルがあることを知っている魏無羨は、ここぞとばかりにはしゃいで、藍忘機を持ち上げつつ―――――その内心では、おかしな事になったな、と愉快に思う気持ちと、困惑する気持ちとがせめぎ合っていた。
amaneazumaa
PROGRESSちょっと出来たので上げ。まだ起なのと子ども双傑をわちゃわちゃさせてるのが楽しいのとで話は進まない。しかしこれは子ども双傑の話なのでヨシ。江おじさんも出てきますが、口調がいまいち分からないのでブレてる気がしてならない。
話題に出てくる少年神は哪吒。
ともしびを手に 2ならば早速ということで、昼餉で同じ卓についた江楓眠に江厭離が願い出ると、彼は鷹揚に頷いて宝物庫に入る許可を三人に与えた。
こうもすんなりと許可が与えられたのは、今日は朝からの用事があり、虞紫鳶が不在であった事がもっともの幸運だろう。
急ぎの仕事は無いからと江楓眠自身も三人に付き合い、四人は揃って宝物庫へと向かう。
江厭離が告げたとおり、外廷と内廷の境には宝物庫が一つあった。
法器を収める重要な倉なのになぜこんな場所にと魏無羨が問うと、怪異には法器が関わっていることが少なからずあり、この宝物庫はそうして押収した法器の中で、危険度が低い品の保管庫も兼ねていると江楓眠は応えた。
「最近は法器や呪符に随分と熱心だと聞いているから、ここの中の品なら持ち出してやれる物があるよ」
2933こうもすんなりと許可が与えられたのは、今日は朝からの用事があり、虞紫鳶が不在であった事がもっともの幸運だろう。
急ぎの仕事は無いからと江楓眠自身も三人に付き合い、四人は揃って宝物庫へと向かう。
江厭離が告げたとおり、外廷と内廷の境には宝物庫が一つあった。
法器を収める重要な倉なのになぜこんな場所にと魏無羨が問うと、怪異には法器が関わっていることが少なからずあり、この宝物庫はそうして押収した法器の中で、危険度が低い品の保管庫も兼ねていると江楓眠は応えた。
「最近は法器や呪符に随分と熱心だと聞いているから、ここの中の品なら持ち出してやれる物があるよ」
名塚@natsuka0331
DOODLE彼中衣を着たうえ藍湛さんに足チラする魏嬰くんです(このくらいのやんわりえち絵を上げるアカウント作ったのでもし気が向いたらフォロー…お待ちしてます…🙇⤵ こっちにも普通に上げるのでマジで気が向いたら…)(@natsuka0331mdzsです)amaneazumaa
PROGRESS双傑子ども時代のネタが降ってきたので書き始めたけども、プロットを最後まで書いたら結構満足してしまい、テンションを上げるべく進捗を上げ。まだ起承転結の起の途中という状況。わちゃくちゃしてる双傑が大好きだという感情がにじみ出て仕方ない。江澄と魏無羨がまだ無謀で無邪気で居られた頃の話。
ともしびを手に 1午前の最後にある座学の途中で、教育係が資料を探しに行くといって部屋から出て行った瞬間、魏無羨は目の前に広げられた教則本を机の脇に追いやると、懐から厚い紙束を取り出して座学とは全く関係の無い書き付けを始めた。
教育係が口を酸っぱくして姿勢を正しくしろと言っても、集中するとつい姿勢が前屈みになってしまう。高い位置で結ばれた一つ結びから髪が頬に落ち掛かるのを払うと、輪郭がまだ子ども特有のまろみを帯びた少年の横顔が現れる。魏無羨は大きな瞳を輝かせながら、紙束に猛然と書き付けていく。
「今度は何を作るつもりだ魏無羨」
一応は真面目に授業を受けていたが、内容は退屈極まりない教則本だったので、隣に座っていた江澄は好奇心のまま、書き付けを覗き込みながら魏無羨に訊ねかけた。
3689教育係が口を酸っぱくして姿勢を正しくしろと言っても、集中するとつい姿勢が前屈みになってしまう。高い位置で結ばれた一つ結びから髪が頬に落ち掛かるのを払うと、輪郭がまだ子ども特有のまろみを帯びた少年の横顔が現れる。魏無羨は大きな瞳を輝かせながら、紙束に猛然と書き付けていく。
「今度は何を作るつもりだ魏無羨」
一応は真面目に授業を受けていたが、内容は退屈極まりない教則本だったので、隣に座っていた江澄は好奇心のまま、書き付けを覗き込みながら魏無羨に訊ねかけた。