七星剣様に甘やかされる?甘えられる?お話 ――目が痛い。
集中して時間を忘れていた。唐突にズキンと痛み涙の滲んでくる目に、瞬きの回数が減っていたことに気付いた。
机の上に置いてある疲れ目用の目薬を点して、目頭を押さえる。
「どうした?」
いつの間にやってきたのか、手を退けて見れば七星剣が立っている。
「ちょっと目が疲れてしまっただけですよ」
溢れた目薬を拭おうとティッシュに手を伸ばせば、手首を掴まれる。どうしたのかと視線を上げると、七星剣は少々険しい顔になっている。多分それは、わかる人にしかわからない程度の表情の変化。それに気付けた自分にひそかに喜ぶ。
しかし。
「……泣いているのか」
低く問われ、頬が引き攣る。もしかして、怒られる? 肩を竦めると、彼の指が目の下を拭ってきた。
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