バンさんRE:BORNとおっ! 二人寄り添ってのいつもの朝ごはん。いつも通りだけどいつもと違うバンの容姿。
「あら……バン、貴方」
ふと違和感を覚えたエレインはその原因に思い当たり、目を丸くした。
「縮んでいるわ! 元のサイズに近づいている」
昨日はかなり巨大だった。巨人族であるディアンヌほどではないが、大きな木の中にあるこの部屋に入るのも一苦労だったのだ。お陰で天井いっぱいまであるエール棚の上まで手が届き、彼は酷くご機嫌だった。そして飲みすぎた。さておき、それが今は普段より、頭ふたつ分ほどの高さだ。それでも相当高くはあるが昨日ほどではない。
するとバンは得意げにふんふんと鼻を鳴らし、なんと大きくなった。と、思ったら今度はぐんぐん縮んで子供ほどの大きさになった。
「ええっ! 大きさを自由に変えられるの! きゃあ、小さいバンかわいい〜!」
エレインは自分より小さいサイズのバンを抱きしめ頬ずりし、膝に座らせた。
「私のお膝で食べたらいいわ!」
あーん、と、ちぎったパンを後ろから、バンの鼻面にくっつけた。正直相当食べ辛いが、それよりも幸福感が遥かに勝る。
ふわふわでいい匂いのエレインの膝のお椅子だ!
こうしてバンは初めて、獣の姿ではあるがエレインの膝の上に座り、ほくほくと朝食のひとときを過ごしたのだった。