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    dokuitu

    @dokuitu
    字書きです。何でも書いて何でも食べる(好きなものだけ)

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    dokuitu

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    久々の鯉博 割と本番一歩手前までやってるので一応ワンクッション
    色々捏造&性別あやふや博 昨日フォロワーさんと話したやつです

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    #鯉博
    leiBo

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    はるち

    DONE二人で飲茶を食べるお話
    いつだってあなたと晩餐を アルコールは舌を殺す。
     酒の肴を考えてみれば良い。大抵が塩辛く、味付けが濃い。それは酒で鈍くなった味覚でも感じ取れるようにするためだ。煙草も同様だ。喫煙者は食に興味を示さなくなることが多いと聞くが、それは煙が舌を盲目にするからだ。彼らにとっては、食事よりも煙草のほうが味わい深く感じられるのだろう。
     だから。
     酒も煙草も嗜む彼が、こんなにも繊細な味付けで料理をすることが、不思議でならない。
    「今日のは口に合いませんでした?」
    「……いや、おいしいよ」
     考え事をしている内に手が止まっていたのだろう。問いかけに頷き返すと、そりゃ良かった、とテーブルの向かいで彼が微笑む。
     飲茶に興味がある、と言ったのはつい先日、彼が秘書として業務に入った時のこと。それから話は早かった。なら次の休みは是非龍門へ、と彼が言うものだから、てっきりおすすめのお店にでも案内してくれるのかと思ったのだが。彼に連れられてやって来たのは探偵事務所で、私がテーブルにつくと次から次へと料理が運ばれてきた。蒸籠の中に入っている料理を、一つ一つ彼が説明する。これは焼売、海老焼売、春巻き、小籠包、食事と一緒に茉莉花茶をどうぞ、等々。おっかなびっくり箸をつけてみれば、そのどれもがここは三ツ星レストランかと錯覚するほどに美味しいのだから。
    1791

    はるち

    DONEやり方は三つしかない。正しいやり方。間違ったやり方。俺のやり方だ。――引用 カジノ
    健康で文化的な最低限度の退廃「抱いてくれないか」

     その人が、ソファに座る自分の膝の上に跨る。スプリングの軋む音は、二人きりの静寂の中では雷鳴のように鮮烈だった。こうしていると、この人の方が自分よりも視線が上にある。天井からぶら下がる白熱灯のせいで逆光となり、この人の表情を見失う。
     どうしてか、この世界の生物は良いものだけを、光の差す方だけを目指して生きていくことができない。酒がもたらす酩酊で理性を溶かし、紫煙が血液に乗せる毒で緩やかに自死するように、自らを損なうことには危険な快楽があった。例えばこの人が、自らの身体をただの物質として、肉の塊として扱われることを望むように。この人が自分に初めてそれを求めた日のことを、今でも良く覚えている。酔いの覚めぬドクターを、自室まで送り届けた時のこと。あの時に、ベッドに仰向けに横たわり、そうすることを自分に求めたのだ。まるで奈落の底から手招くようだった。嫌だと言って手を離せば、その人は冗談だと言って、きっともう自分の手を引くことはないのだろう。そうして奈落の底へと引き込まれた人間が自分の他にどれほどいるのかはわからない。知りたくもない。自分がロドスにいない間に、この人がどうしているのかも。
    1606

    はるち

    DONE「どうも私は、死んだみたいなんだよね」
    イベリアの海から帰還したドクターは、身体が半分透けていた。幽霊となったドクターからの依頼を受けて、探偵は事態の解決に乗り出すが――
    「ご依頼、承りました」
    この謎を解く頃に、きっとあなたはもういない。

    という感じのなんちゃってSFです。アーミヤの能力及びドクターについての設定を過分に捏造しています。ご了承下さい。
    白菊よ、我もし汝を忘れなば 青々たる春の柳 家園に種うることなかれ
     交は軽薄の人と結ぶことなかれ
     楊柳茂りやすくとも 秋の初風の吹くに耐へめや
     軽薄の人は交りやすくして亦速なり
     楊柳いくたび春に染むれども 軽薄の人は絶えて訪ふ日なし
     ――引用 菊花の約 雨月物語


    「どうも私は、死んだみたいなんだよね」

     龍門の夏は暑いが、湿度が低いためか不快感はさほどない。先日任務で赴いたイベリアの潮と腐臭の混じった、肌に絡みつくような湿気を七月の太陽が焼き清めるようだった。あの人がいたならば、火炎滅菌だとでも言ったのだろうか。未だ彼の地にいるであろう人物に、そう思いを馳せながら事務所の扉を開けると、冷房の効いた暗がりから出たリーを夏の日差しと熱気が過剰な程に出迎える。日光に眩んだ鬱金の瞳は、徐々に真昼の明るさに慣れる中で、有り得ざる人影を見た。
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