バンさんRE:BORNそのよん!その日ベンウィックは多くの客人を迎えることとなった。
否、呼んではいないのだが。
リオネスに使いを遣り、ヘンドリクセンを呼んだのはいいが、何故か呼ばれてもいない面子がぞろぞろついてきたのだ。多忙なマーリンと、故人であるエスカノールを除く七つの大罪の面子が勢ぞろいである。けれどもどこから情報が漏れたかなどと、問う者はいない。リオネスの王がメリオダスである以上愚問である。
「おお、懐かしい姿になっちまったな、バン!」
開口一番、そのメリオダスが目を丸くしつつ、そのくせ気安くバンにパンチをかました。
「挨拶代わりの喧嘩禁止!」
この二人の勝手にさせておくと森が吹き飛んでしまう、と危惧したキング、エリザベス、加えてディアンヌまでもが慌てて間に割って入る。
「懐かしいって、何が?」
エレインだけは食いつくように、メリオダスの言葉に反応した。
「ああ、こりゃあ《煉獄の外来種》の姿だ」
「メリオダスもなったっていう?」
と、エリザベス。
「おう。っても、自分がどんな姿だったのかは覚えてないし、バンがどんな形だったのかは知らないんだけどな。バンと再会した時、こいつはもう人間に戻っていたから。しっかし、でかいな〜」
笑いながらメリオダスはバンの脚をバシッ、と叩いた。バンはメリオダスと遊びたくてうずうずしている。それを見かねたキングが《花粒園》で閉じ込めた。
「バンを刺激しないでよ団長。それにしてもなんでこうなったのかもだけど、ねぇ、エレイン……」
「うん、そうなの」
エレインは《花粒園》のドームを撫で、それから魔力のこもったビンタでベチンと叩き割った。
「最初は普通に意思の疎通ができていたんだけど、時間が経つにつれて、うまく言葉が通じなくなってて。なんていうか……そう、まるで赤ちゃんに戻りつつある感じ」