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    dokuitu

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    dokuitu

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    先生お誕生日おめでとうございますな鯉博SS
    いつもにも増して捏造マシマシでしてよ もちろん博の性別は固定してないです

    #鯉博
    leiBo

    From me to you執務室のドアを開けるなり、山盛りの荷物を抱えたリーが入ってきてドクターは思わず「ほう」と呟いた。
    『山盛り』と言うのは誇張でも何でもなく、かなりの長身であるはずのリーの顔が半分しか見えない。
    ドクターの体を抱きしめてなお余るような(これはドクターの体躯が細いせいでもあるが)腕で抱えてそうなっているのだから、その総量は推して知るべしだろう。
    荷物の正体は、ロドスのオペレーター……主に後方支援部の者達や、ロドス艦内で保護された子供達からの誕生日プレゼントである。そう、今日はリーの誕生日なのだ。

    「随分と慕われているようだね、リー」

    「ええ、まあ……。流石にこの数は、おれとしても予想外でしたがね、っと」

    リーはプレゼントの山をそっとソファへと降ろし、隣に腰を据える。
    態度こそプレゼントを抱え続けていたせいで疲れ気味のようだが、纏っている雰囲気は嬉しそうだ。
    己の誕生日の日付すら覚束ないドクターにも、「自分の誕生日を祝ってもらうのは嬉しい」という普遍的な感情は理解できる。故に、いつものようなサボりへの小言も封印して、リーの好きにさせる事にした。

    そのままドクターが仕事に没頭し続けてどれほどの時間が経ったのか。
    いつものように苦い茶を片手に書類仕事を眺めていたリーが、ふと口を開いた。

    「ところで、ドクター。本当にあなたからは……」

    「言っただろう。私が君へ送れるのは言葉くらいだと」

    「そうでしたねぇ……」

    あからさまに肩を落とすリーだが、おそらくはいつもの大袈裟な演技だろう。
    そう邪推しながらも、ドクターは良心の針が自分の背中を突くような申し訳なさを感じていた。

    ロドスでは、オペレーター同士で誕生日を祝う事自体は特に禁止していない。
    むしろパーティー好きのオペレーターが、たまに仲間へのサプライズとして誕生日パーティーを企画するくらいだ。
    主に食堂を貸し切って行われるそれらのパーティーに、ドクターが行く事も特に禁止されてはいない。
    ……だが、ドクターがオペレーター個人に何かを送るという事は、固く禁じられていた。

    より正確に言えば、厳禁と言う訳ではない。「どうしても」と懇願すれば、お目こぼしされる事だってあるだろう。
    少し話は変わるがバレンタインやハロウィンなど、不特定多数へ平等に何かを送るようなイベントは別段咎められていないのだ。
    では、一体何が駄目なのかと問われるならば。

    ドクターという『指揮官』が、特定のオペレーターばかりを贔屓してはならない──という事である。

    理屈は理解できるし、ドクターもその決まりに関しては特に不満はない。
    最初こそ一方的に貰うばかりでお返しもままならない事に心苦しさを感じていたが、今ではこうして仕方ないと開き直る事もできる。勿論、プレゼントの代わりに心を尽くして「おめでとう」と言葉を送る事も忘れない。

    しかし、今回は少しいつもと事情は異なる。
    他の者達に隠している(少なくともドクターは隠し通せていると思っている)とはいえ、ドクターとリーは恋仲なのだ。
    会える日はまばらで、今のような仕事中や人目があるような場所で分かりやすく恋人らしい事はしないものの、それでも情を交わした仲である事には変わりない。
    故に、リーはこう言いたいはずだ。──あなたは、恋人に誕生日プレゼントもくれない薄情者なのですか、と。

    いや、流石にここまでは言うまい。少なくとも、このままストレートに言葉にするような人物ではない。
    けれど、そういったニュアンスを態度や言葉に含ませる事はするだろう。丁度、先のやり取りのように。

    「仕方ないな」とドクターはため息をついた。ドクターとて、いつでも規則を守るような四角四面とした人物ではない。
    ルールが邪魔になってしまうなら、その隙を突けばいいだけの話だ。

    「リー、ちょっと来てくれないか」

    「はいはい、なんですか?」

    ドクターの手招きに応じて、リーがデスクの前まで来る。
    現在、執務室はドクターとリーの二人きり。なのでドクターはわざわざフェイスシールドを外し、眼前の恋人に微笑んでみせた。

    「今日の業務が終わったら、私の部屋においで。そこにプレゼントを用意してあるから」

    「えっ」

    黒眼鏡の奥にある、金色の瞳が丸くなった。
    いつも気怠そうに微睡むか、あるいは余裕たっぷりに笑みを浮かべる瞳にそれ以外の表情が現れる様子は、いつ見ても好ましい。

    「……いいんですか? そういうのは駄目だって言ったのはあなたじゃないですか」

    「そうだよ。ドクターオペレーターにプレゼントを渡せない。けれどね──」

    悪戯っ子が、とびきりの悪戯を仕掛けるように。
    「内緒だよ」と人差し指を口元に当てて、ドクターは言った。


    「プライベートで恋人きみにプレゼントを贈ったって、誰も文句は言わないだろう?」


    「……あなたって、狡い人ですね」

    「おや、今更気付いたのかい?」

    「まさか」

    「そういう所だって愛しているんですよ」と金の瞳が語る。
    軽々しく口には出されない愛の言葉を、目の前の彼はこうして視線だけで伝えてしまう。
    ……伝わってしまうほどにその視線は情熱的で、理解してしまうほどに付き合いは深い。

    「それじゃあ、さっさと仕事終わらせちまいましょう。手伝いますよ」

    一瞬にしていつもの調子に戻ったリーが、いくつかの書類を手に取った。

    「ふふ、常にそうやって熱心に手伝ってくれると助かるんだけどね?」

    「そいつは……善処します」

    二人分の笑い声が執務室に小さく響く。
    勤務終了まであと三時間。今日の仕事はとても早く終わりそうだ。
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    はるち

    DOODLEロドスでダンスパーティーが開かれるのは公式というのが良いですね
    shall we dance「あなたには、ダンスはどのような行為に見えるかしら?手を相手の首元に添えて、視線を交わせば、無意識下の反応で、人の本心が現れるわ」

    踊ろうか、と差し出された手と、差し出した当人の顔を、リーは交互に見た。
    「ダンスパーティーの練習ですか?」
    「そんなところだよ」
    ロドスでは時折ダンスパーティーが開催されている。リーも参加したことがあり、あのアビサルハンター達も参加していることに少なからず驚かされた。聞けば彼女たちの隊長、グレイディーアは必ずあの催しに参加するのだという。ダンスが好きなんだよ、と耳打ちしてくれたのは通りがかりのオペレーターだ。ダンスパーティーでなくとも、例えばバーで独り、グラスを傾けているときであっても、彼女はダンスの誘いであれば断らずに受けるのだという。あれだけの高嶺の花、孤高の人を誘うのは、さぞかし勇気のいることだろう――と思っていたリーは、けれどもホールの中央で、緊張した様子のオペレーターの手を取ってリードするグレイディーアを見て考えを改めた。もし落花の情を解する流水があるのならば、奔流と潮汐に漂う花弁はあのように舞い踊るのだろう。グレイディーアからすれば、大抵の人間のダンスは彼女に及ばないはずだ。しかしそれを全く感じさせることのない、正しく完璧なエスコートだった。成程、そうであれば、高嶺の花を掴もうと断崖に身を乗り出す人間がいてもおかしくない。
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